「新築の区分所有マンションって本当に節税できる?」
「不動産業者に法人ではなく、個人で物件購入を勧められたけど実際はどっちがお得?」
「ネットで利回り30%超えのマンションが売りに出されてるけどこれって嘘?」
とお困りではありませんか。
今回の記事では「融資を受けるには立地が重要になる理由」、「減価償却による本当の節税効果」、「物件の個人購入を進めるカラクリ」など、「不動産投資に関する嘘と真実」について詳しく解説します。
また「市場に出回っている高利回り物件の実態」についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
不動産投資の嘘|立地について
まずはネットでよく噂されている「不動産投資の立地についての嘘と真実」について、以下の通り解説します。
- 都心だから儲かるの真実
- 人口が多い土地なら安心は本当?
- 融資を受けるには立地が重要になる理由
都心だから儲かるの真実
よくネット広告や不動産営業マンの売り文句として、「都心だから儲かる」と謳っているケースがありますが、注意しましょう。
なぜなら「不動産投資の立地選定において最も重要なのは、賃貸需要と供給のバランス」だから。
確かに東京で人気のターミナル駅に近い物件を所有したいと考える投資家は多いですが、その分不動産の供給数も多いため、ライバルとの競争が激化します。
家賃にしろ入居率にしろ、「新築が高くて築年数が経過するに従ってどんどん下がっていく」という傾向は、都心でも地方でも一緒です。
もちろん地方は都心と比較すると賃貸需要のマーケットは小さいですが、「需要>供給」となるエリアであれば地方の物件でもしっかりと収益化することが可能となります。
人口が多い土地なら安心は本当?
仮に人口が多い立地であっても、「エリア調査」は必ず自分で行うことを強くおすすめします。
なぜなら「賃貸需要は立地によって様々であり、物件タイプによる需要と供給のバランスが重要」だから。
例えばファミリー層が多いエリアだと、間取りが1Kのマンションは需要が少ないですし、近くに大きな団地があるエリアなら単身者向けの物件の方が需要があるかもしれません。
まずはそのエリアの概要を掴むために、「都市データパック(※1)」などを利用して、地域のトレンド情報をチェックしておきましょう。
(※1)東洋経済新報社が販売しており、「住みよさランキング」や人口増減率など、全ての地方自治体の最新の統計情報を掲載している。
特に人口よりも「世帯数」をよくチェックして、そのエリアの賃貸需要が、「ファミリー層が多いのか、単身者が多いのか」をよくリサーチしておく必要があります。
融資を受けるには立地が重要になる理由
実は不動産投資で金融機関から融資を受けるには「立地選び」が重要です。
なぜなら「物件のエリアによって融資可能な金融機関が限定されてしまい、最悪の場合だと立地が原因で融資を受けられないリスクがある」から。
例えば東京在住の投資家が九州に3棟のマンションを所有している場合、東京エリアの金融機関で融資を受けにくくなってしまうケースが実際にあります。
基本的に「所有している物件を共同担保に入れて物件を買い増しする戦略」を取る場合、エリア外の物件は担保に入れることができないケースが多いので注意しましょう。
もちろん各金融機関によって融資条件は異なりますが、事業を拡大したいなら今後の融資との兼ね合いをよく考慮して立地を選ぶことをおすすめします。
不動産投資の嘘|節税について
次は「不動産投資の節税に関する嘘と真実」について、以下の通り解説します。
- 新築の区分所有マンションで節税は可能?
- 減価償却による本当の節税効果とは?
新築の区分所有マンションで節税は可能?
ネット広告や不動産投資のセミナーで、「新築区分マンションでサラリーマンでも節税」という謳い文句を聞いたことがありませんか。
もし、このような新築区分マンションの営業電話がかかってきたとしても、おすすめできないので注意しましょう。
なぜなら「電話営業で紹介しているような物件は不動産投資として失敗する可能性が非常に高い」から。
実は新築区分マンションによる節税というのは、「不動産投資で赤字を出して、給与所得と損益通算することによって所得税の還付を受ける」ということです。
つまり不動産投資としては、「家賃収入<運営管理費」となっており、事業としては失敗している状態となります。
最悪の場合、収支の合わない物件を所有していることによって債務超過となり、次の融資が受けられなくなるケースもあるため注意しましょう。
減価償却による本当の節税効果とは?
建物の減価償却(※2)によって、売却後の税金負担が大きくなってしまうケースがあるため注意が必要です。
(※2)建物の劣化による価値の減少を経費として計上すること。
なぜなら「減価償却によって建物の簿価も減っていくため、物件売却時にプラスの収支になることが多い」から。
仮に「購入価格>売却価格」になっていたとしても、「簿価<売却価格」として物件が売れた場合は帳簿上の利益が発生します。
さらに個人名義で物件を購入している場合、所有して5年未満で売却すると利益の4割近くの税金を支払う必要があるため、注意しましょう。
つまり物件売却後の出口戦略までしっかり考慮しないと、減価償却による本当の節税効果は分からないということです。
不動産投資の嘘|法人化について
ここからは「不動産投資に関する法人化の嘘と真実」について、以下の通り解説します。
- 法人化の検討は「5棟10室」を超えてからが良い?
- 法人化をするメリットとデメリットを比較
- 不動産業者が融資を個人で進める本当の理由
法人化の検討は「5棟10室」を超えてからが良い?
不動産投資で青色申告による確定申告を行う際の基準が「5棟10室」であるため、この規模になると法人化を検討する投資家が非常に多いです。
法人化して物件を購入するなら、「1棟目の物件購入から検討する」ことをおすすめします。
なぜなら「個人所有だと、節税の手段がほとんどない」から。
例えば個人所有の場合、サラリーマンの給与所得に不動産所得がプラスされるため、累進課税によって税金の負担がどんどん大きくなってしまいます。
その一方で法人の場合は様々な節税手段があるため、年収がある程度高くて不動産事業を拡大していく計画があるなら、最初の物件購入から法人名義で購入するのがおすすめです。
法人化をするメリットとデメリットを比較
ここからは法人化をするメリットとデメリットを順番に解説します。
- 法人化のメリット
- 法人化のデメリット
法人化のメリット
不動産投資において法人化する大きなメリットは、資金調達に限度がないことだと言えます。
なぜなら「属性が高くても個人で融資を受けると、数億円で頭打ちになってしまう」から。
特に不動産投資で事業拡大を狙っていく場合、金融機関の資金調達が絶対に必要です。
残念ながら個人で融資を受けると属性や資産状況によって、必ず融資を受けられなくなってしまうタイミングがやってきます。
その一方で法人化して戦略的に物件を買い増ししていけば、金融機関からの融資が頭打ちになることはありません。
法人化のデメリット
不動産投資において法人化するデメリットは個人所有よりもコストがかかってしまうことです。
なぜなら「法人設立の費用、法人の住民税、税理士の委託費用など個人の場合と比較するとどうしてもコストが高くなってしまう」から。
ただし個人購入したケースと比較すると、デメリットよりもメリットの方が大きく、個人よりも様々な節税の手段があります。
特に「年収1,000万円以上の高所得者」の方は、個人で物件を購入するメリットがほとんどないため、1つ目の物件購入から法人化するのがおすすめです。
不動産業者が融資を個人で進める本当の理由
不動産業者の営業マンに、「最初から法人の購入は厳しいので、1つ目は個人名義で購入するのがおすすめです」と言われたら疑った方がいいでしょう。
なぜなら「個人融資の場合はパッケージ化されているため審査のスピードが早く、業者にとって都合が良い」から。
つまり物件を販売する業者側の視点で考えると、法人融資よりも審査スピードの早い個人融資の方が、自社の利益を逃しにくいというわけです。
その一方で法人融資の場合だと、融資は1件ごとのオーダーメイド製であるため、どうしても審査に時間がかかってしまう傾向があります。
実は個人名義でも法人名義でも融資の審査は、「個人の年収や属性」をベースに判断するため、金融機関の対応は変わらないケースが多いということを覚えておきましょう。
不動産投資の嘘|高利回り物件について
最後に「不動産投資に関する高利回り物件の嘘と真実」ついて、以下の通り解説します。
- 市場に出回っている高利回り物件の真実
- 利回り30%でも赤字になる不良物件のカラクリ
市場に出回っている高利回り物件の真実
市場に出回っている高利回り物件について、新築物件と中古物件の場合に分けてそれぞれ解説します。
- 新築の高利回り物件の場合
- 中古の高利回り物件の場合
新築の高利回り物件の場合
市場に出回っている「新築の高利回り物件」は必ず疑った方が良いです。
なぜなら「家賃設定を高めに設定しているだけの可能性がある」から。
特に投資家向けの新築一棟アパートや新築一棟マンションを売り出す際、相場よりも家賃を高めに設定して表面利回りをアピールする業者が非常に多く、シミュレーションが甘いケースが多々見受けられます。
確かに、「新しくて綺麗な部屋に住みたい」といういわゆる新築プレミアムとしての需要があるため、最初の入居者は相場よりも高い家賃でも入居してくれる可能性はあるでしょう。
その一方で想定していた家賃では入居者が決まらない場合、家賃を相場の値段まで下げるしか方法はありません。
業者が計算した表面利回りは見積もりが甘いケースもあるため、自分で必ず相場の家賃をリサーチして妥当性を確認しておくことをおすすめします。
中古の高利回り物件の場合
市場に出回っている高利回りの中古物件にも注意が必要です。
なぜなら「表面利回りは良くても、建物の修繕費や設備交換などのランニングコストが割高になる可能性が高い」から。
特に築年数が数十年経過しているような物件を購入する際は、必ず売主に「建物の修繕履歴」をヒアリングすることをおすすめします。
特に屋根の雨漏り対策や、外壁の舗装はどんな物件でも必要です。
また、「間取りが広いファミリータイプ」の場合、入居者が退去すると原状回復費が高いケースが多いので注意しましょう。
利回り30%でも赤字になる不良物件のカラクリ
実は地方の区分所有マンションで100万円を切るような破格の安さで売りに出されるケースがあり、「表面利回り30%超えの物件」も実際に存在します。
ただし利回りだけで購入を判断するのは非常にリスクが高いのでおすすめしません。
なぜなら「マンションの管理費や修繕費が異常に高いケースがある」から。
特に地方は都心と比較すると家賃が安い傾向があり、「家賃収入<運営管理費」となってしまうケースも多く、不動産投資として赤字になってしまうこともあります。
また温泉地やスキー場によくある「区分リゾートマンション」も破格の安さで売りに出されることがありますが、管理費だけで数万円を超える物件がほとんどのため注意しましょう。
このように利回りの高い中古区分マンションを購入する際は、実際の初期コストやランニングコストも考慮した「実質利回り」を念入りにシミュレーションしてから購入することをおすすめします。
まとめ
今回の記事では「減価償却による節税効果」や「物件の個人購入を進めるカラクリ」など、不動産投資に関する嘘と真実について詳しく解説しました。
不動産投資は金融機関から多額の融資を受けるケースが多いため、大きな失敗をすることが絶対に許されません。
失敗を避けるには広告や営業マンのおいしい売り文句に踊らされずに、正しい情報をリサーチして判断することが重要です。
もし少しでも不動産投資に関して疑問を感じたら、「購入する前に必ず情報のリサーチを徹底する」ことから初めてみてはいかがでしょうか。
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