長引く景気低迷や、少子高齢化により多くの日本企業で給料が上がらない、退職金が減少するなどの問題が起きています。
多くの人が日常的なお金にすら不安を抱える中で、金融庁が2019年6月3日に発表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書が話題になりました。
報告書では老後2,000万円の資金を準備する必要があるとしており、そのためには投資を活用した自助努力が必要だと推奨しています。
さらにそれからの社会情勢は、コロナウィルスの感染拡大による経済状況の悪化や、ウクライナでの紛争などでより不透明な状況になっています。
ますます多くの人が貯金から投資へとシフトする必要が増大しているといえます。
この記事では投資未経験の人が、個人投資家として投資を始める方法を詳しく解説していきます。
是非、最後までお読みください。
もくじ
個人投資家を始める前に注意したいこととは
一言で個人投資家といっても様々な投資方法が存在していて、株式投資や不動産投資などの中から自分に合った投資方法を選択する必要があります。
その選択のために、まず基本的な目的や知識の習得など注意することを紹介いたします。
投資する目的を決める
個人投資家といってもその目的は人ぞれぞれです。
例えばこういった目的があります。
- 不労所得だけで生活できるようになってセミリタイヤしたい
- 一攫千金を狙って大金持ちになりたい
- 老後に不足する資金を投資で作りたい
- 毎月〇万円の配当収入で生活費を補いたい
個人投資家本人がどういった目的で投資を始めるかで、投資金額や期間、スタイルなどを選択していきます。
目的がはっきりしないという人は、まず自分が希望するライフプランを想像することから決めると良いでしょう。
将来は結婚をして子供を持ちたいのか、仕事で独立して挑戦したいのか、何歳まで続けたいのかといった人生設計を行うと、いくつまでにどのくらいの資産が必要になるか見えてくるからです。
基本的な知識を学ぶ
投資の目的がはっきり決まったら、次にどういう投資方法・スタイルを取ると、その目的が達成できるのか学んでいきます。
投資は貯金と違って、投資商品の値が下がると損失を出すことがあります。
そうしたときに慌てず冷静に行動するためには、リスクとリターンの関係について理解することが必要です。
また投資にかかる税金の仕組みや、どういった投資方法がハイリスクで注意すべき投資方法についても、投資を始める前に理解する必要があります。
少なくとも投資経験がないうちに手を出さない方がいい投資商品については理解したほうが懸命です。
そうした商品に投資してしまうと手元資金が無くなるうえに、いきなり借金まで抱える恐れがあるからです。
投資の手段を決める
投資のリスクとリターンを理解したら、次に具体的にどのような投資商品を購入するのか選択します。
様々な商品がありますが、大きく分けると以下の通りです。
(個人投資家が購入する主な商品)
- 国内・海外債券
- 国内・海外不動産(REIT)
- 国内・海外株式
- コモディティ(金属や食料品、原油などの商品)
- FX
- 仮想通貨
一般的に上記のリストの下にいくほどハイリスク・ハイリターンと言われています。
自分がもし一攫千金を当てたいと考えるなら、債券を購入していては何十年経っても目標は達成できません。
逆に老後資金を20年かけて作りたいと考えているのに、ハイリスクなFXや仮想通貨に手を出す必要はありません。
これらの投資商品は自己資金に対して何倍もレバレッジをかけられるので、気が付いたらすべての資金が底をつきて、老後資金を作るどころのレベルでは無い可能性があります。
個人投資家を始める前に必要な準備は?
続いて個人投資家の多くが利用する手段である、証券会社を経由して投資を始める方法を解説していきます。
証券会社では株式の他にも、REIT(不動産投資信託)や債券、コモディティ、FXなどの投資商品の売買ができます。
手順①:証券会社に口座を開設する
証券口座を開設するには、まず証券会社を選ぶ必要があります。
どのような証券会社を選ぶのが良いかは、以下の点に気を付けると良いでしょう。
(証券会社を選ぶポイント)
- 株の売買手数料が安い
- 使いやすいツールがあってスマホで取引が完了する
- 口コミ情報で自分に合っているかどうか確認する
- 自分が投資したい商品のラインナップが多い
- 投資額に応じてポイントが貯まる
基本的に手数料が安いのはネット型証券です。
ネット型証券とは実際の店舗がなく、インターネット上だけで証券取引を行う証券会社のことです。
その中でもユーザー数が多く、投資商品が充実している「SBI証券」と「楽天証券」がおすすめです。
スマホアプリで投資情報の検索や、取引が完了できる機能を持っており、パソコンが無くても問題ありません。
その他の証券会社であれば、個別の外国株に投資したい場合は「マネックス証券」、FX取引であればトレイダーズ証券を利用するなど、各証券会社で強みとしている投資商品があります。
自分の投資方法に合った証券会社を選んで口座を開設しましょう。
手順②:投資資金を準備する
証券口座を開設したら、次に株や債券などの投資商品を購入する資金を入金します。
投資は貯蓄と違って元本割れする可能性があるので、無くなったら生活に影響が出るお金を使用することはおすすめできません。
また養育費やマイホーム購入など使用する目的の有るお金を使用することもリスクがあります。
あくまで生活費や将来使用する計画のあるお金を除いた、余剰資金を使うことをおすすめします。
その方が精神的にもゆとりをもって取り組めるので、投資成績にも良い影響をもたらすと思います。
もし現在そういったお金が用意できなくても、投資は数百円から始めることもできるので問題ありません。
毎月コツコツと積み立て投資をしていくほうが、一度に大金を投資するよりもリスクが低いので初心者にはおすすめです。
もちろん一気に大金を手に入れることはできませんが、投資経験が少ないうちからハイリスクの投資方法は手を出さない方が懸命です。
手順③:非課税制度を利用する
老後の資産作りを目的とした投資を推奨するため、国ではNISAやiDeCoといった非課税で証券取引ができる制度を設定しています。
これらの制度を利用すると、従来かかっていた譲渡益に対する税金が無税で受け取れます。
投資できる商品は通常より限られてしまいますが、購入できる商品は国が運用リスクを検証したうえで選定されています。
さらにつみたてNISAを利用すれば、小額から投資を始めることが可能です。
毎月自分の決めた投資額でコツコツと自動で積立投資ができます。
取引にかかる手間も非常に少ないので、サラリーマンなど本業を持った人におすすめです。
手順④:株式などを購入する
株式や投資信託など購入する銘柄を選んだら、注文を入れて購入します。
(各投資商品の特徴)
個別企業の株式
四半期ごとの決算発表があり、結果で大きく値動きするため短期間で大きく損益が出やすい。
自分で企業を調べて選べる楽しみもある一方で、倒産などのリスクも存在する。
投資信託
投資信託ごとのテーマに沿って複数の企業などに分散投資している。
個別企業より値動きは穏やかで、個別企業の営業に振り回されにくく、国際社会の情勢や様々な政治的・経済的イベントで値が動きやすい。
保有すると証券会社に保有額の0.1%程度の管理料を支払う必要がある。
REIT(不動産投資信託)
不動産投資会社が発行している投資信託で、投資会社が運営する不動産の家賃収入などを配当でもらえる。
不動産が値上がりすれば、その売却益の一部を受け取ることもできる。
実際に不動産を購入しなくても不動産投資が始められるが、値動きが大きい特徴がある。
債券
国や企業などが期間と利率を決めて発行している債券を購入します。
満期まで保有すれば利息が受け取れて元本保証される一方、企業が倒産するなどで債券不履行(デフォルト)に陥るリスクもあります。
また外国債券だと為替変動のリスクもあります。
非課税制度を利用するのであれば投資信託の中から、自分の希望に合う商品を選ぶことになります。
管理料が安く、純資産総額が大きい商品を選ぶのがおすすめです。
手順⑤:売却する
株などを購入した後は、目的の価格や期間に到達したら売却します。
個別企業に投資する場合は、何らかのルールを決めておくと売却のタイミングを迷わなくなります。
(株式売却ルールの参考例)
- 株価が〇〇%上昇/下落したら売却する
- 決算発表で経営が悪化したら売却する
- 戦争やコロナウィルスなど重大なイベントで先行きが不安になったら売却
投資信託を長期積立投資する場合は、あまり購入・売却を頻繁に繰り返さずに保有し続ける方法がおすすめです。
10年、20年といった長い期間かけて最終的に利益を得ることを目的とした商品なので、短期での値動きに左右される必要が無いためです。
個人投資家が参考にしたい有名投資家
続いて国内・海外の有名個人投資家を紹介します。
彼らがどのような手法で投資を行っているか知ることは、個人投資家として成功する秘訣です。
例①:ウォーレン・バフェット
世界長者番付で常に上位に顔を出す、世界トップクラスの投資家です。
すでに90歳を超える高齢で、50年にわたって平均20%という驚異的な運用利回りを達成してきました。
その投資スタイルは「バリュー投資」と呼ばれる、優良企業が割安で放置されている株を購入して、株価が上昇するのを待つというスタイルです。
保有企業はマクドナルドやコカ・コーラなど誰でも理解できて、独自のブランド力と安定した経営能力を持った企業です。
彼に関する映画や書籍などで、投資方法について詳しく学ぶことが可能です。
例②:ピーター・リンチ
著書「ピーター・リンチの株で勝つ」は多くの個人投資家に読み継がれている名著で、彼自身は運用したファンドの資産を13年間で777倍にした稀代の投資家です。
1990年代に引退していますが、ウォーレン・バフェットに並ぶほどの注目を集める投資家でした。
テンバガー(10倍株)という金融用語の名付け親でもあり、大きく成長する企業を発掘する投資スタイルを提唱しています。
彼のスタイルは優良企業に集中投資して利益を最大限にする方法で、多くても1度に保有するのは5銘柄までと提唱しています。
そして有名な投資原則は「自分が知っているものに投資する」で、個人投資家は自分の専門分野から優良な企業を見つけることを推奨しています。
そうすることでプロのトレーダーより有利な条件で、株式投資に取り組むことができるからです。
例③:竹田和平(たけだわへい)
すでに故人ですが、和製ウォーレン・バフェットと呼ばれた有名投資家です。
自身はタマゴボーロで有名な竹田製菓の創業者で、個人では投資家として中部日本放送を始めとした130社以上の上場企業の株主でした。
これは個人が大株主となっている上場企業数で第一位の数字でした。
ウォーレン・バフェット同様、安定した成長を見込める企業に投資するスタイルで、自身が応援している企業を選択していました。
長期保有が前提ですが、経営状況を見ながら売却することもありました。
著書も出版されているので、その投資方法を詳しく学ぶことができます。
まとめ
ここまで個人投資家の始め方、注意事項や参考投資家について解説してきました。
これから投資を始めようと考えている方は、まず投資のメリットやリスクを理解して、自分に合っている投資方法を選択する必要があります。
投資方法や商品によって値動きの大きさや得られる利益に違いがあって、投資家本人の目的や生活スタイルなどに適しているか判断するためです。
また投資で大きな利益を目指している場合でも、財産のほとんどを投入することはお勧めしません。
投資に使うお金は生活費や、将来の使用予定のあるお金ではなく、余剰資金で行うことをおすすめします。
余剰資金でないと価格が下がった時に過度にプレッシャーを感じてしまい、ストレスが増えてしまうからです。
投資は上手に利用すれば、老後の資産不足を解消したり、生活を豊かにすることが可能ですが、多くの個人投資家が資金コントロールに失敗して損失を被って投資をやめてしまうケースがあります。
自分の取れるリスクを理解して、長期的にコツコツと積立投資で臨むのが良いのではないでしょうか?
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