不動産投資はミドルリスクの投資としてサラリーマンに人気です。そして、実際に大きな収益を得ている人がいるのも事実。なかなかに魅力のある投資ビジネスです。
さて、今の時代は「人生100年」とも言われ、人々が第2の人生を謳歌出来る様になりました。しかし、経済面では年金に不安を感じる人も少なく無いとも思います。
では、第2の人生…つまり定年後の収入のために不動産投資に挑戦してみるのは良い考えなのでしょうか。
ここでは、不動産投資は定年後に良い収入源になるかを考えたいと思います。
もくじ
定年退職者の不動産投資のメリットについて
まずは不動産投資のメリット、特に定年退職者にとって魅力のある点を挙げてみましょう。
収入が増える
不動産投資のメリットは「収入が増える」点です。
国の年金財政は非常に厳しく、いつ減額されるか分からない状況にあります。しかも税金が上がる心配もあり、経済面での不安はどうにもなりません。
不動産投資は収入を増やすのに格好の投資。自己資金が仮に少なかったとしても、銀行融資を利用することにより大きな投資も可能です。ですから、仮に自己資金が定年退職時の退職金しか無かったとしても、大きな物件の購入も可能となるのです。
確かに不動産投資は金融商品では無いため様々な勉強が必要とはなりますが、それでも収入の増加を考えれば魅力的です。
生命保険の代わりとしても利用可能
不動産投資を行う上で利用するのが銀行融資です。そして、一般的に融資を受けるためには団体信用生命保険に加入することになります。この保険は生命保険の代わりとなります。
この保険は融資の途中で投資家が死亡や高度障害などを負った場合、投資家に代わって融資を返済するという物です。ローンの残債が親族に残るのでは無く、保険によって支払われるのです。
そのため、この保険を掛けている投資家が死亡した場合、融資は保険によって支払われて無借金の不動産が親族に引き渡されます。
資産としても有望
不動産は資産としても有望です。
建物の耐用年数は木造で22年、鉄筋コンクリート造で47年と法的には定められてはいますが、上手にメンテナンスとリフォームをするならば更に長く使用することも可能です。
実際、東京都内のオフィスビルには築50年を超える様な物件も多く、いずれも現役で使われています。これはマンションでも同じ。上手に使えば長持ちするため資産としても有望なのです。
定年後だからこそ可能な不動産投資
不動産投資は物件を購入して入居者を募り、その家賃収入で成立するビジネスです。
ただし、背景となる条件は個々人によって異なります。特に違うのが用意可能な自己資金の額。少ない資金で始めなければならない人もいれば、資金に余裕がある人もいるのです。
では、これが定年を迎えたサラリーマンの場合にはどの様になるのでしょうか。
大きな投資も不可能では無い
定年退職を迎えたサラリーマンの多くは退職金を手にしています。これは会社の規模や賃金、そして勤続年数にもよりますが数百万円から1000万円を超える人まで居ます。つまり、まとまった資金を保有しており、投資に活かすことが可能なのです。
さて、ここで思い出したいのが銀行の存在。銀行からは融資を引き出すことが可能です。そして、銀行の用意している不動産投資ローンは2億円のレベルに上る物もあり、大きな投資も可能です。
これは数百万円の資金を用意するのが精いっぱいの現役世代とは違う点。退職金を活用することの出来る定年退職者は大きな投資をすることが可能なのです。
大きな資産も造ることが可能
不動産投資の対象となる不動産は個人の場合だと区分マンション、アパート、1棟マンションが多いです。これらは地域や物件の大きさにもよりますが、数百万円から数億まで、規模は様々と言えます。
さて、定年退職者は退職金を使えば大きな投資が可能。…例えば2000万円の資金を持っていたとすれば、物件の担保としての価値にもよるでしょうが、億を超える融資を引き出すことが可能ともなるでしょう。そして、そのレベルの資金が用意出来るのであれば都市部の1等地の物件や、状態の良い1棟マンションなどの購入も夢では無くなるのです。
この不動産は投資家にとっては単なる投資用物件では無く、資産としても高い価値を持ちます。しかも団体信用生命保険によって守られる物件。…非常に価値の高い大きな資産形成が可能となるのです。
自主管理で思い通りの経営
不動産投資は物件の購入だけが重要なのではありません。不動産には管理が必要なのです。つまり、入居者が満足出来る様な生活環境を作ってやらなければならないのです。
さて、不動産管理の方法には自前で行う自主管理と不動産管理会社を起用した管理の2つがあります。この2つは似ている様で意外と大きく違います。自主管理の場合には管理の手間は必要ですが、自分の思うレベルの物件管理が可能。しかし、不動産管理会社に任せる場合には手間は掛かりませんが、サービス管理が難しく、しかも管理会社に支払う費用が発生するのです。
定年退職者の場合、時間が自由になりやすい点でサラリーマンよりも有利。自主管理もしやすくなります。そのため、自分の思う様な管理も可能となり、入居者へのサービスの質も上げられる点で有利。しかも管理会社に支払う費用も無いので利回りも上げられます。
不動産投資は定年後の収入源になるか
それでは、不動産投資は実際のところ、定年後の収入源になるのでしょうか。
定年後の収入には十分になり得る
結論から言うならば、不動産投資は定年後の収入に十分になり得ます。定年退職者の多くは十分な資金を持っているので、大きな投資を狙うことも可能。しかも時間的な余裕もあるのでサラリーマン投資家よりも様々な点で優位と言えるでしょう。
ただし、世間には「放置していても不動産投資は儲かる」様な内容の書籍が流通していますが、不動産投資は実際は投資と言うよりも賃貸不動産業。ビジネスを間違えてはいけません。勉強と地道な努力、そして経営者としても自覚も必要なのです。
勉強しなければならないことは多い
不動産投資で勉強しなければならないことは幅が広いです。勉強しなければならない内容は後述しますが、いずれも投資を上手にするため、そして物件を運営するためには必要な知識です。
しかも、不動産投資の情報は様々な場所から発信されています。それらの情報も無視は出来ないためチェックが必要。勉強や情報収集には注力しなければならないのです。
不動産投資を始める際に勉強しておきたいこと
では、不動産投資を上手にするには、どの様な勉強が必要なのでしょうか。
代表的な物を挙げてみましょう。
資金管理
不動産投資は資金管理が重要です。キャッシュフローの管理や利回りの計算、そしてローンや税金の知識など様々です。しかも、これらの数字は計算方法を知っているかどうかで雲泥の差があります。と言うのも、何等かのアクシデントが起こった場合に、資金的なダメージがどの部分に発生するか判断可能だからです。
例えば、最近は建築単価が上がっていますが、それを「建物が高くなる」といったレベルの知識しか無い場合と、それが利回りにどの様な影響を及ぼすかが判断出来るレベルでは、やはり違います。投資家として取るべき行動が変わるからです。
ですから、資金管理は大切で深い部分まで知らなければなりません。それだけの精進が必要なのです。
不動産管理
不動産管理も知らなければなりません。不動産管理と聞くと物件の清掃や修繕のレベルしか思いつかないかも知れませんが、実はそうではありません。家賃の集金の様な仕事もあれば、トラブルの処理の様な厄介な仕事もあるのです。
当然、これらはノウハウの有無で仕事の品質も違います。仕事の品質を上げるためには知識が必要。やはり勉強は重要なのです。
事業計画の立て方
不動産投資を上手にする人の特徴に「計画性がある」という点があります。これを逆から言うならば自転車操業では上手く行かない、と言うことなのです。
その様な状態を回避するためには経営管理の知識、特に事業計画の立て方を勉強しなければなりません。事業計画がしっかりしていればアクシデントが発生しても対処方法が考えやすくなります。勉強は必要なのです。
ちなみに、事業計画の有無は銀行の評価にも繋がります。不動産投資は銀行の活用が重要ですが、このことは銀行と良い関係を維持しなければならないことを意味します。そのため、経営の面で風通しを良くするならば銀行の評価も上がり、有利。事業計画は大切で、そのための勉強も重要なのです。
法的知識
法的知識も必要です。と言うのも、不動産には宅建法や建築基準法、入居者管理には借地借家法、契約には様々な商法が関係して来るからです。
これらの知識は知っていないと交渉の場面で不利益を被ることもあります。その様な事態を回避するには法律を知らなければなりません。やはり勉強は必要なのです。
リスク関連
ビジネス一般にも言えることですが、リスク管理は物事を進める上で非常に大切。これは不動産投資でも同じで、リスクについても知らなければなりません。また、リスクの回避のためにはリスクの回避ノウハウだけでは無く、リスクの発生原因をも知らなければならないのです。
例えば、不動産投資の最大のリスクの1つに「物件の空室」があります。空室対策の手段はありますが、空室は収入が途絶えてしまうために予防するのが1番。予防のためには発生原因を覚えておき、現場で活かすことが大切なのです。
そのためにはリスクに対する知識も重要。勉強は必要なのです。
保険関連
不動産投資には火災保険や地震保険なども欠かせません。これらは危機回避の対策として非常に重要だからです。
しかし、火災保険などは細かい部分までは意外に知られていないのも現実。これでは良くはありません。
例えば、火災保険は一般には火災による損害に対応する物と思われているかも知れません。しかし、実際には落雷や台風などによる災害もカバーしていて、適用範囲は広く、多くのトラブルに対応出来るのです。
そして、保険を有効活用出来るかは投資家の知識に掛かっています。やはり知識は重要で勉強は欠かせないのです。
物件の購入・売却関連
不動産投資は物件を購入しなければ始まりません。また、ビジネススタイルにもよりますが、売却も考える必要も出て来るでしょう。
そして、物件の購入や売却を有利な条件で進めるためには、購入や売却に関する知識も重要になります。
具体的には不動産会社がどの様な仕事をしているか、物件の情報収集はどの様にしてするのか、購入の諸経費はどれくらい必要かなど、見渡してみると実に多くの項目があります。いずれも重要な知識。勉強は必要なのです。
瑕疵などの知識
瑕疵とは物件の問題点。それは物件の破損だったり環境的な問題だったりします。物件の問題は様々で、シロアリ被害や地盤沈下の様な物。環境に関しては騒音、振動、悪臭など、生活を不快にしてしまう困った条件なども挙げられます。しかも、その中には気付かれにくい物もあります。
これらの不具合を判断するためには、やはり瑕疵の知識が必要。問題回避のためには勉強は大切なのです。
その他
不動産投資には勉強すべきことが他にも色々とあります。リフォームなどの知識や業者選びのノウハウ、詐欺被害に遭遇しないための知識など様々です。
また、それらの勉強をするための方法についても知らなければなりません。不動産投資には情報は欠かせず、投資家には勤勉さが要求されるのです。
まとめ
定年後の不動産投資について考えてみました。不動産投資の有効活用が可能なこと、そのためには勉強が必要であることが分かったことと思います。また、世間で言う様に、家賃は自動的に入って来る物では無いことも理解出来たことでしょう。
この様に、不動産投資には様々なハードルはあるのですが、定年退職者の資金を有効活用すれば大きなビジネスも可能。資産も残すことが可能な非常に有望な投資と言うことが出来るでしょう。
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