FPに聞いてみた

意外に掛かる費用、投資信託の手数料と税金

意外に掛かる費用、投資信託の手数料と税金

諸経費は商取引の様々な場面で発生します。例えば、不動産取引の場面においては不動産会社や銀行への支払いが発生します。また、取引に際しては税金も発生します。不動産取引の場合には不動産取得税をはじめとした税金です。

そして、取引のケースにもよりますが、その取引額に応じて変わる場合もあります。一定額の場合もあるのですが、取引額に応じて変わる物もあるのです。

ところで、投資信託にも手数料や税金が発生します。しかし、投資信託の場合は隠れて見える場合もあるため、カウントをし忘れることもあり得ます。

しかし、これらの経費は収益計画にも影響するので、忘れるべきではありません。

そこで、ここでは投資信託の手数料と税金を再確認したいと思います。意外に忘れていたことに気が付くことでしょう。

投資信託の中で意外にかかる費用は何だと思いますか?実は手数料と税金です。この辺りの計算をしっかりとしていないと、利益はどんどん小さくなってしまうので、注意をする必要があります。今回はFPの方に詳しく聞いてみました。

投資信託の隠れた費用

まずは、投資信託の経費をどの様に見るかを考えたいと思います。

投資信託の隠れた費用

経費は発生するのが分かっていても、ついつい忘れてしまう費用です。しかし、 意外にボリュームが大きいので、ビジネスを推進する上では重要です。

投資信託には費用が発生する

ビジネス一般として、何等かの手続きには手数料や税金が発生します。それはケースバイケースで、一律で発生する物、手続きの金額で決まる物など、様々です。

さて、投資信託は基準価額の変動と評価額、そして分配金にばかり目が行きがちですが、手数料と税金が発生します。そして、額は決して侮れる物では無く、意外なほどに大きな額となるのです。

ですから、最初の計画の段階から計算に入れておかなければなりません。

仮に、計画が甘いと自転車操業の様になってしまい、あまり良くありません。場合によっては経営上のダメージを大きくしてしまうこともあり得ます。手数料や税金を覚えることは大切なのです。

利益を圧迫するので注意が必要

税金や手数料は少額に見えて、意外に全体を圧迫します。例えば、消費税は10%となっていますが、この数値は年収が500万円の人から50万円を税金として奪ってしまうことを意味します。この金額は家計全体を考えるならば、決して無視出来る金額ではありません。

また、不動産の購入価格であれば、物件価格の3%に60000円を加えた金額。非常に高いのです。

さて、これは投資信託にも言えます。税金や手数料の掛かり方は様々ですが、分配金だけを見ても2割程度が税金として差し引かれます。ですから、仮に100万円の分配金が入るならば、20万円もの税金を支払わなければならなくなります。利益をそれだけ圧迫するのです。

投資信託の手数料とは

それでは、投資信託に発生する手数料にはどの様な物があるのでしょうか。

投資信託の手数料とは

主な物について取り上げてみましょう。

購入時手数料

購入時手数料は投資信託を購入する時に発生する販売会社に支払う費用です。金額は販売会社やファンドの種類によって異なります。

投資信託はファンドの運用会社が実際の投資をするのですが、販売会社は顧客と運用会社を繋ぐパイプ役で、分かりやすい様に取り持ってくれます。当然ながら、販売会社にも販売インフラの維持、そして店舗維持や人件費なども発生します。この費用はそこに充てられるイメージとなります。

ちなみに、手数料が発生しないノーロードと呼ばれる物もあります。初心者にはおすすめのファンドです。資金が抑えられるだけでなく、管理も簡単になるメリットもあります。

運用管理費用(信託報酬)

投資信託は運用のプロに資金を託して間接的に投資するビジネス。ですから、実際に運用するファンドマネージャーに支払う報酬が発生します。それが運用管理費用(信託報酬)です。

ファンドマネージャーは投資対象を毎日チェックして取引し、そこから収益を上げています。顧客としては、そのサービスを購入するとも言え、そのサービスの対価として支払う恰好となるのです。

尚、この費用は投資信託を持っている期間に応じて発生します。保有している期間が長くなると増えるイメージです。

監査報酬

監査と聞くと会社の監査を思い浮かべる人も多いかも知れません。会社の経営が適正であるかチェックされるのです。

さて、投資信託も監査を受けます。これはファンドをチェックするための監査で、法的にも決められている工程です。監査にも費用が発生しますので、最終的には負担は保有している投資家の物となります。

尚、会社の監査であれば会社の経営そのものになりますが、投資信託の監査はファンドそのものが対象であって、運用会社とはなりません。ただし、投資が健全であるかをチェックする目的として、運用会社も調べられることもあります。

売買委託手数料

投資信託は運用会社に投資を委託しますが、運用会社は株などの有価証券を売買して利益を得ます。そのため、運用会社も証券会社に手数料を払う必要があります。これが売買委託手数料です。

売買委託手数料のチェックは運用報告書に出ているので簡単です。ただし、1万口当たりの費用となっているので、注意して見なければなりません。

信託財産留保額

前述の様に、投資信託の購入には費用が必要で、それが購入時手数料となります。

さて、投資信託はそれとは逆に売却の際にも別な費用が発生するのです。それが信託財産留保額です。投資信託を売却するには、ファンドの資産をも売却する必要があり、その部分での費用が発生するのです。

尚、投資信託の信託財産留保額はファンドの種類によっても異なりますが、一般的には0.3%程度です。

投資信託に掛かる税金

手数料と並んで注意が必要なのが税金です。投資ビジネスは収益を上げるので、その収益には税金が発生します。そして、税金に関する知識が無いと思わぬ損失を招くこともあり得ます。手数料と同様に注意をしなければいけません。

投資信託に掛かる税金

分配金に掛かる税金

投資信託の収益の1つに分配金があります。投資信託にもよりますが、分配金の額は無視出来ません。そして、分配金を見るならば、投資信託にもよりますが基準価額の数%にもなる場合もあります。

さて、分配金にも税金が掛かります。内容は所得税と住民税。利益に対して20.315%が掛かります。この税金の内訳は所得税が15%、復興特別所得税が0.315%、住民税が5%です。…所得税の税率が分かりやすいので、累進課税よりも単純と言えそうです。資金計画にも参考にしやすくなるでしょう。

尚、分配金には普通分配金と特別分配金がありますが、税金は利益の部分となる普通分配金にしか発生しません。

途中換金の利益に掛かる税金

投資信託の税金は利益の部分に掛かります。ですから解約などで換金して利益が発生した場合には、その利益に対して税金が掛かります。税金の構成は分配金の時の同様に20.315%です。決して無視出来ない金額です。

例を挙げるならば、基準価額が10000円で12000円に上がった時には、上がった分の2000円に口数を掛けた値に税金が掛かります。100口持っていた場合には20万円に対して20.315%ですから、税金は約4万円になるのです。

尚、投資信託の税金は利益に発生する物です。ですから、損失の時には税金そのものが課税されません。仮に基準価額が落ちてしまい、損切りをしたとしても税金は発生しないのです。

償還で得られた利益に掛かる税金

投資信託には償還日が決まっている物があります。これは償還日に資金を投資家に還元すると言う物。投資家は基準価額の変動と口数で、それに応じたリターンを受けます。

さて、償還によっても利益が発生するのですが、税金は償還の利益にも発生します。ただし、償還による利益であっても税金は変わりません。

尚、償還には運用が上手く行かずに損失を被ってしまう場合もあります。その場合には繰上償還ともなり得ますが、損失であるために税金は掛かりません。

税金について知っておきたいこと

サラリーマンの場合、税金は会社が計算してくれるので、ついつい無頓着になりがちです。そのため、投資信託に関しても納税を考えないケースが意外にあると思われます。

税金について知っておきたいこと

しかし、投資信託も立派な収益を上げるビジネスです。納税についてもしっかりと押さえておかなければなりません。

確定申告と源泉徴収

投資信託の納税は確定申告と源泉徴収が基本です。

確定申告は税務署に行って申告する方法、申告用紙を送る方法、そしてネット経由の手段があります。税務署に行く場合には職員が教えてくれるメリットがありますが、ネット経由であれば税務署の開いていない時間でも申告出来るので便利です。また、証券会社によっては確定申告をサポートしてくれるところもあります。

次に挙げられるのが源泉徴収。収益があった場合に自動的に天引きしてくれます。投資家としては確定申告の必要が無いメリットがあります。

特定口座について

証券会社と取引する講座には一般の口座の他に、特定口座と呼ばれる口座があります。一般口座との違いは税金の取り扱いが違う点。特定口座の方が簡易な手続きで納税出来るので便利です。また、特定口座には源泉徴収がある物と無い物があります。この内、源泉徴収のある物であれば、自分で納税手続きをする必要がありません。ですから、投資初心者に向いています。

分配金を再投資する場合の税金

投資信託の分配金には受け取る物と再投資する物があります。この内、再投資の方は手元に分配金が入って来ないので、税金が発生しない様に見えるかも知れません。しかし、再投資の場合であっても分配金は「1度もらった資金」としてカウントされるため、税金は発生してしまいます。

投資信託には分配金そのものが無い物もあります。そちらであれば分配金が無いので税金は発生しません。税金をとにかく節約したい人は、分配金の無いタイプが良いかも知れません。

実物不動産投資と不動産投資信託の比較

投資信託の手数料と税金のアウトラインのイメージは掴めたことと思います。

実物不動産投資と不動産投資信託の比較

では、投資信託の税金は実物の投資ビジネスとは、どの様な点で異なるのでしょうか。実物不動産投資と不動産投資信託を比較してみましょう。

手数料について

手数料を考えるならば、実物不動産投資は物件購入時に不動産会社に支払う費用、ローンをスタートさせるための費用がメインになります。また、物件の運営においては、手数料とは異なりますが、物件の修繕費用などのランニングコストが発生します。

これだけを見るならば、不動産投資信託よりも実物不動産投資の方が、手数料が発生している様に見えます。ただ、実物不動産投資はキャッシュフローで評価するので、手数料が仮に高かったとしても利益を上げることが可能です。

ちなみに、物件の取得には自己資金が必要ですが、運営する不動産が増えて来て実績も積んで来ると、銀行が友好的になることも。状況によってはフルローンを引くことが可能なので、投資に発生する費用はグッと抑えられます。

また、実物不動産投資の場合には発生した費用を経費として扱うことが可能。会計上の大きなメリットとなります。

税金について

実物不動産投資の場合には、物件購入の際に不動産取得税や消費税など、様々な税金が発生します。そして、これらは物件の金額に応じて増えるため、大きな物件に資金を投じる場合には多くなります。

また、実物不動産投資も所得税や住民税、そして固定資産税が発生します。この場合には累進課税の物もあるので、利益が多くなれば税率も上がり、税額も多くなります。

その点、不動産投資信託の場合にはそこまでの税金が発生しません。

まとめ

投資信託の手数料と税金について取り上げました。投資信託には意外に手数料と税金が発生していることが掴めたことと思います。しかも、その金額をトータルで考えるならば、決して無視出来る金額で無いことも理解出来たことと思います。

そして、これらの条件もトータルで考えて、投資信託の研究をする必要があることが分かったことでしょう。

金額の計画を立てる時は、手数料や税金も含める様にしましょう。

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