「レバナスに投資すると短期で儲けられるって本当なのかな?」
「レバナスが危険だっていう人がいるけど、どういう理由なの?」
こんな疑問を持っている人に、レバナスの基本的な仕組みや、どういう特徴があるのか詳しく解説していきます。
簡単に言うと、レバナスは米国株式指数NASDAQ100の2倍値動きする特徴がある投資商品です。
2021年までの米国株の上昇によってレバナスは大きく値上がりをしたために、多くの一般の投資家にまで注目を集めました。
ですが2022年に入るとウクライナ紛争や、米国の利上げ、コロナウイルス蔓延による景気停滞などで株価が低迷を始めると、損害を出して投資をあきらめる人が続出しています。
一方でレバナスに投資を続けている投資家も多くいます。
その理由には、長期投資で取り組めば株価が回復した時に大きく稼げるという考えが背景にあります。
ただしレバナスに長期投資するのであれば、高いリスクのある商品だと理解する必要があります。
レバナスという投資商品の仕組みや特徴を理解して、自分に合った投資方法なのか是非見極めてください。
この記事ではレバナスの仕組みや特徴、中でもデメリットについて詳しく解説していますので、是非最後までお読みください。
もくじ
レバナスに投資するデメリットとは
まずはレバナスに投資するデメリットを1つずつ解説していきます。
手数料が高い
まずレバナスの手数料の高さには注意が必要です。
レバナスを保有している期間、証券会社に支払う「信託報酬」という手数料の高さを、一般的な投資信託と比較した結果は以下の通りです。
(信託報酬の違い)
- iFreeレバレッジNASDAQ100(レバナス):0.99%
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス:0.495%
レバナスの信託報酬は、同じ運用会社・同じ連動指数の投資信託に対して2倍高いことが分かります。
さらに米国株への投資であれば、米国の代表的な株式指数S&P500に連動するETFの方がさらに安い信託報酬で購入が可能です。
例えば「VOO」というETFでは信託報酬はわずか0.03%に設定されています。
信託報酬の高さは特に長期投資をしたときに、運用利回りに大きく影響を及ぼすため注意が必要です。
値動きが大きく心理的負担が大きい
レバナスはNASDAQ100指数に2倍のレバレッジをかけた投資商品です。
そのため値動きの幅は通常より大きく、株価が順調に値上がりし続ければ大きな利益を得られますが、反対に値下がりする場面では損失は倍増します。
特にNASDAQ100は米国の新興企業も含まれているため、もともとの値動きも大きくなりやすいので、より大きく価格が変動します。
実際にコロナショックでは価格が短期間の間にほぼ半減しました。
そうすると投資で損失をかかえることに慣れていない初心者や、一攫千金を狙って自己資金の多くをレバナスに投資した人は精神的なストレスが大きくなります。
日中の仕事が手につかない、夜間の米国株の値動きが気になってしまうなど、生活面にも影響を及ぼす可能性があります。
投資初心者のうちはレバレッジ型商品に手を出さない、生活費や将来使う目的の有るお金を投資に回さないなど、慎重に検討する必要があるかもしれません。
長期投資に向いていない
レバナスは手数料が高く、長期投資で利回りを下げる影響があることは前述しました。
さらにレバナスにはもう1つ長期投資に向かない特徴があります。
それは株式数が横ばいに推移していても損失が拡大し続ける仕組みになっていることです。
レバナスのような「レバレッジ型ファンド」特有の仕組みを「逓減効果」と呼びます。
(NASDAQ100の値動きによるレバナスの運用成績)
- NASDAQ100の上昇が続いた場合:レバナスは約2倍で値上がりする
- NASDAQ100の横ばいが続いた場合:レバナスは徐々に値下がりする
- NASDAQ100の下降が続いた場合:レバナスは約2倍値下がりする
例えばNASDAQ10が5%値上がりと5%の値下がりを日々繰り返すと、レバナスは9日間で約2%価格が下落します。
この特徴が長期投資になると資産を目減りさせることになるので、注意が必要です。
さらに株式市場は2021年までは上昇を続けていましたが、今後の市場動向は不明です。
もしNASDAQ10指数が1年間横ばいを続けた場合、資産が少しずつ目減りを続けて気づくと大きな損失を抱えている可能性があります。
つみたてNISAの対象銘柄から除外された
つみたてNISAは長期投資を前提として非課税で資産形成するための優遇制度です。
老後資金のたくわえなどのために利用するため、「リスク軽減目的以外で、デリバティブ取引を利用してはならない」という条件を満たした金融商品が選ばれています。
レバナスは長期投資では目減りする可能性が高く、値動きが大きく資産の安定した形成には不向きな特徴があるので、金融庁は選定銘柄から除外しています。
同様にレバレッジ型投資信託はつみたてNISAで利用できないようになっていますので、非課税優遇を受けたい場合はレバレッジのない投資信託を選ぶ必要があります。
その場合は運用コストの低く、分散性の高い投資信託を選んで購入すると良いでしょう。
レバナスとはどういう仕組み?
ここまでレバナスのデメリットを解説してきました。
ここで改めてレバナスの基本的な仕組みや、メリットを解説します。
レバナスとは
レバナスとは「レバレッジ」と「ナスダック」を合わせた言葉を、略して呼んでいる呼称です。
大きな特徴はNASDAQ-100指数の値動きに対して、2倍になることを目指した投資信託だということです。
そもそもNASDAQとは、米国のハイテク・ITとなどの成長性の高いセクターの新興銘柄が多数上場する株式市場のことです。
代表的な銘柄にはAmazon、Google、Apple、Tesla、Metaなどの米国を代表する有名企業が多く含まれています。
2021年までの市場で、これらの企業は投資家の間で非常に人気があり、米国株上昇をけん引しました。
それによりレバナスも大きく値上がりを続け1年間で2倍以上に値上がりをしたため、投資経験の浅い投資家の間でも注目されるようになりました。
レバナスの種類
レバナスには運用会社の違いで、現在2種類の商品があります。
(iFreeレバレッジNASDAQ100)
- 設立:2018年10月
- 純資産額:約1450億円
- 信託報酬:0.99%
(楽天レバレッジNASDAQ-100)
- 設立:2021年11月
- 純資産額:約240億円
- 信託報酬:0.77%
2021年以前はレバナスというと「iFreeレバレッジNASDAQ100」が一般的でしたが、2021年11月に楽天証券が新たに商品を投入しました。
信託報酬が0.22%安く設定されているので、これまでよりも運用コストが低く抑えることができます。
レバナスの運用成績
レバナスの過去の運用実績を紹介します。
まずは2022年4月時点の過去の運用実績は以下の通りです。
(iFreeレバレッジNASDAQ100の運用実績)
- 1か月間:-26.2%
- 3か月間:-21.1%
- 6か月間:-34.7%
- 1年間:-18.1%
- 3年間:120.6%
- 設定来:155.3%
3年間以上の長期で見ると120%以上値上がりをしていますが、2022年に入ると運用実績はマイナスに低下しています。
ウクライナ紛争やコロナウィルスの拡大などが影響し、株式市場の低迷が原因となっています。
続いてレバナスの年間収益率を紹介します。
レバナスが設定された2018年以降の運用利回りは以下の通りです。
(iFreeレバレッジNASDAQ100の年間収益率)
- 2018年:-22.7%
- 2019年:81.9%
- 2020年:91.4%
- 2021年57.8%
- 2022年-38.9%
2019年から2021年までは毎年50%を超える高い利回りとなっていますが、2022年にはマイナス利回りという厳しい運用利回りとなっています。
レバナスを購入するメリットとは
レバナスのデメリットについては解説してきましたが、購入するとどのようなメリットがあるのか紹介します。
①短期間で大きな利益を狙える
長期投資でコツコツと安定運用という目的では利用しにくいレバナスですが、短期間で大きな利益を狙う方法であればコストを抑えることができます。
タイミングよく投資すればNASDAQ100の値上がりの2倍の値上がりによって、資産を大きく増やすことが可能です。
②NISAで利用できる
レバナスはつみたてNISA銘柄からは除外されていますが、一般NISAやジュニアNISAであれば利用可能です。
一般NISAはつみたてNISAと違い短期間の売買で利用ができて、売却益にかかる税金が非課税となります。
③小額から投資できる
通常日本株などに投資する場合、会社ごとに決められた最小購入単元の購入が必要になります。
一般的に数万円から数十万円の資金が必要なため、多くの企業に分散投資することが難しくなります。
その点、レバナスは楽天証券などで100円から購入することができて、米国の有名企業に分散投資が可能です。
④米国の成長セクター企業に投資できる
NASDAQ100にはAppleやGoogleなど、米国内の成長力が高い企業を多く含まれています。
グローバル化されたこれらの企業は、今後の世界経済の発展によって益々成長することが予想されています。
そうなればレバナスも堅調な値上がりを続ける可能性があります。
⑤FXのような追証発生が無い
レバレッジ型投資の代表であるFXなどでは、自分が購入した通貨が値下がりを続けると追証を求められることがあります。
追証を入れないと取引停止や強制的な資産売却などの措置が取られたり、さらに通貨の値下がりが続けば借金を背負うリスクを抱えるデメリットがあります。
レバナスは現金取引なので資産が0になることはありますが、マイナスになって追証を求められることはありません。
レバナスの今後の見通しと購入方法
レバナスの今後の見通しや購入方法を紹介します。
レバナスが置かれている現状
レバナスの動向を予想するためには、米国株式市場の今後の展望を考える必要があります。
2022年から米国株式市場は調整局面に入っていて、低調な値動きが続いています。
原因にはウクライナ紛争による国際的な治安・経済の問題や、米国内のインフレが進んでいて金融引き締めを開始したことがあります。
またコロナウイルスの新種発生で行動制限が始まり、企業活動に影響が出て供給量の不足がより一層インフレを加速させています。
金融引き締めにより政策金利が上がると、企業や個人がお金を借りにくくなり経済活動が鈍化して株が下落の原因となります。
そのためインフレ率と政策金利の引き上げが、今後のレバナス価格を左右する大きな要因となります。
レバナスの今後の見通し
今後の見通しをいうとインフレ率が低下する見込みが立たない状況のため、金融引き締めが継続されると考えられています。
そのため景気の減速が勧め可能性があり、株価が低調な値動きを続ける可能性があります。
一方で長期的に見れば世界経済は人口増加や新興国の発展などにより発展が継続することが予想されます。
NASDAQ100に含まれる銘柄の多くは、グローバル経営を進めている成長力の高い企業のため、世界経済の発展に伴う恩恵を受けます。
そうなれば現在は低調に推移するレバナスも、今後大きな値上がりが起きる可能性があります。
レバナスの購入方法
レバナスに投資する場合は、証券会社で口座開設を行い「iFreeレバレッジNASDAQ100」や「楽天レバレッジNASDAQ-100」を購入する必要があります。
証券会社は取扱銘柄が豊富で、取引手数料の安い会社を選ぶことをおすすめします。
初心者であれば「SBI証券」「楽天証券」のどちらかの証券会社がおすすめです。
レバナス以外の投資商品も多く、業界最安値の手数料を設定しているからです。
レバナスには積立型の投資方法もありますが、長期的な保有はコストが高くお勧めできません。
短期的に株価の上昇が見込めるタイミングで、スポット購入する方法がおすすめです。
まとめ
ここまでレバナスの仕組みや特徴、デメリットについて解説してきました。
レバナスはハイリスクハイリターンの投資方法で、初心者には精神的な負担が大きい方法だといえます。
長期保有にかかるコストも高く、株価の上昇が継続するトレンドでは大きな成果を発揮しますが、それ以外の局面ではかえって損失が膨らむ可能性があります。
そのため投資初心者に限らず、生活費の一部や将来利用目的の有るお金を投資する行為は危険です。
あくまでも余裕資金の中で購入すること、株価の動向に一喜一憂しないでよい資金量にとどめておくことをおすすめします。
そして短期的に株価上昇が見込めると感じた短期間の間に取引を終了するように心がけると、通常より大きな利益を得られる可能性があります。
例えばウクライナ紛争やコロナウイルスに目途が立った、世界経済の成長率が大幅に上方修正されたなど、国際的なイベントに注目してタイミングを見計らってみてはいかがでしょうか。
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