FPに聞いてみた

あなたは本当に大丈夫?不動産投資の罠と回避のコツ

あなたは本当に大丈夫?不動産投資の罠と回避のコツ

どんなビジネスにも罠が付き物です。何等かの罠に引っ掛かって物が売れなかったり、事故を起こしてしまったりと、様々な顛末を聞くことからも分かることと思います。

さて、不動産投資にも罠はあります。そして、その罠のために大損をしてしまう人も。

その様な罠を避けるためには、罠に関する知識と回避するコツの知識が非常に役立ちます。

そこで、ここでは不動産投資の罠について取り上げて紹介します。

不動産投資の罠に皆さんは掛かっていないでしょうか?罠と言われても何が罠なのかが全く分からないと言った状況になり、回避が出来ないなんて状況になってしまうかもしれません。今回は、不動産とうしの罠と回避のコツについてFPの方に伺ってみました。

不動産投資用物件購入の罠

まずは物件に関する罠を挙げてみましょう。

物件購入の罠

投資用物件は不可欠な物です。仮に質の劣る物件を購入するならば、後で大変なことにもなります。

建物に問題があった

まず挙げられるのが建物に問題があるケースです。

建物には老朽化や故障の問題など様々あります。例えば雨漏りや腐食などが挙げられることでしょう。

さて、この問題の対応には多くの費用が必要。対策を取るならば資金的に悪影響を及ぼすこともあり、経営の計画を大きく狂わすこともあります。しかも、不動産投資の初心者には建築は分かりにくい分野でもあるため、厄介な罠なのです。

土地に問題があった

 

土地に問題があることもあります。

例えば、立地条件が考えていたよりも良くない場合などがあるでしょう。また、地盤沈下などの発生もあり得ます。

これらも予測の難しい問題なので、解決も難しいです。そして、初心者には推測が困難なので、やはり厄介な罠です。

周辺環境に問題があった

周辺環境が悪い場合もあります。

良い例が悪臭や振動の問題。近隣に下水処理場や幹線道路などがあると、物件に悪影響を及ぼします。住環境が悪くなってしまうのです。

しかも、周辺の地図を見ても分かりにくい物も多いです。

例えば、物件周辺に暴力団の事務所やカルト宗教の施設がある場合。地図から読み取ることは不可能なので、結構な罠となります。

売り文句と違った

不動産会社の売り文句と違う場合もあります。例えば、推定していた利回りが出ない場合です。

利回りが上がらないことは、ビジネスの慢性的赤字にも繋がり得ることを意味します。非常に危険な罠と言えるのです。

管理の罠

次に管理の罠を挙げてみましょう。

管理の罠

不動産投資は入居者からの家賃で成立するビジネス。ですから、物件にしろ入居者にしろ管理が非常に大切になります。

物件の管理が適切では無かった

不動産投資は物件の管理が非常に大切です。と言うのも、物件の生活環境に納得して入居者は家賃を支払うから。仮に物件に不満を持つならば家賃の減額や退去のリスクが大きくなります。

ですから、物件のメンテナンスや掃除などの管理の状態が悪かったりすると、それらのリスクが大きくなります。

入居者対応が上手く無かった

入居者管理も非常に大切。上手く行かない場合には罠となります。

例えば入居者審査を失敗してしまうと、物件を乱雑に扱われかねません。また、入居者間でのトラブルも起こすリスクも多くなります。これも入居者の退去などにも繋がり得ます。危険な罠なのです。 

資金関係の罠

不動産投資は投資ビジネスなので、資金関係の罠も存在します。

資金関係の罠

キャッシュフロー管理が悪かった

キャッシュフローの管理を軽視してしまうのも罠となります。

例えば、修繕費やリフォーム費用を採算度外視でする場合などは資金の状態が悪くなりますが、そこで状況を軽く考える場合には、経営上大きな問題にもなり得ます。

それによってローンの返済が厳しくなった場合など、銀行との関係が悪化することも。新たな融資が難しくなり得るため、非常にマズい立場に立たされるのです。

利回りの計算をよく把握して無かった

利回りの計算をよく把握していないのも罠の1つと言えるでしょう。

この計算式が頭に入っているのといないのでは、相当に状況が変わります。計算方法を把握しているのであれば、発生するアクシデントの利回りへの影響の判断が可能。それが出来ない場合は事態の把握が出来ないのです。

ローン返済計画が甘かった

ローンは不動産投資には非常に大切です。物件購入には不可欠で銀行が関係するので、決してミスは許されません。

しかし、返済計画を見誤るケースも見られます。これは罠です。

当然ながら、ローンの返済が困難になると、銀行は抵当権を発動させて担保を取ってしまいます。その場合、投資用物件が担保になっている場合は物件そのものが取られる可能性もあります。

ですから、ローン計画の誤算は大きな罠となるのです。

修繕費用の計算が甘かった

物件には修繕が必要です。しかも、壁や屋根防水などの大掛かりな物も発生します。

さて、この修繕にも多額の費用が発生します。そして、この費用の見積もりを間違っていると、状況によっては利回りを下げ過ぎてしまい、赤字にも転落し得ます。これも罠と言えるでしょう。

税金に対する認識が甘かった

不動産投資は税金との戦争と言うことも出来ます。様々な点で税金が発生するからです。しかも、所得税の様な累進課税の物もあり、見誤ると大変なことにもなり得ます。ですから、これも罠と言うことが出来るでしょう。

ちなみに、不動産投資のキャッシュフロー管理は税金を含めて計算します。

そのため、税金に対する認識が甘いとキャッシュフローの悪化を招きます。その場合には銀行の経営管理の評価も落ちる可能性もあるため、決して軽く見るべきでは無いのです。

不動産にまつわる業者の罠

不動産投資は金融機関や不動産会社、そしてリフォーム業者など様々な会社をパートナーとします。そのため、時としては、そこに罠が隠れている場合もあるのです。

業者の罠

悪い物件を買わされた

物件購入は不動産会社を経由しますが、仮に会社が悪い場合には良くない物件を掴まされる場合もあります。

と言うのも、不動産会社が紹介して来るのは「良い物件」とは限らないからです。

もしも「それなりの物件」であっても早く売ってしまいたい場合などは売り付けて来る事態も考えられるのです。

ちなみに、不動産投資は新築よりも中古の方が利回りが良い物。ただし古過ぎる物件の場合は劣悪な物件の場合もあります。その様な物件を仮に買わされたとしたら…罠以外の何物でもありません。

管理会社が悪かった

投資用物件の運営には不動産管理会社が欠かせません。管理会社は家賃の改修や物件のメンテナンスなど、多岐に渡る仕事をしてくれるからです。

ただし、管理会社とは言っても良い仕事をする会社もあれば、仕事の質が良くない会社もあります。そして、悪い会社を引いてしまった場合など、状況によっては物件をボロボロにもされてしまいます。

管理会社選びも罠になり得ることを覚えておきましょう。

投資用不動産の売却に関する罠

売却も不動産投資においては利益を確定する上で重要。ただし、そこにも罠があるのです。

売却に関する罠

売却のタイミングを見誤る

売却はタイミングが重要です。仮にタイミングを逃してしまうと、売れずに価値を下げてしまうこともあるからです。

例えば、物件に入居者が居て高い家賃を支払ってくれている状態ならば、比較的売りやすいかも知れません。

しかし、タイミングによっては入居者が退去してしまい、空室ばかりの物件になってしまいます。その状態では良い値段は付きません。

ちなみに、一旦物件が空室ばかりになってしまうと、新たな入居者の呼び込みが難しくなることもあります。やはり罠なのです。

売却先が見つからない

物件を売ろうとしても売却先が見つからないこともあります。これも罠です。

売却先が見つからずに売れ残ってしまうと出口戦略が上手く行かなくなる場合もあり、経営上のマイナス要因にもなってしまうのです。

さて、売却先が見つからない理由はいくつか考えられます。例えば、物件価格が高かった、立地が良くない、建物の状態が良くないなどがあるでしょう。

尚、物件の売却先は基本的には別の投資家です。その投資家も収益性を見て来ますので、物件に問題が見つかると敬遠されてしまいます。

適正な価格で売れない

投資用不動産を購入するのは多くの場合が別の投資家です。そして、その投資家も収益性の高い物件を、可能な限り安価で手に入れようとしています。

そのため、こちらが売却しようとしても、こちらの要望する価格で買ってもらえない時もあるのです。

その場合には、値段を下げるか別の売却先を探すことになるので、売却タイミングなども遅れる可能性も出て来ます。これも経営上のマイナス要因。罠なのです。

周辺環境が変わって売れない

不動産は周辺環境が価値を決めることが少なくありません。例えば、近隣にきれいな公園などがあるとロケーションも良くなり、その分だけ価値が上がるのです。

その反面、近隣の状態が悪くなるのであれば、それだけ値段が下がるリスクが増えます。仮に公園などがあるのでは無く、殺伐とした古ビルが並んでいたらどうでしょうか。

ロケーションはグンと悪くなってしまい、生活環境も悪くなってしまいます。

その様に、投資用物件の周囲も環境が変わることもあり、価格も下がることもあります。例えば隣に高い建物が建って日当たりと景観が悪くなった場合など。この様な場合は値段が下がり、売れなくもなり得ます。まさに罠なのです。

罠を回避するためのポイント

この様に、不動産投資には様々な罠があります。

罠を回避するためのポイント

では、それらの罠の回避はどの様にすれば良いのでしょうか。

勉強は絶対に必要

不動産投資全般に言えることでもあるのですが、罠を回避する上でも勉強が大切です。

勉強をしっかりとするならば、不動産投資のリスクに関しても詳しくなり、それだけリスク回避にも役立つからです。

例えば利回りの計算が分からなくてハマってしまう罠がありますが、利回り計算の式を頭に入れるだけで、回避の確率も違って来ることでしょう。

そして、その応用問題も解ける様になれば、リスクへの強さが更に上がります。

この様に、勉強で回避できるケースは少なくありません。普段の勉強は非常に大切なのです。

計画をしっかり立てる

不動産投資には計画性が大切です。計画性のある場合と無い場合では、出せる結果も違って来ます。

例えば物件の売却の場合。計画をある程度でも立てられるのであれば、タイミングを読みやすくもなります。

しかし、計画性が無い場合には、タイミングを逃してしまうこともあり得ます。

前述の様に、売却はタイミングも重要。経営が計画性の有無によって狂うこともあるのです。

情報を鵜呑みにしない

不動産投資は勉強が大切なのではありますが、巷には情報があり過ぎていて、誤った情報に翻弄されてしまう場合もあります。その場合、悪い時には経営にまで悪影響を及ぼしてしまうことも。ですから、情報を鵜呑みにしてもいけないのです。

情報は単に集めるだけでなく、それが正しいかの確認も必要です。情報ソースがどこなのか、複数の発信が見られるかなどを確認して、情報の正確性をチェックすることが大切なのです。

資金に余裕を持つ

不動産投資には資金が必要です。

そして、資金はギリギリでは無く、やはり余裕が欲しいです。

資金に余裕があると可能なことが多くなります。例えば物件の修繕など。

台風の襲来などで物件がダメージを受けることがありますが、その時の修繕はスピーディーで無ければなりません。仮に遅らせてしまった場合、入居者の生活環境を悪化させてしまうからです。

ただし、素早く対応するためにはキャッシュが手元にあるかどうかで違います。

この様に資金の有無によって対応可能な物も異なります。やはり資金は必要なのです。

まとめ

不動産投資の罠について取り上げました。実に様々な部分に罠が存在していることが把握出来たと思います。

そして、経営の難しさもイメージ出来たことと思います。

しかし、勉強を積むことなどが、罠の回避に有用であることも分かったことでしょう。

罠に対してはあらかじめ布陣を敷いておくことが重要。リスクについても勉強し、しっかりと対策を取りましょう。

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清水みち代

関東在住の30代女性。 生保代理店で窓口営業に従事していましたが、コロナの影響で休業中。 自宅にいる時間に資格取得に目覚め、通関士、宅地建物取引主任者、FP2級、総合旅行業務取扱管理者の各資格を取得。 将来の目標は、北海道での「田舎暮らし」。

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