最近クローズアップされたのが不動産小口投資。文字通り、投資用不動産を小口化して投資家を募り、運用すると言う物です。この投資の特徴は、投資用物件が小口化されるために少ない自己資金で始めることが出来ること。不動産を買うまでの余裕が無い人であってもスタートさせることが可能です。
しかし、小口化されて少ない費用で始められるとは言っても、相手は不動産を扱う投資。場合によっては損失を被ることもあり得ます。
そこで、ここでは不動産小口投資と一般の現物不動産投資との違いを挙げ、双方の理解を深めたいと思います。
もくじ
不動産小口投資と現物不動産投資との違いを見る前に知っておくべき事
これは投資ビジネス全般に言えることなのですが、最初に覚えておきたいこと、それはリターンばかりの投資は存在しないと言うことです。リターンがあればそれと同様にリスクは存在する物。不動産投資の場合、例えば、銀行融資を利用することで大きなリターンが得られますが、その反面、ローンの返済を抱えることになります。
それと同じ様に、他の面でもメリットと同時にデメリットもあるのです。
不動産小口投資と現物不動産投資を比較しても同じことが言えます。双方ともメリットとデメリットがあることを忘れずに冷静に選ぶことが大切です。
不動産に投資をする際の準備の違い
それでは、不動産小口投資と現物不動産投資の違いについて述べて行きましょう。
さて、投資ビジネスをはじめるには準備が必要です。準備をしないでビジネスに取り組むのは無謀極まらないこと。ルートやノウハウなど、それぞれを最初に用意しなければなりません。
それでは不動産小口投資と現物不動産投資では、どの様な準備の違いがあるのでしょうか。
情報収集の違い
まずは情報収集の面を取り上げてみましょう。
双方ともに情報収集は重要なのですが、必要となる情報収集の範囲が両者では異なります。と言うのも、不動産小口投資の場合、運用そのものは不動産のプロに任せることが可能だからです。投資家の情報収集の範囲は広ければ良いのですが、全てが必須になる訳でなく、物件情報や運営会社情報に絞ることが出来る様になるのです。
その一方で、一般の現物不動産投資の場合には、物件の情報だけでなく、銀行の情報や火災保険の情報、不動産取引やリフォームなど、広範な情報収集が必要となります。
ですから、情報収集に関するならば不動産小口投資が労力の点で少なくて済むメリットがあります。現物不動産投資の情報収集は書籍だけで済む物では無く、時として人脈作りから始めなければならないことも。必要となる労力の差は非常に大きいのです。
小口不動産投資との業者探しの違い
不動産投資には様々な業者が関係して来ます。不動産管理会社はもとより保険会社、リフォーム会社など様々です。そして、業者探しも楽ではありません。と言うのも業者によって仕事の質に差があるから。収益を上げるためには良い業者を引かなければならないのです。
さて、業者探しの違いも不動産小口投資と現物不動産投資では異なります。これも運用を任せられる点が大きく作用しています。不動産小口投資の場合は事業者に運営を任せます。それは関係する業者探しの手間も委託出来ると言うことです。
その一方で現物不動産投資の場合は自前で業者を探さなければなりません。この仕事は特にビギナーの投資家にはハードルが高くなることでしょう。
資金の違い
資金の違いは不動産小口投資と現物不動産投資では決定的に違います。
不動産小口投資の場合は投資用不動産を小口化しているので100万円程度から始められます。その一方で現物不動産投資の場合には投資用不動産を購入するので1000万円を超えることも珍しくはありません。
ただし、現物不動産投資の場合は銀行融資の利用が可能なので、自己資金よりも大きな金額を投ずることが可能です。
現物不動産投資との物件購入の違い
次に物件購入の違いを挙げてみましょう。
物件購入は不動産投資の重要な部分、不動産小口投資も現物不動産投資もその点では変わりませんが、プロセスは異なります。
物件選びの違い
物件選びの仕事の量は双方で違います。
まず、不動産小口投資の場合は業者が物件情報をネットなどで公開しています。業者のサイトに行けば物件情報が掲載されていて、その物件を確認して応募する流れになるのです。そして、その物件は不動産投資のプロの選んだ物件ですので有望な物件。はじめから良い物件が紹介されているので、探す手間もほとんど省けるのです。
その一方で、現物不動産投資は違います。
物件探しはネットなどで可能なのですが、それが有望かどうかは自分で判断しなければなりません。確かに物件情報を見ると想定利回りや周辺の情報もあるのですが、それでも確認の必要性は高いでしょう。いずれにせよ、現物不動産投資であれば自己責任の色が濃くなります。
購入の手間の違い
購入の手間も異なります。
不動産小口投資の場合は多くが運営会社に申し込めば対応してくれるでしょう。
その一方で、現物不動産投資の場合は物件購入の手続き以外にも融資をしてくれる銀行を探さなくてはなりませんし、保険会社なども探すことになります。また、キャッシュフローの計画なども立てる必要があり、煩雑な仕事が多いです。
ですから、労力を掛けたくなければ不動産小口投資の方が有利です。
資金繰りの違い
不動産小口投資の場合は銀行融資が使えません。ですから自己資金以外の資金繰りはあまり発生しません。
その点、現物不動産投資では細かなキャッシュフロー計画が必要であり、そこには資金繰りも含まれます。
資金繰りには銀行が利用されるのですが、銀行もビジネスで貸してくれるので対処が必要です。銀行によっては事業状況の報告が必要にもなります。
ただし、銀行とのコネクションが強力に作ることが出来れば、物件購入の点で非常に強い味方を得ることにもなります。例えばフルローン。銀行の信用を勝ち取ることが出来れば自己資金がゼロであっても、融資のみで物件を買うことが可能となります。
隠れた瑕疵について
投資用不動産は隠れた瑕疵が問題になることがあります。つまり、購入した不動産に問題があり、その問題が買った後で気が付いたと言った物です。
この問題は不動産小口投資では、あまり問題にする必要は無いと思われます。と言うのも、物件を選ぶのは不動産のプロ。その様な瑕疵に関する知識も多いからです。
その一方で、現物不動産投資の場合は自己責任になる部分も少なくありません。確かに物理的瑕疵の様にハッキリと分かる物であれば責任を問うことも可能なのですが、瑕疵にはグレーな物もあり、その分判断も難しい物もあるのです。
現物不動産と小口不動産投資では管理の仕方も違う!
不動産投資は管理が重要。管理によって経営状態も変わります。
不動産小口投資と現物不動産投資について比較してみましょう。
不動産管理全般
まず挙げられるのが、不動産小口投資は管理を業者に投げられる点。投資家が動くことはあまりありません。
その一方で現物不動産投資の場合はオーナーの出番が多くなります。不動産管理会社に委託すれば管理業務の多くが省かれるのですが、それでも大切な場面には必要です。また、管理コストを抑えるために自主管理とするならば、管理業務を自前で行うので、それだけ労力が増えます。
ちなみに、不動産管理の業務は幅が広く、家賃の集金の様な仕事から入居者間のトラブルまでが含まれます。キメ細やかな管理をしようとするならば、多くの労力が必要となるでしょう。
リスク対策の違い
不動産投資のリスク対策は火災保険や地震保険、そして分散投資です。分散投資とは地域を分けるなどして自然災害リスクに対応しようとする物。
例えば首都圏と関西に分散させれば、仮に首都圏に災害が発生して物件にダメージを受けても関西の物件が残ります。
さて、保険関連はともかくとして、分散を考えるならば不動産小口投資に分があります。手持ち資金が仮に1000万円あるとすれば、500万円ずつ2つの地域に分ければ良い訳です。
その一方で現物不動産投資の場合は複数の不動産を持っていれば分散は可能ですが、1つしか持っていない場合には実質的には分散が出来ません。やはり、不動産小口投資が有利なのです。
小口不動産投資と不動産投資の収益の違い
次に収益について取り上げてみましょう。
収益は利回りと売却益が主な物ですが、不動産小口投資、現物不動産投資、それぞれに特徴があります。
利回りの違い
利回りはケースバイケースなのですが、傾向としては不動産小口投資の方が低めです。
と言うのは、不動産小口投資は業者に支払うコストが発生するからです。
不動産投資には様々な費用が発生しています。物件の修繕や入居者対策など仕事の内容は様々。業者もその仕事を無償で行っている訳ではありません。その分は収益から差し引かれますので、利回りはその分だけ落ちてしまうのです。
ただし、後述しますが銀行が登場すれば元本に対する利回りで、現物不動産投資は大きく成長します。
売却益の違い
売却益は双方ともケースバイケース。物件や売却タイミングによって異なると言えるでしょう。
尚、売却の仕組みは双方で違います。
まず、不動産小口商品の場合であれば購入した口数に応じて規約の範囲内であれば可能です。
その一方で、現物不動産投資の場合は売却先が現れなければ売却は成立しません。特にアパートなどの売却先は別の投資家になるのが一般的。状況によっては値切りが入るかも知れません。
不動産小口投資と現物不動産のどちらを選ぶか?
結論から言うならば、どちらを選ぶべきかについては個人によって違います。手持ちの資金や社会的立場などが個人によって異なるからです。ある人は手持ちの資金が多いかも知れませんし、手持ちの資金が少なかったとしても、社会的なステータスが高く、銀行が友好的な人も居るからです。
しかし、不動産小口投資も現物不動産も項目によって優劣が違います。スタートのしやすさ、手軽さ、収益性、それぞれについて、ここでは考えてみたいと思います。
スタートのしやすさで選ぶならば
不動産小口投資の場合には資金は少額で済むメリットがありますし、情報収集もある程度は省くことが出来ます。また、そもそも銀行融資が出来ないので、融資の可能な金融機関を探す必要はありません。
その点、現物不動産投資の場合は情報収集や銀行探し、保険会社や不動産管理会社の調査など、必要な仕事は山ほどあります。
ですから、スタートのしやすさは不動産小口投資の方が優勢です。
手軽さで選ぶならば
手軽さで選ぶならば、やはり不動産小口投資に軍配が上がることでしょう。
不動産小口投資は購入費用が抑えられ、管理の手間も少なくて済みます。運用面でも業者が多くの部分を負ってくれるので、投資家の立場からすれば比較的気楽です。
その点、現物不動産投資の場合は多額の購入費用が発生し、銀行対策や物件管理などをオーナーが責任を負わなければいけません。また、売却の顧客探しなども必要。労力は掛かるのです。
収益で選ぶならば
収益で選ぶならば現物不動産投資の方が優勢と考えられます。
確かに物件そのものの利回りは変わらず、業者に支払うコストの分程度しか違わないことでしょう。
しかし、現物不動産投資の場合は銀行融資を利用することにより、元本に対する利回りを飛躍的に上げることが可能です。しかも、銀行とのコネクションが強くなるならば、より大きな融資を引き出すことも出来る様になります。そうなれば更に大きなレバレッジが効かせられる様になります。収益がそれだけ上がるのです。
ちなみに、収益性の高い物件の購入が出来れば、それだけ出口戦略にも有利になります。大きな売却益が狙えるのは実に魅力的です。
まとめ
不動産小口投資と現物不動産投資の違いについて取り上げました。投資対象は同じ不動産ながら、特徴がずいぶん違ったことが把握出来たことと思います。また、双方の特徴についてもイメージが出来たことでしょう。
いずれにせよ、選ぶ時にはトータル的に検討して決めることが大切。色々な角度から考えて、自分に最善の投資を見つけましょう。
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