FPに聞いてみた

不動産のプロ、宅建士資格は不動産投資に活きるのか?

不動産のプロ、宅建士資格は不動産投資に活きるのか?

「こんなにも専門性が高かったのか」という感想を覚えたビギナー不動産投資家は多いことと思います。実際、資金管理から不動産の知識、更には法律の活用のノウハウまで、不動産投資で要求される知識は多いです。

さて、不動産のプロの資格と言えば宅建士です。不動産投資を始めた人には、この資格の必要性を感じた人も多いのでは無いでしょうか。

そこで、ここでは宅建士の資格と、この資格取得が不動産投資に有用であるかを考えたいと思います。

宅建士の資格は不動産を見る上で重要なのかどうか、投資に活きるのかどうかをFPの方に伺ってみました。

不動産のプロ!宅建士とは?

まずは宅建士の資格について取り上げてみましょう。

宅建士とは

宅建士とはどの様な資格で、どの様な仕事をするのでしょうか。

不動産取引の専門家

宅建士とは「宅地建物取引士」の略。不動産取引の専門家の資格で、国家資格となっています。

不動産取引はその規模や金額からしても、他の物品の取引と比較するとケタ違いに大きい物。それだけにミスは許されません。また、単なる商取引とは異なり、建築関連の知識も必須。極めて専門性が高いのです。

この様に不動産取引は極めて重大な取引となるので、取引のために損害を受けることはあってはなりません。プロの仕事が必要で、宅建士はその仕事に当たる専門家なのです。

登録が必要

さて、多くの仕事は資格を取ったその時点で開始することが出来ます。例えば「要普免」などと記載のある職種の場合、免許証を取れば仕事に就くことが可能です。

しかし、宅建士の場合には資格を取っただけでは開始することが出来ません。宅建士の合格に併せて2年以上の実務経験、またはそれに変わる実務講習の終了が必要なのです。

ちなみに、資格の多くは更新手続きが必要です。しかし、宅建士の登録には有効期限は無く、死亡や欠陥要件の該当、監督処分や申出などが無ければ削除はされません。

合格のハードルは高い

先にも挙げた通り、宅建士は国家資格。試験を通らなければなりません。その受験の合格率は低く、例年で15~17%程度となっています。

その様な難関資格であるため、合格するためには専門的な勉強が相当量必要です。

勉強しなければならないのは宅建業法、民法、法令上の制限、そして税金など。どれを取っても専門性が高く、特別に勉強しなければなりません。

ちなみに試験の問題は50問ですが、決まった合格点は無く、大体31~38点が合格ライン。易しい問題が出された時には合格基準点が上がり、難問の場合は基準点が下がります。

国家資格所持者、宅建士に出来ること

この様に宅建士の資格は簡単には取れません。しかし、取るならば可能になる仕事はレベルが違って来ます。

宅建士に出来ること

それでは、どの様な仕事が可能になるのでしょうか。

重要事項説明書の説明

まず挙げられるのが重要事項説明書の説明です。

不動産取引の際には契約者が不動産会社から物件や契約の条件などの説明を受けますが、この説明は誰もが行うことは出来ません。宅建士が対面で説明しなければならないのです。

例えば、不動産投資で1棟マンションなどの大型物件を購入するならば、取引額は数億にも上ります。その様な物件の取引において「聞いてなかった」は済まされず、分かりやすく細かい部分までの説明が必要。ですからプロである宅建士にのみ可能としているのです。

重要事項説明書の記名・押印

不動産には様々な重要事項があります。しかも、それは非常に広い範囲であるため、口頭での説明では理解が簡単ではありません。重要事項説明書が作成されるのは、この説明の責任を残すため。宅建士による記名・押印がされるのです。

この宅建士の記名・押印をもって重要事項説明がされたことを証明するので非常に重要。プロによる確認として記名・押印がされるのです。

契約書面への記名・押印

契約は誰と誰が契約したかを明確にしなければなりません。ハッキリさせるためには契約書にそれを残さなければなりません。契約書の記名・押印はそのために行われますが、これは宅建士によって行われなければなりません。

記名・押印を行うことは、何等かの契約不適合があった場合には、その責任を被らなければなりません。不動産の場合であれば物件の瑕疵などがありますが、この責任を専門家以外の人が負うのは荷が重すぎます。 宅建士にしか契約書への記名・押印が出来ない様にしているのは、この責任から契約者を守るためとも言えるでしょう。

宅建士の資格を持つメリット

宅建士はハイレベルの国家資格です。そのため、不動産投資においても有利となる点があります。宅建士を持つメリットを挙げてみましょう。

宅建士を持つメリット

不動産用語などの理解度が増し、リスク回避などに役立つ

不動産の説明は簡単ではありません。時には専門用語が出て来ることもあり、理解するためのハードルは高いと言えます。

しかし、不動産投資をするためには物件の詳細をしっかりと把握して購入しなければなりません。つまりは専門知識を習得する方が有利なのです。

さて、宅建士は不動産の専門家。難しい用語の意味も理解します。そのため、不動産会社から投資用物件に関する説明を受けた場合にも理解のレベルが違います。間違った物件を購入するリスクを回避するには有用な資格なのです。

法律に関する知識のレベルアップ

不動産投資は入居者に物件を貸して成立するビジネス。そのため、賃貸不動産に関係する法律の知識が必要です。また、入居者対策や保険会社対策においても法律の知識が必要となるでしょう。

さて、宅建士は不動産に関係する法律の専門家でもあります。この資格の勉強をするならば、併せて法的な知識もレベルアップします。

入居者によっては法的な理論武装をして来る可能性もあり、オーナーとしても法的な知識が必須となるケースもあります。宅建士の知識はこの様な時にも有用。不動産の知識を強化すれば局面が有利となり、その意味で資格は役立つのです。

建築の知識が得られる

不動産投資には建築の知識も必要です。建築の知識に乏しいと、物件に問題が発生した時に適切に対処が出来ない場合が出て来るからです。

例えば、物件が老朽化した場合にはリフォームの必要が出て来ますが、リフォームの細かい仕様を打ち合わせるためには建築の知識が不可欠。説明が分からないと、ケースにもよりますが悪徳業者の餌食にもなり得ます。

さて、宅建士は建築においてもプロ。物件の仕様だけでなく、リフォームや修繕に関しても把握します。投資用物件を扱う上では、宅建士の建築面での知識が有用。大きなメリットがあるのです。

信用度が上がる

不動産投資の成功は、高品質でコストを抑えた物件を購入し、入居者に快適な住空間を提供することがカギ。そして、安定した家賃収入のカギのためには必要です。

また、不動産投資は銀行の助力も欠かせません。銀行への信用力も大切と言えます。

さて、その様な高品質の物件の入手や銀行との折衝には宅建士の持つ信用力が物を言います。宅建士は行政に登録している不動産のプロ。公的にも認められるので、それだけ宅建士資格を持つならば信用力も上がり、不動産投資に有利となるのです。

不動産会社の開業も可能

宅建士になると不動産会社の開業も可能となります。

不動産会社として動かすならば、投資家としての人脈だけでなく、他のコネクションは必要となるでしょうが、それだけ大きな利益の享受も可能になるでしょう。

また、入手可能となる情報もホットな物が多くなります。何といってもネットに上がる前のネタを仕入れるのも最速。収益性と競争力のあるパワフルな物件の入手も視野に入るのです。

ちなみに、不動産仲介の手数料は3%+60000円が上限ですが、1億円の取引の場合は306万円の収益となる計算。しかも、それが両手取引だと倍額。非常に魅力的です。

宅建士は不動産投資に必要と言えるのか?

ここでは宅建士が不動産投資に必要かについて考えてみましょう。

宅建士は不動産投資に必要か

必ずしも必要では無い

結論から言うならば、宅建士の資格は不動産投資に必ずしも必要ではありません。

「宅建士資格を取るために時間を割くならば、他の実務や情報収集に時間を割く方が得策」との判断も成立し、仮に資格が無くても実務には影響しないからです。

確かに不動産投資は不動産をベースにする投資ビジネスです。しかし、不動産を扱うことが全部ではありません。キャッシュフローに関する知識、不動産以外の法的知識の習得など、他にも重要な課題も。持ち得る全部の労力を資格取得に掛けるのはベストでは無く、資格が無いままの方が身軽なのでベターとも言えるのです。

有利になる点は多い

宅建士の資格は必要ではありませんが、有利になる点は少なくはありません。

先に挙げたメリットを活かすことが出来れば、物件の購入にも困らないでしょうし、投資に的確な物件選びも楽になることでしょう。

また、物件を見る角度も多角的になり、購入の際に見つかりにくい問題も見抜ける様にもなります。物件を購入する時、立地条件や築年数は気にしても、環境的瑕疵などには想定することが出来ない物も多いです。

やはり宅建士の「目」が必要である場合も少なく無いのです。

この様な多くのメリットを宅建士の資格を手にするまでには得られることでしょう。宅建士資格取得のために注力するのは、手駒を増やせるので、やはり有益なのです。

宅建士以外の有用な資格について

さて、不動産投資には宅建士以外にも有用な資格があります。これらも必ずしも必須とは言えないのですが、その知識は役立ちます。主な物は次の3つです。

  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • フィナンシャルプランナー

不動産投資は不動産に関する知識と金融に関する知識の両方が必要なのですが、以上の資格はそれぞれの分野で不動産投資に通じます。資格取得のためでなく、資格で必要とされる知識を習得すると良いでしょう。

宅建士資格を取るには

前にも挙げた様に、宅建士の資格は簡単に取れる物ではありません。

宅建士資格を取るには

では、宅建士の取得のためにはどの様な勉強をすべきでしょうか。

独学で所得出来る

資格には教育機関の卒業が必要な物があります。良い例が教師などですが、宅建士はこの様な物とは性格が違い、必ずしも学校を出る必要はありません。独学で取得することも十分可能で、取り組んでいる人もいるのです。

実際、書店などに行くと「宅建」と表紙に記載されている参考書を目にします。

ただし、宅建は難関資格の1つで、効率的な勉強を必要とします。また、資格の試験の研究も必要。別な仕事をしながら取得を目指す人には「一層の狭き門」になるかも知れません。

通学講座に通って所得する

宅建士を取ることを目標とした通学講座が開かれています。この様な講座の利用も非常に有効です。

講座の利用で一番のメリットはダイレクトに講義を受けられる点。講師が分かりやすく説明してくれるので、効率良く勉強することが可能です。

また、質問があれば講師に聞いてみるのも簡単。独学だと難しい疑問点の確認も通学の場合は容易です。

この様に通学は資格取得に有利ではあるのですが、全国どこでも開催している訳ではありません。また、通学にも時間が掛かります。地方に住む人には利用しにくい点がデメリットです。

通信講座でも所得は可能

通信講座と言うと、テキストと課題を送りつけられ、その課題を解きながら勉強すると言った様なイメージがあるかも知れませんが、今の通信講座は違います。動画配信などを利用して、非常に中身の濃い講座としているのです。

しかも、講座はスマホで見ることが可能なので、通勤電車や昼休み時間など、ちょっとした時間でも学習が可能。通学の労力を考えるならば、時間の使い方などでメリットがあると言えます。

ただし、質疑応答は方法が限られ、通学講座の様には行かないことも。通信講座の弱点とも言えるでしょう。

まとめ

宅建士の資格が不動産投資において必要であるかを考えてみました。

絶対に必要では無いが、あると有利であることが分かったと思います。

しかし、この勉強の過程で得られる知識は非常に有意義です。「資格の取得」を目的とせず、「不動産投資の勉強の一環」と考え、距離を取って学習するのが良い様です。

他の仕事とバランスを取りながら勉強するのが良いでしょう。

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清水みち代

関東在住の30代女性。 生保代理店で窓口営業に従事していましたが、コロナの影響で休業中。 自宅にいる時間に資格取得に目覚め、通関士、宅地建物取引主任者、FP2級、総合旅行業務取扱管理者の各資格を取得。 将来の目標は、北海道での「田舎暮らし」。

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