未来の予測は簡単ではありません。降り掛かって来る様々な要因を分析する必要があるからです。そして、その分析も確実でなければなりません。投資に関しても同じで、起こり得る条件の分析が必要で、その対策も適切でなければなりません。予測は簡単では無いのです。
さて、投資信託は基準価額が変動し、それによって評価額が変わります。そのため、売却のタイミングをいつにするかは非常に大切です。
それでは、売却のタイミングはどの様に決めるべきでしょうか。
そこで、ここでは投資信託の売却のタイミングについて考えてみましょう。
もくじ
投資信託の売却のタイミングはいつにするか?
投資信託の売却のタイミングの決め方は様々ですが、代表的な物を挙げるならば、次の様なケースが考えられます。それぞれについて解説しましょう。
利益を確定させる時
投資信託の基準価額は毎日変動する物。利益を得るためには基準価額が下がったタイミングで購入し、上がった時に売却をしなければなりません。
しかし、基準価額が上がりきったタイミングを読むことは困難ですし、それを待つ時間も掛かりすぎることを考えると、時間だけが過ぎる可能性も。あまり良い考えとは言えないでしょう。
そのため、ある程度上がった段階で、利益を確定するために売却をすることが考えられます。
これは確かに上がり切っていないので、一見すると空振りの様にも見えるかも知れません。しかし、基準価額は下落するリスクもあるため、手堅い判断と言えます。
損失を食い止める時
投資信託は投資のプロに資金を委託する物。ですから、素人の判断よりも的確で、効率的に利益を生み出してくれます。
しかし、いくらプロとは言っても失敗が無い訳ではありません。状況にもよりますが、運用が上手く行かず、基準価額を下げてしまうこともあるのです。
さて、投資信託の売却のタイミングには「損失を食い止めるため」の場合もあります。これは基準価額が下がりっぱなしになった場合の売却。傷が浅い内に売ってしまい、損失が大きくなるのを避けるためと言えます。
暴落した時
周囲の環境が悪過ぎる場合があります。その様な時は暴落も避けられません。基準価額も短期間で大きく値を下げてしまうことでしょう。
この様な時も売却のタイミングになります。
仮に暴落をしたまま、そのまま放置してしまうと、繰上げ償還になる可能性も出て来ます。そうすると損失が更に大きくなってしまうため、売却して資金を守るのです。
ちなみに、海外のファンドの場合には、日本人には分からないリスク要因もあります。暴落を見越すためには、その様なリスクも知って置かなければならないため、簡単ではありません。
回復が見込めない時
基準価額は条件によっては下がったままで回復しないこともあり得ます。例えば、株式市場で深刻な問題が出た時など、銘柄によっては回復が見込めないこともあるでしょう。そのまま業界そのものが変わった場合、危険性が増します。
そして、その様な場合には売却してしまうのも良い判断と言えます。と言うのも、資金を引き上げてしまって別のファンドにまわす方がベターな場合もあるからです。つまり、回復が見込めなくなった時が売却のタイミングにもなるのです。
目的をトータル的な収益とするならば、そのファンドに固執するよりも撤退する方が賢明なケースもあるのです。
更に良い物が見つかった時
利益を考えるならば、1つのファンドに固執するよりも、場合によっては乗り換えた方が賢明なこともあります。業界全体に深刻な問題が発生した場合には、別のジャンルのファンドに乗り換えるのも十分にアリです。特に、更に良い物が見つかった場合には、良いタイミングとも考えるべきでしょう。
投資信託をあくまでも収益の手段と考えるならば、乗り換える方がベターです。より高い収益を狙うために売却することも良い判断なのです。
資金が必要になった時
投資家によってはプライベートな理由で資金が必要となる場合もあります。例えば、住宅や車など、大きな買い物をする時です。ファンドを売却するのは、その様なタイミングともなります。
投資信託はそもそもが資産形成のためですし、そこはプライベートの理由もアリなのです。
目標額に達した時
投資信託には計画性が大切です。仮に計画の無いまま続けるならば、利益を確定させるタイミングを見失ってしまい、損してしまうこともあります。
そのため、目標額に達した時も売却のタイミングになります。
売却を先延ばしにして時間を無駄にするよりも、目標額に達した段階で利益を確定させることも良策なのです。
最初から予定していた時
投資信託は計画性が大切です。最初から予定していた場合など、その期間が終わった時が売却のタイミングにもなります。
例えば、学費のための積立の場合には、子供が大きくなった段階が売却のタイミングです。確かにそのタイミングでは十分な額になって無いかも知れませんが、それが投資信託の目的。売却のタイミングなのです。
投資対象が時代にそぐわなくなった時
投資信託にはその時代に合わせた物もあります。特にハイテクや医療などを投資対象とする物。その様な投資の場合、別の分野が発展した場合や、産業そのものが時代にそぐわなくなる場合もあります。その様な場合には損失が考えられるため、損失を防ぐための売却が必要にもなります。
特に、今の時代にはエネルギー関連がどの様になるかが不透明です。タイミングと分野によっては急いで売却するべきでしょう。
投資信託の利益に対する考え方
投資信託は資産形成のための手段。利益をどの様に考えるかも大切です。それでは、どの様に考えるべきでしょうか。
利益は分配金も含む
投資ビジネスの基本は投資対象の価格が落ちた時に購入し、上がったタイミングで売却して利益を確定する物です。良い例が株式投資で、企業の業績が良くなった段階での売却で利益を得られます。
さて、投資信託も基本的にはそれと同じ面もあります。基準価額が下がった段階で購入し、上がった段階で売却するのです。
しかし、投資信託の利益はそれだけではありません。分配金もあるのです。そして、ファンドによっては分配金を重視する物もあります。その場合には分配金もトータルして考えるべきです。
ちなみに、分配金を考えるべきならば、基準価額と分配金の関係も理解しておくべきです。準備の一環として勉強しておきましょう。
税金の計算もあった方が良い
分配金を考えるならば、それに併せて税金も考えるべきでしょう。投資信託には売却益だけでなく、分配金にも税金が掛かるからです。
また、分配金に掛かる税金を考えるならば、分配金の受け取りや再投資の物、そして分配金の無いタイプの物の特性の違いも把握しておくべきでしょう。それによっても立てるべき計画が変わるから。利益計画だけでなく、税金の計画もある方がベターなのです。
投資信託売却の注意点
ここで、投資信託の売却の注意点について挙げてみます。
金融商品に関しては、多くの人が銀行口座の様に思っているかも知れません。イメージとしては、銀行の窓口やコンビニなどに設置してあるATMから預金を引き出す感じです。
しかし、投資信託は異なります。銀行口座とは違った流れとなるのです。
すぐに換金される訳では無い
まず覚えておきたいのが、投資信託は「すぐに換金される訳では無い」点です。この点が銀行と大きな違いと言えるでしょう。
投資信託の売却は、証券会社などの投資信託の販売会社に売却を依頼し、それからの流れとなります。当然ながら、その間にはタイムラグが発生しますので、待たなければなりません。
また、投資対象が海外の物であるならば、更に時間が必要です。ですから、資金が必要となる時などは、前もって予定を組むことが重要なのです。
クローズド期間に注意
投資信託は基本的にはいつでも売却可能です。ですから、好きな時、必要なタイミングで換金が出来ます。
ただし、ファンドによっては売却が出来ない期間を設けています。これを「クローズド期間」と呼びます。クローズド期間が設けられているのは投資を安定化させるなどの理由からです。ですから、売却タイミングを考えるならば、クローズド期間の有無を購入の前に確認すべきと言えるでしょう。
ちなみに、クローズド期間は3〜6ヶ月程度という物や、1年程度の長い期間の物もあります。その間の換金の可能性を考えなければなりません。
売却の後も考える
投資信託は計画性が大切です。ですから、売却のことだけでなく、売却後のことも考えておくべきでしょう。
特に売却後も何らかの運用を考えているならば、どの様なジャンルの物にするか、期間はどれくらいかなど、ある程度の計画は立てておくべきです。
尚、その売却が損失を食い止める物、あるいは暴落が原因による物の場合には、市況を取り巻く環境に特に気を付けなければなりません。国際的な条件の変化もあるので、常にアンテナを張ることが大切です。
投資信託売却時に気を付けたい行動
ここでは投資信託の売却に関して、気を付けたい行動を取り上げたいと思います。投資はタイミングが大切ですので、見誤ると損失を被ることも。気を付けるべき行動は意外にあります。
慌てて売却すること
まず挙げられるのが「慌てて売却すること」です。
基準価額は変動する物ですが、時として大きく値を下げること、値段が回復しないことがあります。そして、その状況を見て慌ててしまい、勢いで売却することが、良く見られます。
しかし、基準価額は値を戻すことも十分にあり得ます。ですから、その様な時こそ冷静になり、市況などを良く見ることが必要です。
せっかく増やした資産です。慌てた行動で目減りさせてしまうのはもったいないので、冷静な行動を取る様にしたい物です。
環境を見ないこと
投資ビジネスを考える場合には、市況などの周辺環境を確認することが非常に大切です。仮に環境を見ずに資金を投ずるならば、高い確率で損失を被るからです。場合によっては元本割れのリスクも出て来ることでしょう。
そのため売却を考える場合も環境を見ずに進めてしまうと、せっかく得られる利益をみすみす逃してしまうことにもなり得ます。確かに投資信託には計画が非常に大切なのですが、フレキシブルな考え方も必要です。環境を見て、より効率的な投資としたい物です。
無計画に行動しない
投資ビジネスは計画が大切です。投資期間などを最初に決めておかないと、無駄な時間を使ってしまうこともありますし、売却のタイミングを逃すこともあり得ます。
この点は投資信託も同じです。投資期間などを考えておかないと、せっかくの好機を逃してしまう場合もあり得るのです。投資信託にも計画が大切で、無計画な行動は禁物と覚えましょう。
ただし、計画には修正も必要なことは確かです。状況を見て、最初の計画から著しく離れない範囲で、柔軟に対応しましょう。
部分的な売却か全体かを考えない
投資信託の売却は、部分的な場合と全部を売ってしまう場合があります。例えば、200万円の評価額のファンドを持っている場合、50万円、あるいは100万円と言った具合に、部分的に売却することも可能なのです。
さて、売却もタイミングによっては部分的にするか、全体をするかを考えなくてはなりません。仮に、好条件が揃っている場合には、全体を崩すのでは無く部分的にする方が得な場合があるからです。部分的に売るべきなタイミング、全体を売るべきタイミングをわきまえることが大切となるでしょう。
まとめ
投資信託の売却とそのタイミングについて取り上げました。売却を検討する具体的なタイミング、そして気を付けたい行動などが掴めたことと思います。
投資信託は未来を予測しなければならない要素もあり、簡単ではありません。そして、その分だけ柔軟性も要求されます。売却に関してもタイミングを心得るだけでなく、落ち着いた行動も重要。フレキシブルに対応し、より大きな利益を目指しましょう。
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