FPに聞いてみた

可能性を探る!女性の強みは不動産投資に活かせるか?

可能性を探る!女性の強みは不動産投資に活かせるか?

投資ビジネス全般に言えることなのですが、現場の男女対比は男性に軍配が上がるとか。これはもしかしたら忌まわしき日本の歴史の足跡なのかも知れません。不動産投資も同じことが言える様で、投資セミナーの出席者を見ると、やはり男性の人数が多い例ばかりです。

それでは女性は不動産投資に向かないのでしょうか。

ここでは不動産投資に必要な資質から、女性には強みがあるかどうかを考えたいと思います。

投資人口を考えると女性の投資家が絶対的に少ないと言うのは火を見るよりも明らかです。しかしながら女性が投資に向いていないかと言うとそうではありません。

不動産投資家に求められる条件とは?

不動産投資は金融商品の様に「投資すれば自動的に儲かる」と言った様な物ではありません。確かに金融の側面もありますが、不動産を扱い、しかも入居者のサービスも考えなくてはならないビジネス。やはり性格が全く異なります。

不動産投資家として求められる事

それでは、不動産投資家に求められる条件はどの様な物なのでしょうか。

投資用物件購入に必要な「目」

不動産投資において投資用物件は最も大切な物の1つ、そのため絶対に間違って買ってはいけません。購入する前にあらゆる角度からチェックするべきです。

さて、良い物件の条件として一般的に言われている物には、どの様な物があるでしょうか。それは築浅の中古で、外観も設備もきれいに整っていて、入居者の満足の行く様な物。…この条件は多くの人が気が付くことでしょう。しかし、それを見切るのには何が必用なのでしょうか。

そこに必要な「目」は表面的な部分だけでなく、深い部分まで見切る「目」と言うことが出来るでしょう。

深い部分と言うのは例えば「設備の良さ」や「外観の立派さ」のみを見るのでは無く、「家賃に心配をしながらの心理状態を前提にして」や「新しい生活に不安感を抱いていて」と言った条件下での「設備の良さ」や「外観の立派さ」です。…表面ばかりを見るならば、「設備の立派さを気に入って契約する」というロジックになるでしょうが、家賃が心配ならば「立派だけど家賃が安い方がお得」と判断し、契約を見送ることもあり得るのです。

この様に、鋭い目を持っていれば、より深い部分まで読み取ることが可能。投資家には必要な点なのです。

物件・資金管理に必要な「思考」

不動産は買っておしまいではありません。入居者の募集と維持には管理が不可欠なのです。しかも物件でより快適な生活が出来るようにしなければ、入居者から逃げられてしまいます。そのためにはオーナー視点からの思考のみならず、入居者の立場に立つ思考も非常に大切です。

また、資金管理についても似たことが言えます。資金は確かに銀行から借りますが、「借りさえすればOK」という考え方の人が意外に多い様に思えます。しかし、銀行に関しても相手の立場に立った思考が大切です。つまり、自分が銀行マンだったら、どの様な相手であれば信用出来るだろうか…という部分にまで頭がまわることが重要なのです。

いずれにせよ、物件管理にしても資金管理にしても、そこに関係の深い人物の思考を読み取ること有利になるカギです。そして、そこの部分までの思考が出来るなら、その人物は物件・資金管理の上で有利なのです。

入居者対策に必要な「感性」

不動産投資は物件管理や資金管理も大切なのですが、相手にするのはそれだけではありません。最終的には「人」である、と言うことが出来ます。

と言うのも、不動産投資は「入居者相手のビジネス」という側面もあるからです。物件に対して満足するか不満に思うかは人間ですし、生活を快適に思うか不快に思うかも人間の感性、そして家賃を支払うのが人間だからです。

そのため、オーナーは人間を見る目…しかも感性の部分を研ぎ澄ませていなければなりません。人間を見る目が鈍感であるならば、その人の人格を見誤ってしまい、リスクを背負うことにも繋がるからです。また、人間相手であれば、話しかける言葉次第で反応も違います。相手の誠意を引き出して、家賃の支払いを良くすることもオーナーの人格、感性の部分なのです。ですから、オーナーは人を見て、相手との良い人間関係を作る感性をも持っている必要があるのです。

不動産投資に必要な資質・性格

不動産投資家に求められるのは「人格」あるいは「性格」から来る資質もあります。

不動産投資家には必要な資質がある

これは投資ビジネスだけでなく、社会のあらゆる場面で言えることとも思われます。例えば株式投資の場合、短気な人は上がり切る前に売ってしまうかも知れませんし、呑気な人はタイミングを逃してしまい、高値で売るのに失敗してしまうかも知れません。

それでは、不動産投資の場合には投資家にはどの様な資質が求められるのでしょうか。

地道さ・堅実さ

不動産投資には地道に動く場面が多くあります。例えば物件のメンテナンス、大きな仕事も必要なのですが、それが実は地道な働きの開花であることが少なくありません。

例えば、「共用スペースを快適に使ってもらう」という仕事のテーマを掲げるのであれば、床材や壁紙を変えて気分の良い空間を創り出すことも大切なのでしょうが、地道な毎日のメンテナンスは忘れてはなりません。

むしろ、外見が派手ではあるけれど、廊下はゴミが落ちていて細かい汚れがある空間だと、やはり気分も悪くなります。それを考えるならば、やはり人間性としての地道な面は重要視されるべきな人柄なのです。

大胆さ・思い切りの良さ

物事を進める上では地道な努力も必要なのですが、時としてアッと驚かせる様な大胆さも無ければなりません。特に物件を買う場合、あるいは売る場合において重要な部分となるでしょう。

と言うのも、物件の売買は「早い者勝ち」と言っても過言では無いからです。確かに懇意にしている不動産会社はあるでしょうが、同条件の場合を考えるならば早い方が有利なのです。…仮に迷っていて「少し考えさせて欲しい」と言うならば、商談そのものが他の投資家に流れる可能性も。その様な事態を避けるためにも、やはり「大胆なアクション」が必要なのです。

忍耐力・我慢

ビジネスには忍耐も必要です。特に苦境にある時は試されることでしょう。これは不動産投資も同じで、時として苦境に立たされることもあるのです。その場合に必要なのが忍耐力と言えます。

例えば交渉事で話がこじれる場合がありますが、この時は忍耐深い話合いが必要な時も。その時に話を放り出すならば、人間関係に亀裂が入るかも知れません。忍耐深く付き合うことも大切なのです。

オリジナル要素・独創性

投資用物件に魅力が無いと入居者を引き付けることが出来ません。入居者の確保のためには他物件よりも秀でる面が欲しいのです。しかも、それは正攻法では不十分である場合があります。正攻法の場合は他物件も追い上げて来る危険性があるからです。

そこで必要なのが個性的な魅力。そして個性的な魅力を生み出す独創性が必要なのです。個性的で他に見られない様な魅力があれば客付け力のアップも可能なのです。

柔軟さと寛容さ

柔軟性は多くの場面で要求される点と言えるでしょう。トラブルの発生のみならず、物件の管理などの場面でも、それは通用します。

例えば、リフォームをする場合には一般的な仕様では不十分な場合があります。リフォームをしたとしても、ありきたりな仕様でしか無いからです。しかし、柔軟性を持ってリフォームに臨む場合はどうでしょう。もしかしたらコンセプトを設定して柔軟に対応し、人気を得るかもしれません。…部屋のデザインに丸みを帯びた形を積極的に取り入れ、女性の好む色調を取り入れた場合、それは女性にウケする物件になり、差別化が図れるかも知れません。

この様に、柔軟さは不動産投資でも必要なのです。

謙虚さ

物の貸し借りを考えてみると、一般には借りる方が立場は上です。しかし不動産の場合は立場は同じ…と言うよりも借りる方が上である場面も出て来ます。

と言うのも、借りる方が出て行くならばオーナーの方が苦しくなってしまうから。入居者は別の不動産を探せば良く、不動産屋をまわれば良いのですが、オーナーは広告宣伝は出来るでしょうが積極的な営業活動は難しいのです。

そのためにも人を相手にする技術が必要。そこに謙虚さがあるのです。乱暴に話されるのと謙虚な態度で臨んで来る場合には、どちらに友好的な心理を持つでしょうか。…謙虚な相手であることは間違い無いと思われます。この部分が投資家に求められるのです。

不動産投資で女性の強みを活かせる点はあるのか?

女性の持つ強みはいくつもありますが、特に優れるのが「細やかな気遣い」と言えるでしょう。これは多くの男性が苦手な分野なのでは無いでしょうか。

女性の特性を活かす

それでは、この「細やかな気遣い」から出て来る強みにはどの様な物があるのでしょうか。不動産投資の各段階に合わせて考えてみましょう。

資金計画

資金計画はドンブリ勘定ではいけません。不動産投資で扱う費用は大きな額ともなるので、ついつい概数で済ませてしまうのですが、管理の無いドンブリ勘定は考え物。やはり精度の高い計画を立て、その上で誤差の許容範囲を決めるべきなのです。

さて、そこで問われるのは「神経の細やかさ」が重要な部分の1つと言えます。つまり、女性的な細やかで丁寧な仕事をするセンスが重要。女性の強みと言えるのです。

物件購入

物件購入にも「細やかなセンス」が要求されます。と言うのも、そのセンスがあるからこそ入居者の生活の想像が付くから。つまり快適な生活空間の創造に強いからです。

この反対に、ガサツなセンスの持ち主の場合には、その様な点までは神経がまわりません。「中古物件だから利回りが良い」と言った物件取得の知識はあるかも知れませんが、入居者の生活までは気がまわらないのです。

物件管理

物件管理においても、細やかな気配りは大切。女性特有の感性は有利なのです。

例えば共用スペースの整備などは非常に良い例ですし、物件の設備の導入もセンスが光るので気配りは大切。更にはトラブル発生の対処にも向いているのです。

ちなみに、不動産業以外の産業でも「女性に受け入れられるデザイン」を目標にする会社もあります。女性のセンスがそれだけ求められるのです。

入居者対策

入居者管理は家賃の回収などがメインとはなり、不動産管理会社が多くを請け負いますが、入居時の審査はオーナー自身の役目です。この入居者の審査ですが、細かい部分まで気が付きやすい女性の感性が有利とも思われます。

さて、ここで賃貸契約の強さを振り返ってみましょう。

不動産の賃貸契約は商法一般の契約よりも強い効力を持っています。不動産賃貸に関する法律は借地借家法と言い、法律としては特別法に分類されるから。特別法とは法律の中でも効力が強く、他の商法と干渉しても優先されます。

ですから入居者審査は入居者対策の中でも最も重要。ここでは細かい部分まで気が付く方が優勢。だから女性に分があるのです。

女性は不動産投資に向くのか?

では、女性は不動産投資に向くのでしょうか。

前述の条件などを振り返りながら考えてみましょう。

女性の強みを活かせる点はたくさんある

結論から言うならば「人それぞれ」です。ただし、前述の様に「女性の特性」を強みに変える場面は多くあります。資金計画にしても物件購入にしても、女性の持つセンスが活かせるのです。

ただし、これは女性であっても、その特性を活かさずにガサツに対応するのでは意味がありません。その場合は、成功の可能性も自ら摘んでしまいます。…性別も大切ですが、そこに根差したパーソナリティがもっと大切な様です。

そもそも女性の特性と言うよりも人としての特性と考えた方がいいのかもしれません。

性別関係なく勉強次第

不動産投資に勉強は不可欠です。金融、建築、法律などに加えて火災保険などの知識も欠かせません。

仮にその様な知識を持っていないと、損しなくて良い場面であっても損失を被る羽目にもなり得るからです。

そのためにも突っ込んだ勉強が大切で、細かく勉強しなければなりません。

この部分、男女の差は無い様にも思えますが…女性に若干にしろ分がある可能性もあります。あくまでも可能性ですけどね

いずれにしろ勉強が重要なのです。

まとめ

不動産投資に必要な資質から女性の優位性について考えてみました。「女性だから有利」とまでは行かず、「女性には活かせる点がある」の様なレベルであることが分かったことと思います。

ただし、これはパーソナリティによる部分も多く、男性だから不利…と言う訳ではありません。男性であっても得られる部分は多いのです。男性だからと言って落胆せず、謙虚に細かく勉強を続けましょう。

どちらかと言えば人としての「性格」による部分が大きいとも言えるので、男性だから、女性だからではなく、「興味があるのか」「情熱があるのか」と言った点が重要になってくるのではないでしょうか。

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清水みち代

関東在住の30代女性。 生保代理店で窓口営業に従事していましたが、コロナの影響で休業中。 自宅にいる時間に資格取得に目覚め、通関士、宅地建物取引主任者、FP2級、総合旅行業務取扱管理者の各資格を取得。 将来の目標は、北海道での「田舎暮らし」。

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