不動産投資には不動産投資ローンが欠かせません。投資用不動産は高価な物になれば、億を超える物件もあるから。この様な費用は個人で用意することは困難です。
さて、ローンの利用に当たっては「属性」を考えるべきです。属性によって銀行の態度が変わるからです。
では、なぜ属性は銀行の態度を変えるのでしょうか。
ここでは、不動産投資ローンに出て来る「属性」について解説したいと思います。
もくじ
銀行ローンにおける【属性】とは何か
まずは「銀行ローンにおける属性とは何か」について取り上げてみましょう。
銀行は審査の時に属性を重んじます。そのため、審査が通るかどうかを見積もるには、自分の属性がどの様な状態かを知ることが重要です。
属性とは何か
結論から言うと、属性とは「ローンを利用しようとする人の経済面や社会的な背景」です。
銀行としても貸した資金を確実に返してもらわなくてはなりません。その支払い能力は個人の立場によって異なります。仕事には高収入の物もありますし、そうでない物もあります。また、資産が多ければ支払い能力も高くなって来ることでしょう。
この様に、社会的な立場が強い人の方が支払い能力も高くなります。属性が高くなるのです。
銀行が審査をする上での着眼点
それでは、銀行が見て来る具体的な着眼点はどこなのでしょうか。
これは、前述の様な個人の立場による物。就いている仕事や持っている資金となります。
例えば、仕事や資産の状況など。…仕事の面で言えば高収入で安定している物の方が有利になりますし、元々の資産が多ければ立場も強くなります。
会社の規模で比較するならば、小さい会社よりも大きい会社の方が収入は高くなるし、安定性も高くなるでしょう。また、収益性の高い不動産を多く所有している場合などは元々の資産が高くなります。
この様な立場であれば、銀行としても安心して付き合えます。だから立場を見て来るのです。
銀行ローンにおける属性の具体的な内訳
では、属性の具体的な内訳はどの様な点で決まるのでしょうか。
銀行のチェックする点と併せて、もう少し細かく見て行きます。
氏名や家族構成も見られる
まず銀行にチェックされるのが氏名や家族構成です。
ローンを申し込みに来た人が確実にその人であるか、どの様な家族であるかを確認されます。
具体的には運転免許証やパスポートなどがチェックされます。
家族構成は単に身元確認のためだけに聞かれるのではありません。不動産の場合には次世代に引き継ぐ資産ともなり得ます。また、家族構成によって生活費まで見積もられ、返済能力を計られることもあるのです。
尚、独身と妻帯者では属性が異なります。金融機関にもよるのですが、妻帯者の場合は5%とも10%とも借入限度額が違うとか。収入とは縁遠くも思われそうですが、大きな差が発生するのは意外です。
職業は重要な審査基準
就いている職業がどの様な物かを見られます。
職業には順位があり、それによってローンの利用のしやすさも違って来ます。例えば、世間的に見て高収入の仕事であれば順位が上がり、それだけ利用しやすくなります。その反対に不利な立場になれば、それだけローンの利用も難しくなってしまうのです。
また、勤続年数や雇用形態も重要です。勤続年数によって収入の安定性が変わりますし、正社員か非正規かなどによっても立場が異なり、返済能力も違って来るからです。
重要度が高い【資産状況】
銀行は資産状況も見て来ます。
資産が多ければ銀行としても貸しやすくなりますし、逆に少ないならば敬遠して来ます。
また、ローンをどれくらい抱えているかも見て来ます。既に抱えたローンによって、返済能力が落ちてしまっているケースもあり得るからです。
尚、資産を調べられる時には他のローンの状況なども併せて見られます。他にローンを多く抱えている場合には属性が低くなってしまい、審査に通りにくくなるのです。
住居の情報
住居なども見て来ます。
持ち家か借家か、持ち家の場合は評価額はどうかなどです。
ちなみに、持ち家である場合には残っている住宅ローンも見て来ます。その状況により、自宅が資産であるか負債であるかを判断されるのです。
銀行に評価されている!?属性のランキング
ところで、属性にはランキングがあります。銀行は属性によって付き合い方を変えて来るのです。
では、どの様にランク付けをして来るのでしょうか。
資産家
まず、トップバッターに来るのが資産家です。
資産家は「金持ち」の立場を指しますが、イメージとしては単なる「収入が多い人」と言うよりも、土地や株式などの資産を運用して財産を形成している意味合いの方が濃いです。
例えば、単なる金持ちであれば年収1000万円クラスのサラリーマンも含まれますが、資産家からは外れます。資産家は自分の土地にマンションを多く構え、家賃収入などで財を成している人が当てはまることでしょう。
公務員
次に挙げられるのが公務員です。
公務員の特徴としては、勤務先の倒産リスクが非常に低いことなど。
企業であれば、どんなに大きいところであったとしても倒産のリスクは抱えます。また、企業であれば買収などによっても、その人のポストも危うくもなり得ます。
その点、公務員は安定していますので、滞り無く返済してくれる可能性が高くなり、属性の面でも高く評価されるのです。
しかしながら、「副業禁止」の可能性を考えると一概に良いとは言えません。あくまでもローンだと言う事を覚えておきましょう。
医師・弁護士など
医師や弁護士なども高くなります。これは基本的な収入が多くなることもあるのですが、立場によっては定年が無いからとも言えます。
銀行としてみれば、高収入であったとしても定年が近いならば回収の見込みが薄くなってしまうと評価せざるを得ません。しかし、定年が無い立場であれば、それだけ長い期間の付き合いが出来る様にもなるのです。
上場企業のサラリーマン
サラリーマンは企業の状況によっても属性が異なります。大きな会社であれば、それだけ有利な立場となるのです。さて、会社の規模の判定の第1は「上場しているかどうか」です。
上場企業は大きな収入が見込め、しかも安定性が高いです。銀行としても、回収に有利であり、しかも長期間貸しても問題無しと判断して、評価を上げて来るのです。
中小企業のサラリーマン
サラリーマンと言っても全部が強い立場であるとは限りません。弱い立場の人も居るのです。
例えば、会社には上場企業の様な大きな会社がある一方で、非上場の企業もあります。この様な会社の場合は大企業よりも安定性が乏しくなるので、銀行からの評価も下がってしまうのです。
自営業者
自営業者は収入の安定性だけでなく、事業の安定性も低くなってしまいます。
収入の高い期間もあれば低い時もある、場合によっては潰れてしまうと言う訳です。
この様な状況の場合では、銀行としても安定した回収が難しくなると判断します。融資において不利になるのです。
仕事以外の属性の決まり方を知っておこう
銀行は仕事以外の点も見て来ます。先にも少し挙げましたが、良い例が年齢や勤続年数です。
年齢によっても属性は違う
最近の不動産投資ローンは年齢のリミットが謳われなくなって来ました。と言われていました。
しかし、実際は金融機関で異なりますが、70代後半を上限としているところが多い様子です。ですから、借りることの出来る年齢は50代くらいが限度となります。
ちなみに、高齢になると仕事からの収入が少なくなるので、物件の担保価値などを重視して来る場合が多くなります。
勤続年数でも属性は変わる
前述の通り、勤続年数によっても属性は変わります。と言うのも、安定して収入が得られると判断されるからです。
ローンの返済においては「収入の高さ」も確かに重要なのですが、「長期間に渡って安定して返済してくれる」ことも非常に大切なのです。勤続年数は安定性のバロメーターとなるのです。
そのため、逆に転職回数の多い人の場合、あるいは転職したばかりの人は属性が低くなってしまいます。ローンの契約をした後で転職されてしまい、収入の不安定な仕事に就かれると、焦げ付くリスクが高くなってしまうからです。
知らない人も多い?自分の属性を上げる方法
この様に、個人的、社会的立場によって決まってしまう属性ですが、変えられない訳ではありません。
属性を改善させて融資に強くなることも可能なのです。
では、どの様な手段で属性が上がるのでしょうか。
自己資金を多くする
自己資金を増やすと属性が良くなります。
自己資金が増えると借り入れ額がそれだけ抑えられます。そうするならば、銀行側としても貸し倒れるリスクが減るため、貸しやすくなるのです。
今のローンは自己資金の比率が低くても借りることが出来ることとなってはいますが、それでも自己資金は重要。審査のカギとなるのです。
持ちすぎ注意!クレジットカードを減らそう
クレジットカードがあり過ぎるのも問題視されます。と言うのも、カードの利用額が膨らみ過ぎてしまうと、カードの支払いに追われてしまう事態も考えられるからです。その場合、銀行側としてみれば、ローンの貸し倒れリスクが上がると判断するのです。
そこで、余分なクレジットカードを解約して減らしてしまえば、カードの利用額が少なくなるので貸し倒れリスクも減ります。融資を受けるのに有利になるのです。
他のローンを減らす
前述の様に、銀行は他のローンの状況を見て審査をします。ローンが多いのであれば返済に難アリと判断します。
ですから、他のローンを減らして身軽になれば、それだけ融資に強くなるのです。
ローンの返済能力は人によって変わりますが、収入に対して返済の比率が高くなるとそれだけ不利。しかし、他のローンが無くなれば返済もしやすくなって、銀行側としても貸しやすいのです。
属性が上がるとどういったメリットがあるのか?
個人属性の性格や属性の上げ方がイメージ出来たことと思います。
それでは、属性が上がるとどんな変化が現れるのかを考えてみましょう。
銀行ローンが借りやすくなる
第1に挙げられるのが「借りやすくなる点」と言えます。
例えば、借りにくい立場である自営業者の人の場合、不動産投資そのものが難しいことも考えられます。と言うのも物件を購入する資金が調達出来ないから。不動産投資信託の様な小口の投資は可能であっても、物件を購入するまでは現実的ではありません。
しかし、仮に立場が好転して属性が上がるならば、資金の調達も可能となり、不動産投資のスタートを切れる様になります。属性は大きくなることは簡単では無いかも知れませんが、実績を積むならば評価の好転も夢では無くなり、好循環が期待出来る様になるのです。
銀行ローンの借入額が変わる
属性が良くなれば借入額も違って来ます。
例えば属性が変わって数%上がったとしても1億円の融資であれば、その差は歴然。物件の経営がグンと有利になります。
当然ながら、事業を広げる場合にも借入額が違うと非常に有利。より大きな投資が可能です。
次世代に引き継げる資産作りで有利になる
次世代に財産を遺す上でも有利です。借入可能な資金が多くなると、より耐用年数の長い物件の入手が可能になるからです。
物件の耐用年数は構造によっても異なります。実力値では無いのですが、銀行の目安とする法定耐用年数では木造は22年、鉄筋コンクリート造の場合は47年です。そして、入手のコストを考えるならば木造よりも鉄筋コンクリート造の方が高コスト。資金が無ければ買うことが出来ません。
その点、属性が良いならば資金の調達もしやすくなり、鉄筋コンクリート造の様な物件が購入することも可能。次世代へのパトンタッチもしやすくなります。
ちなみに、財産を遺す場合には相続税が発生しますが、現金や有価証券で遺すよりも不動産で遺す方が税制面で有利なのです。
まとめ
不動産投資ローンの属性について取り上げてみました。属性についてのアウトライン、順位、改善の手段などが分かったことと思います。また、属性が良くなれば、単に借りやすくなるだけでなく、借入可能額も変わって来ることも把握出来たと思います。
いずれにせよ、不動産投資は銀行の助力が無ければ始まりません。銀行対策としては属性が非常に重要なので、属性アップに勤め、より大きな投資を目指しましょう。
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【リスク】を少なく不動産投資を始めてみましょう。