不動産投資は多額の自己資金が必要なため、一般の人々にはハードルが高いです。しかし、高額な不動産でも多くの投資家で共同で出資しさえすれば手が届くことになるため、不動産クラウドファンディングの人気が高まって来ています。

しかし、いくら少額となっているとは言え、相手は高額の不動産なので不安も多いことでしょう。

そこで、ここでは不動産クラウドファンディングは、実際的にいくらから可能であるか、注意点を織り交ぜて解説したいと思います。

知らないと損をする！？不動産クラウドファンディングの特徴

お金を貯める手段は様々ですが、クラウドファンディングは新しい手段。どの様な物かイメージが出来ない人もいることでしょう。

そこで、最初に不動産クラウドファンディングの特徴について、代表的な物を挙げてみたいと思います。

多くの投資家で出資する

まず挙げられるのが「多くの投資家で出資する」点です。

一般の現物不動産投資は安い物であっても1000万円以上の物、高額になると数億円にも及ぶ物です。また、マンションなどの様な不動産では無く、ホテルやオフィスなどの物件になるならば、更に大きな額にもなり得ます。

しかし、不動産クラウドファンディングは物件に関する費用を多くの投資家で負担するので、1人あたりの資金が抑えられ投資がしやすくなります。

ですから、例えばサラリーマンが将来のために貯蓄する場合、銀行預金などよりも利回りの高い手段として利用することが可能です。

運営会社に委託出来る

一般の現物不動産投資は放置すれば自動的に家賃が入って来る物と思われているかも知れませんが、実際は全く違います。物件の管理やキャッシュフローの管理、銀行の対策なども必要です。確かに不動産管理会社に委託すれば管理の労力は抑えられますが、それでもゼロにはなりません。

その点、不動産クラウドファンディングの場合は物件の運営一切を運営会社に委託することが可能。投資家が運営に関して仕事をすることはありません。ですから、忙しい人であっても気軽に始められます。

利回りが高い

今の銀行預金は利子がほとんど付きません。確かに元本の保証はされているので、安心して預けることは可能ですが、「タンス預金と変わらない」とも言われるほど。あまり魅力はありません。

その点、不動産クラウドファンディングは基本が不動産投資なので、銀行の預金などと比べてはるかに大きな利回りとなります。

100万円預けてもスズメの涙とまで言われる銀行預金と比較すると、不動産クラウドファンディングは非常に魅力的です。

ネットでの手続きが可能

不動産投資は物件の調査などはネットで簡単に出来ます。しかし、契約などはネットで終わるとは限らず、少なからず労力が発生します。

しかし、不動産クラウドファンディングはネットでの手続きが可能です。忙しくて時間を作ることが難しい人にも向いています。

不動産クラウドファンディングはいくらから可能か

この様に、不動産クラウドファンディングは一般の不動産投資は銀行預金には無いメリットがあるのですが、それではいくらから始めることが可能なのでしょうか。

1万円レベルから対応可能

結論から言うならば「1万円レベルから対応可能」です。不動産投資や株式投資にチャレンジすることが難しい人にとっても可能となる金額です。

例えば、新社会人で経済的な余裕はそれほど無いが、毎月1万円程度の預金が可能な人。将来に備えたい人は利回りの高い手段を探すかも知れません。その様な人に不動産クラウドファンディングは勧められます。

マイカーが必要な人、マイホームに夢を抱く人などに向いている資産形成方法とも言えるのです。

不動産小口化商品との比較

では、不動産小口化商品と比較すると、不動産クラウドファンディングはどうなのでしょうか。

これは、少額で対応可能なのがいくらからと言うならば、不動産クラウドファンディングに軍配が上がります。

と言うのも、不動産小口化商品も高額な不動産を小口化しているので投資費用は抑えられるのですが、それでも100万円レベルからのスタートとなってしまうからです。

ですから、先にも挙げた様な新社会人には手が届きにくく、不動産クラウドファンディングの方が選びやすくなります。

不動産投資信託との比較

不動産投資信託は不動産事業を行う運用事業者に出資して収益を還元してもらうビジネスです。不動産クラウドファンディングと同じ様に、物件の運営にタッチしない点が特徴と言えます。

利回りなどの収益条件は違いますが、「いくらから」という観点から考えれば不動産投資信託の方が有利でしょう。

実物不動産投資との比較

実物不動産投資は多額の資金が必要です。ワンルームマンション投資などの場合には数百万円程度の物もありますが、1万円からのクラウドファンディングとは次元が違います。

ただ、実物不動産投資の場合には銀行融資が使えるのが特徴。ある程度の資金があって良質の物件が見つかるならば、レバレッジを効かせて大きな収入に挑戦出来ます。人にもよるでしょうが、実物不動産投資の方が合う人も少なくないと思われます。

現実的に不動産クラウドファンディングを利用する場合いくらからがいいのか？

次に、実際に利用する場合にはいくらからが良いかについて考えてみましょう。

使用について

不動産クラウドファンディングは銀行預金の様に簡単に換金出来る物ではありませんが、計画を立てるならば効率的な資金作りが可能です。ですから、始める前にどのタイミングで契約が終わるかをしっかりと確認して検討することが必要です。

また、不動産クラウドファンディングは1万円から始めることは可能なのですが、投資先を多くして少額にし過ぎると管理が大変になります。ある程度の金額をまとめて投資するのがおすすめです。

ですから、ケースに合わせて期間と投資金額を変えるのが良いと思われます。

尚、不動産クラウドファンディングは基本的には短期間の物。ですから、長期間の投資にして複利効果を持たせたい場合には、ファンドを乗り換える必要が出て来ます。

イメージとしては、1万円の投資を2年続け、そこで出来た資金全部を別のファンドに預けて更に2年の投資をして、そこで出来た更に大きな資金を別な投資に充てると言った格好になります。

これなら万が一損になったとしても、生活に影響は出ませんし、成功したら投資はどんどん大きくなっていきます。

また、生活の余剰金を追加していくと、投資資金はどんどん増えていく形になりますし、投資総額は大きくなっていきますが生活を変える必要はありません。

例えばマイカーを買う場合

例えば、マイカーを購入する場合を考えてみましょう。

車の価格は平均すると100～300万円とも言われます。これをローンで組むとしても20～30%程度の頭金があった方がベター。そのため、20～60万円程度が必要となるでしょう。

これを不動産クラウドファンディングで用意する場合には、毎月1万円レベルからのスタートでも、あまり期間を経なくても可能と思われます。短期間の物であってもある程度は期待が出来ます。

例えば学資の場合

学資の場合は必要となる資金が数百万円クラスにも及びます。ですから、長期間の投資がおすすめです。

ですから、不動産クラウドファンディングで対応をするならば、投資先を変えながら続けることになります。つまり、6ヶ月～3年のファンドを乗り換える恰好になります。

毎月いくらからにするかは完全にケースバイケースにもなりますが、1万円ずつ積み立てたとしても利回りが高いので、相当額の資金が出来ているはずです。ただし、投資額が高ければそれだけリターンも期待出来ます。状況によって変えると良いと思われます。

例えばマイホームの資金の場合

マイホームの資金は建てる場所や建物の規模、マンションか一戸建てかによっても違いますが、物件の2割くらいは用意した方が良いです。ですから、仮に3000万円の物件を購入する場合には600万円程度が望ましいと言えます。

さて、600万円という額は簡単には貯められません。毎月に十分な積立を行うことが必要。高額投資が望ましいのですが、簡単では無い人も多いと思います。

その点、3万円くらいからのスタートとすることも可能。ただし、ファンドを乗り換えながら長期の間続けて行くことが必要になるでしょう。

年金代わりとして

年金は高齢化の進んだ現代では非常に重要な問題で、避けて通ることは出来ません。そして、今の年金システムが何年後まで続くかも不透明なため、早めの対策が必要です。

それでは、不動産クラウドファンディングで投資をするのならいくらからが有効かと言うと、これもやはりケースバイケースです。ただ、年金対策の資金は生活資金よりも後回しになるでしょうから、投資にまわせるのは1万円くらいという人も多いと思われます。

しかし、不動産クラウドファンディングは短期間ですので、長期間とするならば乗り換える必要も出て来ます。

【いくらから】と最初から決めるよりもケースバイケースで！

不動産クラウドファンディングの場合、いくらからと最初から決めて投資をするのは悪手になり得ます。

絶対条件として、生活の余剰金であること。投資なので損をする可能性はありますが、積み立てるであったり預金するであったりと、同じ様な感覚で投資をするべきです。

いくらからはその都度決めるべきであり、最初に決めてしまうのは間違っています。

不動産クラウドファンディングはいくらから出来るのかを念頭に置いて、積み重ねていくと言う認識でいるのがベストです。

不動産投資型クラウドファンディング利用の際の注意点

不動産クラウドファンディングは非常にメリットの多い投資です。しかし、メリットの半面、注意点やリスクもあります。上手く付き合うためには知っておくべき知識も多いのです。

ここでは利用の際の注意点を取り上げてみます。

運用期間に注意する

不動産クラウドファンディングは短期間の物が多く、短いと数か月、長くても2～3年のレベルです。ですから、学資の様に長い期間を掛けて増やそうとする場合には、ファンドの乗り換えも必要となります。あるファンドの運用が終了したら、別のファンドを利用するイメージです。

そして、その計画を立てるためにはファンドの運用期間に注意をしなければなりません。応募の前に、どれくらいの期間であるかの確認は忘れない様にしましょう。

中途での解約が出来ない物が多い

不動産クラウドファンディングの多くは中途解約が出来ません。ですから、契約の祭には物件などのチェックを可能な限りしなければなりません。例えば、物件の立地や建物の構造や築年数などの確認です。

仮に、確認が不十分で損失が発生した場合には、残念ですが後の祭りと言わざるを得ません。収益を確実にするためにも、ファンドのチェックをしっかりとしましょう。

そもそも管理もする必要がないので、投資期間が終わるまでは放置と言う形をとっても問題が無いのはメリットと捉える事もできます。

不動産投資における手間と時間をかけずに済むのは大きいです。

元本割れの可能性も忘れない

投資ビジネスにはリスクが付く物です。リスクの付かない投資ビジネスは無いと思うべきでしょう。

さて、不動産クラウドファンディングは運営を専門業者に委託するためにリスクは非常に低くなると思われます。しかし、リスクはゼロになる訳ではありません。元本割れの危険性があるのです。

例えば、不動産クラウドファンディングの場合には事業者が物件を持つのですが、稀にですが物件の収益性が極度に落ちるなどのアクシデントもあり得ます。その場合には物件からの収入も落ち込んでしまうので、元本の回収も困難になり、割り込んでしまうのです。

税金についても注意が必要

不動産投資には税金が発生しますが、税額は結構高めのため、決して無視は出来ません。不動産クラウドファンディングも税金の問題は出て来ますので注意が必要です。税金の区分としては雑所得の物となります。税金の納付は源泉徴収によりますが、状況によっては確定申告も必要になります。準備が必要となります。

放置をしていて税を払い忘れて、追徴課税を払わなくてはならないとなると、面倒な事この上ないので注意しておきましょう。

他の投資も併せて考えたい

不動産クラウドファンディングは利回りが期待出来てネット上で可能。1万円から対応するのでスタートさせるのにハードルの低い不動産投資と言えます。

しかし、不動産投資には不動産投資信託の様に更に少額で対応する物や、長期間に渡って運用が可能な不動産小口化商品などもあります。それぞれにメリットとデメリットがあり、投資家によっても合う・合わないがあるので、トータルで考えて、他の投資に乗り換えるのも十分にアリです。あらかじめ他の投資についても調べると良いでしょう。

まとめ

不動産クラウドファンディングについて、取り上げました。また、マイカー取得など、状況によって考えられることも掴めたことと思います。

いずれにせよ不動産クラウドファンディングは1万円から始められる投資なので、そのメリットを活かして投資に応用することが大切です。必要性の分析なども必要なので、購入する物について十分に考えるのが勧められると言えるでしょう。