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不動産小口化商品はどうなるか?市場規模と可能性

不動産小口化商品はどうなるか?市場規模と可能性

不動産投資は多額の初期投資が必要です。物件価格は時として億の額にも達するため、一般の人には手が出ません。

しかし、不動産を小口化する不動産小口化商品であれば話は違います。小口化しているため、一般の人でも手が届くレベルと言えます。実際、投資費用は100万円くらいからになるので、必要な資金は非常に下がります。

ところで、その様に便利な不動産小口化商品ではありますが、どの程度の商売になるのかが疑問に感じる人も多いことでしょう。

そこで、ここでは不動産小口化商品について、その市場規模と不動産投資の今後の可能性をメインに紹介したいと思います。

不動産投資には多額の初期投資が必要ですが、小口化商品はそうではありません。しかしながら、少額だとどの程度の利益になるのかイメージが沸き難いです。市場規模や今後の可能性を見ながら、どれだけの規模の投資になるのかをFPの方の解説で見ていきましょう。

不動産小口化商品の市場規模

ビジネスの大きさを考えるにあたっては、どれくらいの資金が流動しているかを知らなければなりません。また、どれくらいの人や企業が参入しているかが重要となるでしょう。

不動産小口化商品の市場規模

ビジネスの市場規模を知ることは、そのビジネスがどれくらい活性化しているかを知る上で必須。どれくらいの資金の流動があるか、どれくらいの参入があるかを知る手掛かりとなるからです。では、不動産小口化商品の市場規模はどれほどなのでしょうか。

市場規模について

不動産小口化商品は不動産投資の中でも新しいビジネス。現状においては供給が需要に追い付いていないことが問題にもなっているほどです。ですから、物件がネットで公表されると投資家同士のクリック合戦が始めるとも言われています。

さて、不動産小口化商品の市場規模ですが、現状では年間1000億円程度での推移です。この数値は実物不動産投資よりも遥かに小さい数値ではありますが、事業の新しさを考えるならば相応かとも思われます。

ちなみに、年間1000億円という数字は1億円の物件が年間1000件しか出ていないことを意味します。これを3大都市圏で割ると各都市あたりで年間300件。つまり各都市で1日に1件程度しか出ていないということ。供給の少なさを物語ると言えるでしょう。

今後の可能性

次に、不動産小口化商品の未来を考えてみましょう。

未来を考える上で参考になるのが過去から現在に至るまでの市場規模の推移なのですが、他にも注目すべき点はあります。それは「需要の規模」です。

と言うのも、需要が多ければ2つの未来が待っています。「価格の向上」と「供給の増加」です。いずれの場合も市場の活性化が考えられ、今後は拡大が期待出来るでしょう。

実際、不動産小口化商品はクリック合戦になるほど。供給の増加は望まれます。

ただし、不動産小口化商品を扱うためには一定の水準をクリアした企業でなければなりません。そのためには不動産会社のレベルアップが条件。業界としても一層のレベルアップが必要になるかも知れません。

他の不動産投資の市場規模

不動産小口化商品の市場規模は分かりましたが、次にすべきことは「他の不動産投資の現状」と比較することです。

他の不動産投資の市場規模

と言うのも、不動産投資全体の市場規模が分かれば不動産小口化商品の市場規模が一層明確になるから。そこで、ここでは、他の不動産投資の市場規模の現状を挙げてみましょう。

実物不動産投資

不動産投資は年金の危機などによる将来の不安から人気を集めています。特に、サラリーマンの副業としても受け入れられていて、今や非常にポピュラーな投資ビジネスです。また、株式投資の様なハイリスクでは無い点も人気の要因と言えるでしょう。

その様な背景があるため、不動産投資の市場規模は拡大傾向で、275.5兆円にも上ります。

尚、実物不動産投資の投資対象は多くが住居系不動産のマンションやアパートです。新築の物も中古の物もあり、価格は数百万円規模の物から億の値を付ける物まで様々です。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングは不動産小口化商品と同様に不動産を小口に分ける投資。少額からスタートが可能です。しかも、不動産小口化商品よりも少額で始められ、1万円から可能な物もあります。

さて、不動産クラウドファンディングですが、市場規模は250億円くらい。不動産小口化商品ほどは大きくはありません。

しかし、不動産クラウドファンディングの物件は不動産に限らず、街の再開発なども含みます。特に、首都圏の大きな街は再開発プロジェクトがあり、そこに投資するファンドもあるほど。今後の成長が大いに期待出来ます。

不動産投資信託

不動産投資信託は世界中の物トータルで189兆円レベル。日本はその中の9%程度を占めます。

不動産投資信託の特徴は不動産クラウドファンディングと同様に少額から投資が可能になる点。しかも、投資は国内不動産だけでなく、海外の物も含むので、一層の利回りが狙えます。

ただし、海外の場合は為替リスクやカントリーリスクも抱えるので、投資は慎重でなくてはいけません。

不動産投資の環境の今後

さて、不動産小口化商品の市場は拡大傾向にはあります。しかし、今後の展望を考えるならば、必ずしも拡大だけとは限りません。しかも、不動産小口化商品は10年先も読む必要があるのです。

不動産投資の環境の今後

そのため、不動産小口化商品であっても不動産投資の今後を知っておくことは必要です。

そこで、ここでは不動産投資の今後、そして不動産小口化商品への影響について考えたいと思います。

経済鈍化の可能性

経済鈍化の可能性は大いにあり得ます。賃金が減りながらも食料品を始めとする物資の価格が上昇すれば、流通するキャッシュも抑えられます。経済の鈍化は否定出来ません。

そのため、投資用物件の購入が必要な実物不動産投資も減少することが予測されます。

しかし、大金は投じることが出来なかったとしても、少額ならば可能という人は多いはず。初めから多額の資金が必要な実物不動産投資を諦めて、不動産小口化商品に流れることだって予測されます。

人口減少

人口減少は世帯数の減少も意味します。そのため、不動産の需要が減ってしまいます。その場合に考えられるのが空室率の発生と家賃の下落。また、物件価格の低下などもあり得るでしょう。

さて、不動産小口化商品もその影響を避けることは出来ません。人口減少のスピードに合わせて不動産が「余って行く」ことが進行するでしょう。そして、それと同時に空室と価格低下もあり得るのです。その場合は閉塞感が出て来ます。打開策が必要となるでしょう。

年金事業の悪化

現状の年金事業は悪化の一途をたどるばかりで、有効な打開策は今も見つかっておりません。先に挙げた人口減少は少子化から来る物でもあるので、年金の担い手が減っている現実があるのです。

そのため、年金不足の補填として不動産投資に人気が集まっているのですが、多くの人が物件を購入する資金は持っていません。そのため、資金が少なくても始められる不動産小口化商品や不動産クラウドファンディングに投資家が流れることが考えられます。追い風となるでしょう。

投資ビジネスの増加

投資ビジネスは年金問題を抱える政府にとっては打開策の1つ。そのため、投資ビジネスが増えて行く物と考えられます。しかも、労働人口が減って行くので、投資ビジネスの必要性が一層増すことでしょう。

そして、このことは不動産投資の増加をも意味します。そして、不動産小口化商品の需要も増えることと思われます。

尚、投資に参入する人口は増えると予測出来るのですが、どれくらいの比率で不動産に関係して来るかは未知数です。今後の経済状況や不動産環境によって大きく変わるかも知れません。

海外からの参入

既に起こっていることなのですが、国内の不動産投資に海外の投資家が積極的に参入しています。実際、不動産投資のサイトを見ると、多言語に対応している物もあります。外国人の参入を物語っている証拠と言えるかも知れません。

さて、外国人投資家の参入は不動産小口化商品にも影響をし得ます。と言うのも、外国人投資家と言っても、投資用不動産を一気に買うことは簡単では無いとも思われるからです。資金力がそれほど多くない投資家は不動産小口化商品に流れて行くことでしょう。

ビジネスのデジタル化

ここ20年の内にビジネスのデジタル化はスピーディーに進んで来ました。特に金融分野は進展が目覚ましく、インターネット利用が前提になる銀行も登場したほど。その動きを受けて、投資ビジネスもデジタル化が進みました。

さて、不動産投資もこの影響を大いに受けました。それは物件探しのサービスの進化を考えれば、納得の行くことと思います。

では、不動産小口化商品はどの様になるのでしょうか。これに関しても、デジタル化が更に進むとも思われます。例えば、DXの様な自動化システムなどとの融合が考えられるでしょう。

いずれにしろ、デジタル化は効率を上げます。不動産小口化商品もより速くなることでしょう。

不動産STOについて

さて、最近の産業のデジタル化の進展を受けて、不動産投資でも「取引」の上でのデジタル化が登場して来ました。

不動産STOについて

それが不動産STOです。不動産STOは不動産投資の市場規模にも影響を与えることも予想されるので、ここで取り上げたいと思います。

不動産STOとは何か

不動産STOは不動産をデジタル証券化する物。株取引の様に流動性が上がる特徴があります。

昔からある不動産投資は物件を数十年単位のローンを組みながら購入していて、流動性は良くはありませんでした。

しかし、不動産STOの場合はデジタル証券化するので取引もスムーズになります。ですから、イメージとしては、ネット証券で扱う不動産投資信託に似ています。不動産投資信託は物件の運用を事業者が行う点が違うのですが、投資家から見るならばスマホでも取引は可能で、似ていると言えるでしょう。

不動産STOの利点

この様に不動産STOは従来の不動産投資と取引が異なるのですが、利点を考えるならば次の点が挙げられます。

  • 24時間いつでも取引が可能
  • データ改ざんリスクが低い
  • 取引に関係するコストが削減出来る
  • 所有権を小口化出来る

今のネット環境は非常に進んでいるのですが、それと同時にデータの改ざんなど、新たなリスクも生まれました。この点を不正利用した悪意のある侵入者が存在しているため、ネット利用に脅威を感じる人もいるのですが、不動産STOの場合はデータ改ざんリスクを小さくしているので、安全な取引が可能となっています。

不動産STOの弱点

不動産STOには優れたメリットが多いのですが、やはりリスクは存在します。主な物は次の4点です。

  • プライバシー侵害の可能性
  • 審査が厳しい
  • 取引可能な物が少ない
  • 取引の規準が標準化がされていない

いずれのリスクも「始まったばかり」であることから起因している物と言えるでしょう。

特に、商品の不足は未成熟産業にはよく見られること。これからの成長を見守ることが必要です。

ただし、24時間取引可能な利点や少額からスタートが可能な点など、不動産STOはメリットも多いので、業界として経験が積まれれば解決する課題と思われます。

不動産STOの影響

不動産STOは始まったばかりのビジネスなので、市場規模にどの様な影響を与えるかは未知数です。しかし、不動産小口化商品や不動産クラウドファンディングの市場には少なからず影響を及ぼす物とは考えられます。

と言うのも、「少額で不動産投資を可能にする」という点は基本的には変わらないから。運用期間などは違うので、その部分が選ばれるかのカギとなるでしょう。

尚、不動産STOの今後を考えると様々なビジネスモデルが想起されます。例えば海外物件への投資。リスクは高くなるでしょうが、リスクを取ってもリターンを狙いたい投資家はいるでしょう。今後の動向に注目したい物です。

まとめ

不動産小口化商品の市場規模について取り上げました。市場規模に併せて、影響する要因も掴めたことと思います。また、事業のデジタル化の影響、不動産STOもイメージ出来たことでしょう。

不動産小口化商品は今後も楽しみなビジネス。市場規模の拡大も望めます。今後の動きを注目しましょう。

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関東在住の30代女性。 生保代理店で窓口営業に従事していましたが、コロナの影響で休業中。 自宅にいる時間に資格取得に目覚め、通関士、宅地建物取引主任者、FP2級、総合旅行業務取扱管理者の各資格を取得。 将来の目標は、北海道での「田舎暮らし」。

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