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間違いは禁物!不動産投資ローンと住宅ローンの違い

間違いは禁物!不動産投資ローンと住宅ローンの違い

物を購入する場合に資金を借りるケースは多いと思います。自家用車を購入するためにはマイカーローンを利用するでしょうし、学資のためには教育ローンがあります。いずれの物もキャッシュで買うことは簡単では無いからです。

不動産投資も同様。物件の購入にはローンが利用されるケースがほとんどです。

ところで、不動産投資ローンと住宅ローンは時として混同されることがあります。これは不動産を購入するから同様と思われるのですが、実は混同してはならず、分けなければなりません。

ここでは不動産投資ローンと住宅ローンの違いを取り上げます。両者の違いや混同してはならない理由などが把握出来ることと思います。

同じローンと言う名前ですが、投資ローンと住宅ローンでは違いがあるので間違いの無いようにしておきましょう。

投資用物件の購入とマイホーム購入の融資について

不動産投資ローンと住宅ローンの違いを考える上では、投資用物件の購入とマイホームの購入の違いを最初に知った方がイメージがしやすいです。

投資用物件の購入とマイホーム購入の融資について

そこで、ここでは不動産投資用の物件とマイホーム購入の違いを挙げてみましょう。

投資用物件の価格について

ローンの条件を考える上で、購入する物件の価格を掴んでおくことは大切です。マイホームの購入の場合であっても物件価格により、金利のタイプや借入期間を検討することと思います。

さて、不動産投資の物件の価格ですが、物件のタイプにもよりますが1000万円レベルから億を超えるケースもあります。小さい区分マンションでは1000万円のレベルからあるでしょうし。1棟マンションなどの場合は数億にも上ります。つまり、購入する物件価格の次元がマイホーム購入とは異なるのです。

不動産のポータルサイトなどで首都圏の1棟マンションの価格を調べて見ると、5億円、6億円という様な金額も珍しくはありません。これは明らかに一般住宅とは次元が違います。

不動産投資は立派な事業

さて、その様な物件を取り扱う不動産投資ですが、この投資用物件の性格は完全にマイホーム購入とは異なります。と言うのも、マイホームは「自分の居住用」であり、投資用物件は「他の誰かに住んでもらう」物件だからです。入居者からは家賃を支払ってもらいます。

この家賃はオーナーの収益となります。そして、収益は物件のメンテナンスに充てられたり不動産投資ローンの返済に充てられたりします。また、これには所得税をはじめとする税金も発生します。

これはビジネスに他なりません。不動産投資はマイホーム購入では無く立派な事業なのです。

不動産投資ローンは事業融資

さて、この様に不動産投資は事業なのですが、そのためのローンとなるならば立派な事業用の融資となります。

つまり、これは一般の会社が銀行から融資を受けて、その融資を元手にして新たな事業を展開する。この融資と極めて形が似ているのです。

不動産投資ローンは名称だけを見ると住宅ローンの様に見えるかも知れません。また、ネットの広告を見ても住宅ローンに似ている様に見えることでしょう。しかし、中身を注意して見るならば性格が完全に違うのです。

ですから、不動産投資ローンは住宅ローンと様々な点が異なります。利用する際には相違点についてしっかりと把握していなければならないのです。

不動産投資ローンと住宅ローンの違い

では、不動産投資ローンと住宅ローンの具体的な相違点にはどの様な点があるのでしょうか。

不動産投資ローンと住宅ローンの違い

ここではその相違点の代表的な物を挙げて行きたいと思います。

融資の目的が違う

まず第一の相違点は「融資の目的」です。

借りる側からすれば「どうせ資金を借りるんだから同じではないか」と思うかも知れませんが、融資には目的が非常に大切なのです。

例えば先に挙げた様に、マイカーローンは自家用車の購入資金を目的とする融資ですし、教育ローンは学資のためのローンです。ローンにはそれぞれに目的が設定されているのです。不動産投資ローンの目的に関しても同じ。住宅ローンとは異なるのです。

ちなみに、貸す側から見るならば、自家用車と学資では貸す金額も異なりますし、返済期間なども異なります。そうすると利子の発生の仕方も異なって来ます。

返済に充てる資金が違う

一般に住宅ローンの場合は借りる側の給与収入が充てられます。そのため、銀行は借りる側の収入や勤続年数、そして勤務先の属性などまで細かくチェックを入れます。例えば仕事の属性で言うならば一般のサラリーマンよりも公務員の方が勤務先が安定しているので有利です。

その一方で、不動産投資ローンの場合は物件の収益性なども見て来ます。と言うのも返済の原資が物件の家賃収入であるからです。

融資の金額が違う

不動産投資ローンは住宅ローンと融資の額でも異なります。

例えば、住宅ローンの代表格と言えるフラット35の場合、融資限度額は8000万円です。この金額から考えるならば、購入可能となる住宅は1億円を超えるかも知れませんが、あくまでも1億円のレベルと言えます。

しかし、不動産投資ローンの場合は融資の額が異なります。

例えば、アパートローンの銀行の資料を見てみると2億円という記載をよく見かけます。しかし、これはあくまでもアパートのレベル。1棟マンションの場合は金額が更に膨らみますが、これも銀行融資の利用がベースです。つまり、住宅ローンでは届かない様な数億レベルの費用が不動産投資では行えるのです。

金利が違う

住宅ローンについてネットで調べるならば、金利は変動金利と固定金利で差はあるものの、大体が0.5~2.5%に納まる様です。それと比較して不動産投資ローンの場合は1.5%のレベルがあるものの、上の方を見ると4%くらいでの設定も見られます。

これはローンの目的が違うからとも言えるのですが、担保や借入期間、収入などを鑑みて決められます。不動産投資はあくまでも事業用の融資、住宅ローンとの違う扱いとなるからと言えるでしょう。

借入期間が違う

住宅ローンの場合は35年レベルの物もあります。先に挙げた住宅ローンの代表格のフラット35などから見ても分かります。

その一方で不動産投資ローンは借入期間が異なります。不動産投資ローンをネットで調べると最長で35年との記載がありますが、実際は建物の法定耐用年数で決められるので、必ずしも35年となるとは限らないのです。

例えば木造のアパートの法定耐用年数は22年で、中古であればそれよりも短くなります。そうすると不動産投資ローンもそれに合わせて借入期間が設定され、20年程度。その一方で鉄筋コンクリート造の場合は法定耐用年数が47年。ローンの期間を長くすることが可能です。

審査が違う

住宅ローンの審査は収入は勤続年数、そして仕事の属性などによって決まります。

収入が多くて勤続年数が長いならば、安定した収入があると見られるからです。

その一方で不動産投資ローンも住宅ローンの様に収入や勤続年数、仕事の属性などにもよるのですが、それに加えて担保となる不動産の価値などもチェックされます。担保の価値としては物件の収益性などが大きなポイントです。

個人か法人かでも違う

住宅ローンの場合は原則的には「自分が入居する家」を購入目的とする融資であり、個人が対象となります。そのため住宅ローンは法人を対象とはしません。

その一方で不動産投資は必ずしも個人であるとは限りません。個人でも投資の規模が大きくなるならば法人を立ち上げる場合もあるからです。そのため、不動産投資ローンは法人であっても利用することが可能となります。

ローンの制限が異なるのです。

税金が違う

住宅ローンは税制のメリットがあります。大きな物では住宅ローン控除が挙げられるでしょう。

これはローンの状況によっても異なりますが、所得税から0.7%の控除率で引かれます。期間は新築で13年、中古で10年です。これは給与所得者の個人レベルの所得税を考えるならば非常に魅力のある特典です。

ところで、不動産投資ローンの場合はこの様な制度はありません。ですから税制面では住宅ローンに劣ってしまいます。不動産投資ローンはあくまでも事業用の融資。税制の面でも異なるのです。

事業報告の有無

不動産投資ローンの場合、借入期間中に事業の報告を求められる場合があります。

住宅ローンの場合は一旦審査を通るならば、ローンの返済が終わるまで、収入のチェックなどが入ることはありません。確かに返済が困難な場合には売却が必要になる場合もありますが、それは銀行への事業報告とニュアンスが異なります。

しかし、不動産投資ローンはあくまでも事業用の融資です。事業の状況が返済に大きく影響するので、銀行側がチェックして来るのです。

住宅ローンで投資用物件は購入可能か

さて、ここまで住宅ローンと不動産投資ローンの違いを挙げて来ました。不動産投資ローンが事業用のローンで住宅ローンと異なることが理解出来たことと思います。

住宅ローンで投資用物件は購入可能か

それでは住宅ローンを利用しての投資用不動産購入は可能なのでしょうか。

住宅ローンでの購入は出来ない

住宅ローンは金利面でも税制面でも大きなメリットがあるため、投資用物件の購入に使えれば事業の黒字化に繋がります。しかも借入期間も長く設定出来るので、返済の条件も非常に良くなります。

しかし、投資用の物件は住宅ローンでは買うことが出来ません。

不動産投資ローンはあくまでも事業用の融資。目的が異なるため、住宅ローンの利用が出来ないのです。

偽って購入した場合

その様な状況下にあっても、投資家によっては住宅ローンの利用をしたがる人もいるかと思います。また、銀行の営業マンによっては住宅ローンを利用してでも貸したがる人が居るかもしれません。

しかし、偽って住宅ローンで投資用物件を購入するのは非常に危険な行為です。

その行為は銀行との契約を詐称する物とも取られてしまい、借入金の一括返済などを迫られることもあるのです。

そして、当然ながら銀行の信用を完全に失うことにも繋がります。その後の資金繰りも続かなくなり、事業が座礁し得るのです。

不動産投資をする際の銀行との付き合い方

不動産投資においては銀行の助力は不可欠。そのためにも「付き合い方」に気を付けることは非常に大切です。

銀行との付き合い方

では、どの様に付き合うべきでしょうか。

銀行はごまかせない

まず挙げられることは「銀行はごまかせない」ことを肝に命じることです。銀行は金融のプロですので、小細工は見破られると考えましょう。

不動産投資は入居者や不動産会社と誠実に付き合う必要があるのですが、それは銀行に関しても同じこと。誠実に、正直に付き合うことが非常に大切です。

銀行はあくまでもビジネスパートナー

銀行は金融のプロでもありますが、投資家の知らない様な人脈も持っています。例えば経営コンサルタントに顔の効く人もいて、経営に関しても相談が出来る場合もあります。

銀行はその様な情報源にもなり得るので、ビジネスパートナーとして大切にするべきです。ローンを有利に引き出すのも大切なのですが、事業を健全にする上でも大切です。

ちなみに、銀行としてもこちらの経営健全化が利益に繋がります。銀行にとってのビジネスパートナーになるならば強力です。

風通しを良くすることが重要

ビジネスにおいては「報告・連絡・相談」が基本になります。これは不動産投資でも同じことです。銀行に対しても当てはまると考えるべきです。

銀行としても、こちらの経営の状態を知っているならば有効な助言をくれることもあります。風通しを良くすることが大切です。

尚、事業の状況を資料にまとめておき、分かりやすくすることも重要です。分かりやすい報告は風通しの良さにも繋がるからです。

まとめ

不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて取り上げました。

相違点の多さを再確認し、内容の理解も深まったことと思います。また、銀行はごまかしてはいけないビジネスパートナーであることも分かったことでしょう。

銀行は不動産投資において重要な存在です。ビジネスの健全化のためにも不動産投資ローンを健全に利用し、収益アップを目指しましょう。

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