「不動産投資に関する必要最低限の用語の意味を知りたい」
「不動産投資のセミナーに行ったけど、専門用語が多すぎてほとんど内容を理解できなかった」
「業者にカモにされないように、不動産投資の用語を理解して理論武装したい」
と困っていませんか?
この記事では不動産投資の初心者でも理解できるように基本的な用語を厳選してご紹介します。
「資産運用編」や「税金編」など目的別に6つのジャンルに分けて解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
不動産投資の初心者向け用語|基本編
まずは不動産投資で基本となる用語をしっかり理解していきましょう。
特に「収益用不動産を購入する前」に知っておくべき用語をピックアップしているため、必ず一通り読んでおくことをおすすめします。
登記
「登記」とは所有権や抵当権などの不動産の権利関係を登記簿謄本に記録することです。
登記簿謄本を見れば土地や建物の所有者に関する情報や、融資を受けていればローンの借入額がわかります。
中古物件を購入する際に抵当権が設定されている場合は、必ず売主に抹消登記をしてもらうように注意が必要です。
登記事項証明書(登記簿謄本)
「登記事項証明書」とは土地や建物の所有者の氏名と住所が記載されている証明書のことです。
登記事項証明書には土地の面積や地目、建物の構造、融資を受けている場合は借入金額等が記載されており、一般公開されています。
現在は情報が電子データ化されており、登記簿に記載された内容を印刷して証明書として発行したものが「登記事項証明書」です。
法務局で手数料を払えば、たとえ他人の不動産であっても権利関係の情報がわかるようになっています。
レインズ(REINS)
「レインズ(REINS:Real Estate Information Network Systems)」とは各不動産会社が物件の情報を登録しているネットワークシステムのことです。
業者間で取引相手を探す場合や物件の詳細情報のやりとりをすることが可能。
媒介契約
「媒介契約」とは不動産の売買依頼を受けた際に締結する契約のことです。
依頼を受けた業者は取引する相手を探し、売買契約が成立すれば仲介手数料を得られる仕組みになっています。
ハザードマップ
「ハザードマップ」とは自然災害による被害をシミュレーションで予測し、予想被害範囲をマップで色付けしたものです。
役所やインターネットで確認することが可能であり、水辺に近い場所や過去に水害の被害があった地域の不動産を購入しようとしている場合は必ずチェックすることをおすすめします。
契約不適合責任(瑕疵担保責任)
「契約不適合責任(瑕疵担保責任)」とは購入した不動産に「隠れた瑕疵」があった場合、売主が責任を負うことです。
例えば物件購入後にシロアリによって柱が腐食しており購入者が住めない事実が発覚した場合、契約の目的が達成できないため、契約を解除することが可能。
以前は「瑕疵担保責任」という名称でしたが、2020年4月に民法が改定されて「契約不適合責任」に変更されました。
重要事項説明(重説)
「重要事項説明(重説)」とは宅建業法35条に基づき、契約する宅地建物に関する重要な情報を宅地建物取引士が説明をすることです。
この重要事項説明は「契約を締結する前」に必ず行う必要があります。
頭金
「頭金」とは物件を購入する際に自己資金で支払うお金のことです。
収益用不動産を購入する際は「頭金を1〜2割程度支払う」ことによって、毎月の返済負担を減らすことが可能であり、キャッシュフローも改善されます。
団体信用生命保険(団信)
「団体信用生命保険」とはローンの債務者が死亡、もしくは重度の障害者となってしまった場合、ローンの残債を免除される保険制度のことです。
この制度によってローン債務者に万が一のことがあっても、家族に不動産を残すことが可能。
最近の団体信用生命保険は死亡や重度の障害以外にも、「がん・心臓病・脳卒中」などの三代疾病に対応しているものもあるため、内容をよく確認する必要があります。
ローン特約
「ローン特約」とは金融機関の融資が受けられなかった場合、手付金を放棄することなく契約を解除できる特約のことです。
売買契約後に万が一ローン審査が通らなかった場合、買主を守ってくれます。
不動産投資の初心者向け用語|お金の流れ編
基本編の次は不動産投資に関する「お金の流れに関する用語」を紹介します。
お金に関する用語は普段聞き慣れないものが多いですが、資産運用を成功させるには必須となるため一つずつ理解しましょう。
キャッシュフロー
「キャッシュフロー」とは「(家賃収入)ー(経費)ー(ローン返済額)」で算出される手取りのお金のことです。
不動産投資で長期的に安定した家賃収入を得るには「毎月のキャッシュフローが黒字であること」が重要。
物件を買い増しして事業を拡大していくにはキャッシュフローがしっかり確保できていないと金融機関からの追加融資が不利になるため注意しましょう。
実際に収益用不動産を購入する際は後述する実質利回りとキャッシュフローのシミュレーションを徹底することをおすすめします。
インカムゲイン
「インカムゲイン」とは不動産収入の場合、家賃収入のことを言います。
不動産の売買による利益を出すことは業者でも難しいため、不動産投資で安定した利益を確保するにはインカムゲイン重視の運用がおすすめです。
キャピタルゲイン
「キャピタルゲイン」とは不動産投資の場合、「不動産の売買による利益」のことを言います。
現在は土地と建物の価格がバブル時代よりも変動が小さいため、キャピタルゲイン狙いの不動産投資は難しいです。
グロス利回り(表面利回り)
「グロス利回り(表面利回り)」とは「(満室想定の年間家賃収入)÷(物件購入価格)×100」で算出され、不動産投資における費用対効果を知るための指標のこと。
収益用不動産の売買サイトでよく表示されているのはこの「表面利回り」であることが多いです。
「満室想定であること、経費が全く考慮されていないこと」が前提であるため、表面利回りのみで物件の収益性を判断するのは難しいと言えます。
あくまでも物件をスピーディーに査定するための一次的な指標として利用するのがおすすめです。
ネット利回り(実質利回り)
「ネット利回り(実質利回り)」とは「(年間家賃収入ー年間経費)÷(物件購入価格+購入時の諸経費)×100」によって算出されます。
物件所有時のランニングコストや、購入時の諸経費を考慮しているため、上記の表面利回りよりも現実的な利回りとして利用が可能。
実際に収益用不動産を購入する際は表面利回りではなく、必ず「ネット利回り(実質利回り)」を計算して判断するのがおすすめです。
イールドギャップ
「イールドギャップ」とは「(表面利回り)ー(ローン金利)」によって算出される値のことです。
イールドギャップは不動産投資において、「レバレッジの大きさを示す指標」となります。
不動産投資の初心者向け用語|物件編
次は不動産投資の物件を選定する際によく目にする用語を紹介します。
一棟マンション・一棟アパート
「一棟マンション・一棟アパート」とは収益用不動産として、マンションやアパートを一棟ごと買い上げて資産運用することです。
一回の売買契約によって複数の部屋を同時に取得できるため、空室リスク対策が可能であり、事業拡大にも向いています。
ただし部屋数が多く自分だけで管理しようとすると手間やお金がかかるため、管理業者に委託することも検討しましょう。
区分所有
「区分所有」とはアパートやマンションの1部屋を所有して資産運用することです。
いわゆる「ワンルーム投資」のことであり、低い金額でスタートできることから不動産投資の初心者に人気があります。
ただし実質利回りや月々のキャッシュフローを計算すると手元に残る現金が少なくなるケースが多いため、購入する際は注意しましょう。
競売
「競売」とはローンの返済が滞ってしまった場合、裁判所が物件を差し押さえて売却すること。
物件を売却して現金化することを最優先とするため、相場よりも安く不動産を購入できる可能性が高い場合が多いです。
ただし購入前に部屋を内覧することができず、提供される資料のみで物件の購入を判断する必要があるためリスクが伴います。
競売物件を購入する際は最悪の場合に備えて、「物件をフルリフォームすること」を想定して購入するのがおすすめです。
不動産投資の初心者向け用語|物件査定編
次は「物件の査定をする際によく目にする用語」を一緒に学んでいきましょう。
収益還元法
「収益還元法」とは収益用不動産として得ることができる「家賃収入」をベースとして査定額を算出することです。
収益還元法は「直接還元法」と「DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法」の2種類があります。
「直接還元法」は「(家賃収入ー経費)÷還元利回り」によって算出することが可能。
一方、「DCF法」は収益用不動産を保有している期間で得られる利益と予測売却額を現在の価値に変換して査定額を算出します。
計算としては複雑ですが、「直接還元法」よりも正確な査定額を出すことが可能です。
積算価格(原価法)
「積算価格」とは建物と土地を別々に現在の価格に換算して、合算することによって査定額を算出することです。
土地は「路線価や国土交通省の公示価格」を参考にし、建物は「新築した価格に建物の経年劣化を考慮した価格」として算出されます。
路線価
「路線価」とは道路に面する標準的な宅地1㎡あたりの価格のことです。
路線価は主に相続税の課税標準として利用されることが多く、土地の相場を計算する際にも使われます。
地価公示価格
「地価公示価格」とは国土交通省が公表している1㎡あたりの標準地の正常な価格のことです。
地価公示価格は実際の不動産取引の売買事例や不動産鑑定士の評価を参考にして決定されます。
不動産投資の初心者向け用語|資産運用編
ここからは「資産運用に関係する用語」について解説します。
レバレッジ
「レバレッジ」とは不動産投資の場合、金融機関から融資を受けて収益用不動産を購入することを意味します。
仮に自己資金が少なくても、融資を受けることによって投資額を大きくすることが可能です。
ただし借入額が大きくなると返済負担も大きくなるため、自己資金を多く残しておき、突然の修繕など思わぬ出費に備えておく必要があります。
フルローン
「フルローン」とは頭金ゼロで物件購入価格の100%を金融機関から融資を受けて不動産を購入することです。
借入額が大きいほど利子も膨れ上がってしまうため、キャッシュフローのシミュレーションをしっかり検討してからローンを組む必要があります。
固定金利
「固定金利」とはローンを組んで返済をする際、指定した期間内は金利を固定することです。
期間は金融機関によって様々ですが、一般的に金利を固定する期間が長いほど金利が高くなる傾向があります。
変動金利
「変動金利」とはローンを借入している期間中に適用される金利が変動するタイプのもの。
多くの金融機関では半年に一回金利が見直されるケースが多く、仮に金利が変動したとしても毎月の返済額は5年間変わらない場合が多いです。
5年後に見直されるローンの返済額はその時点における元金の残高、金利、残りの返済期間によって再び計算されます。
ただし金利が大幅に変動したとしても、「直近の返済額の1.25倍まで」というルールがある場合が多いため、急激に返済額が増えることはありません。
元利均等返済
「元利均等返済」とは毎月支払うローンの返済額が一定となる返済方法のことです。
後述する「元金均等返済」よりも借入残高の減り方が遅くなりますが、毎月の支払額が一定であるため、返済計画が立てやすいのがメリット。
元金均等返済
「元金均等返済」とはローン返済時の元金部分が一定である返済方式のことです。
元金部分の返済が早く済むため、返済が進むにつれて毎月の支払額が下がっていくのが特徴。
ただしローン返済当初の返済額が大きくなってしまうデメリットもあるため、注意が必要です。
サブリース
「サブリース」とは不動産会社がオーナーが所有する物件の全ての部屋を一括で借り上げて、その部屋を入居者へ転貸することです。
サブリース契約を締結すれば、オーナーは入居者の有無に関わらず毎月の家賃が保証されるメリットがあります。
ただしサブリース契約は「数年ごとに契約が見直しされて家賃保証の金額を減額されるケースもある」ため、契約時は注意しましょう。
減価償却費
「減価償却費」とは経年劣化による建物の劣化を経費として計上する費用のことです。
実際に減価償却費を誰かに支払うわけではありませんが、経費として計上することが認められているため、節税効果が期待できます。
減価償却費は「建物の構造」と「築年数」によって変わるため、中古物件を購入する際は注意が必要です。
修繕積立金
「修繕積立金」とはアパートやマンションで将来的に発生する修繕に備えてあらかじめ費用を先払いしておくことです。
大規模修繕の場合、数百万円単位のお金が必要であるため、あらかじめ家賃収入の一部をストックしておくことで安定した資産運用が可能となります。
屋根の雨漏り対策、外壁塗装の塗り直し、エレベーターの保守などの費用として備えておくと安心です。
原状回復
「原状回復」とは賃貸によって借りた部屋を元の状態に戻すことです。
入居者は退去する際、借りていた部屋に対して原状回復の義務を負います。
現状回復についてオーナーと入居者でトラブルになりやすいため、国土交通省のガイドラインを参考にするのがおすすめです。
※参照 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html
基本的に「入居者が故意・過失によって壊した箇所」は現状回復の対象となります。
フリーレント
「フリーレント」とは新規で不動産を賃貸した際、ある期間を設けて家賃を無料にしてもらうことです。
なかなか入居者が決まらない物件にフリーレントが設定されていることがあります。
デッドクロス
「デッドクロス」とはローンの元金返済額が減価償却費を上回ってしまうことです。
経費として計上できない「元金返済額」が経費として計上できる「減価償却費」よりも多くなることで、手取り金額が少ないにも関わらず帳簿上では黒字であるため、所得税をたくさん納税することになります。
自己資金が少ないと最悪の場合経営破綻してしまうため注意が必要です。
レントロール
「レントロール」とは収益用不動産の契約条件を一覧表にしたものです。
例えば各部屋の家賃と敷金の情報を一覧表にしておくことで、中古の収益用不動産を購入する際の重要な資料となります。
不動産投資の初心者向け用語|税金編
最後に「不動産投資の税金に関する用語」をご紹介します。
青色申告
年間20万円以上の不動産所得がある場合、青色申告もしくは白色申告によって確定申告をする必要があります。
青色申告で確定申告をすると、「最大65万円の控除」や「不動産所得の赤字を3年間繰り越すことができる」などのメリットがあるため、不動産投資を始めるなら青色申告を利用するのがおすすめです。
また青色申告をする場合は事前に税務署へ申告する必要があり、毎年2/16〜3/15の決まった期間に確定申告をする必要があるため注意しましょう。
不動産取得税
「不動産取得税」とは土地や建物の所有者となった初年度に支払う税金のことです。
不動産を取得した日から30日以内に税務署へ申告する必要があり、1〜6ヶ月ほどで納税通知書が届きます。
不動産取得税は忘れた頃にやってくるため、あらかじめしっかり準備しておきましょう。
登録免許税
「登録免許税」とは土地や不動産の所有権を登記する際に掛かる税金のことです。
新規で不動産を取得した場合は「所有権保存」、相続で取得した場合は「所有権移転」の登記が必要。
登録免許税は「固定資産税評価額×税率」によって算出されます。
固定資産税
「固定資産税」というのは毎年1月1日時点において各市区町村の固定資産税課税台帳に登録されている所有者が払う税金のこと。
ちなみに中古物件を売買した際は、買主と売主で固定資産税を日割り計算して按分して精算するのが慣例です。
固定資産税は「固定資産税評価額×税率」によって算出され、三年に一度固定資産税の評価替えが実施されます。
都市計画税
「都市計画税」とは上記の固定資産税と同様、毎年1月1日時点で不動産を所有している人が支払う税金のことです。
4〜6月頃に届く納税通知書により、固定資産税と併せて納税します。
都市計画税の税額は「固定資産税評価額×税率」によって算出することが可能です。
印紙税
「印紙税」とは契約書や領収書などを作成した人が納める税金のことです。
具体的には収入印紙を購入して文書に貼り、消印をすることによって納税します。
収入印紙はコンビニでも購入可能ですが少額のものしかないため、不動産の売買契約書に貼る収入印紙は郵便局で購入するのが確実です。
耐用年数
「耐用年数」とは不動産投資の場合、建物の利用可能年数のことです。
特に不動産投資の税務において、減価償却費の算定基準として利用されます。
一般的な耐用年数は「木造が22年」、「鉄骨造が34年」、「鉄筋コンクリート造が47年」です。
まとめ
今回の記事では「不動産投資に関する基本的な用語」について詳しく解説しました。
不動産投資の初心者の方は初めて聞く用語ばかりで大変かと思いますが、一つずつ理解してしっかり理論武装することが安定した資産運用をする一番の近道です。
もちろん今回ご紹介した用語以外にも、不動産投資に関する用語はまだまだたくさんあるため、継続して勉強する必要があります。
これから不動産投資を始めようと考えているなら、まずは「分からない用語をすぐにスマホで調べること」を習慣化してみてはいかがでしょうか。
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