「株式投資を始めたけど、どの銘柄を選べばよいか分からない。」
「グロース株とバリュー株、どっちに投資したらいいんだろう?」
こんな疑問や悩みを持っている人に、株式投資で基本的な2種類の銘柄タイプ「グロース株」と「バリュー株」について解説します。
簡単に説明するとグロース株は著しく売り上げが成長している企業のことで、バリュー株は企業価値に対して低い株価にとどまっている企業のことです。
グロース株とバリュー株どちらに投資をしたほうが良いかは簡単には判断することができませんが、それぞれの特徴やメリット・デメリットを知っておくと、どちらのタイプの企業に投資すればよいか判断する材料になります。
この記事でグロース株・バリュー株について詳しく解説していますので、是非最後までお読みください。
もくじ
グロース株の定義とは
まずはグロース株について、詳しくその特徴やメリット・デメリットを解説していきます。
グロース株の特徴
「グロース」とは成長という意味で、グロース株投資は売り上げや利益の成長率が高い企業に投資する方法のことです。
市場が著しく拡大している分野で高いニーズを持った企業や、新技術で競合他社を圧倒してシェアを拡大している企業などです。
急成長している企業は投資家からも注目されやすく、株価が大きく上昇する特徴があります。
例えば米国株の中でグロース株の代表銘柄「テスラ自動車」は、次世代産業として有望な電気自動車の技術開発・生産販売で他社をリードしており、今後の売上成長への期待で過去5年間で20倍近く株価が値上がりしています。
米国株に限らず日本国内でも高い成長率を持った企業は存在しており、国内のグロース株を選んで投資することも可能です。
グロース株の具体例
グロース株の特徴を理解するために、具体例を出して解説していきます。
①マネーフォワード
マネーフォワードは家計簿アプリとして日本で最大の利用者を持つサービスです。
銀行や証券会社、クレジットカード会社と連携して、取引を自動入力して簡単に家計簿が作成できます。
②メルカリ
フリマアプリとして国内で最大のユーザーを持つ「メルカリ」を運営しています。
メルカリの他にも「メルペイ」「メルコイン」や、「メルカリUS」事業を展開しています。
③BUYSELL
BUYSELLは出張訪問買取を中心としたリユースビジネスを展開しています。
買取効率の向上やM&Aで売上高、営業利益ともに成長を続けています。
④JTOWER
5G関連で注目を集める携帯電話インフラ関連の先駆者的企業です。
5G通信で必要となる大量の基地局を共同利用するサービスで、多くの通信会社を支えるビジネスを展開しています。
⑤レーザーテック
レーザーテックは需要が拡大し続ける半導体の検査装置を製造する会社です。
半導体向けのマスクブランクス検査装置で世界シェア100%を持つ、有望なグローバル企業です。
グロース株のメリット
グロース株の企業は売り上げが大きく成長することが期待できるので、株価もそれに伴って数10倍や100倍といった大きな値上がりを狙うことが可能です。
例えば米国株でグロース株として有名な「グーグル」に、2004年に投資を開始していれば株価は約60倍に値上がりしています。
グーグルのように優れたサービスや技術を持っている企業を、まだ他の投資家が気づかないうちに見つけ出すという、株式投資の醍醐味を味わうこともできます。
グロース株の株価は短期的には上下しやすく安定性に欠ける面がありますが、企業自体が順調に成長を続けていれば、あまり気にする必要はありません。
長期投資で大きな利益を目指すスタイルが適しているといえます。
グロース株のデメリット
グロース株のデメリットはまず、将来性の高い優れた企業を見つけ出すことが難しいことです。
グーグルやアップル、マイクロソフトなどはグロース株として有名ですが、サービスや製品が私たちの身近に存在するようになった時点で投資を開始しても、すでに多くの投資家から注目を集めていて株価が割高に上昇してしまっています。
株価が割高になってから投資を始めると、何らかのトラブルが起きると大きく株価が下がってしまうことも少なくありません。
その他にはグロース株は赤字経営をしている場合が多く、配当金が支払われないことが多いデメリットがあります。
その理由は事業拡大のための投資が大きく、当面の間は収益化を目指していない点にあります。
また借入金が大きい企業は事業が想定通りに成長しなかった場合に、経営が不安定になりがちで株価への悪影響を及ぼすデメリットがあります。
バリュー株の見分け方
バリュー株を見分ける方法には、売上と利益の成長率の高さで判断する方法があります。
ただし1年2年といった短期間の成長率で判断するのではなく、長期的に判断する必要があります。
また利益はばらつきが大きく、投資が大きい場合は赤字経営をしている企業も多いので、判断が難しい場合もあります。
そのため、さらに詳しく見極めるためには、その会社の事業内容を理解して今後も社会のニーズに合ったビジネスを展開しているか調べる方法があります。
そのためには経済や政治、国際情勢などのニュースに日ごろから目を通し、今後の社会情勢について理解する必要があります。
例えば今後はガソリン車から電気自動車への切り替えが進むと考えるなら、自動車用バッテリーメーカーのようにこれから需要が伸びる企業を選ぶ方法があります。
バリュー株の定義とは
続いてバリュー株について、詳しくその特徴やメリット・デメリットを解説していきます。バリュー株の特徴
バリューは「割安」という意味で、バリュー株投資とは会社の資産や利益に対して株価が割安に放置されている企業に投資することです。
グロース株と違って成長性が高い企業というわけでは無く、反対に注目されにくい地味な業種に属していたりします。
成長性の高い業種に比べて競争が激しくないので売上が安定しやすい反面、成長率も低くなる傾向があります。
そのため株価が低調な値動きをしている場合が多く投資に向かないと思われがちですが、株価が下がりにくく一旦投資家から本来価値を認められるようになれば株価の上昇も期待できます。
一方でグロース株のように株価が何十倍にも上がることは少ないので、グロース株に比べてローリスク・ローリターンの投資方法といえます。
バリュー株の具体例
バリュー株の特徴を理解するために、具体例を出して解説していきます。
①武田薬品工業
国内最大の医薬品メーカーであり、世界でも第9位の売上高を持つ大企業です。
その一方で株価は10年近く横ばいが続いていますが、2021年3月期では前期比+750%の増益を達成しています。
コロナウイルスや高齢化社会の恩恵を受けて、今後も安定した業績が予想されています。
②三菱商事
エネルギー・金属・化学・機械・素材などあらゆる幅広い事業を手掛ける日本最大の総合商社です。
業績は増収増益が予想されていて、配当金の増額も度々行われています。
一方で株価は割安水準に放置されています。
③SPK
SPKは自動車や産業用車両の補修部品を輸出入・販売している商社です。
自動車の新車販売台数が下がっている一方で、補修部品を扱う同社の利益は安定しています。
23期連続増配を継続しており、株価も業績や資産に対して割安水準にあるといえます。
④丸全昭和運輸
総合物流企業としてソリューション事業、オペレーション事業、ITシステムの導入を手掛けていて、物流コスト削減に強みを持っています。
利益率の低い物流業界の中で、同社は比較的高い8%の利益率を持っている点も競争力の高さを表しています。
⑤イオンフィナンシャルサービス
国内最大の小売・流通業に携わるイオングループの関連会社で、クレジットカードやイオン銀行、WAONポイント、保険業務などを展開しています。
アジアにも業務進出を進めており、業務の拡大が期待できます。
一方で株価は2018年以降低調に推移しており、割安感が認められれば今後上昇する可能性があります。
バリュー株のメリット
バリュー株のメリットはもともと株価が企業価値に比較して割安なため、株価が大きく下がる可能性が低いことです。
また成長率は高くありませんが、競争の少ない安定したビジネスを運営していて大幅な減益減収や、経営難による倒産などの可能性も低いといえます。
株価が利益に対して割安なため、配当利回りが高い傾向があり、毎年安定した配当金を期待できます。
その他にも株主優待を設定している企業が多く、自分が利用するサービスを提供している企業であれば更なるメリットといえます。
バリュー株のデメリット
バリュー株のデメリットは、メリットの裏返しです。
つまり株価の動きが落ち着いている反面、大きな値上がりが期待しづらいデメリットがあります。
グロース株は長期保有により10倍から100倍の株価に成長することもありますが、バリュー株は長期保有しても何倍も値上がりする可能性は低いといえます。
またタバコやパチンコ産業のような、利用者離れが起きている斜陽産業に属しているバリュー株の場合は、長期保有するとかえって株価が下がり続ける可能性もあります。
そのため割安性だけで投資を判断せずに、ビジネススタイルや今後の成長予測なども加味して投資を判断する必要があります。
バリュー株の見分け方
グロース株とバリュー株の特徴について解説してきましたが、最後にどのようにすれば見分けられるのか解説していきます。
PBRによる見分け方
PBR(株価純資産倍率)とは会社の純資産に対して株価がどのくらいかを表した指標です。
具体的な式で示すと以下の通りです。
PBR=株価÷1株当たりの純資産
純資産とは会社の資産額から負債額を引いた金額を指します。
つまりPBRが1を割り込むと、会社の資産より安く株を購入できることを意味しています。
極端に言えば会社が倒産した場合でも、投資家は株価以上のリターンを受け取れるため、PBRが1以下の会社は割安と考えることができます。
そのためバリュー株を探すときはPBRが1以下を目安とすると簡単に見つけることができます。
ただしリーマンショック後のような市場全体の株価が下がっている場合は、PBRを1よりも小さい数値で判断する必要があります。
PERによる見分け方
PER(株価収益率)とは会社の純利益に対して株価がどれくらいかを示した指標です。
具体的な式で示すと以下の通りです。
PER=株価÷1株当たりの純利益
純利益とは売上から経費などを引いた営業利益から、さらに税金や特別利益・損失などを引いた金額のことです。
PERは一般的に15以下だと割安といわれています。
そのためバリュー株を見分けるもう一つの方法として、PERが15以下である条件を加える方法があります。
つまりPBRが1以下、PERが15以下という2つの条件を満たす企業を、バリュー株の一つの目安と考えると良いでしょう。
まとめ
ここまでグロース株とバリュー株について、それぞれの特徴やメリット・デメリット、具体的な銘柄や見分け方を解説してきました。
株式投資で個別株に投資を始めたいと考えている人は、どのように企業を探せばよいのか判断することが難しい場合があります。
そういった場合に、グロース株とバリュー株どちらに投資するかを決めて企業を選定する方法も一つの投資スタイルといえます。
グロース株であれば長期間売り上げや利益が高い成長率で伸びていて、今後も社会から必要とされる可能性が高い企業を探す必要があります。
値動きが大きく上下することが多いので、短期間で稼ごうとするよりも企業の成長に従って長期的に値上がりを待つ方法がおすすめといえます。
ただし競争が激しい分野の企業が多いため、他社の技術革新などで成長率が低下する可能性もあり、その場合投資家の期待を裏切るため大きく株価が落ち込んでしまいます。
一方、バリュー株投資とは会社の資産や利益に対して、株価が割安に放置されている会社に投資する方法です。
株価の値動きは小さく、大きな値下がりが起きづらいメリットはありますが、長期保有しても何倍にも株価が成長する可能性は低いといえます。
その代わり高い配当率の会社を選べば、毎年安定した配当金をもらうことも可能です。
グロース株とバリュー株それぞれの特徴を理解して、投資を検討してみてはいかがでしょうか?
不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資に興味があるけども、ローンを組んでまで投資をするのには【リスク】を感じる。
そんな方は、不動産投資型クラウドファンディングを試してみてください。
どちらの事業者も不動産投資を少額から始めてみる、試してみるにはピッタリな事業者だと言えます。
【リスク】を少なく不動産投資を始めてみましょう。
また、当サイトで人気の記事はこちらです。