投資ビジネスはいくつもの種類があります。株式、債券、不動産、貴金属をはじめとするコモディティ投資など。更にそれも細分化出来ますので、まさに多種多様と言えそうです。
さて、その中でも分かりにくいのが債券投資では無いでしょうか。株などの場合であれば、多くの人が投資していることからイメージをしやすいでしょうが、債券は株ほどに聞くことが無いからです。
しかし、投資信託には債券もあり、しかも国内も海外もあります。
ここでは債券の投資信託から復習し、国内の物と海外の物を比較したいと思います。債券の投資信託について、より分かることと思います。
もくじ
債券投資とは
まずは債券投資について確認しておきましょう。
債券とは「借金」のための有価証券
債券は簡単に言うと「借金」のための有価証券です。発行するのは国や企業など。例えば、日本国債は日本の政府が発行する債券で、言わば国の借金です。「日本の国は借金だらけ」と言った表現がマスコミの報道で見つけることがありますが、これが債券による物。時として「赤字国債」と聞くこともありますが、これも債券なのです。
さて、債券は借金ですから期限が来たら返済されます。償還日が来たら元本に併せて利子も支払われるイメージです。期間としては長く、10年を超える物もあります。投資家としては、債券を買い取って利子によって収益を得る形になります。
金利の影響を受けやすい
投資対象は様々ですが、それぞれに変動要因があります。例えば、株式投資であれば企業の業績であり、更に言うならば業界の環境とも言えます。建築関連の株式であれば材料の価格が株価の変動の裏側に隠れていることもありますが、それなどは業界で発生している問題の結果です。
さて、債券は金利による影響を受けやすいです。一般には金利が上がれば債券は下がり、下がれば債券は上がります。ですから、金利が将来的に上がることが予想される場合には、債券の購入は慎重となるべきです。
ちなみに、海外の金利を見ると総じて日本よりも高めです。そのため購入しやすい物もあるのですが、やはり海外の債券にはリスクが伴います。購入には注意が必要です。
信用リスクがある
借金は返済されなければなりません。そして、借金をするからには返済し得るだけの経済力が無ければなりません。住宅ローンを組む人は銀行から審査を受けますが、その審査は返済能力があるか否かの審査なのです。
それでは債券はと言うと…ケースにもよりますが、借金を返せない事態にもなり得ます。企業の場合であれば、大きな問題を起こして経営が困難になった場合。海外を考えるならば戦争などで経済までも壊滅した場合などがあるでしょう。
これこそが債券のリスク。信用リスクです。債券の発行体が立ち行かなくなると、債券の価値も無くなってしまいます。
尚、信用リスクは発行体の問題にはなりますが、企業の業績の陰には業界特有の事情が隠れている場合もあります。
債券投資信託の特徴
では、債券は投資信託になると、どの様な物となるのでしょうか。
ここでは債券投資信託について紹介します。
投資を任せられる
投資信託の最も大きな特徴は、投資のプロに実務を任せられる点です。これは債券の投資信託でも同じ。投資家は投資の実務にはタッチしません。
また、今の投資信託は非常に小さな額からの投資も可能です。一般の投資を考えるならば100万円単位にもなりそうな軍資金が、数千円からでも可能です。会社によっては100円程度から受け付けてくれるところもあります。貯金箱の感覚での投資も可能なのです。
ただし、先にも挙げた通り、債券にはリスクが伴います。このリスクは投資のプロであっても予見は不可能な場合もあり、投資信託であっても損失を被るリスクが伴います。
分散投資をしてくれる
投資ビジネスには様々なリスクが存在します。海外投資全般においては為替リスクやカントリーリスクがありますし、貴金属をはじめとするコモディティ投資にも独特のリスクがあります。
さて、債券投資ビジネスのリスクヘッジの基本は分散投資と言えます。投資対象の債券を分散させることによって、全体へのダメージが減らせるからです。
そして、債券投資信託のメリットは分散投資をしてくれる点。個人であれば分散投資が困難であったとしても、投資信託では可能なのです。その結果、個人としても分散投資の恩恵を受けることが出来て、リスクヘッジも可能となります。
債券投資信託のリスク
この様に、債券であっても投資信託となればリスクヘッジが可能となります。
しかし、いくらリスクヘッジが出来ているとしても、リスク全体が無くなる訳ではありません。
そこで、ここでは改めて債券投資信託のリスクを国内と海外を含めて復習したいと思います。
金利リスク
先にも挙げた様に、金利は債券に影響します。金利が上がれば債券は下がり、金利が下がれば債券は上がるのです。
さて、金利はその国の国策などによっても変わります。国内でも報道を見ると金利への言及が見られますが、債券も合わせて変動するのです。
海外もその通りで、国情は金利に影響します。また、海外の場合は金利のブレが日本よりも大きくなることもあり得ます。
そして、これは債券の変動要因となり、リスクもそれだけ大きくなるのです。
信用リスク
債券投資の信用リスクは前に述べた通りなのですが、債券投資信託の信用リスクはリスクヘッジによって減ったとしても無くなることはありません。どこまで行っても信用リスクは残るのです。
そこで、海外の複数の国際に投資していた場合を考えてみましょう。
海外の債券はその国の国情によっても変動します。経済が停滞した場合などは返済能力が低下してしまうこともあり得るからです。
さて、ここで新型コロナ感染症の世界的まん延を考えてみましょう。これにより、多くの国の経済が悪化し、多くの国債が影響を受けました。中にはデフォルトの状態になったケースも見られます。この影響は投資家にとっては大きな痛手です。
ところで、これは投資信託でも同じことが言えます。いくら複数にリスクを分散させている投資信託であっても、その複数の投資対象が悪影響を受けることもあるのです。
ちなみに、国内でも連鎖倒産の様な事態になると、信用リスクが高くなります。国内だからと言っても完全に安全では無いのです。
為替リスク
為替リスクは投資対象が海外にあるならば発生してしまいます。
例えば、海外企業の債券を購入するならば、その国の通貨のレートが大きく影響するのですが、その時の為替のレートの差は数%程度に見えるかも知れません。1ドルが120円と121円では、さほど変わらない様に見えてしまいます。
しかし、金額が大きくなると1円の差が無視出来ない額に膨れ上がってしまいます。金額は比率で効いて来るので、軽視すべきでは無いのです。
カントリーリスク
カントリーリスクはその土地の事情によるリスクです。例えば、戦争やクーデターなどの戦争の影響、津波や火山の噴火と言った自然災害による物など、様々な物があります。
さて、これは債券にも少なからず影響します。と言うのも、これらのアクシデントにより債券が値を下げる場合もあるからです。
例えば、レアメタルの不足と高騰が叫ばれた時期がありましたが、これはコモディティ投資だけでなく、レアメタルを原料としている工業関連にも影響を与えました。…これによる企業倒産、そして債券の債務不履行などがあったからです。
カントリーリスクは意外な場所で意外な影響を及ぼします。債券であっても無関係では無いのです。
国内債券と海外債券の比較
ここで、国内の債券と海外の債券を比較してみましょう。
リスク要因について
まずはリスク要因について考えてみましょう。
最初に国内債券ですがリスク要因の数は少なめです。主要な物としては金利のリスクが挙げられます。為替リスクやカントリーリスクは企業の業績などには影響するでしょうが、全体的に低めと言えるでしょう。
ただし、為替リスクやカントリーリスクが少ないとは言っても、国内金利がマイナスであり、今後に金利が上がって行くことを考えるならば、決して良い環境とは言い切れません。むしろ購入は慎重となるべきです。
次に海外債券ですが、金利のリスクに加えて為替リスクやカントリーリスクの問題が出て来ます。しかも、海外の事情は情報が少ない問題と、日本に居ては分かりにくい事情もあり得ます。リスク要因はやはり多くなるのです。
金利について
金利を国内と海外を比べると、海外の方が総じて高いです。また、金利は国によって異なります。数%のところもあれば、10%を超える様なところもあるからです。そして、金利の高さで考えるならば、先進国よりも新興国の方が高い傾向にあります。ですから、高いリターンを狙うならば新興国の方がおすすめです。
しかし、新興国は経済状況が整っているとは限りません。また、独特のカントリーリスクもあり得ますので、債券の投資信託であっても比較的リスキーです。
発行体の信頼性について
投資対象が潰れてしまう。まさに「悪夢」とも言うべき事態でしょう。株式会社が上場停止になってしまう場合など、その会社の株は価値が無くなってしまうからです。
これは債券でも当てはまります。企業の業績によっては社債が債務不履行に陥ってしまう可能性もあるのです。
さて、国内と海外を比較すると、ケタ違いとも言えるアクシデントも見つかります。と言うのも、企業が出す社債のレベルでは無く、国債が債務不履行になったこともあるからです。良い例ではギリシャやアルゼンチンなどがあります。国家であっても油断は出来ないのです。
債券を購入する際には、発行体の信頼性を良く確認すべきなのです。
債券を選ぶ際に知っておきたい点
この様に、債券の投資信託であっても様々なリスク要因を抱えます。しかし、押えておけば参考となる情報もある物です。
ここでは債券を選ぶ際に知っておきたい点を挙げてみましょう。
格付けのチェックを忘れない
債券の評価方法に「格付け」があります。
これは格付け機関が発行する物で、債券の信用力や返済能力の確実性などをランキングしている物です。ランキングは「AAA」「BBB」の様なアルファベットと「+」「-」での組合せとなります。基本的にはAになるほど評価が高くなり、CやDに移る程に評価が落ちて行きます。
ただし、利回りを考えるならば逆となり、Dになるほど高利回りになり、Aになるほど低くなって行きます。ですから、どれぐらいのリスクと利回りを取るかのバランス感覚が重要と言えます。
投資信託においては、投資先で選ぶことが可能なので、ファンド選びには格付けが参考になるでしょう。
現地の情報を押さえておく
特に海外の債券の場合、地域の事情を押さえておくべきです。と言うのも、債券は何等かの大きなアクシデントによって大打撃を受けるからです。
例えば、前にも挙げた様にギリシアの債券は債務不履行に陥りました。そうなると投資信託であっても無傷ではいられません。投資家としてもダメージを受け得るのです。
その点、仮に地域の事情を知るならば、アクシデントの発生の前に解約して損切りすることも可能。ダメージを最小限に抑えることも可能なのです。
債券の発行体のチェックは厳重に
債券の発行体は厳重に確認をしておきましょう。
これは、国内であっても海外であっても重要です。
と言うのも、前述の様に海外では国家レベルの債務不履行が、国内でも超一流の企業と思われていた企業が債務不履行状態に陥ったからです。
格付け機関の情報は元より、企業などの場合には経営状態にも目を配ることが大切です。
まとめ
債券の投資信託について、国内と海外の物について取り上げました。
国内の債券の事情、そして海外の事情などもイメージ出来たことと思います。
債券は確かに分かりにくく、しかも将来を読みにくい部分もあります。しかし、手掛かりはあります。格付けや投資対象を調べ、より高い収益を出しましょう。
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