FPに聞いてみた

不動産投資でメンテナンスは必要か?建物の構造部分

不動産投資でメンテナンスは必要か?建物の構造部分

不動産投資においては建物を長く使うことは非常に大切です。建物の状態によって、利回りや売却の条件も変わって来るからです。

さて、建物の状態…と聞くと、建物の外観や設備などを思い出す人が多いと思います。確かに外観が良ければ印象も良くなるでしょうし、設備が良ければ更に便利にもなります。しかし、建物にはもっと重要な基本となる部分があります。…それが構造部分です。建物を長く使うためには、構造の状態を維持する必要があるのです。

そこで、ここでは構造部分の維持、メンテナンスについて取り上げて解説したいと思います。

不動産投資をする上で建物の構造部分の維持はめちゃくちゃ大事になってきます。FPの方の解説を聞いてみましょう。

投資用物件のメンテナンスをする上で構造を知っておく重要性

不動産投資はキャッシュフローなどの費用管理が非常に大切なのですが、物件の管理も同じレベルで重要です。

建物の構造は非常に重要

さて、物件の管理のために、意外に重要となるのが構造に関する知識。では、なぜ構造の知識が必要なのでしょうか。

物件の特徴を知るために

建物の資料を見てみると「木造」「鉄筋コンクリート造」など、構造の種類を見つけることが出来ます。

さて、建物には様々な自然からの外力が加わります。良い例が地震や台風など。これらは時には古い建物を壊してしまうレベル。決して侮る訳には行きません。

更に、建物は周囲の環境にも耐えなければなりません。気温の変化にも耐えなければなりませんし、塩害や排気ガスなどにも耐性が必要なのです。

そして、これらの外的要因から居室を守るプロセスが構造によって異なります。物件の構造によって特徴があるのです。

では、投資家はこの様な構造の特徴を知らないで済むかと言うと、決してその様なことはありません。仮に何か不具合があれば、対処の方法も知っていなければならず、構造に関する知識も必要なのです。

物件の耐用年数を知るために

建物は構造によって構成する素材が異なります。木造であれば木材で作られていますし、鉄骨造であれば鉄が構成する素材です。

さて、建物の耐用年数も構造材の素材によって異なります。良い例が法定耐用年数。これは確かに耐用年数の実力値ではありませんが、素材の違いをベースにした考え方です。木材が短く、鉄筋コンクリートなどは長く設定されています。

ところで、建物の耐用年数によっては受けられる銀行融資の条件まで異なって来ます。個人のレベルでは法定耐用年数を超える期間の借り入れは困難。つまり、構造によって融資の返済計画まで変えなければなりません。ですから、投資家の立場としても構造を知ることは重要で、やはり勉強が必要なのです。

投資用物件をメンテナンスをするメリットについて

物件のメンテナンスは非常に重要です。しかし、メンテナンスは内装や外観の部分ばかりがクローズアップされていて、構造の部分の重要性は軽く見られているのではないか、とも思えます。

メンテナンスのメリット

しかし、構造部分のメンテナンスも非常に重要で、メリットも確かにあります。

ここでは、構造のメンテナンスをするメリットを取り上げてみましょう。

耐用年数を延ばす

構造のメンテナンスのメリットの第1は「建物の耐用年数を延ばす」点で、この場合の耐用年数は実力値。実際に使える期間の延長です。

例えば、木造の場合、シロアリや腐朽から構造を守って適切に管理さえすれば、築30年を超えるレベルでも十分に活用は可能です。マンションの様な鉄筋コンクリート建築物においても、築50年を超える物件が多くあります。

しかし、メンテナンスを適当にするならば、構造部分の痛みも進んでしまいます。そうなると使用出来る期間も短くなってしまうのです。

構造の部分であってもメンテナンスは必要です。長く物件を使うためにも、構造部分のメンテナンスも大切なのです。

リスク回避

構造がしっかりしていれば、不動産投資で発生するリスク回避にも結び付きます。

例えば地震や台風による物件破壊のリスク。耐震性にしろ耐風圧性にしろ、構造の強度で決まります。ですから、仮に構造部分のメンテナンスをせずに放置すると、地震や台風に対して弱くなってしまうのです。

シロアリに土台や柱を食い荒らされた木造アパートの耐震性は、どのレベルと判断すべきでしょうか。…状況にもよりますが、安全で無いことは確かです。

また、退去リスクなどにも関係します。例えば、床が傾いている物件での生活はどの様な物でしょうか。やはり気分の良い物ではありません。人によっては気味が悪く思えることでしょう。

この様な事態を回避するためには、やはり物件の状態が健全でなければなりません。やはり構造がしっかりしていること、メンテナンスは大切なのです。

不動産の構造が傷んでしまう過程について

構造のメンテナンスを考える上で、構造の傷む過程を知ることは重要です。傷むプロセスが分かればメンテナンスの方法が判断出来るからです。

構造が痛む過程

構造のメンテナンスは確かに専門業者に相談するのがベストなのですが、知識が無いと説明を聞いても分かりません。ぜひとも傷む過程も覚えておきましょう。

木造

木造の傷む過程は代表的な物で2つ、腐朽とシロアリによる物が挙げられます。

木造の建物は土台の部分から高さ1mの位置まで防腐・防蟻処理をすることと決まっているのですが、この処理も築年数が経ってしまうと落ちてしまいます。また、この部分で無くとも、雨漏れなどによる部材は腐朽します。

木材が傷んでしまうと強度が著しく落ちてしまいます。腐ってしまうとボロボロになりますし、シロアリに食われるとスカスカになってしまうからです。特にシロアリに土台部分をやられると、柱や筋交いの接合部分までがダメになってしまい、建物としての強度まで落ちてしまいます。

鉄骨造

鉄骨造の最大の問題は部材の腐食、さびの問題です。部材が腐食してしまうと強度が著しく落ちてしまい、建物の強度まで落ちてしまうからです。

鉄骨は腐食を防ぐために塗装をしています。しかし、その塗装があっても、ある程度の年数が経ってしまうと腐食が目立ち始めます。特に溶接した部分は腐食が起こりやすく、注意が必要です。

ちなみに、鉄骨造であってもシロアリ被害を受けることがあります。と言うのも、鉄骨造であっても木の部材が使われているからです。その部分をシロアリに食われたら中がスカスカになり、破損のリスクも出て来るのです。

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年と非常に長いです。ただし、これはあくまでも簿価の話でのこと、実際は更に長く使えます。例えば、東京にあるオフィスビルですが、築50年クラスの物も意外にあります。

鉄筋コンクリート造の強度は、コンクリートに埋設してある鉄筋の腐食によって判断されます。鉄筋コンクリートは鉄筋あっての構造ですので、中の鉄筋が腐食してしまっては強度が保てないからです。

さて、鉄筋は基本的にはコンクリートの中では腐食がストップしています。コンクリートは強いアルカリ性なので、鉄筋の表面に強力な被膜が形成されるからです。

ところが、歳月と共に空気中の二酸化炭素とコンクリートが反応してアルカリ環境が破壊されます。そうすると鉄筋は腐食してしまい、強度を落としてしまうのです。

不動産としての構造を守るメンテナンスとは

それでは、構造を守るためにはどの様な手段があるのでしょうか。必要となるメンテナンスを挙げてみましょう。

建物の構造を守る為のメンテナンス

木材の腐朽対策

木材の腐朽対策としては、水の侵入のシャットアウトに尽きます。木材を腐らせてしまう微生物は、水と気温の状態が良くなると活動を活発にして、木を食い荒らすからです。

そのため、微生物の活動の元となる水分の対策が木材腐朽の対策となります。

具体的なメンテナンス手段としては、屋根や外壁の塗装やシーリング部分のメンテナンス。これらの部分は年数が経ってしまうと劣化してしまい、水の侵入を許してしまうのです。しかし、塗装とシーリング部分のメンテナンスをすれば、耐用年数を長くすることが出来て、水の侵入対策に繋がります。

ちなみに、屋根や外壁の破損がひどい場合には、新たな屋根材や外壁材を上から張るカバー工法、あるいは葺き替えや張り替えもあります。状況に応じて、メンテナンスの方法を決めます。

シロアリ対策

シロアリは蟻道と呼ばれる経路を作りながら土台まで上って来ます。ですから、蟻道の有無のチェックが点検のポイントです。

ただし、蟻道は素人では見落とす可能性のある物。専門業者に依頼をします。

ちなみに、シロアリは水分を好みます。そのため、腐朽対策と同じような水の侵入対策も有効です。外壁や屋根の定期的なメンテナンスがシロアリ対策にも結び付きます。

金属の腐食対策

金属の腐食は空気中の酸素との化学反応による物。ですから腐食対策は塗装がメインとなります。

さて、金属部分は基本的には最初の段階から塗装が掛けてあります。しかし、塗装にはピンホールと呼ばれる小さい穴が開いている物。この部分から腐食が始まるのです。メンテナンスとしての塗装は、この様な腐食部分を取り去ってから行われます。

鉄筋コンクリートの劣化対策

鉄筋コンクリートの劣化はコンクリートのアルカリ環境の破壊によって進みます。そのため、アルカリ環境を破壊する二酸化炭素との遮断が基本。やはり塗装がメインの手段となります。

尚、マンションなどの鉄筋コンクリート建築物の塗装は工事が大規模になり、しかも高所作業も伴うため、耐用年数の長い塗装を選ぶのがポイント。1回の塗装の費用は高くなりますが、メンテナンスの回数を減らせる様になるため、ハイスペックの物が推奨されます。

不動産の構造をメンテナンスする際に覚えておきたい知識について

構造のメンテナンスを知るためには、下地となる知識が必要です。メンテナンスは業者に依頼するのですが、業者の説明を聞く上でも、ある程度は知らなければなりません。

覚えておかなくてはならない知識

ここでは構造に関して、知っておきたい知識を挙げてみたいと思います。

構造の種類

構造のメンテナンスを覚える上では、建物の構造にはどの様な物があるかを知ることは大切です。種類としては以下の物がありますが、どの様な部材がどの様な配置で走るかも覚えておきたい物です。

  • 木造(軸組み工法・ツーバイフォー工法)
  • 鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート造
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造

部材の配置と意味を知るのであれば、どの部分が重要であるかが分かりやすく、メンテナンス業者との打ち合わせもスムーズに進みます。

ちなみに、構造を知るならば、手抜き工事の危険性も見破れる様にもなります。ハードルは上がりますが、おすすめ出来る知識です。

材料の特性

材料に関する知識は構造を知る上でも重要です。

木材、鉄骨、コンクリート、それぞれの性質を知っておけば、様々な場面で役立ちます。

例えば、物件の耐用年数は法定耐用年数ならば分かるでしょうが、実力値の判断は簡単ではありません。しかし、構成する材料の特性を知るならば、それが手掛かりとなって一応の推測が可能です。

また、材料の組み合わせよっては劣化の進み具合も変わります。ぜひとも材料の特性を覚えておきましょう。

物理や化学の知識

不動産とは程遠い様に思えるかも知れませんが、実は物理や化学の知識も有用です。

と言うのも、耐震性や耐風圧性を知るためには、建物が受けた外力がどの様に伝わって、どの部分で耐えるのかを知らなければなりません。また、建物の耐環境性に関しても化学の知識が無ければ分かりません。

これらの知識は確かに専門家の領域かも知れませんが、知っているのといないのでは大違いです。ぜひとも勉強しておきましょう。

まとめ

構造のメンテナンスについて取り上げました。構造の知識の必要性やメンテナンスの方法なども分かったことと思います。

また、深く掘って行くと、物理や化学の様な分野まで到達することも分かったことでしょう。

これらは一見するとキャッシュフローなどとは縁遠い存在にも思えるかも知れませんが、物件の耐用年数や破損リスクにまで関わるので、無視をすべきではありません。ハードルは高いでしょうが、おすすめ出来る知識です。

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清水みち代

関東在住の30代女性。 生保代理店で窓口営業に従事していましたが、コロナの影響で休業中。 自宅にいる時間に資格取得に目覚め、通関士、宅地建物取引主任者、FP2級、総合旅行業務取扱管理者の各資格を取得。 将来の目標は、北海道での「田舎暮らし」。

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