利回りについて

利回りについて

不動産投資型クラウドファンディングを利用する上で気になるのは利益ではないでしょうか。

しかしながら、一言で「利益」と言っても何を持って利益と言うべきなのかが分かり難いのも事実です

特に、「利回り」「利率」の関係については分かり辛い部分があると思うので、ここで簡単にではありますが説明をさせて頂きます。

結論からいきなり言ってしまうと、利率とは、額面金額に対し毎年受け取る利子の割合の事を指し、利回りとは、投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合の事を指します。

言葉的には少し似ているのですが、同じ意味では無いので、まずはその辺りをしっかりと知っておく事が重要になってきます。

知っておきたい利回りと利率の違い

まず最初に確認しておきたい事、上記でも少し触れていますが、「利回りは、投資金額に対する収益の割合」の事を指すと言う事です。

利回りと利率の違いについて

ちなみに、この収益の部分には、投資商品を売却した場合に得られる「売却損益」も含まれるので、ここには注意が必要です。

純粋な利息だけでなく、売却した場合の損益も入ってくるので、単純に利息が高いと考えない方がいいでしょう。

「利回り」と呼ばれる場合は、通常は年利回りの事を指すので、そちらも頭に入れておくといいかもしれません。

一方、利率なのですが、債券や預金に対して使われる言葉のため、不動産投資では利率と使われる事は少ないです。

変わりに「分配金」という言われ方をよくするので、そちらを覚えておくといいでしょう。ただし、こちらは「投資信託」で利用される仕組みなので、不動産投資型クラウドファンディングで利用する事は、あまりありません。

利回りについては、不動産投資では利用する事が多いので、しっかりと理解しておいていいのかもしれませんね。

利回りの高い、低いの重要性

利回りは高い方がいいのですが、その際の「リスク」も理解しておいた方がいいでしょう。

利回りが高いと言うリスク

利回りが高いから利益になりやすいとは、手放しで言っていい事ではありません。低いからこそのメリットもありますし、想定される事も多いのです。

不動産投資での利回りはリスクとリターンを指す

不動産投資を始めた方にとって利回りは高い方が良いと思う事も多いかもしれません。

実際に、リターンは多いのでメリットとして捉える事は十分にできますが、メリットがあればデメリットがあるように、リスクが高いからこそ利回りが高いと言う可能性もあるのです。

利回りの計算方法は、以下のようになっています。

利回り = 年間総収入 ÷ 購入額 × 100(%)

これを簡単に解釈すると以下のようになります。皆さんはどう感じるでしょうか?

  • 高利回り物件→年間総収入に対して購入額が低い
  • 低利回り物件→年間総収入に対して購入額が高い

購入額が低いと言う事は、不動産としての価値が低いか、立地などの条件が悪い物件の可能性があります。

高い利回りなのは有利なのですが、入居者が決まらないと言ったリスクもあると言う事は覚えておかなくてはなりません。

考え方を変えるのなら、高い利回りでも低い利回りでもメリットはあるので、どちらがいいのかをしっかりと判断してから投資をするのがいいでしょう。

高利回り物件のリスクについて

目に見えたメリットとして高利回りと言うのは考えられる事が多いのですが、高い利回りの物件にはどういったリスクがあるのかを、細かく知っておく必要もあるでしょう。

高利回りのリスク

高い利回りは投資をする上での指標となるのは間違いないので、高い利回りを否定するつもりはありません。

明らかにメリットですしね。しかしながら投資にはメリットもあればデメリットもあります。そこを知らなければ損をする可能性も高くなってしまうので、高い利回りにも注意は必要でしょう。

  • 空室率が異様に高い
  • 維持管理費用が高い
  • 土地の人気がない・利便性が悪い
  • 前のオーナーが売却を急いでいる

高い利回りを誇る物件を調べてみると、上記のようなデメリット・リスクがあります。一つ一つ簡単にですが見ていきましょう。

空室率が異様に高い

不動産投資をする上でどこで利益を得るのかを考えてみると、「家賃収入」「不動産の売却」のどちらかで利益を得る事になります。

売却は手段として残しておくとして、通常は家賃収入での利益に頼る事になるのです。となると、空室になればなるほど、利益にはならないと言う事です。

空室を減らせばいいのじゃん!と思う方も多いかもしれませんが、空室になる原因にも様々な要因がある為、自分ではどうしようもない事も出てきてしまうのです。

簡単にですが、空室になる要因を見ていきましょう。

そもそも物件の魅力がない

例えば、物件が古い、例えば部屋が狭いなど、自分が住む事を想像してもらえたら分かるのですが、物件としての魅力がそもそも無い場合があります。

不動産投資をする上で不動産について全く知らずに投資をする事は少ないと思いますが、物件としての魅力が無い場合、いくら高い利回りが魅力だとしても、不動産としての価値が少ないので投資はしない方がいいのかもしれません。

初期費用の高さ

利用者側に立った場合、入居を決める際に何を心配するかと言うと「初期費用」ではないかと考えます。

敷金礼金が異常に高く設定されていると、入居率が減る事は多々あります。入居するのにそもそものハードルが高いと言うのはメリットのある案件にはなり難いです。むしろ入居を敬遠される事態になる事が想定されるでしょう。

家賃が高い

初期費用と似ている部分でもあるのですが、月々の家賃設定が高い、特に周辺相場よりも高いとなると入居率は落ちてしまいます。

何かその物件だけの特徴があるのならまだしも、通常のマンション、アパート、戸建てで周辺相場よりも高いとなると、入居率は必ず落ちるでしょう。

少しでも安い所にと言う方は多いので、当然と言えば当然ですね。

設備投資をケチっている

修繕や設備の補強などを安く見積もっていると、そもそもの入居率が減り利益はどんどん下がっていきます。

区分投資では、外壁塗装工事などを自分一人で決める事ができずに、先延ばしになって、どんどん入居率が減ってしまい、工事の資金が捻出できないなど、負のスパイラルに陥りがちです。

修繕費用や修繕積立金などは、普段は不要でもったいない出費だと感じる事もあるかもしれませんが、必ず必要になる事はあると思うので、しっかりと予算として付けておきましょう。

住宅はいくら住むためのものとは言え、見た目のきれいさや、設備が整っているかどうかと言うのは非常に重要です。

利回りが高い上に不動産としての価値が高い物件ではこういった所を抑えていたりもするので、しっかりと物件を自分の目で確かめてみる事をおすすめします。

本当に入居者募集しているのか疑いたくなる

そもそも入居者募集の仕方が足りていないのではないか?と疑問に思える事もあるかと思います。

その辺りは不動産会社か、仲介者等の責任もあるかとは感じるのですが、入居までにたどり着いていないのならば、空室率が異常に高いのも納得でしょう。

周辺の物件との対比

同じ家賃帯で、同じような間取りの物件が新しく周辺に建ってしまうと、空室率は上がります。

同じ家賃帯なら尚更ですが、多少高くても「新築」を選ぶ人は多いです。

周囲にマンションやアパートなどライバルになりそうな物件がたちそうにないか等も投資を始める前に調べておく必要があります。

維持管理の費用が高い

不動産利回りとして利用されているものの多くは、表面利回りです。

表面利回りの計算には、管理維持費だったり、修繕金、修繕積立金の部分は入っていません。

つまりは、利回りが大きくてもその他の費用が多く掛かっているのなら、利益にはなり難いと言う事です。

これは覚えておくと便利なので、覚えておきましょう。

土地の人気が無い、立地条件が悪い

不動産を探す時に皆さんはどういった条件の物件を探しますか?多くの方が鉄道沿線の駅近物件をまずは探すはずです。その方が利便性はいいので当たり前と言えば当たり前ですよね。

郊外になると、駅近く以外の物件は非常に安値で売られている事が多く、こういった物件を利回りが高いからと投資してしまうと、空室率が高く利益にならない事が多いです。

立地条件は不動産投資では死活問題になりかねないので、リスクを避けるのなら一番気にするべき部分でしょう。

こういった立地での投資では、利回りがいくら高くてもハイリスクとなってしまうので十分に注意が必要です。

前オーナーが売却を急いでいる

不動産投資で中古マンションなどの場合に限りますが、不動産を売却するためには長い時間がかかります。

しかし、現金が早急に必要であるなどの理由で早く物件を買い取ってもらうために前のオーナーが物件を安く売り出す場合があるのです。

こういった場合は、資金不足から修繕積立金など緊急時に必要なものを積み立てておらず、修繕が必要な物件であったりする事も多いので、注意が必要です。

まとめ

不動産投資において、利回りは非常に重要な事であるのは間違いありません。高い利回りだとそれだけ利益も増えるので選択するポイントとする事は重要です。

CAUTION
  1. 利回りが高いからと言って必ず利益になる不動産と言う訳では無い
  2. 高い利回りのリスクを知っておこう
  3. 空室になるとどんな不動産でも利益は出せない

しかしながら、選ぶべきは立地が良くや空室率が低い上で、利回りが高い物件であり、単純に利回りだけで決めてしまうのはリスクがあると言う事は覚えておきましょう。

所謂、資産価値をしっかりと見る事が重要になってきます。

利回りについてしっかりと理解しておけば、問題は無いかと思いますが、改めて条件が良く利回りが高い物件での投資を目指しましょう。

トラブルの要因になる部分は決まってきますし、リスクもしっかりと理解しておけば対処する事も不可能ではありません。また、物件によっては許容できるものもあるでしょう。

その辺りも含めてしっかりと自分の目で見て投資したい不動産を決めるのがいいでしょう。