昔であれば、会社員の給料は勤続年数を積み重ねれば半ば自動的に上がった物ですが、今はそれが難しくなっています。そんな中でクローズアップされるのがサイドビジネスです。
さて、そこで人気が出て来たのがサイドビジネスとしての不動産投資。マスコミも様々な場所で取り上げていて、「これであなたも不労所得を手に入れられる」と言うような宣伝も見かける程です。
では、不動産投資は本当に不労所得になるのでしょうか。
もくじ
巷に見られる情報商材
本当に不労所得になるかを考える前に、世間に出ている不動産所得の情報商材について振り返ってみましょう。
初心者でも簡単な投資
不動産投資の情報商材の広告は様々な場所で見かけます。例えば、新聞広告にもありますし、ネットの広告にも出ています。そこでは不動産投資が「初心者でも簡単な投資」と語られているのを見かけます。
その記載を見るならば、投資用の物件を購入すれば入居者が自動的に入ってくれる…様にも見える訳です。
これは確かに魅力的。物件の購入には確かに費用が必用ですが、銀行融資を使うならば、その問題もカバーが可能と取れるからです。
その様な情報のため、「物件を購入が出来さえすれば、あとは完全な不労所得」にも見えて、初心者であっても簡単な様に見えて来るのです。
サラリーマンの副業として最適
サラリーマンの生活は多忙を極めます。月に60時間とか80時間とか、まるで滅私奉公の様な生活を送る人も少なく無いでしょう。
しかも、人によっては仕事を家に持って帰る始末。まさに「仕事地獄」です。
そんな中で「物件を購入しさえすれば不労所得になる」と言うニュース。
しかも「忙しいサラリーマンに最適」との文言。更には「家賃収入得る」という簡単なビジネスモデルが見えるだけ。それを見て「自分に最適な副業」と判断するサラリーマンも多いこととも思われます。
資産になる
不労所得とはあまり関係はありませんが、情報商材を見ると、不動産投資のメリットとして、物件の資産化についても語られているのを見つけます。
投資用不動産として購入したアパートやマンションは、そのまま自分の資産となると言う訳です。
そして、その資産は子供に受け継がれ、次の世代でも引き続き家賃収入を得ることも可能。しかも、不動産で遺すのであれば相続税対策にもなり、まさに一挙両得とも言える資産にもなると語られるのです。
節税や保険の代わりになる
節税や保険代わりになるとも紹介されています。
節税としては所得税や相続税が謳われるのです。所得税の節税はサラリーマンの立場だから可能な技。相続税は資産評価から可能となると言われます。
また、保険は団信が生命保険の性格を持つとのこと。いずれの記載も非常に説得力があり、魅力的にも見えます。
不労所得にする条件
不動産投資を不労所得にする条件には、どの様な条件が考えられるのでしょうか。
不動産投資をスムーズに進める状況に照らし合わせながら、条件を挙げてみましょう。
条件1【資金管理をしてくれる】
不動産投資は入居者からの家賃で成立するビジネスです。その一方で、銀行融資の返済や物件のランニングコストなどを支払わなければなりません。そして、これらの資金は管理が必要で、意外に神経を使う仕事です。
さて、不動産投資を不労所得にするためには、これらの資金管理が誰かに任せられ無くてはなりません。
資金管理を的確にして、利益を確実に残してくれることが不労所得にする条件なのです。
条件2【入居者を探してくれる】
不動産投資は物件を購入すれば入居者が勝手に入って来る物の様なセールストークを聞くかもしれませんが、これは全面的には当たってはいません。
と言うのも、積極的な入居者募集をしなければならない局面があるからです。例えば入居者が突然退去して空室となってしまった場合です。
確かに新築の立派な物件であれば入居者は入りやすいかも知れません。しかし、築年数が経って行くと客付け力も落ちることもあり、空室リスクも上がります。
そこで必要なのが入居者探しを誰かに丸投げ出来ること。これが不労所得にする条件と言えるのです。
条件3【物件管理を丸投げ出来る】
不動産投資には物件管理が必要です。
建物には定期的なメンテナンスが必要ですし、状況によっては部屋単位のリフォームも必要。更には大規模な改修工事も必要となるのです。
これには意外に労力が必要です。廊下やエントランスなどの軽微な改修であれば問題は小さいかも知れませんが、大規模改修になると大掛かりな工事が必要だからです。
さて、不労所得にするためには、これらの管理業務を誰かに丸投げ出来る環境が必要です。そして、丸投げをした後での手残りが無いとビジネスは成立しません。
条件4【リスクに対応してくれる】
不動産投資にも様々なリスクが付いてまわります。
例えば、空室の発生や火災などの災害。不労所得にするためには、これらのリスク対応を任せられなくてはなりません。
具体的には空室発生の予防や入居者の募集。災害発生時の保険の手続きなど、意外に広い範囲の対応が必要。それらを的確に、しかもスムーズに遂行しなければ不労所得化は難しいのです。
条件5【税金対策をしてくれる】
不動産投資にも税金は掛かります。大きな物では固定資産税や所得税、そして住民税などが挙げられます。
これらの税金も管理されなければなりません。そのためには経費や物件の減価償却なども意識されなければならないでしょう。
税金には累進課税の物があるので、経費などの判断は確実で無ければならないのです。
そして、不動産投資を不労所得化するためには、税金に関しても丸投げ出来なければ成立しないのです。
不動産投資の仕事
では、不動産投資の実際の仕事には、どの様な物があるのでしょうか。
不労所得にするためには、これらの仕事を委託するなどして遂行しなければなりません。
ここでは、不動産投資に関係する主な仕事を挙げてみましょう。
入居者の募集・審査
不動産投資は入居者からの家賃によって成立するビジネス。ですから、入居者の募集をしなければなりません。また、入居者との契約は審査を経て行います。
さて、入居者との契約は法的に非常に重い効力を持ちます。そして、一旦契約をしてしまうと簡単には解約が出来ません。
そのため、入居者の審査は厳重に行われなくてはなりません。家賃滞納などのリスクも関係するため、大切なのです。
物件の管理
不動産管理も非常に大切です。
家賃は物件での生活に納得して支払う費用とも言えます。ですから、仮に物件に不満を持つならば退去のリスクが発生。場合によっては空室にもなり得るのです。
それを防ぐためには、やはり物件の管理が大切。生活空間を良い状態で保たなければならないのです。
入居者の管理
入居者の管理も大切です。
仕事としては、家賃の集金や契約更新などもありますが、トラブルへの対処も含まれます。
例えば、頻繁に見られるトラブルには騒音の問題がありますが、この様なトラブル対応は管理者の仕事となります。
不動産投資を不労所得としようとするならば、これらの仕事の委託も必要となります。
リフォーム
不動産は年月が経てば老朽化してしまいます。物件の耐用年数は法定耐用年数よりも長いのが一般的ですが、老朽化を抑えることは、ある程度は不可能です。
物件が老朽化してしまうと外観がボロボロになるだけでは無く、設備の故障頻度も増えてしまいます。今の設備は非常に長く持つのですが、設備メーカーでは耐用年数の目安を10年としているので、更新を検討しなければなりません。
つまり、リフォームが必要となるのです。
リフォームは「どの様な仕様にするか」「いくらまで費用を掛けるか」を考えなければなりません。特に重要なのが費用の問題。利回りにも響くので重要なのです。
そのため、不動産投資を不労所得とするならば、リフォームに関しても委託することが必要なのです。
キャッシュフロー管理
不動産投資は多くの場合、銀行融資を利用して投資します。そのため、毎月の返済が発生します。
また、物件のメンテナンスにも費用が必要ですし、保険なども費用が必要です。そしてリフォームなども費用が必要。不動産投資ビジネスは多くの資金が動くのです。
その様な背景があるため、不動産投資ではキャッシュフローの管理が重要。経営を健全にするためにも管理は不可欠なのです。
尚、キャッシュフロー管理は人任せにすることが非常に難しい部分。不労所得化が難しい部分と言えます。
不動産投資の不労所得化は簡単に出来るか
それでは、実際に不動産投資の不労所得化は簡単なのでしょうか。
不動産管理会社は頼りになる存在だけど
先にも挙げた様に、不動産投資を健全な状態で続けるには、入居者や物件の管理が非常に重要になります。仮に、これらの管理が上手く行かない場合には、空室だらけになってしまい、経営が困難になりかねません。
しかし、それらの管理業務は不動産管理会社が請け負ってくれます。不動産管理会社は家賃の集金を始めとする入居者対応から、物件の修繕などの仕事、そしてトラブルの解決までを引き受けてくれる非常に力強い味方です。
そのため、不動産管理会社の仕事が良ければ、不労所得に近づけることも出来るでしょう。
ただし、不動産管理会社も良いところもあれば、それなりの仕事しか出来ないところ、様々です。ですから、良い管理会社を探し当てることが、不労所得化させる近道になると思われます。
不労所得化は簡単では無い
それでは、冒頭に挙げた情報商材の様な「物件を購入が出来さえすれば、あとは完全な不労所得」となるのでしょうか。
これは「半分くらいがアタリ、もう半分はハズレ」くらいになりそうです。
と言うのも、投資家自身がしなければならない仕事がゼロにはならないからです。
例えば業者の起用や契約の業務、そしてキャッシュフロー管理や銀行対策は投資家自身がしなければなりません。
また、リスクの管理なども投資家の仕事として残ることでしょう。
これらを考えるならば、可能となる不労所得化は限定的であって、完全な不労所得化は簡単では無いと言えそうです。
様々な勉強が必要
冒頭にも挙げた通り、不動産投資の情報商材を見ると、初心者でも簡単な様にも見えてしまいがちです。しかし、資金管理にしろ不動産管理にしろ、覚えなければならない知識は非常に多いです。
また、不動産投資に関係する法律なども変わって行くため、情勢を観察し続けなければなりません。他にも金融関係の情報も流れますし、不動産投資会社の情報なども流れます。
そのため、不動産投資家は常日頃から勉強と情報収集に努めなければなりません。重要な情報を聞き損ねると、損しなければならない状況もあり得るのです。
サブリースの可能性
ところで、ここで考えたいのがサブリースの可能性です。
サブリースは不動産管理会社に1棟丸ごと貸して、管理会社が入居者に又貸しする契約形態。投資家自身は利益を受けるだけで、ほとんどの仕事が丸投げにすることが可能です。しかも長期間の家賃保証も付きますし、リスクも不動産管理会社が負ってくれます。
しかし、サブリースに関しては不動産管理会社からの解約や、家賃の値引き交渉など、問題はいくつもあるため不安は払拭出来ません。
ですから、サブリースで不労所得化を検討するならば、入念に業者を調べなければならないことになるでしょう。
まとめ
不動産投資の不労所得化について考えてみました。情報商材に載ってる程に簡単では無いことがイメージ出来たことと思います。
その一方で、不動産投資の仕事の多さを改めて確認出来たことと思います。
多くの人にとって不労所得は非常に魅力的です。しかし、その道は意外に簡単では無く、多くのハードルを超えなければなりません。簡単では無いと覚えるべきでしょう。
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