投資信託はプロに投資を任せるビジネスです。プロに任せられることは投資の初心者にとっては非常に有り難いことでしょう。
しかし、投資信託を調べてみるならば、その種類が非常に多いことに気が付きます。そして、何が良いかを考えると途方に暮れる人も少なく無いと思われます。
では、投資信託はどの様に選べば良いのでしょうか。
ここでは投資信託の選び方のポイントとなる、比較の方法をメインに解説したいと思います。
もくじ
なぜ投資信託を行うのに比較が必要か?
前述の様に。投資信託は投資のプロが運用しています。ですから「どうせ儲かるんだから、どれを選んでも大差ない」と考えるかも知れません。しかし、何も考えずに選ぶことは賢明ではありません。
では、投資信託選びの時には、なぜ比較が必要なのでしょうか。
収益を上げるため
比較の必要性の第1は「収益を上げるため」です。
証券会社や銀行などの資料を見ると、投資信託の数は非常に多く、それぞれ投資対象や運用期間、そして方針などが異なります。ある物は基準価額のアップを狙い、またある物は分配金を狙う物となるでしょう。
さて、投資信託の収益はそのファンドの運用状態によっても違います。儲かる物もありますし、それなりの物もあるのです。
そして、投資家は儲かるファンドを買わなければなりません。そのためには投資信託の状況を知り、比較しなければならないのです。
自分に合った物を買うため
比較の必要性の第2は「自分に合った物を買うため」です。
投資信託には投資対象、運用期間、方針などで様々な物があります。それによって、リスクやリターンも異なるのです。例えば、国内の投資であればローリスクだけどリターンも少ない、海外の物であればリスクは多いが大きなリターンを狙えると言った具合です。
さて、投資家には手堅い物を狙う人もいれば、リスクを取ってもリターンを狙う人もいます。投資家は自分の狙う物を購入しなければなりません。そのためにはリスクやリターンを比較することが必要なのです。
損をしないため
仮に投資信託を間違って選んでしまうと、せっかくの利益を減らしてしまうこともあります。
例えば、取り崩すことを前提とせずに長期間掛けて資産を作るならば、分配金が無い物を選ぶのが税金対策の点で有利です。しかし、間違えて分配金の有る物を選んでしまうと、分配金の分だけ税金が発生してしまい、利益を落としてしまいます。
投資信託には様々な特性があります。投資対象、運用方針、リスクの傾向…実に様々です。そして、利益を確実にするためには、それぞれについて良く調べ、メリットとデメリットを比較する必要があるのです。
投資信託の比較方法
それでは、投資信託の比較の方法にはどの様な物があるのでしょうか。
代表的な方法を挙げてみましょう。
投資対象での比較
投資対象を比較して選ぶ場合には、その投資対象の特性を知って比較することが大切です。
例えば、海外不動産の場合には、新興国と北米などの地域では状況が異なります。資本が流入する新興国の開発地域では大規模な建築物が多く造られるでしょう。また、北米であったとしても、高齢化の進む地域では、住宅関連が伸び悩むかも知れません。
海外不動産の投資信託もこれに合わせて傾向が変わり、収益性も異なります。収益に繋げるためには、投資対象を知って比較することがポイントとなるのです。
地域での比較
リスクは地域によっても傾向が異なります。ですから、地域を比較して選ぶのも良い方法と言えます。
例えば、海外であれば国内と違ったリスクがあります。例えば、政情の不安定な国では戦争のリスクなどもありますし、公衆衛生に問題のある国などは伝染病などもリスクになるかも知れません。
また、海外であれば為替の影響もあることでしょう。
ただし、リスクのある地域では大きなリターンを狙うことも可能。リターンも地域を見て比較することが大切です。
リスクでの比較
投資は一般にリスクが低くなればリターンも減り、リスクが高くなればリターンは増えます。そして、ローリターン・ローリスクの投資とハイリターン・ハイリスクの投資は投資対象によっても異なります。
そのため、リスクとリターンの比較から選ぶのも1案です。
例えば、国内の投資とする場合と海外の投資とする場合では、カントリーリスクや為替リスクが絡んで来ます。リスク要因も変わり、選ぶ上での手掛かりにもなるのです。
トータルリターンでの比較
トータルリターンは一定の期間において、どれくらいの値上がりや値下がりをしたかを示す数値で、選ぶ方法としてもおすすめです。
トータルリターンの現れ方は投資期間によっても異なります。短期間であれば上下変動の動きをダイレクトに受けますが、長期にするのであれば上下幅が平均化されるからです。
尚、トータルリターンのランキングを掲載しているサイトもあります。比較材料としては有力なので、おすすめです。
純資産での比較
純資産は投資信託の安定性を表します。投資信託の安定性を重んじて決めるのも十分にアリです。
と言うのも、運用が上手く行かない場合には純資産が目減りしてしまい、繰上償還にもなり得るから。場合によっては損失を被ってしまいます。
その点、純資産が確保されているならば、投資信託そのものの体力が違うので、環境の変化にも強いです。
そのため、特に投資の目的に合わせて純資産を比較するのも1つの方法と言えます。例えば、長期間預けて、ゆっくりと資産を作るのであれば純資産の多い体力のある物を選ぶと言った具合です。
運用方針での比較
運用方針は投資信託によっても異なります。
例えば、ある物であれば基準価額のアップを基本的な方針としている物。そして、分配金での還元を方針としている物…と言った具合に異なります。
そして、これらの違いは投資家の目的によって合わせられるべきと言えるでしょう。これも選ぶ方法の1つなのです。
例えば、長期的に預けて資産を作る場合には、税金対策で優れた分配金の無い物を選べば良いでしょうし、財布の様に使うのであれば分配金を重視した物を選ぶ、と言ったイメージです。
分配金の比較
分配金を収益のメインとしたい人は、分配金の額で選ぶのも良い方法です。
分配金は投資信託によっても異なります。そして、基準価額に対するパーセンテージによっても読むことが可能です。
例えば、基準価額が3000円で分配金が60円の場合には2%、基準価額が5000円で分配金が80円の場合は1.6%と、基準価額と分配金が多くても、利率で見た場合には前者の方が有利、と言う読みも成立するのです。
ただし、分配金は運用実績によっても異なるので、将来を見越すのであれば、チャートの動きを併せて見ることも重要になります。
証券会社のランキングによる比較
証券会社によっては、投資をトータル的に捉えて、ランキング形式で投資家に紹介している物があります。いくつもの投資信託を挙げて、投資家にとってメリットのある物の順位を挙げて行くのです。投資家はそれによって、現在の市況での有利な物を選び取ることが出来ます。
これによる選択の方法は、手っ取り早く、しかも正確性の高い物を選び取るメリットがあると言えるでしょう。
投資信託は目論見書などを見れば、投資の方針などが分かります。しかし、どの投資信託が有利なのかは、なかなか分かりません。
その点でランキングは比較しやすく、便利です。
良くない投資信託の比較と選択方法
この様に、比較の方法はいくつもあるのですが、これに伴って「良くない選択方法」もあります。
これらは沈着な比較をしないままで選ぶパターンが多いのですが、反面教師として知っておくと参考になります。いくつかの例を挙げてみましょう。
理解しないまま選んでいる
投資信託は実物の投資と異なり、銀行の預金の様な性格も少し帯びて来ます。と言うのも、投資家からすれば「預ければ大きくなって返って来る」とも取れるからです。
それでは、本当にその感覚で良いのか、言い換えれば「理解しないままで選ぶ」のは良いのかと言うと、やはりそれは適切ではありません。投資対象を知るべきでしょうし、分配金の有無なども知るべきでしょう。
仮に、それが良く理解されないままで投資されるならば、本来発揮出来る投資効果を得ることは難しくなるでしょうし、場合によっては損失を被ることにもなるからです。
とにかく色々な種類を選ぶ
投資家にもよりますが、リスク分散のために、とにかく多くの種類を多く持つケースが見られます。そして、ケースにもよりますが管理が困難になっている状況も見て取れます。
さて、この様な選び方は良いかと言うと、やはり賢い方法とは言えません。
投資信託は売却を含めた管理が必要だからです。仮に管理がいい加減だと、利益を中途半端にした状態での繰上償還にもなってしまい、損をすることもあるからです。
投資信託は1つの物であってもリスクは分散してあります。あくまでも持つのは管理出来る範囲とすべきでしょう。
ギャンブルの感覚で選ぶ
投資信託をギャンブルの感覚で選ぶケースも見受けられます。
これは2つの良くない点があります。
1つ目には「理性では無く感情で選ぶ点」です。
投資信託は社会的な読みも必要なのですが、数学的な解読も欠かせません。基準価額と純資産などから口数を割り出し、どの様な影響から基準価額が変動するかの予測を立てなければならない場面があるからです。
そして2つ目、「自分の読みを過信して選ぶ点」です。
これは自分の市況や環境の読みを「これで十分」と中途半端な段階で判断し、途中でやめてしまう場合です。いずれにせよ、考察が不十分になるので、結果悪くすることもあり得るのです。
投資信託は理性的な判断を元にして行うべきです。目論見書などにもしっかりと目を通し、十分に計算すべきなことを覚えるべきでしょう。
用語などを理解せずに選ぶ
投資信託には専門用語が頻出します。「基準価額」「純資産」いずれも一般的な用語に見えて、よく理解しておかなければならない言葉です。
仮に、これらの用語の意味を理解しないならば、購入するファンドを間違ってしまうこともあり得ます。理解せずに選ぶのは賢明ではありません。
例えば、基準価額と分配金の意味と関係を知らなければ、どのタイミングで基準価額が変動するかが分かりませんし、変動の要因なども読むことが困難。やはり、投資信託のビジネスの流れを知るためにも、効率的な収益を上げるためにも、用語の確実な理解は欠かせないのです。
実績をよく見ずに選ぶ
これまでの実績を見ずに選ぶのも考え物です。
と言うのも、実績は運用会社の力量まで見える材料だからです。
いくらファンドに資金が集まっても、運用が上手く行かなければ確実な収益に結び付きませんし、場合によっては元本割れの様な事態にもなり得ます。
また、償還日が定まっている投資信託であれば、償還日を待たずして繰上償還にもなることでしょう。
これらは、いずれにしても良い物ではありません。チャートや過去の状況に目を通して、どの様な実績があるかを調べることが大切なのです。
他者の意見を鵜呑みにして選ぶ
投資信託であっても、最後は自己責任です。他者の意見は参考にしても、鵜呑みにするべきではありません。仮に鵜呑みにするならば、痛い目を見る可能性は高くなることでしょう。
そして、特に何を買うかを決める際に他者の意見を鵜呑みにしてしまうと、間違った物を買ってしまうこともあります。その場合は想定外の展開をすることもあり、結局思っていただけの収益を上げることが出来なくなってしまいます。
投資信託であってもビジネスと考えるべき。自分でも能動的に情報を集めて、鵜呑みにせずに、賢く使うことが大切です。
まとめ
投資信託の比較の方法をメインに取り上げました。選ぶ方法のポイントなども把握出来たことと思います。また、マズい選び方も挙げてみました。反面教師とすべき態度も分かったことでしょう。
いずれにしても、投資信託は比較することが大切。効率良く利益を得るためには、比較の方法まで計算に入れることが重要。しっかりと計算して取り組みましょう。
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