FPに聞いてみた

利回りだけで選んで良いのか?不動産小口投資と他の投資

利回りだけで選んで良いのか?不動産小口投資と他の投資

不動産投資や株式投資の目的は収益です。そのため利回りを考えずに選ぶ訳には行きません。仮に利回りを考えずに決めたならば、収益が上がらず、時間の無駄になってしまいます。

それでは、投資を選ぶ際には利回りだけで選ぶべきなのでしょうか。「利回りだけ」と聞くと、疑問に思う人も少なくないとも思います。

そこで、ここでは不動産小口化商品と他の不動産関連の投資を比較して、利回りだけで選んで良いのかを検証したいと思います。

利回りだけで不動産小口投資は選んでいいのでしょうか?他の投資も利回りだけで選ぶと言うのは避けるべきではあるのですが、何故避けなくてはならないのかをしっかりと知っておきましょう。FPの方に詳しく聞いてみました。

投資ビジネスの前提条件

利回りについて述べる前に、投資ビジネスの前提条件について再確認しておきましょう。ここではリスクとリターンの関係を取り上げます。

投資ビジネスの前提条件

リスクの無い投資は無い

まず挙げられるのが「リスクの無い投資ビジネスは無い」点です。

実際、不動産小口化商品、不動産クラウドファンディング、不動産投資信託など、いずれの投資においても「元本割れのリスクはある」と説明書には記載しています。

また、実物不動産投資の場合も、物件に入居者が入らなかった場合には毎月のローンだけが残り、大損をしてしまいます。また税金も納めなければなりません。利回りを圧迫する要因は多いのです。

ですから、利回りを考える場合には「大きく低迷してしまう事態」も考えなければなりません。リスクを無くすことは出来ないのです。

リターンが高ければリスクも増える

次に挙げられるのが「リスクが上ればリターンも大きくなり、リスクを抑えればリターンも小さくなる」という点です。

これは国内不動産投資と海外不動産投資を比較すると特徴が如実に出ます。後述しますが、国内不動産投資よりも海外投資の方が利回りでは魅力的です。しかし、海外投資の場合には、為替変動のリスクがありますし、政治の安定性もリスクになり得ます。海外不動産投資の方がリスク要因は多いのです。

ちなみに元本が確保されているのは銀行預金です。こちらは元本を割るリスクが無い一方で、リターンとなる利子は非常に低いです。ローリスク・ローリターンの典型と言えるかも知れません。

利回りの比較

ここで、不動産関連の投資ビジネスの利回りを比較してみましょう。

利回りの比較

不動産小口投資

不動産小口化商品の利回りは3~5%が一般的です。ただし、この利回りは想定のレベルであって、実際には変動することもあります。

さて、不動産小口化商品は不動産のプロによる物件の運営です。投資家は物件の運営にはタッチしないのが特徴。投資家としては不動産のプロに運営を任せられる点が魅力の1つです。

不動産小口化商品を扱う事業者は一般の投資家よりも不動産の知識に長けています。しかし、物件の運営が必ず上手く行くとは限りません。また、物件の選定も事業者が行うのですが、絶対に儲かる物件はありません。更には、思わぬアクシデントで物件の収益性が落ちてしまい、利回りも落ち込むこともあり得るのです。

実物不動産投資

実物不動産投資の利回りは非常に幅が広く、5%レベルの物から15%の物までが目安。ただし、これは一般的な数字であり、投資家によっては20%レベルの成績を叩き出す人もいます。例えば、ボロボロの築古物件を購入してコストを下げながらリフォームを上手にするケースです。

しかし、利回りを上げられないケースが多いのもあり、5%を下回ってしまう状況も多くあります。更には収益が悪化してしまい、ローンだけが残る事態もあり得るのです。

ちなみに利回りは投資物件のある地域によっても異なり、人気のある地域では高くなり、それなりの場所では低くなる場合が多いです。

不動産投資信託

不動産投資信託は運用を事業者に委託して、その利益を分配する投資です。運用を事業者に委託する点では不動産小口化商品に似ています。不動産投資信託の利回りは年間で4%程度が多いです。

不動産投資信託の収益は分配金と基準価額変動によって発生する利ザヤによる物。投資のタイミングにより分配金も基準価額も変動し、収益も変わります。

ちなみに、不動産投資信託はマンションなどの住居系不動産だけでなく、ホテルやショッピングセンターの様な物件への投資も行います。また、複数の物件に分散して投資をするので、リスク対策もしっかりしています。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングは事業者が不動産を運用して、その利益を投資家に還元する物です。不動産の所有権や運用期間などは不動産小口化商品とは異なりますが、事業者に委託する点では同じです。

不動産クラウドファンディングの利回りは年間5%前後です。ただし、不動産クラウドファンディングは短期間の物が多いため、長期間掛けて資産を作るためにはファンドの乗り換えが必要です。

尚、不動産クラウドファンディングは非常に人気が高く、供給が需要に追い付いていない状況です。そのため、ファンドの乗り換えが上手く行かないケースもあり、連続的な資産形成が難しい場合もあります。

海外不動産投資

海外不動産投資は利回りが国内不動産投資よりもグンと高く、年間10%レベルの物があります。しかも物件の購入費用も大きく抑えられるなど、大きな魅力が多いです。

ただし、海外の物はデメリットも少なくありません。現地を見ることが非常に困難ですし、言葉の壁も高いです。また、現地のニュースもなかなか入って来ませんし、為替変動などにも注意が必要。…国内不動産投資よりも利回りが期待出来るのですが、その分だけリスクを被らなければなりません。

ただ、今では海外不動産投資に強いエージェントがいます。業者の良し悪しはありますが、物件購入から運用まで任せられます。

利回り以外にも考えたい点

この様に投資の種類によって利回りは異なります。そして、その情報のみから考えると、海外不動産投資が1番です。

利回り以外にも考えたい点

しかし、前述の様に海外投資は為替や言葉の壁など、多くの高いハードルが存在します。やはりハードルは高いです。

このことから、投資は利回りだけで選ぶべきではないと判断出来ます。他にも検討要素はあるのです。

それでは、投資の種類を決めるためには利回りの他にどの様な点を考えるべきなのでしょうか。

投資期間を考える

投資期間は種類によって異なりますので、期間を最初に決めた上で種類を決める方がベターです。例えば、短期間で換金する必要があるのであれば、不動産クラウドファンディング、長期間掛けて資産形成をするのであれば不動産小口投資、という具合です。また、次世代まで持ち越すのであれば、実物不動産投資も良いと思われます。

尚、換金のタイミングは人生設計にも関係して来ます。例えば子供の学資を考える場合には子供が小さい内に長期間の投資のスタートをする、というイメージとなります。

リスクを考える

先にも挙げた様に、投資にはリスクが付き物で、高いリターンを狙うならば高いリスクも付いて来ます。これは不動産投資であっても同じことです。

さて、リスク要因と大きさは投資によって変わります。例えば、不動産投資信託であれば投資先やタイミングを分散させているので、比較的リスクに対しては強いです。しかし、不動産小口投資や不動産クラウドファンディングの場合は投資対象が1つであるため、分散されず、投資先の不動産にトラブルが発生すれば収益にも影響が出ます。

ビジネス全体を守るためにはリスク対策は非常に重要。利回りと共にリスクも考えておくべきでしょう。

必要となる労力を考える

投資を選ぶ際には投資家の「労力」についても考えておくべきでしょう。

と言うのも、投資の種類によっては多くの労力を割かなければならないからです。

例えば、実物不動産投資の場合には物件探しだけでなく、不動産管理や銀行対策、そして税金対策なども考えなければなりません。その点、不動産小口投資や不動産クラウドファンディングの場合は事業者に一切を任せられますので、投資家の労力は必要ありません。

投資は利回りだけを考えるのでは無く、トータルの労力も併せて考えた方がベター。それぞれの投資に発生する労力をチェックするのがおすすめです。

税金を考える

投資ビジネスには税金が付いてまわります。そして、税金は投資によっても異なるため、投資を選ぶ際には検討に入れるべきです。

例えば、実物不動産投資の場合には購入の時には不動産取得税をはじめとする各種税金、運用中は所得税や住民税、更には固定資産税も発生します。その一方で、不動産小口投資はそこまでの税金は掛かりません。 投資のキャッシュフローを考えるならば税金の検討も必要。投資の種類検討には税金も考えに入れるべきなのです。

所有権について考える

投資を選ぶ時には所有権についても検討すべきでしょう。

と言うのも、所有権は次世代に遺す資産に影響するからです。

例えば、不動産小口化商品や実物不動産投資の場合には、物件の所有権は投資家にあります。ですから、次世代に遺すことが可能です。

その一方で、不動産クラウドファンディングや不動産投資信託の場合には、オーナーは所有権を持たないので有価証券で遺すことになります。

ちなみに、その違いによって相続税が変わります。前者の方が資産評価の点で有利であり、節税になるのです。

物件の老朽化を考える

不動産は老朽化も考えなければなりません。と言うのも、物件は老朽化すると収益性が落ちてしまうからです。投資用不動産は確かに中古の方が新築よりも利回りの点で有利です。

しかし、古くなり過ぎると、そもそもの客付け力が落ちてしまい、収入が見込めなくなるからです。

ですから、不動産小口投資や不動産クラウドファンディングの場合は、不動産の老朽化に関しても検討しておくべきでしょう。特に不動産小口投資は長期間の運用となります。長い目で見ることが大切です。

物件の売却を考える

不動産投資は物件の売却についても考えに入れる方がベター。投資用物件は小口化されていたとしても高額で、売却額は無視出来ないからです。

さて、不動産投資には売却可能な物としない物があります。例えば、実物不動産投資の場合は購入を希望する人が現れたならば、そのまま売却が出来ます。また、不動産小口化商品の場合も規約内であれば売ることが可能です。

その一方で売却が出来ない物があります。良い例が不動産投資信託、ファンドが物件を持つので投資家はタッチせず、配当と評価額の値上がり分を取ります。

投資を選ぶ際には利益の全体を捉えることも必要。売却についても検討するべきでしょう。

次の世代への引継ぎを考える

不動産は長く使える資産です。構造にもよりますが、50年を超えても現役で使えます。そのため、次の世代に引き継ぐ資産としても利用出来ます。

さて、前述の様に不動産投資には相続税対策になる物とならない物があります。

一般の不動産投資や不動産小口投資は相続税対策となり、不動産クラウドファンディングや投資信託は適用外になるのです。

この様に、次世代への引継ぎを考えても、それぞれの投資の特徴を考えるのがベターです。

利回りだけで考えて良いのか?

ここで、投資を利回りだけで考えて良いのかを再考してみましょう。

利回りだけで考えて良いのか?

投資は収益目的のため、利回りが重要視されるべきです。しかし、先にも挙げた様に、投資期間やリスクなども考えに入れる方がベターです。だからこそ、利回りを重要視したとしても、トータル的に検討されるべきと判断されます。

ただし、リスクを取ってもリターンを狙いたい人がいるのも事実。トータル的な検討は必要ではありますが、最終的には「その人に合った投資」とする…のが正解だと思われます。

まとめ

不動産小口化商品と他の投資について、利回りの側面から考えてみました。利回りは大切ではあるのですが、検討されるべき項目が他に多くあることが掴めたことと思います。

投資ビジネスは最終的には個人の判断によります。トータル的に考えて、自分に合う物を選びましょう。

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関東在住の30代女性。 生保代理店で窓口営業に従事していましたが、コロナの影響で休業中。 自宅にいる時間に資格取得に目覚め、通関士、宅地建物取引主任者、FP2級、総合旅行業務取扱管理者の各資格を取得。 将来の目標は、北海道での「田舎暮らし」。

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