転勤族と不動産投資と聞くと、なかなか接点が無いように思えるかも知れません。転勤族と言えば国内・海外を飛び回り、その一方で不動産投資は腰を据えるビジネスにも見えるからです。
しかし、不動産投資はサイドビジネスとしても有望なビジネスなので、見逃す手はありません。
そこで、ここでは転勤族の不動産投資についての可能性を考えたいと思います。
もくじ
転勤族の不動産投資の仕事1「物件購入」
不動産投資の流れは物件の購入、管理、売却のプロセスが多いです。これは転勤族の不動産投資でも同じ。最初は物件の購入から始めます。
では、転勤族の人々は投資用物件をどの様な流れであれば購入が出来るのでしょうか。各段階についてのプロセスを挙げてみましょう。
情報収集
最初にしなければならないのが物件の情報収集です。自分に合った物件を見つけなければなりません。多くの場合はネット経由や不動産仲介会社経由で見つけられます。
さて、転勤族の場合ですが基本的にはネット経由が多くなることでしょう。不動産のポータルサイトなどを見ても投資用物件を探すことも可能。しかも情報には表面利回りなどまで掲載されていて便利です。
また、ネット経由で不動産投資会社へのアクセスも可能。今の情報通信機器があれば、仕事の相当な範囲をカバーすることが可能なのです。
銀行融資
不動産投資には銀行融資が欠かせません。銀行は投資家自身が実際に銀行をまわる場合もあれば、ネットから探す場合もあります。
さて、転勤族の場合ですが、最初の金融機関選びはネットでカバーすることが可能です。
しかし、ネットで完結させることは非常に困難。融資である以上、銀行側に説明をしなければならないでしょう。
ですから、本来ならば銀行に行かなければならないのですが、今はネット経由の会議システムでの打ち合わせも可能と思われます。自宅にいて銀行と相談出来るかも知れません。
購入手続き
購入手続きは売買契約の取り交わしになるので遠隔地でも可能かも知れません。しかし、おすすめなのは、やはり不動産会社に出向いて契約を取り交わすことです。
と言うのも、契約の時点で物件についての説明を受けますが、この「説明」が非常に大切だからです。
特に中古物件などでは瑕疵のあるケースもあるので、良く聞いておかなければなりません。
転勤族にとって移動は大変かも知れません。しかし、やはり販売会社に出向いた方が良いでしょう。
火災保険手続き
火災保険手続きも遠隔地から可能と思われます。しかし、出来るならば契約時に顔を出す方がベターでしょう。
と言うのも、火災保険には特約があり、補償の範囲が異なるから。説明を直接聞いた方がベターなのです。
火災保険は火災以外のアクシデントにも対応しますが、ある物は建物だけの範囲であったり、別の物は家財までをもカバーしたりと、意外に複雑。契約時の確認は意外に重要です。
遠隔地での契約では、なかなかこの様な話は難しいです。転勤族であっても行って聞くべきでしょう。
転勤族の不動産投資の仕事2「物件の管理」
不動産投資は購入で終わりではありません。不動産に入居者を募り、物件をしっかりと管理して、その上で家賃を支払ってもらうのです。ですから、物件の状態を良くしておくのが非常に大切。つまりは管理が重要となるのです。
では、転勤族の立場では管理はどうなるのでしょうか。
情報収集
情報収集は物件の購入だけの話ではありません。不動産管理においても大切なのです。
例えば、不動産管理の方針を決めるにしても、どの様な手法があるか細かく知らなければなりません。メリットやデメリットを把握して活かさなければならないのです。
そのためには情報収集がやはり大切。管理の段階でも手を緩めてはいけないのです。
不動産管理会社選び
不動産管理の仕事を考えるなら、転勤族の立場では、不動産管理会社に委託するのがセオリーとなるでしょう。
物件から離れるのが基本であるならば、自主管理は現実的では無くなるからです。
さて、前述の様に不動産管理は物件運営の上で非常に大切です。そのため、管理会社選びも重要となります。質の良い仕事をする管理会社を選ぶのは至上の課題となるのです。
ただ、今はネット経由でも管理会社選びは可能です。出向いての打ち合わせは必要かも知れませんが、何回かで済むことでしょう。
入居者審査
入居者審査も大切です。賃貸不動産の場合、一旦契約を結んでしまうと解約は簡単には出来ないからです。
ところで、入居者審査は基本的にはオーナーの仕事となります。ですから、直接話さなければなりません。
確かに管理会社に審査まで丸投げ出来るかも知れませんが、良くない入居者に当たったら悲劇です。自分の目で見定めるべきでしょう。
尚、入居者の審査は書類を送ってもらい、本人との面談はネット会議の様なシステムを使えば可能かも知れません。転勤族でも可能と思われます。
リフォーム
物件は築年数が経つと老朽化が目立つ様になります。また、中古の不動産の場合、購入時の段階で古さが目立っている場合もあり得ます。この様な場合にはリフォームが必要なのですが、最終的な判断はオーナーの物となります。
そのため、リフォームをどうするか相談したり、資料を通してのチェックが大切になります。
これらはネット経由での遠隔地からの相談でも可能なのですが、意志の違いを避けるために顔を合わせるのがベター。転勤族では大変かも知れませんが、良いリフォームとするためにも足を運ぶべきでしょう。
リノベーション
不動産投資の利回りを考えるならば、新築よりも中古物件の方が投資金額を抑えることが出来るので有利。そのため、敢えて古い物件を選ぶのもアリです。
ただし、それでは客付け力に乏しいことがありますので、ケースによってはリノベーションをする場合があります。
その場合は仕様の取り決めなど、オーナーの決済が必要です。特に大規模なリノベーションを検討するならば、費用も大きく膨らむので、オーナーとしても積極的に参加するべきです。
そして、物件を大きく改装する場合は物件を確認するのがベスト。その時だけでも現地に行くのが良いでしょう。
災害対応
不動産投資には火災や地震などのリスクが付きもの。仮に発生した場合には対応しなければなりません。
また、近年では異常気象による超大型台風の襲来などもあります。家屋への被害は甚大…ということも多々あります。
さて、これらの対応は基本的には火災保険の活用となりますが、火災保険の手続きも意外に面倒。
時間と労力が掛かってしまいます。そして、破損の状況などを見るためにも物件に足を運ぶ必要も出て来るでしょう。
キャッシュフロー管理
キャッシュフローの管理も大切です。経営管理のためにも欠かすことは出来ません。
ただ、これは遠隔地でも問題無く出来るとも思われます。
しかし、銀行にキャッシュフローをはじめとした経営状況を報告しなければならない時もあります。その場合には銀行などに行かなければならないかも知れません。
税務手続き
主に確定申告の手続きです。
これは以前は税務署に行く必要がありましたが、今ではネットで完結させることが可能なので、遠隔地であってもあまり問題にはならないでしょう。
ただし、確定申告の際には発生した必要経費の計算が発生します。経理的な仕事があるので、ただでさえ忙しい転勤族には大変かも知れません。
ちなみに、複数の物件を持ち、ビジネスが大きくなるならば税理士に委託する手もあります。税理士に頼めば時間的に余裕が出来ます。
転勤族の不動産投資の仕事3「売却」
不動産投資には儲けを確保するために売却することもあります。
では、転勤族の場合は売却は可能なのでしょうか。
売却先の募集
売却の際には最初に売却先を探さなければなりません。
これは不動産販売会社に任せることになるので、問題になることは少ないと思われます。
ただ、不動産販売会社の選定が大切になるのですが、会社を探すところから始めるならば現地の説明をすることが必要となるんでしょう。ですから、物件まで行く必要が出て来ます。
ちなみに、売却の際には値引きを打診されるかも知れません。その場合には販売会社と打ち合わせも必要となり得ます。不動産会社に行く必要も発生し得ます。
売却手続き
売却手続きは販売会社に任せれば、概ね問題は無いと思われます。
販売会社は不動産取引のプロです。安心して任せることが出来ます。
尚、不動産会社は基本的には仲介手数料を引かない物ですが、値引きに応じてくれる場合もあります。探すのは骨が折れるかも知れませんが、コストダウンに繋がるので考えておくのも手です。
転勤族に不利なこと
人にもよりますが、転勤族は日本中を飛び回るケースが多いです。
東京で生活していたかと思えば、その3年後に北海道に居たり九州に居たりする物です。また、海外に転勤する人も少なくはありません。
そのために転勤族には困難な場面が出て来ます。
ここでは、転勤族に不利な不動産投資の場面を挙げてみましょう。
物件の確認
物件の購入の際には現地の確認が欠かせません。
建物の状況や周辺地域の雰囲気など、入居者を募るのに問題が無いかを確認しなければならないのです。特に中古物件で築年数の経った物はチェックが非常に重要になります。
さて、地域にもよりますが、確認は1度では足りない場合もあります。特に悪臭などの環境的瑕疵の可能性がある場合などは時間や日程をずらして複数回の訪問も必要となるでしょう。
ところで、転勤族は物件が基本的には遠隔地になります。物件の確認のためには時間を作って訪問しなければなりません。ですから転勤族にとっては不利になります。
特に海外などの離れた場所に済むならば、更に不利な立場に立つことになります。
入居者審査
入居者審査は管理の上で非常に大切です。審査を間違って良くない人を受け入れてしまうと、後で大変なことになってしまいます。
と言うのも、一旦契約をしてしまったならば簡単には解約が出来ないからです。不動産の契約は借地借家法という非常に効力の強い法律で守られています。契約前の審査が大切なのです。
さて、転勤族の入居者審査ですが、遠隔地になるならば、やはり不利になるでしょう。遠隔地との話になるならば必然的に話が遠くなってしまい、勘違いなども多くなるからです。
確かに今はネット越しに顔を見ながら話すことは可能です。しかし、それでも限界はあるので、やはり転勤族には不利になります。
転勤族でも不動産投資は可能なのか
それでは、転勤族に不動産投資は出来ないのでしょうか。
結論から言うならば可能です。
ただし、一般の投資家よりも苦戦をしなければならない可能性が高いです。
苦戦を強いられる要因としては、まずは「移動」の手間が発生する点です。
例えば、物件を首都圏に持っていて、投資家本人は北海道や九州で仕事をしている場合です。物件の確認をするためには現地に行かなければなりませんが、この点で転勤族は不利になります。
また、業者との話が遠くなる点も不利と言えるでしょう。不動産投資には様々な業者が関わりますが、遠隔地であれば直接会って打ち合わせることが難しくなります。この点は、やはり不利です。
この様に不利な点が結構ありますので、転勤族にとっては魅力が落ちてしまうかも知れません。
しかし、不動産投資には小さい物から大きい物まで様々なビジネスがあるのも事実。そのビジネス規模や種類によって「合う物と合わない物」が出て来るとも考えられます。
まとめ
転勤族の不動産投資の可能性について取り上げてみました。
不動産投資の仕事の段階を追って出してみたので、どの段階にどの様な要因があるかが把握出来たことと思います。
そして、転勤族には不利な点が結構あるのもイメージ出来たことでしょう。
しかし、旗色が悪くなったとしてもビジネスの内容によっては適する人も少なくないと考えられます。自分に適するかどうかを考えて始めましょう。
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