FPに聞いてみた

田舎暮らしブームに乗る!田舎物件の不動産投資

田舎暮らしブームに乗る!田舎物件の不動産投資

投資用物件は入居者のニーズに応えなければなりません。投資用不動産の家賃は、そもそも入居者の納得による物。投資家の側の論理は通らないこともあるのです。

さて、最近のニーズを見ると「田舎暮らし」がキーワードになっていることに気が付きます。ゴミゴミした都会から離れ、自然を満喫しながらの生活にニーズがあるのです。

それでは、このニーズに不動産投資家は応えることは出来ないのでしょうか。

ここでは田舎暮らしを夢見る人をターゲットにした田舎物件について取り上げてみましょう。

ブームに乗ると言うのは「リスク」が伴うのも事実なのですが、ブームが去るまでは一定の需要があるのも事実です。ブームを最大限に活かすためにも、どういったものなのかを知っておく事は重要でしょう。今回はFPの方に田舎暮らしブームに関する不動産投資のお話を聞いてみました。

昨今の田舎暮らしのブームについて

田舎暮らしは以前から静かなブームではあったのですが、最近になって流行がより活発になった様にも見られます。これにはいくつかの理由がありますが、この理由を知っておくことは田舎物件投資においてもヒントとなります。田舎暮らしのブームの背景を再確認してみましょう。

昨今の田舎暮らしのブームについて

自然に親しめる生活

田舎暮らしの醍醐味は「自然を満喫しながらの生活が出来る点」にあると言えるでしょう。

都会で生活するならば触れられる自然は、極めて限定的になることも少なくありません。マンションの並ぶ大都市で生活するならば、触れられる自然が公園や緑地帯程度…という人も少なくないのです。

しかし、田舎で生活するならば、毎日の生活で自然を満喫することが出来ます。きれいな空気と水、そして美しい風景のある生活は格別の物。魅力の溢れる生活なのです。

テレワークの浸透

新型コロナウィルス感染症の流行によって普及したテレワークですが、テレワークの浸透は「会社と離れた地域で生活していても十分に生産性を上げられる」ことを証明したことでもありました。つまり、都市部で生活をしなくても、都市部で生活しているのと同レベルで生産性を上げられることを立証したのです。

つまり、テレワークを前提とするならば、田舎暮らしは十分に可能なのです。

確かに田舎でのテレワークには通信インフラが必要ではありますが、通信は既存の物でも十分に対応可能。田舎での生活がグッと近くなったのです。

リノベーション物件の流行

リノベーションは古い物件の価値を底上げする改装。中古のマンションの付加価値向上のために行われたケースが大半でした。

さて、この様なリノベーションは田舎の古民家などにおいても応用され、多くの人に高い評価を得ています。時代を超えた風格が持ち味のリノベーション物件は、レトロさとモダンなデザインの融合する極上の空間になるからです。

そして、この様な古民家リノベ物件は流行しています。不動産投資の点でも十分に需要はあるのです。

不動産投資をする上で田舎の物件の魅力

冒頭にも挙げましたが、田舎暮らしには人気が見込めます。田舎の物件はこの動きに対応する物件と言えますが、不動産投資家の側からもメリットがあります。ここでは、田舎の物件の魅力の主な物を再確認してみましょう。

不動産投資をする上で田舎の物件の魅力

一定の需要が見込める

田舎暮らしはブームになっていることもあり、それだけの需要が見込めます。そして、このブームは一過性のブームとは異なり、長く続くとも思われます。

実際、都会での生活をリタイヤして第2の人生を踏み出す時に、敢えて地方に移住する人は少なくありませんし、先にも挙げた様にテレワークの浸透などにも効果があります。

また、地方自治体の中には移住者に様々な特典を持っていることもあり、「追い風」にもなっているのです。

ただし、田舎であればどこでも良いかと言うことでは無く、需要の見込める場所を見極めることが大切です。

購入価格が抑えられる

購入価格が抑えられるのも魅力です。特に土地の価格は大きく異なりますので、必要となる投資額も大きく抑えられます。

例えば、首都圏の地価を調べてみると、住宅地であっても坪単価が100万円クラスの場所が少なくありません。しかし、地方を見ると大きく値を下げています。半額クラスの場所もあるのです。

良質の投資用物件を手に入れるためには良い土地を探さなければなりませんが、それでも都市部よりも抑えられ、メリットは大きいです。

用途を広げて使える

一般の不動産投資は住居系不動産のアパートやマンションがメインです。首都圏であれば駅前のワンルームマンションを借りて集客すると言うのがセオリーでしょう。

しかし、田舎の物件はそれだけではありません。用途を広げて活用することが出来るのです。

例えば貸別荘など。市場にはバブル期に建てられたリゾートマンションが破格の値段で残っています。これを上手に活用すれば収益化は不可能ではありません。

ちなみに貸別荘の場合の広告は費用が発生しますが、SNSなどを活用すればアウトドア愛好家を容易に探すことが可能ですし、上手く行けば営業にも活かすことが可能です。

不動産投資をするなら知っておきたい田舎の物件のリスク

田舎の物件は購入費用も安く、しかも一定の需要があるため魅力的なのですが、やはりリスクがあるため注意が必要です。ここでは田舎の物件の代表的なリスクを挙げてみましょう。

不動産投資をするなら知っておきたい田舎の物件のリスク

建物劣化のリスクがある

田舎の物件は都市部の物件と異なる条件の元に建っています。その条件は時として都市部の建物よりも劣化を進めてしまうこともあり得ます。

例えば海の近い街の場合には塩害を受けやすくなります。また、温泉地の場合も建物を劣化させてしまいます。また、シロアリのリスクや腐朽のリスクも場合によっては上がることでしょう。また、コケが生えたり、動物の糞尿の被害もあったりします。

当然ながら、これらのリスクには対策が必要。リスクについての勉強が必要も欠かせません。都市部の不動産と違った情報収集が必要となるのです。

管理が大変

不動産投資は物件管理が非常に大切。仮に物件の管理が悪い場合には入居者に愛想を尽かされて退去されてしまうこともあり得ます。これは田舎の物件でも同じです。

ところで、田舎の物件、それが遠隔地の物件となれば管理が非常に大変になることもあります。と言うのも対応可能な管理会社も限られますし、目が届きにくくなるからです。

また、地域によってはスズメバチが物件内に巣を作ったり、ヘビなどが入り込んだりすることもあります。いずれにせよ管理には独特のノウハウを要し、簡単ではありません。

銀行融資の問題

田舎の物件は安く購入出来る点が魅力的なのですが、基本的には価値が無いと見られてしまい、銀行融資を引き出すことが難しくなります。

銀行が融資をする条件は収入や勤務先の属性など、トータル的に検討されて決められます。しかし、融資には担保が必要で、物件に価値が認められないと銀行が受け付けてくれなくもなり得るのです。

尚、銀行の融資対策としては別途に担保を立てることも不可能ではありません。ただし、全部が上手く借りられるとは限らないので、しっかりと銀行対策を立てなければなりません。

田舎の物件のチェックポイント

田舎の物件は都市部の物件とは勝手が違います。そのため、経営には独特なノウハウがあり、あらかじめ確認しなければならない点が多いです。

田舎の物件のチェックポイント

ここでは田舎の物件を検討する上で必要となる代表的な項目を挙げてみます。

再建築不可かどうか

田舎の物件の特に古い物においては都市計画法で言う接道義務を満たしていない物件が少なくありません。道路から細い通路を通って物件に到着と言ったケースが意外にあるのです。

そして、これらは基本的には再建築不可物件になり、物件が腐朽してしまうと新しい建物を建てることが出来ません。

再建築不可物件は売却が難しいなど、多くのハンディを抱えています。

確かに、再建築不可物件はリフォームして使用するならば問題は無いのですが、それでも制限があります。購入前に利用する方法までしっかりと計画することが大切となるでしょう。

基礎や構造の補強は可能か

田舎の物件。特に築50年を超える古民家の様な物件は、今の建築物と構造が異なり、耐震性などで劣る物も少なくありません。これらは一般的には耐震リフォームによって構造が補強されます。例えば基礎が強化されたり、合板が付けられて耐震強度がアップされたりするのです。

しかし、田舎の物件は必ずしも補強が出来るとは限りません。と言うのも、元々の構造部分が腐っていることも案外あり、補強が困難なケースもあるのです。

購入前に確認が重要ですので、ぜひとも業者に依頼してチェックしましょう。

リフォームは可能か

田舎物件はリフォームが必要なケースが多いです。特に築古の物件においては補強工事も含め、全体のリフォームは必須とも言えるでしょう。

しかし、築古物件の中にはリフォームが出来ないケースも無い訳ではありません。例えば前述の様に基本構造がダメージを受け過ぎている場合、あるいはリフォーム費用を出してしまうと採算が合わなくなってしまう場合などです。

この様な物件は最初から敬遠する方が良い場合もあるので、購入の前での確認を入念にしなければならず、注意が必要です。

生活に困らないか

都市部で生活をしていると気づきにくいのですが、田舎の街では場所によっては不便を強いられることもあります。

例えば商業施設や病院などが近隣に無かったりするケースです。移住してみたらコンビニが無く、夜間の買い物に困ったと言ったケースもあり得るのです。

この様な物件は客付けの点で劣ってしまうことも。物件探しにおいては「生活に困らないか」をチェックしなければならないでしょう。

客付けは可能か

いくら良い物件を手に入れたとしても、入居者が現れなければ意味がありません。入居者を呼び込まなければならないのです。

ただし、物件の状態によっては魅力をアピールすることも難しい状況もあり得ます。購入前に、客付けの可能性について良く検討することが必要となるでしょう。

尚、今はネット経由での宣伝も可能です。SNSなどの活用も有効になると思われます。

田舎の物件の入手方法

田舎物件は街の不動産会社に行けば好きな物件を選べる…と言う具合には行きません。特に都市部に投資家が住んでいるのならば、なおさらのことだと思います。

田舎の物件の入手方法

それでは、田舎物件の入手にはどの様な手段があるのでしょうか。

ネットで探す

ネットで探すのは今では非常にポピュラーで、しかも手っ取り早く出来ます。

しかも遠隔地であっても情報収集は問題無く出来て、非常に便利な方法と言えるでしょう。

例えば、東京に居ながらにして地方の物件の情報を得られることは、時として早い者勝ちになる取得に大いに役に立ちます。

ただし、ネットはあくまでも1つの手段。過信は危険です。

不動産会社の紹介

不動産会社とのコネクションも非常に大切です。と言うのも、不動産会社は不動産のプロで、独自の情報網を持っていることもあるからです。今では全国展開している不動産会社もあります。ケースバイケースにはなるでしょうが、良いビジネスパートナーにもなり得ます。

空き家バンクの活用

空き家バンクの活用も良い方法と言えるでしょう。空き家バンクには非常に多くの物件が掲載されていて、地方の物件を狙う投資家には魅力的に映ります。情報収集もそれほど難しくは無いので、上手に活用すれば良い物件に出会えます。

ただし、空き家バンクに掲載されている物件の多くは古く、改装が必要。購入前にしっかりと確認しておくことが大切です。

個人取引

不動産は不動産会社経由で取引しなければならない訳ではありません。個人取引も可能なのです。田舎の物件で信頼出来る人物の紹介であれば問題が無いかも知れません。

ただし、不動産の個人取引は不動産会社を通す取引よりも問題の発生リスクが大きくなります。契約の内容だけでなく、相手の人間性まで見極めなくてはならないでしょう。

まとめ

田舎の物件について、田舎暮らしを交えながら紹介しました。田舎の物件への投資のアウトラインがイメージ出来たことと思います。田舎物件の魅力も分かったことでしょう。

ただし、田舎の物件は都市部のマンション投資などとは違い、独特のノウハウがあります。問題点についても良く研究することが大切です。

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清水みち代

関東在住の30代女性。 生保代理店で窓口営業に従事していましたが、コロナの影響で休業中。 自宅にいる時間に資格取得に目覚め、通関士、宅地建物取引主任者、FP2級、総合旅行業務取扱管理者の各資格を取得。 将来の目標は、北海道での「田舎暮らし」。

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