投資信託は一般の人では困難な投資で利益を稼いでくれるプロの集団によるビジネス。一般の口座と比較してみても利回りはケタ違いにも見えます。しかも配当の額も悪くない。美味しいばかりのビジネスに見えます。
しかし、利益ばかりが目に付く投資信託ですが、果たしてリスクは無いのでしょうか。
ここでは投資信託のリスクとその種類について取り上げたいと思います。
もくじ
投資信託には何種類ものリスクがある
結論から言うならば、投資信託にはリスクが何種類もあります。そして、時として投資家を失望させる様な事態にもなるのです。
価値は上がるばかりでは無い
投資信託を考える上で第1に覚えるべきことは、「価値は上がるばかりでは無い」と言うこと。投資信託の資料に記載されているチャートを見ると分かるのですが、必ずしも右肩上がりだけとは限らないのです。つまり投資信託であっても様々な要因に圧倒されてしまい、値段を崩すこともあるのです。
これは他の投資においても同様のことが言えます。「高利回り」という謳い文句を鵜呑みにすると、思わぬ落とし穴に落ち込んでしまうのです。
ちなみに、基準価格が1%下げたとしても、1000万円で10万円の差が発生します。決して無視出来る金額では無いのです。
元本割れ・無配の危険性
この様に、投資信託は値上がりばかりでは無く、値下がりもあります。そして、投資した額を割り込むことも有り得ます。つまり元本割れです。
投資信託はあくまでも投資ビジネス。投資対象の価値が落ち込んでしまうならば、それに併せてリターンも少なくなって、ゼロ以下にもなってしまいます。
また、投資信託の利益には配当もあるのですが、投資対象の状況によっては分配金も落ちてしまいます。また、その低下が進むならば分配金は無しにもなり得ます。つまり、無配です。
投資信託の抱えるリスクの種類は多い
この様に、投資信託は決して良い話ばかりでは無く、場合によっては損失も被ります。そして、その裏側には、やはりリスクが存在します。そのリスクが大きくなって、あらかじめ敷いていたリスク対策が追い付かなくなった場合に値段を下げてしまい、損失を被ることになるのです。
さて、このリスク要因はいくつもあります。列挙してみると次の物が代表格として存在します。
- 価格変動リスク
- 為替変動リスク
- 金利変動リスク
- 信用リスク
- カントリーリスク
次項からどの様なリスクであるかを詳しく見て行きましょう。
有価証券の価格変動リスク
最初に挙げられるのが価格変動リスクです。これは有価証券の価格変動による物です。
有価証券の価格変動による
有価証券の価格は日々変動しています。新聞などに記載されている証券市場を見ると、各銘柄が毎日価格を変動させていることに気が付くことでしょう。
さて、投資は基本的には価格が下がった時に買って上がったら売ります。また、上がった状態で購入しておいて、値段が落ちたなら売る場合もあるでしょう。この時の利ザヤを利益とするのです。
しかし、時として価格変動を見誤ることがあります。何等かの市場を包む要因が悪さをして、想定外の値段になってしまうこともあるのです。これが価格変動リスクの裏側。予測していた流れと異なるとリスクが表面化し、損失に繋がるのです。
政治や経済情勢にもよる
有価証券の価格変動は非常にデリケートです。外部の様々な条件によって変わります。そして、それが大きくなると投資家の損失に繋がります。
有価証券変動の条件は多用ですが、政治や経済情勢によっても変わります。
政治は国内だけでは無く海外の問題も。地球の裏側の事故や事件で有価証券は価格を変える物です。そして戦争などが勃発しても変動します。
経済状況に関しては、何等かのアクシデントで海外の市況が変わると、それに合わせて有価証券は価格を変えます。
投資信託にもある為替変動リスク
次に為替変動リスクについて挙げてみましょう。投資信託は為替の影響も大きく受けます。
外国の株式や債券への投資に発生
投資信託の投資対象は国内だけの物ではありません。海外にも投資対象があるのです。
例えば、株式投資であれば外国企業の株式への投資がありますし、不動産であれば外国の物件への投資もあります。
これらの投資には日本国内の物件よりも規模が大きい物、大きな利回りを狙える物があります。リスクは高くなりますが、大きなリターンも望めるため、好む投資家は多いです。
為替変動によって起こるリスク
さて、上記の投資は外貨建てで投資が行われます。例えば、アメリカであればドル建てでの投資になるのです。そのため、為替レートが変わるとこちらの収益にも関係して来ます。
さて、為替レートは一見すると数円単位の変動です。為替のニュースを見てみると1ドルが120円近辺で推移しています。しかし、数円の変動であっても事態は深刻にもなり得ます。例えば1ドル120円が119円になった場合、大体1%の変動。しかし100億の資金を動かしていた場合には1億円の変動がある計算。決して無視は出来ないのです。
尚、為替レートの影響は一般的には円安でプラスとなり、円高でマイナスに落ちます。
馬鹿に出来ない金利変動リスク
金利は常に変動しますが、この変動は債券の価格に影響を及ぼします。この動きは投資信託のリスクにもなり得ます。
金利変動がリスクになる
債券の投資信託の場合、投資対象が金利によって変わるため、投資家にとってはリスクになります。高い時に購入し、低い時に手放さざるを得なくなった時に損失を被るからです。
また、債券は海外の金利の影響も大きく働きます。基本的な動きは上昇すれば債券価格が下落し、低下すれば価格が上がります。そして、債券価格の下落は投資信託にも悪影響を及ぼし、価値を下げてしまうのです。
金利変動の要因
さて、金利変動がリスクになる。それならば、金利変動の要因にはどの様な物があるのでしょうか。
金利は様々な条件によって決まりますが、景気の変動を大きく受けると言えます。
景気が良くなれば企業の活動が活発になり、消費も拡大し、企業の設備投資なども活性化します。そのために金利上昇が発生します。その一方で不況になると消費も落ち込んでしまい、企業活動も不活発になります。そうすると金利までも落ちてしまうのです。
情報に感度の高いアンテナを建てよう!信用リスクについて。
債券を発行する組織の存続や状況の悪化もリスクになります。信用リスクです。
有価証券を発行している組織に関する物
有価証券を発行する組織、例えば企業や国などは存続が盤石とは限りません。業績の悪化によっては倒産の危険性もありますし、海外では国そのものが変わってしまうことも有り得るからです。
その場合には債券の信用度も下がってしまいます。例えば企業の場合、倒産寸前になった場合には企業存続も危ぶまれて信用度も低下、その結果として株式も大きく値を下げてしまうのです。そして、株式などの有価証券の価値が下がった場合、投資信託にも悪影響を及ぼすのです。
組織は潰れることもある
過去に遡ると「まさか」と思われた倒産劇がありました。大きかったのはバブル崩壊期。大きな企業も次々と倒れ、銀行の倒産まで発生したのです。
そして、その影響は随所に現れました。特に目立ったのが不動産でした。例えば、当時流行ったリゾート物件などは非常に良い例。数千万の値段が付いた物件が数百万円まで下がったのです。この様な不動産に投資していた投資家はまさに悲劇の主人公と呼べるでしょう。
地域特有リスクの存在は知ってる?カントリーリスクについて
投資は海外の物や特定の地域の物に対して行われることもあります。それが地域特有のリスクになることも…カントリーリスクです。
特定の地域への投資に発生
特定の地域、例えば国や自治体などは特有の事情を抱えることもあります。その事情は時として投資にも影響します。
例えば、海外の鉄道や道路、或いは空港などの開発に投資した場合、その地域の事情によって事業が寸断されることも有り得ます。投資した国で内戦が勃発したりクーデターが発生した場合、その国は事業どころでは無くなり得ます。その場合は事業が破綻し、投資も無価値になってしまうのです。そして、これは投資信託にも当てはまります。
事情は国によって異なる
さて、カントリーリスクは国によっても変わります。と言うのも、国によって事情が相当に変わるからです。
例えば、政情不安な地域では内戦のリスクもありますし、過激で大規模な宗教組織のある地域ではテロの危険性もあるかも知れません。また、自然災害の強烈な地域もあるでしょう。
これらの地域特有の事情は投資信託においてリスク要因。損失にも繋がるのです。
少しでもリスクを少なるする為にリスクヘッジについて知っておこう
この様に、投資信託には何種類ものリスクが存在しますが、リスクヘッジは不可能ではありません。損失を完全に食い止めるまでには行かないまでも、ショックを小さくする手段はあるのです。 そこで、ここでは代表的なリスクヘッジを挙げてみましょう。
分散して投資する
分散して投資するとリスクも分散されます。リスクヘッジには有効です。
例えば、1億円を掛けて首都圏のタワーマンションに投資する場合と、複数の地域のマンションに1億円を分けて投資する場合を考えてみましょう。仮に利回りが同じだった場合の自然災害リスクはどちらが小さいでしょうか。例えば、東京、名古屋、大阪に分けて1億円を分散した場合などとの比較です。
これはリスク分散の観点からは3つに分散させた方が得策です。例えば、首都圏に大地震が発生して物件が大きなダメージを受けた場合、タワマンは投資対象全体がダメになってしまいます。しかし、分散した方は名古屋と大阪の物件が残ります。傷跡は大きいですが、完全にダメにはなりません。リスク分散の効果なのです。
長期投資にする
有価証券の価値は変動し、それに合わせて投資信託の価格も変動します。この価格が高い時に購入するならば、損失のリスクは高いです。しかし、全部の資金を1度に投資するのではなく、長い期間を掛けて投資をすれば価格変動も平均化します。
例えば、株式市場などは何等かの原因で株価を大きく下げることがあります。企業が注力していた事業から撤退した場合には、その企業の株価は大きく値下がりするかも知れません。しかし、その企業は優良だったので株価は持ち直したと言った話はあり得るシナリオです。
この時、株価が下がったタイミングで1度に投資する場合を考えるならば、投資全体が悪影響を受けます。しかし、時間を掛けて投資するならば、事業のトラブル発生時には値を下げるかも知れません。全体を平均化するならば、悪影響は小さいくなり、リスクヘッジになっているのです。
時間を分けて投資する
時間を分ける投資もリスクヘッジに有効です。例としては、毎月1回積み立てるイメージの投資です。
前述の通り、有価証券の価格は変動する物。一度に全部を投資するよりも複数回の方が購入価格が平均化されます。
例えば一般価格の10%下げたタイミングで投資するならば、全体の価値は90%まで落ち込みます。しかし、5回に分けて、その内の1回が10%下げた時だったとするならば、損失を被るのが2%で済み、損失の大きさは抑えられます。
尚、投資額が大きくなるとリスクはよりハッキリと見えて来ます。例えば1億円の投資の場合、90%まで下がると1000万円の損失。しかし、2%の損失で済むならば200万円の損。この差は800万円、大きい差です。
まとめ
投資信託のリスクの種類、そしてリスクヘッジなどについて取り上げました。投資信託は放置していても儲かる様に見えますが、実は様々なリスクを抱えていることに気付いた人も多いことと思います。
さて、投資信託では運用している法人がリスクヘッジをしながらの投資としています。しかし、投資家のレベルとしてもリスクヘッジは可能。分散投資を行うなどして、損失を被らない様にしましょう。
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