「頭金なしでも不動産投資を始めることはできる?」
「フルローンで不動産投資を始めるメリットと注意点について知りたい」
「頭金なしで不動産投資を始められる条件は?」
とお悩みではありませんか。
今回の記事では「頭金の基本知識」や、「頭金なしでも不動産投資を始められるケース」について詳しく解説します。
また「フルローンで不動産投資を始めるメリットと注意点」についてもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
不動産投資における頭金の基本知識
不動産投資における頭金とは、「代金の一部として物件引き渡し時に支払う現金」のことを言います。
まずは不動産の頭金に関して、以下の基本的な情報をチェックしておきましょう。
- 不動産投資で頭金が必要なケース
- ローンの上限額は年収の7〜10倍程度
不動産投資で頭金が必要なケース
不動産投資で頭金が必要なケースは以下の通りです。
- ケース①|金融機関が融資に積極的ではない場合
- ケース②|希望する融資額を断られた場合
ケース①|金融機関が融資に積極的ではない場合
金融機関の融資引き締めのタイミングで不動産投資ローンを組みたい場合、頭金を要求される場合があります。
なぜなら日本銀行の金融政策や、各金融機関の判断によって、不動産投資に消極的になるケースがあるから。
金融機関もビジネスとして融資を行なっているため、投資家と収益物件の需要と供給のバランスによって、不動産投資に対して消極的になることがあります。
また日本の経済情勢や日本銀行の金融政策の動向によって、各金融機関が融資に積極的になるかどうか大きく影響を受けるため、日頃から日本銀行の方針をチェックしておくのがおすすめです。
ケース②|希望する融資額を断られた場合
自分が希望する融資額を金融機関に断られてしまった場合も頭金が必要です。
なぜなら金融機関から多額の融資を受けるには審査を受ける必要があり、個人によってローンの限度額がそれぞれ異なるから。
一般的にローンの限度額は、「個人の属性、資産状況、収益物件の評価」によって決定されます。
残念ながら希望するローンの融資額に満たない場合、不足分を頭金として用意しなければいけません。
ローンの上限額は年収の7〜10倍程度
特に個人属性に何も問題がない場合、不動産投資ローンの限度額は、年収の7〜10倍くらいになることが多いです。
また、一般的にローンの限度額は以下の要素によって決定されます。
- 個人の年収・勤務先・資産状況
- クレジットカードや他のローンなどの返済履歴
- 収益物件の担保評価と利回り
もちろん年収の高い上場企業に勤めているサラリーマンや、公務員の方であればさらにローンの限度額が高くなる可能性もあるでしょう。
ただしローンの金額が大きくなるほど返済金利の負担も増えるため、まずは年収の7〜10倍程度を目安に借り入れをするのがおすすめです。
頭金なしの不動産投資|フルローンとは?
フルローンとは、「頭金なしで金融機関から融資を受けて収益物件を購入すること」です。
年収が高く属性の良い方や物件の利回りが高い場合、金融機関の評価が高くなるためフルローンを組める可能性があります。
一般的に不動産を購入する場合、以下のような初期費用が発生しますが、この初期費用に対して金融機関から融資を受けることはできないため注意しましょう。
費用項目 | 説明 |
---|---|
ローン事務手数料 | 各金融機関へ支払う事務手数料 |
不動産投資ローンの保証料 | 保証会社を利用する場合の費用 |
火災保険料 | 金融機関から融資を受ける際に求められることが多い |
仲介手数料 | 仲介業者を利用して契約した場合の報酬 ※「(物件価格×3%+6万円)+消費税」が一般的 |
司法書士への業務委託料 | 司法書士へ登記を依頼する際の報酬 |
登録免許税 | 不動産を登記した際に支払う税金 |
不動産取得税 | 不動産を購入した際に支払う税金 |
印紙税 | 契約書に貼る収入印紙の代金 |
ちなみに上記の初期費用だけでも物件価格の10%程度の金額になるため、自己負担による現金をしっかり用意しておく必要があります。
頭金なしでも不動産投資を始められるケース
頭金なしでも不動産投資を始められるケースとしては、以下のようなパターンが多いです。
- ケース①|物件の売値と金融機関の評価額が同じ
- ケース②|物件の利回りが高い
- ケース③|個人の属性が良い
- ケース④|若いうちに不動産投資を始める
ケース①|物件の売値と金融機関の評価額が同じ
物件の売値と金融機関の評価額が同じ場合、頭金なしで不動産投資を始められることがあります。
なぜなら金融機関にとって貸し倒れのリスクが低いから。
万が一、債務者のローンの支払いが滞ってしまっても、金融機関が建物と土地を差し押さえて売却することで現金を回収します。
一般的に金融機関の物件評価額は以下のように計算されるので、覚えておきましょう。
物件の評価額=①建物の評価額+②土地の評価額
①建物の評価額=新築時の価格(※1)ー過去の減価償却費の総額(※2)
(※1)新築時の価格
鉄筋コンクリートの場合:1㎡あたり15万円で算出
木造の場合:1㎡あたり2.5万円で算出
(※2)減価償却費
建物の劣化を経費として計上すること
②土地の評価額
路線価(※3)や公示地価(※4)を参考に算出
(※3)路線価
国税庁が毎年発表している道路の価格
参考|https://www.rosenka.nta.go.jp/
(※4)公示地価
国土交通省が毎年発表している土地売買の参考価格
参考|https://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=0&TYP=0
ケース②|物件の利回りが高い
融資を受ける対象物件の利回りが高い場合、頭金なしのフルローンで金融機関から融資を受けられることがあります。
なぜなら収益物件の利回りが高ければ高いほど、ローンの返済が早く終わる可能性が高いから。
ちなみに利回りというのは、「購入金額に対して家賃収入が何%なのかを示す割合」のことです。
例えば「物件価格1億円、年間家賃収入1,000万円」と、「物件価格1億円、年間家賃収入500万円」のケースで比較してみましょう。
【「物件価格1億円、年間家賃収入1,000万円」の利回り】
(10,000,000÷100,000,000)×100=10%
【「物件価格1億円、年間家賃収入500万円」の利回り】
(5,000,000÷100,000,000)×100=5%
つまり単純計算すると、利回り10%だと約10年で元が取れるのに対して、利回り5%だと元を取るのに約20年かかるイメージになります。
ケース③|個人の属性が良い
個人の属性が良い場合、頭金なしでローンを組める可能性があります。
なぜなら信用力の高い会社に勤めていたり、年収が高いほどローンを完済できる可能性も高いから。
一般的に個人の属性とは、「融資を受ける人の勤務先や年収などの経済状況」のことであり、以下のようなものが代表例です。
大項目 | 小項目 |
---|---|
住居 | 賃貸か、持ち家か? |
持ち家の不動産評価 | |
居住年数 | |
ローンの残債 | |
勤務先 | 勤務先の規模 |
会社名(上場企業・優良企業ほど良い) | |
雇用形態 | |
勤続年数 | |
職種 | |
年収 | 個人の年収(過去3年間) |
夫婦の合算年収(結婚している場合) | |
資産状況 | 預貯金 |
株 | |
債券 | |
他の収益物件 | |
他の借り入れ | 他のローンの有無と残債額 |
将来的な返済計画 |
各金融機関によって属性評価のポイントはそれぞれ異なりますが、概ね年収800万円以上あると、良い評価を受ける傾向があります。
ケース④|若いうちに不動産投資を始める
できるだけ若いうちにローンを組むことによって、頭金なしで不動産投資を始められるケースがあります。
なぜなら若いうちにローンを組むことができれば、その分だけ返済期間を長くとることが可能になるから。
例えばある程度年齢を重ねてからだと、返済期間を短く設定する必要があるため、その分だけ頭金を多く入れることを金融機関から要求されるケースが多いです。
また若いうちから不動産投資を始めておくことで、定年退職のタイミングでローンを完済できるため、老後の収入源として不動産が立派な資産となります。
頭金なしで不動産投資を始めるメリット
頭金なしで不動産投資を始めると、以下のようなメリットがあります。
- メリット①|投資のレバレッジ効果が高くなる
- メリット②|自己資金に余裕ができる
メリット①|投資のレバレッジ効果が高くなる
頭金なしで不動産投資を始めることができれば、投資としてのレバレッジ効果が高くなります。
なぜなら自己資金を持ち出すことなく、金融機関からの融資のみで不動産投資を始めることができるから。
不動産に限らず投資とは、「投入資金に対するリターンがどれだけ得られたか?(利回り)」によって効率を数値化することが可能です。
頭金を用意することなく資産運用をスタートして多額のリターンを得ることができれば、レバレッジ効果の高い投資が可能となります。
メリット②|自己資金に余裕ができる
頭金なしで不動産投資を始めることによって、自己資金に余裕を持って資産運用することが可能です。
なぜなら頭金で浮いたお金を貯蓄しておけば、突発的に発生した修繕などにすぐ対応できるから。
不動産投資では屋根の雨漏りや給湯器の故障など、想定外の出費が発生する可能性があります。
このように入居者に対して与える影響が大きい問題は、迅速な対応が必要であり、常に自己資金に余裕を持って資産運用することが大事です。
また、ある程度自己資金に余裕ができたら次の物件の頭金として利用するなど、不動産投資の事業拡大にも繋がりやすくなります。
頭金なしで不動産投資を始める際の注意点
頭金なしで不動産投資を始める場合、以下の点に注意しましょう。
- 注意①|ローン査定が厳しくなる
- 注意②|毎月のローン返済が増額する
- 注意③|出口戦略へ影響
注意①|ローン査定が厳しくなる
不動産投資で頭金を用意しない場合、金融機関のローン査定が厳しくなる傾向があります。
なぜなら頭金の分だけローン金額が大きくなるため、資金繰りが悪化する可能性が高くなるから。
基本的に金融機関は個人の属性と物件の担保評価を基にローン査定を行い、貸し倒れのリスクが発生しない金額までしか融資を行いません。
個人の年収をすぐにアップさせるのは現実的ではないため、最初は立地の良いエリアや利回りの高い物件を選ぶのがおすすめです。
注意②|毎月のローン返済が増額する
頭金を用意せずに収益物件を購入する場合、毎月のローン返済が増額します。
なぜなら頭金の分だけ借り入れ額と利息の負担が大きくなってしまうから。
基本的に不動産投資ローンは、数十年というスパンで長期的に返済していくのが一般的です。
そのため空室の発生や建物の大規模修繕など、想定できるリスクは可能な限り考慮したシミュレーションを徹底し、投資の判断をする必要があります。
注意③|出口戦略に悪影響
頭金なしで不動産投資を始める場合、自分の希望するタイミングで物件の売却ができない可能性が高くなります。
なぜなら「売却金額<ローン残債」の場合、ローンの不足分を自己資金で補填する必要があるから。
頭金を用意せずに収益物件を購入すると借り入れ額が大きくなるため、ローン残債が影響して適切なタイミングで不動産を売却できないリスクが発生します。
また物件を買い増しして事業拡大を狙う場合、所有物件の評価に対してローンの残債が大きいと新規の融資が受けられないため注意が必要です。
まとめ
今回の記事では、「頭金の基本知識」や「フルローンで不動産投資を始められるケース」について詳しく解説しました。
頭金なしで不動産投資をスタートすると、毎月の返済額が増額したり、物件売却が難しくなるデメリットがあることをしっかり理解しておく必要があります。
その一方でフルローンを組むことができれば、自己資金を持ち出すことなく資産運用ができるため、非常にレバレッジ効果の高い投資をすることが可能です。
これから頭金なしで不動産投資を始めたい方は、まずは「実質利回りで10%を超える物件を探すこと」からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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