不動産投資は投資用物件からの家賃収入で成立するビジネス。決して物件を購入して終わる投資ではありません。物件を購入し、どの様に運用するかが非常に大切なのです。
しかし、不動産投資に関する書籍などを見てみると、投資用物件に入居者を呼び込んで、後はカネの成る木になる…とも取れる物もある様子です。これではビジネスの頓挫の可能性は否めず、非常に危険です。
そこで、ここでは不動産管理に携わる会社…不動産管理会社にスポットを当ててフィナンシャルプランナーの視点から解説したいと思います。
もくじ
何故、不動産投資を行う上で、不動産管理会社の仕事が重要なのか
不動産管理会社は仲介会社とは性格が違い、比較的目立たない立場にあるかも知れません。しかし、不動産投資の観点から考えるならば仲介会社と同レベルで重要です。
では、なぜ不動産管理会社はそれほどまでに重要なのでしょうか。
入居者の満足度向上のため
不動産管理が重要な理由としてまず挙げられるのが、「入居者の満足度向上のため」です。
不動産投資は投資用不動産に入居者に入ってもらい、その家賃を収入とするビジネス。そして不動産投資の継続には入居者の満足度が無くてはなりません。
仮に入居者の満足度が低くて不満が出てきたならば、その入居者の退去リスクは高まってしまいます。そうなると空室リスクも上がります。そして、その原因には不動産管理のマズさの存在もあり得るのです。
ところが、不動産管理を改善するならば入居者の生活も快適になり、満足度も上がると退去リスクも下がります。財政的にも安定化して継続的な家賃収入が得られるのです。
物件の管理のため
不動産投資は投資用物件あってのビジネスです。そして、投資用物件はきれいに使われなければなりません。ですから、物件のメンテナンスも必要。やはり不動産管理の重要性は重要なのです。
不動産管理の重要性を把握しない賃貸不動産経営だと、物件での生活の快適性が損なわれたり、物件の耐用年数が短くもなるかも知れません。
そして、物件での生活の快適性が損なわれたりすると、やはり入居者の満足度は低くなります。これは空室リスクにまで関係する要因。可能な限り避けなくてはなりません。
また、物件の耐用年数が短くなる様な事態があると、修繕費が高くなってしまいます。
いずれにしろ不動産管理の仕事は重要。質の高い管理が必要なのです。
入居者の管理のため
不動産管理の仕事には入居者管理もあります。入居者管理は家賃に関わること、入居者の生活に関わること、実に様々なのですが、そのどれもが重要で不動産経営の状態に直結します。
例えば、不動産管理の仕事の中には入居者間のトラブルの解決があります。
入居者間でのトラブルを放置すると、場合によっては喧嘩となって風紀の乱れにも繋がります。その場合、状況にもよりますが退去リスクの発生も出て来ます。
しかし、その様なトラブルを小さい内に解決出来れば物件での生活も平和になり、風紀も乱れません。その結果、入居者の生活も荒れず、満足度は保たれるのです。
将来への布陣のため
不動産管理の仕事には物件のリフォームの提案もあります。物件のリフォームは物件の状態維持のための投資。可能な限り高品質で無くてはなりません。しかも、リフォームの良し悪しは将来にも影響します。まさに将来への布陣が上手く行くかが決まるのです。
仮にリフォームが悪いと物件の品質のキープもあまり望めなくなります。更には将来に渡って修繕費が多く発生し得ます。そうすると入居者の滞在期間も短くなり、更には空室リスクまで高まるかも知れません。
投資をするのなら、不動産管理会社の仕事について知っておこう
次に不動産管理会社の主な業務について挙げてみましょう。
不動産管理会社は基本的に物件の運営のほとんどをカバーしてくれます。しかも、あまり臨みたく無い仕事も引き受けてくれるので便利です。
家賃の集金
家賃の回収は必須の仕事です。
最近では口座振り込みやクレジットカードなどを使うケースが増えています。管理会社を経由すると手数料を引かれた上で口座に振り込まれます。
家賃滞納者への督促
不動産経営においては家賃を滞納されるリスクもあります。発生した場合には督促が必要で、この仕事を管理会社が請け負ってくれます。
仮に入居者が家賃を支払ってくれない場合には、電話などで入居者に連絡し、それでもダメならば連帯保証人や家賃保証会社などに連絡を入れます。この作業は神経をする減らす作業ですが、不動産管理会社には一括で任せることが可能。非常に便利です。
入居者の募集
不動産管理会社の重要な仕事の1つに入居者の募集があります。入居者への対応は不動産投資において欠かせません。内見などの対応も管理会社が応じますが、この時の状況によって客付けが変わります。 ちなみに不動産管理会社は契約手続きも担当します。
退去の立ち合いや清算
不動産管理会社は入居者の退去時の立ち会いにも対応します。この時、物件をチェックして入居時との状態のチェックをして、原状回復がどれくらい必要も判断するのです。
建物の管理
建物の管理も非常に大切です。
アパートや一棟マンションなどの場合は廊下などの共有部分のメンテナンスも対応します。この部分のメンテナンスが不備の場合、入居希望者の印象も悪くなるので、しっかりとした管理が大切。高い品質の仕事が求められます。
また、マンションなどの修繕は非常に大きな規模になります。外壁などの修繕は建物の周囲に足場を組むなど、大掛かりな工事が必要ですが、これらの手配も管理会社が行います。
リフォームの対応
住宅設備は日進月歩で高性能化しています。古くなって行くと機能とデザインが陳腐化してしまい、使い心地も印象も悪くなってしまうものです。ですから、ある程度の期間が経った時にはリフォームが必要。物件を一新する必要があります。
不動産管理会社は物件のリフォームの対応も行います。リフォームは物件の魅力の底上げには欠かせず、その対応によっては客付け力まで変えてしまうことも。リフォームを考えてもレベルの高い管理会社が必要です。
クレームやトラブルの対応
アパートにしてもマンションにしても、大勢の人が一緒に生活する環境では様々なトラブルが発生するものです。上の階がうるさい、隣で喧嘩しているなど、様々な問題が発生することでしょう。また、近隣の住民からクレームが来ることもあるかも知れません。いずれにせよ厄介な問題です。
不動産管理会社はこの様な問題にも対処します。トラブルやクレームは出来ればタッチしたくないものですが、その対応まで請け負ってくれるのは非常に貴重と言えるかも知れません。
不動産管理会社を選ぶ際の確認事項
不動産管理会社は闇雲に選ぶべきではありません。選ぶポイントを押さえた上で選定すべきです。
では、どの様な点を確認して選ぶべきでしょうか。
営業力はどうか
不動産管理会社の営業力は物件の客付け力にダイレクトに関係します。仮に営業力の足りない会社に任せてしまうと物件が空室になる可能性があるからです。
ちなみに、管理会社の営業力はネット広告などで分かる場合も多いです。サイトは充実しているか、検索してすぐに見つけられるかなど、手掛かりとなるネタはネットそのものにあるので、注意してみましょう。
契約の範囲はどこまでか
管理会社は物件を任せる会社でもあります。ですから、契約の範囲がどこまでかを確認しなければなりません。入居者に快適な生活環境を提供するかで退去リスクも変わって来ます。オーナーとしては、退去リスクを抑えなければならないので、管理の質を見極めなければなりません。その前提になるのが、管理会社との契約の範囲の確認なのです。
費用は適正か
不動産投資はあくまでもビジネス。固定費を削らなければなりません。経費節減が必要なのです。不動産管理会社に支払う費用も管理され、高額であるならば検討が必要です。そして不当なまでに高額であるならば、業者変更も見据えるべきでしょう。
しかし、いくら費用が必要だとしても、それが適正かどうかを確認することが大切です。仮に管理会社に支払費用が高かったとしても、サービスの質が良くて費用に相当する物であるならば、コストダウンが必要だからと言って切るべきではありません。
ちなみに、費用に関してはフィナンシャルプランナーに相談することがベターなときも。迷った場合には相談をおすすめします。
対応スピードは十分か
不動産管理はスピードが重要です。と言うのも物件でのアクシデントは緊急を要する物もあるからです。
例えば、物件での生活に不可欠な物が破損した場合には、一刻も早く対応しなければ入居者の生活が大変なことになってしまいます。
その様な場面で物を言うのはスピードです。不動産管理会社もフットワークが要求されるのです。
会社の経営状態は健全か
不動産管理会社も企業です。倒産リスクはゼロにはなりません。いくらサービスの質が良かったとしても、潰れてしまったら意味が無くなってしまうのです。ですから、管理を任せる前に経営は健全であるかの確認が必要となります。
管理会社の経営状態はブラックボックスに包まれていることも多く、分かりにくい点もあるのですが、管理戸数や年数などを調べれば手掛かりになります。また、家賃が振り込まれるのが遅れた場合には経営が危うい可能性も出て来ます。その場合には注意が必要です。
投資をする上で、不動産管理会社の位置づけが重要
不動産管理会社の仕事の重要性は把握出来たものと思います。
では、不動産投資家にとって、管理会社はどの様な存在と考えるべきでしょうか。
業者としてでは無くビジネスパートナーと考えたい
不動産管理会社も確かに「業者の1つ」であるかも知れません。しかし、それで留めるのは得策ではありません。と言うのも管理会社は物件管理のプロ。こちらも知らない様な情報やノウハウも持っているからです。
不動産投資家にとっては情報ソースは非常に貴重。しかも、その情報源が現場ならではの物の場合は重要視されなければなりません。
不動産投資家は業者としてでは無く、ビジネスパートナーとして見るべきです。不動産管理のノウハウを持っている「参謀」として迎え入れましょう。
得意分野と不得意分野も把握しておきたい
いくら品質の高い不動産管理会社とは言っても、その仕事には「得意分野と不得意分野」があるものです。
例えば、ある管理会社は建築関連のノウハウを多く持っていたり、またある会社は人的な関係構築に優れていたりします。
どの会社が自分の物件に合うかは使ってみなければ分からない場合も少なくないのですが、情報を探すことは不可能ではありません。
例えば不動産投資家の勉強会では横の繋がりを作る機会になり得ますし、SNSでも投資家仲間を築くチャンスは得られます。この様な繋がりを築ければホットな情報の入手の機会も増え、管理会社に関する情報交換も可能となるのです。
担当者レベルまで知っておこう
不動産管理会社との付き合いは非常に重要。ですから良い関係をぜひとも構築したいものです。そのためには会社の担当者まで知っておくべきです。
現場に最も近いのが物件に最も近い管理会社の担当者です。つまり、最も貴重な情報を持ち得るのが担当者なのです。
確かに不動産管理会社の担当者は仕事に徹するため、余計なことはあまり言わないかも知れません。しかし、関係が良好だと、普通の雑談の中に貴重な情報が隠れている場合もあります。この情報は時として非常に重要な物となり得ます。管理会社の担当者を軽視してはならないのです。
まとめ
不動産管理会社について取り上げました。非常に広範な仕事に対応することが分かったことと思います。また、建物をはじめとする様々な管理に対応することもイメージ出来たことでしょう。
不動産投資は物件の購入も大切なのですが、管理抜きにしてはビジネスの健全性は保てません。しかもレベルが高い管理が必要です。物件のレベルアップには管理が欠かせないので、良い管理会社を選んでビジネスを成功させましょう。
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