FPに聞いてみた

失敗しないコツを紹介。不動産投資型クラウドファンディングを安全にするために

失敗しないコツを紹介。不動産投資型クラウドファンディングを安全にするために

投資ビジネスはリターンもあればリスクがある物です。手堅いと思われた企業の株式が紙切れ同然になることも無い訳ではありません。投資には失敗はあるものと認識すべきなのです。不動産投資型クラウドファンディングも同様で、失敗し得るのです。

それでは失敗を避けて安全な投資とするための方法は無いのでしょうか。完全では無いにしろ、コツが無い訳ではありません。ただし、失敗を避けるためには失敗についての知識も必要です。

そこで、ここでは不動産投資型クラウドファンディングの「失敗」に焦点を当て、失敗の内容やリスク対策などを紹介したいと思います。

失敗しないコツは失敗を知る事でしかわかりません。不動産投資型クラウドファンディングはリスクが低い投資と言われていますが、損失を出さない訳ではないのです。今回はFPの方に詳しく聞いてみました。

不動産投資型クラウドファンディングの失敗とは

まずは実際の失敗内容について、代表的な物を挙げてみましょう。

不動産投資型クラウドファンディングの失敗とは

元本割れ

投資ビジネスでは損失のリスクは存在し、元本を割り込む事態まであり得ます。不動産投資型クラウドファンディングでもその点は同様で、やはり元本を割ることはあり得ます。100万円投資したのに90万円になって戻って来ることもあるのです。

尚、元本を割るのは著しく物件の資産価値が下がってしまった場合、あるいは事業者が倒産してしまった場合が多いです。ですから、物件の抱えるリスクをしっかりと確認し、事業者についても調べるならば、元本を割るリスク抑制にはなります。

無配当

不動産投資は物件の家賃収入があって成立する物。これは不動産投資型クラウドファンディングでも変わりません。仮に物件の家賃収入が途絶えてしまったり、著しく落ち込んでしまった場合には無配当にもなり得るのです。

家賃収入が無くなる原因にはいくつもの原因があります。例えば不動産管理が悪くて入居者が退去してしまうこと、近隣に良い物件が出来てしまって競争力が落ちてしまうこと、また、転勤や進学なども原因になり得ます。

投資そのものが難しい場合もある

失敗とは少し違いますが、投資そのものが出来ない場合もあります。

不動産投資型クラウドファンディングは少額からの投資が可能。一般の実物不動産投資の様に多額の資金は必要ありません。そのため、人気は高いです。

そして、現状としてはその人気のために、供給が需要に追い付いていかず、投資そのものが難しい場合もあります。事業者のサイトで物件を探したとしても、軒並み締め切りとなっているケースもあるのです。

こうなると、ビジネスそのものがスタートできません。次の空きを待たなければなりません。

不動産投資型クラウドファンディングの失敗要因

では、不動産投資型クラウドファンディングの失敗要因にはどの様な物があるのでしょうか。

不動産投資型クラウドファンディングの失敗要因

代表例を挙げてみましょう。

事業者の倒産

不動産投資型クラウドファンディングの事業者は、法律に規定された厳しい基準をクリアしなければなりません。そのため、一般的な企業よりも倒産のリスクは低いです。

しかし、その様なハイレベルの企業であったとしても、倒産のリスクはゼロにはならないのです。

ちなみに、事業者が倒産してしまえば出資金が失われる可能性も出て来ます。不動産は株式などよりもローリスクではありますが、状況が悪過ぎると危険にもなり得ます。経済環境を併せて見ることが大切です。

投資先の破綻

投資先が破綻してしまう場合もあり得ます。

例えば、投資先の不動産価値が著しく下落してしまった場合。あるいは空室が著しく増えてしまい、家賃収入が大きく落ち込んでしまう場合などです。

ちなみに、不動産価値の急落の例としては自然災害による物があります。物件のある地域の水害リスクが高かったり、実際に水害にあってしまった場合などは資産価値が下落してしまうことも。売却が難しくなりますし、物件の人気も落ちてしまうので、家賃収入の維持も出来なくなってしまうのです。

途中解約が出来ない

不動産クラウドファンディングでは途中解約が出来ません。ですから、仮に途中で何らかのアクシデントが起こってしまった時には現金化出来ず、そのまま損失を被ってしまうことになります。

これは不動産投資信託の様な解約が自由な投資とは全く異なります。途中解約が可能な投資であれば、価値下落が発生した時の損切りも可能なのですが、解約不可の場合には傷を広げてしまうからです。

不動産投資型クラウドファンディングのリスク対策

この様に、不動産投資型クラウドファンディングにもリスクは存在します。

不動産投資型クラウドファンディングのリスク対策

しかし、リスク対策はあります。代表的な物を挙げてみましょう。

分散投資

投資のリスク対策の基本は分散投資です。投資先を分けるならば、仮に1つの投資先で被害が発生したとしても、全体の破綻は免れます。

不動産の場合は投資用物件を地域で分けることが代表的手段。例えば、投資先の1つを首都圏、2つ目を中京、3つ目を関西に分ければ、1つの物件に被害が及んでも全体の破綻には及ばないのです。

ちなみに、不動産投資型クラウドファンディングは投資する資金が少額のため、一般の現物不動産投資よりも分散投資がしやすいです。と言うのも、現物不動産は1つの物件が高額だから。1000万円の資金があった場合、現物不動産投資は複数の物件の購入は難しいでしょうが、不動産投資型クラウドファンディングであれば500万円ずつなど、複数の投資先への分散も簡単です。

複数の会社を比較する

不動産投資型クラウドファンディングの事業者は厳しい基準をクリアした会社ばかりで、安定性は確保されています。

しかし、現実には資本金の違いがあったり、過去の経歴などが異なり、倒産などのリスクの度合いも違って来ます。そして、複数の事業者の比較がリスク対策に繋がります。

不動産投資型クラウドファンディングのサイトを見ると、事業者の企業情報を見ることが可能。宅建の登録番号や資本金についても記載されているので、複数の会社を見て比較すると良いでしょう。

物件の確認

物件を確認することもリスク対策に繋がります。

不動産クラウドファンディングの場合、事業者のサイトに物件の情報が記載されていますが、その情報がすべてとは限りません。物件情報を見るならば、築年数や物件の広さ、そして建っている街や地域についての記載を見ることが可能。しかし、地域のデメリットまでが記載されているとは限りません。

例えば、「日当たり良好で開放的なロケーション」との記載があるかも知れません。しかし、実際に物件を見るならば、敷地の外から物件が丸見えでプライバシーに問題があり、客付け力に悪影響を及ぼしていた…と言ったシナリオもあり得るのです。

失敗しないためのコツ

以上の様な要因が不動産投資型クラウドファンディングのリスク。では、どの様な点に気を付けて対処をすれば良いのでしょうか。

失敗しないためのコツ

運営会社を知る

不動産投資型クラウドファンディングは運営会社の状態によって、かなりの部分が左右されます。物件の選定が悪ければ空室リスクが上がりますし、不動産管理が悪ければ家賃の維持も危なくなります。

そのため、運営会社を知ることは、会社を選ぶことと同様に非常に重要です。

前述の様に、資本金や登録番号などから分かる情報もあるのですが、実際にファンドの資料をもらって細部まで確認することが大切です。大切な資産を委託するのですから、詳細までを知って納得の上での契約をするべきです。

現地を知る

物件の情報は運営会社から届きます。そして、その資料には詳細まで記載されていることでしょう。

しかし、現地に行かなければ分からないことも多くあります。…現地を確認することが非常に大切なのです。

例えば、駅から近い物件だとしたら利便性が高い良い物件と評価されるかも知れません。しかし、その駅に停まる電車が各駅停車のみで快速などが停まらない場合は意外に不便となるのです。また、駅が近ければ歓楽街も近くなり、風紀の問題も現れます。それらは家賃相場に影響するかも知れません。

この様な情報は不動産の資料には載りません。実際に現地に行ってこそ分かる情報なのです。

建物を知る

不動産の情報には間取りや築年数、そして物件の写真などが掲載されているかも知れません。それによって物件のイメージを知ることは確かに可能です。

しかし、実際の建物を見て分かることも多いです。例えば、物件の劣化状況や土地の環境などです。

ちなみに、外壁の痛みは目視でも調べることは可能です。外壁を手で触って白い粉が付く様であれば、それだけ外壁材が劣化していることを意味します。また、シーリング部は劣化すると割れたり剥がれたりしますが、それも実際に見なければ分かりません。

これらは物件の魅力にも影響する条件。つまり、客付けをも左右し得る条件であり、投資用物件とするならばチェックが必須となるのです。

周辺の環境を知る

物件のある地域のチェックだけでは済まない場合もあります。周辺の環境チェックが大切な場合もあるのです。

例えば、物件の周辺に下水処理場などがあると、風向き次第で悪臭が流れ込む危険性があります。その場合、住環境が損なわれるので、マイナス要因になります。

また、周辺の風紀の確認も必要です。特に大きな街で歓楽街が近ければ、それだけトラブルの発生確率も高くなります。そして、それらの情報は不動産の資料に掲載されてない物も多いです。実際に周辺の環境を見て知ることは非常に大切なのです。

不動産投資そのものを知ることの大切さ

不動産投資型クラウドファンディングは運営を事業者に委託するビジネス。間接的ではありますが、不動産投資なのです。ですから、不動産投資の知識が生きることが少なくありません。不動産投資の知識を蓄えることが非常に大切です。

例えば、不動産投資の利益が発生するプロセス、家賃収入の発生条件や空室発生の要因、そして税金や保険などの知識は不動産投資を行う上で極めて重要な知識です。

しかし、不動産クラウドファンディングだけの調査では、そこまで知ることは困難です。元本割れをしたならば、運営のどの部分が悪かったのかのチェックが出来ないのです。

その点、不動産投資の知識があれば物件情報や事業者の情報を見るだけで、そのファンドへの投資がどうなるかを予測出来ることでしょう。不動産クラウドファンディングであっても不動産投資の1つの形態です。知ることは大切なのです。

不動産投資のリスク要因も細かく知っておきたい

不動産投資型クラウドファンディングのリスク要因は前述の通りですが、これは不動産投資のリスク要因とも大きく関係しています。ですから、不動産投資のリスク要因も知ることが大切です。

例えば、空室リスクは無配当のリスク要因となりますが、空室リスクを細かく考えるならば、家賃が高い、不動産のメンテナンスが悪い、設備が悪い、デザインが悪いなど、実に様々な要因が浮かぶのです。

それらの条件を全部覚えるのは非常に難しいかも知れませんが、知識を蓄えるのは可能です。ぜひ積極的に知っておきたい物です。

情報収集の重要性

不動産関連の知識の幅は非常に広く、一朝一夕に覚えることは出来ません。不動産は建築や土地の知識だけでなく、法律や資金の流れなどが密接に関係して来るからです。

また、不動産関連の環境や法律は時代と共に変わって来ます。銀行の融資条件は金利によって変わりますし、建築法規などは自然災害の発生によっても変わります。

そのため、不動産投資に携わるならば日頃からの情報収集が非常に大切です。これはクラウドファンディングでも同じ。運営会社や投資物件の情報だけでなく、様々な面からの情報収集が重要です。

まとめ

不動産投資型クラウドファンディングの失敗について解説しました。失敗の要因などについて分かったことと思います。

ビジネスの成功は失敗を知ることが重要です。そして、失敗しないためにも、その要因を知ることが大切。更には、周辺の知識習得も重要となることでしょう。

失敗しないためにも、その条件や必要となる知識を知り、勉強に精進しましょう。

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関東在住の30代女性。 生保代理店で窓口営業に従事していましたが、コロナの影響で休業中。 自宅にいる時間に資格取得に目覚め、通関士、宅地建物取引主任者、FP2級、総合旅行業務取扱管理者の各資格を取得。 将来の目標は、北海道での「田舎暮らし」。

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