FPに聞いてみた

困った物件、投資用に遺産も無理な不要不動産を購入するとどうなるか

困った物件、投資用に遺産も無理な不要不動産を購入するとどうなるか

遺産を遺すのであれば、現金で遺すよりも不動産の方が節税の面でメリットがあります。しかし、遺されて困る不動産があるのも事実。アパートなどを建てても客付けが見込めず、持て余すこともあると思います。

それでは、その様な不要な不動産は簡単に処分することが可能なのでしょうか。

実は不動産は一般の物品の様には行きません。処分は難しいのです。

そこで、ここでは不要となった不動産の処分について取り上げてみましょう。

使い道のない不要不動産を購入してしまうとどうなってしまうのか。FPの方に聞いてみました。こういったトラブルは購入する前に避けたい所です。

不要な不動産について

物品は簡単に捨てることが可能です。大きな物でもゴミの日に出せば持って行ってくれます。しかし、不動産はゴミの日に持って行くことは出来ません。不動産は不要であったとしても、所有権は簡単に放棄出来ないのです。これは民法に土地放棄の規定が無いことから来る物です。

不要な不動産について

それでは「土地の放棄をしてはならない」と言った放棄禁止の法律があるかと言うと、そうではありません。

つまり、不動産の破棄に関しては、放棄そのものの法整備が無いため、捨てることが出来ないのです。

ちなみに、要らなくなった土地を国が何とかしてくれるかと言うと、国も基本的には何もしてはくれません。言わば「所有権を押し付けられる」イメージになるのです。

不要な不動産を持っているデメリット

では、不要な不動産を持っていると、どの様なデメリットが発生するのでしょうか。

不要な不動産を持っているデメリット

代表的な例を挙げてみましょう。

固定資産税の発生

固定資産税は不動産を持っているだけで発生します。これは不動産投資の物件の様に収益を上げる物でも、そうでない物でも掛かって来ます。そして、これは完全に役に立たない不動産であったとしても例外ではありません。

固定資産税は資産価値によって税額が左右されます。そのため、価値の無い土地の場合はあまり多くならないかも知れません。しかし、無駄な税金は大きな損失です。

ちなみに、物件に家屋があるかどうかでも税金が異なります。家屋がある場合は優遇措置が受けられますが、無い場合には受けられず、税金は膨らんでしまいます。ですから役に立たず、しかも売れない空き地があるならば、経済的に非常に良くない存在になってしまいます。

不要でも管理は必要

不動産には管理が欠かせません。それは建物の有無に関係無く必要です。

建物がある場合には、その老朽化と共に危険性が増します。特に築年数が経ち過ぎた木造の物件は、倒壊の危険性すら出て来ますので危険です。安全性の確保のためにも管理は必要となるのです。

そして、これは建物の無い空き地の場合も同じです。空き地には建物の倒壊の様な危険性は考えられないのですが、別な危険性も発生し、多くの不都合が発生するのです。

住まない家は猫などの小動物が棲み付く

不動産が不要になり、空き家や空き地になってしまうと、猫をはじめとした小動物が棲みついてしまいます。

猫などの場合には、その不動産の中で増えてしまい、近隣に迷惑を掛けることになってしまいます。猫は繁殖力が強く、1度に6~8匹も出産し、しかも次の妊娠まで期間を置かずに可能となる動物です。近隣からのクレームにもなり得る問題です。

ちなみに、最近ではペット用として輸入された外来種の動物が街中で見られます。その様な動物に不動産の中で増えられると、やはり厄介なことにもなり得ます。

害虫の発生リスク

不動産を放置していると、害虫の発生も出て来ます。

不動産の中で発生し得る害虫は様々です。良い例がハエ。ハエは猫などの小動物の糞で増えます。言うまでも無く、ハエの発生は衛生上の問題となります。

また、ハエの他にも危険な害虫が居ます。代表例がハチ。特にスズメバチが発生すると危険です。スズメバチは家屋の天井裏などに巣を作ることもあり、放置しておくと巣が大きくなってしまうため非常に危険。駆除も専門業者に頼むことになるために費用が発生します。

ゴミの不法投棄リスク

誰も管理しないと言うことは、誰の目にも止まらなくもなり得ます。その場合に懸念されるのが、ゴミの不法投棄です。捨てられたゴミは腐敗し、害虫などの発生源にもなり得ます。

ちなみに、一旦ゴミが捨てられ始めると、不法投棄は重なってしまい、敷地内にゴミが散乱することもあります。そうすると掃除をするのにも多額の費用が発生します。ダメージは大きいです。

火災発生のリスクもある

ゴミには自然発火する物もあります。ですから、不要となった不動産にゴミが捨てられた場合など、そこから発火して火災になることもあるのです。

ある種のゴムやプラスチックには劣化する際の化学反応で熱を持つ物もあり、その発熱を放置しておくと発火も起こり得ます。しかも、その周囲にあるゴミには可燃性のある物もある場合、火が燃え移ってしまい、火災に発展するのです。

尚、この土地が接道条件を満たしていない場合は問題は大きくなり得ます。と言うのも、消防車が入りにくいことも有り得るからです。

不要な不動産を手放す方法

先にも述べた通り、不動産は不要になったからと言って捨てることは出来ません。

不要な不動産を手放す方法

しかし、所有権の放棄が完全に出来ない訳では無く、手放すことは実は可能です。

では、不動産を手放すにはどの様な方法があるのでしょうか。

売却

売却は不動産を手放す上で最もポピュラーな方法です。そして一見すると役に立たない物件であっても買ってくれることもあります。ですから、不動産の処分に困った場合には不動産会社に最初に相談するべきでしょう。

ただし、売却しようとする不動産が必ずしも高値を付けるとは限りません。今は多くの不動産会社があるため、売却先も選べるかも知れませんが、基本的には価格は上がらないと考えるべきでしょう。

ちなみに、今はネットで瞬時に不動産会社を探すことが出来ます。不要な不動産を買ってくれる会社を探すことも、それほど難しくは無いと思われます。

譲渡

不動産を手放す手段は売却だけではありません。譲渡をして手放す方法もあります。

自分には不要と思う様な物件であったとしても、第三者から見れば魅力的に見えることも無い訳ではありません。この様な場合には譲渡がベストの取引になるので良いと思われます。

ただし、不動産の譲渡には税金が発生します。どれくらいの税金になるかを確認し、双方の負担割合についても話し合っておく必要があります。

寄付

不動産は寄付することも可能です。

不動産の寄付と聞くと、自治体が相手の様に思えるかも知れませんが、自治体が土地を受け取ってくれることはほとんどありません。

ところが、その様な物件であったとしても法人が受け取ってくれるケースもあります。法人の場合、不動産の使い道を住居とするだけではありません。オフィスの場合もあるでしょうし、施設の設置もあるかも知れません。

尚、どこに寄付をするかによって、税金の発生が異なります。例えば会社などの営利法人であれば税金が発生しますが、NPO法人や学校などであれば社会貢献と認められて納税を免除されることもあるのです。

相続を放棄する

不動産を親から譲り受けるケースは少なくありません。不動産での遺産相続は現金や有価証券の相続よりも、相続税の点でメリットが大きいからです。

しかし、相続される土地が必ずしもメリットばかりとは限りません。世代が変わると不便に感じるケースもあるのです。

その様な場合に可能なのが相続放棄。親世代からの遺産相続を放棄してしまい、不動産も併せて放棄してしまうのです。

ただし、相続放棄をするならば全部の遺産を放棄しなければなりません。仮に現金や有価証券を併せて持っていた場合、現金や有価証券だけを相続して不動産は相続しない…といった手続きは不可能。不動産を要らないと思うならば、全部を捨てると認識しなければいけません。

業者に相談

不要な不動産の買取をしてくれる不動産会社があります。

これは再建築不可物件や不成形地など、一般では扱いにくい不動産の活用を得意としている会社です。通常は扱いにくい物件を買い集めて分筆するなどして、事業を成立させている会社です。独特のノウハウを持っているので、不動産の処分には強い味方になります。

ネットで調べれば簡単に見つかるので、相談してみましょう。

尚、この様な不動産会社は複数あります。会社によって査定が変わることも有り得るので、複数の業者へのアプローチがおすすめです。

空き家バンクの活用

不動産を処分することとは少し性格が異なりますが、空き家バンクへの登録も有用です。

空き家バンクは空き家を探す際に使えるサービス。自治体が主体となって運営するので、安心して利用が出来ます。

空き家は全国規模で問題になっていて、存在の情報発信も出来ていないことが多いです。しかし、空き家バンクを利用するならば、全国の空き家を探す人に情報を届けることが可能。売却の可能性も出て来ます。

活用の難しい物件にはどの様な物があるか

不動産が不要となるプロセスは個人の都合にもよるのでケースバイケースになるのですが、「活用の難しい物件」が不要になる傾向が高いです。使い勝手の良い土地であれば売却が可能ですし、貸すことも出来るからです。

では、どの様な不動産が活用がしにくくて敬遠されるのでしょうか。代表的な例を挙げてみましょう。

再建築不可物件

第1に挙げられるのが再建築不可物件。これは一旦建物を壊してしまうと、再度の建築が認められません。建っている建物のリフォームなどは可能ですが、それでも敬遠されてしまいます。

そのため、物件の価格は非常に安くなってしまい、それでもなかなか買い手が見つかりません。

ただし、再建築不可物件の処理の上手な不動産会社も存在します。その様な会社に相談するのが良いと思われます。

古過ぎる家屋のある土地

築年数の経った古い物件のリノベーションは流行っているのですが、すべての築古物件で可能とは限りません。状態が悪すぎて解体する方が良い場合もあるのです。その様な物件の場合は解体コストが発生するため、あまり喜ばれない物件になってしまいます。

しかも、その場所の接道条件が悪くて重機の侵入が困難であれば、建物の解体の作業も大変になり、解体コストも更に上がってしまいます。人気が更に無くなり、持て余してしまうのです。

尚、古過ぎる木造の建物があり、しかもそこにゴミが積まれていたりすると、そのゴミが自然発火をして火災も起こり得ます。古い家屋は実は危険なのです。

不整形地

土地は長方形や正方形であれば、建物も建てやすいですし庭も造りやすいです。しかし、形が悪い場合には建物のプランニングも簡単では無くなり、敬遠されやすくなります。

例えば長い三角形の土地の場合、建築出来る建物にも相当な制限が発生します。家が三角形になってしまい、部屋の形も歪んでしまい得るのです。

快適な家造りを考えるならば、その様な土地は不向きです。やはり持て余してしまいます。

山林

山林は活用が困難な土地です。多くの人が敬遠します。

山林は活用が難しいだけではありません。問題を起こすことも有り得ます。

例えば、傾斜が急な場合には崩れるリスクも発生します。仮に小規模であったとしても、土砂災害は立派な事故です。

また、竹林などがあった場合には広がってしまうことも有り得ますし、マムシなどの有害な生き物も現れます。そうは言っても所有する限りは管理が必要。持っているだけで大変なのです。

まとめ

不要とされる不動産の処分などについて取り上げてみました。不動産の処分が簡単で無いことが分かったことと思います。また、何もせずに放置することもリスクが大きいことも理解出来たことでしょう。

不動産は一旦放置してしまうと、時を経ない内に荒れて行ってしまいます。不要な場合には売却や譲渡などをする方が良いかも知れません。ただし、それはあくまでもケースバイケース。事情に合わせて対処をしましょう。

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清水みち代

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