「インドはこれから成長しそうだけど、どうやって投資できるの?」
「インドに投資するメリット・デメリットって何?」
こんな疑問をお持ちの方に、インド株に投資する方法や、メリット・デメリットを詳しく解説していきます。
インドは2030年には日本のGDPを抜いて世界第3位の経済大国になることが予想されている国です。
まだまだ平均年齢が若く、人口増加が続くことから国内マーケットも拡大していき、経済成長が長く続くことが予想されています。
ただし財政赤字やルピー安など、インド特有のリスクも理解したうえで、投資を判断することをおすすめします。
投資は元本保証が無く、常にリスクが付きものであり、評価損に陥ったときに落ち着いて判断ができなくなる可能性があるからです。
この記事ではインド株に投資する方法や、メリット・デメリットについて詳しく解説していますので、是非最後までお読みください。
もくじ
インド株の投資方法は?
まずはインド株投資の基本的な仕組みや、投資方法の種類などを解説していきます。
ボンベイ証券取引所とは
インドの証券取引所はおもに以下の3つが存在しています。
- 国立証券取引所(NSE)
- ボンベイ証券取引所(BSE)
- メトロポリタン証券取引所(MSEI)
最大の証券取引所は、インドのムンバイ(ボンベイ)にあるボンベイ取引所です。
設立は1875年と、東京証券取引所の前身東京株式取引所より3年早くて、アジアで最古の証券取引所と言われています。
時価総額的には東京証券取引所の約10分の1なので規模は大きくなりませんが、インドの将来性を期待する海外投資家から注目されています。
インドの代表株式指数
インドのボンベイ証券取引所に関する株価指数を「S&P BSE SENSEX (S&P BSE センセックス、S&P Bombay Stock Exchange Sensitive Index)」と言います。
ボンベイ証券取引所に上場する30銘柄で構成されていて、それらの株価を加重平均して指数化しています。
(S&P BSE SENSEXの代表銘柄)
- HDFC銀行
- タタ・コンサルタンシー・サービシズ
- コタック・マヒンドラ銀行
- ICICI銀行
- HCLテクノロジーズ
インド株に投資する方法
続いてインド株に投資する主な方法4つを紹介していきます。
投資信託
投資信託は銀行や証券会社などが、独自に選定した銘柄を組み合わせて作る投資商品です。
証券取引所に上場していないため、証券会社などで直接購入する必要があります。
運用成績は金融機関のファンドマネージャーの手腕に大きく影響を受けます。
そのため高い実績を持つファンドマネージャーほど運用コストが高い傾向がありますが、必ずしも今後の運用成績が保証されているわけではありません。
ETF
ETFとは株式指数に連動した値動きをする上場投資信託のことです。
仕組みは投資信託と同様ですが、投資信託のように金融機関のファンドマネージャーが銘柄選定をしていないことで、運用コストが低い特徴があり、運用コストを抑えることができます。
ただし個別株や投資信託に比べて、値動きが小さいため短期間に稼ぐのには向いていない特徴があります。
SBI証券や楽天証券などネット証券で様々な種類の取り扱いがあります。
(インド株式に関する代表的なETF)
- iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディアETF
- db xトラッカーズ ニフティ50 UCITS ETF
- NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50 連動型上場投信
- ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF
ADR
ADRとはAmerican Depositary Receiptの略で、日本語では米国預託証券と呼ばれています。
インドなどの米国以外の株式を、米国の金融機関が取得したものを投資家が売買する仕組みです。
通常の株式と同じように配当金を受け取ることも可能です。
選択できる銘柄が10社ほどと選択肢が少ないデメリットがありますが、コストは比較的抑えることができます。
CFD
CFDとは株価や指数をもとに、買値と売値の差を決済する金融商品です。
証拠金を入れて取引をするシステムで、レバレッジをかけて取引することができます。
レバレッジは5倍から10倍までかけられるため、少ない資金でも大きな成果を狙える可能性があります。
FXのシステムに近いといえます。
個別株やETFのような上場金融商品や、SENSEXやNifty50といった主要株価指数が取引可能です。
インド株投資のメリットとデメリット
それではインド株に投資するメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
それではインド株に投資するメリットを1つずつ紹介していきます。
GDP成長率が高い
インドは新興国の中でも高いGDP成長率が予想されています。
IMFによる各国の実質GDP成長率予想は以下の通りです。
(各国の実質GDP成長率予想)
- インド:7.7%
- 中国:5.9%
- ブラジル:2.3%
- ロシア:1.5%
- 米国:1.8%
- 日本:0.6%
また1人当たりGDPは中国やロシア、ブラジルなどに比べて、依然として低いため今後の経済成長が期待されています。
実際に世界のGDPランキングを見ても、インドは2030年には日本を抜いて3位に上昇し、さらに2050年には米国を抜いて世界2位の経済大国になることが予想されています。
人口増加が続く
インドの人口は増加を続けており、2020年時点の統計によると13.8億人に増加しています。
世界第一位の中国とわずか4千万人の差となっており、数年のうちにインドが追い抜くことが予想されています。
さらに平均年齢が若く、これから生産人口(15歳以上65歳未満)が、その他の人口の倍以上に増加します。
これを人口ボーナス期と呼び、日本や中国においては人口ボーナス期に高い株価上昇率を達成しています。
(人口ボーナス期における株価上昇率)
- 日本:14.2倍(1964年から2000年)
- 中国:5.6倍(1994年から2021年)
- インド:?倍(2020年から2055年)
少子高齢化に悩む日本を含む先進国と違い、人口増加によって経済成長が後押しされることが期待できます。
グローバルに活躍する優秀な人材が豊富
近年、アメリカのトップ企業であるグーグルやマイクロソフトにインド人のCEOが誕生したり、グローバルに活躍するインド人が増えていると言われています。
アメリカのハーバードビジネススクールでは、800人中100人のインド人が学んでいるそうです。
人口大国であることが背景にありますが、それだけではなくインド工科大やインド経営大学院など世界的にみてもハイレベルな教育機関の存在も要因の一つです。
また共用語として英語が使われている点も、米国などの英語圏で活躍できる人材が誕生しやすい要因となっています。
IT産業が発展している
インドはもともと技術サービスの輸出産業が盛んな国だったのですが、1990年代からIT技術の輸出が加速してきました。
特に2000年問題が話題となった頃は、インドのIT産業が多くの国や企業のプログラム書き換えを請け負ったことで、世界的に注目される存在に成長したと言われています。
インドのIT産業が発展した背景には、プログラミングを教える工科大学の設立が相次いだことで、若者の技術レベルや上昇したことがあります。
またもともと英語を話させる国柄や、安い人件費に後押しされて急激に世界で大きな地位を占めるようになったと言われています。
さらに近年は技術輸出に留まらず、インド国内でスタートアップが増加しています。
2010年にはわずか480社だったスタートアップ企業数は、2016年には約4,800社、2020年には約9,000社に増加しており、この数は米国、中国に次ぐ世界第3位の企業数です。
生産人口の増加により、今後もIT大国としての地位を高めていくことが予想されています。
デメリット
それではインド株に投資するデメリットを1つずつ紹介していきます。
直接個別株を購入できない
インドの個別企業にはまだ直接投資できる証券会社がありません。
有望な企業を発見したとしても、投資信託やETFなどでその企業を含む金融商品を購入する必要があり、単独では購入ができないデメリットがあります。
インドの証券会社で口座を開設して、直接購入する方法もありますが、初心者にはハードルが高いため難しい状況といえます。
財政赤字が膨らんでいる
インドは慢性的に財政赤字を続けており、特にコロナショック以降は大幅な赤字額を記録しています。
2022年2月のインド政府発表によると、財政赤字は対GDP比6.4%で、これは3年連続高水準が続いていることを示しているのです。
さらに世界的なインフレ圧力に押されて物価上昇が起きたことで、金融引き締めにかじを切ったことで、今後は国債の利回りが上昇することが予想されています。
そうなると金利の返済分が増えるため、余計に財政赤字が膨らむ可能性があると言う事です。
インド株式に投資する際は、国債の利回りなど政府の政策や動向に注意が必要になります。
ルピー安が続いている
インドの主要通貨インドルピーは今年に入ってから下落が続き、最近では過去最安値を更新しています。
2022年7月19日には、ついに1ドル80ルピー代までルピー安が進んだと新聞などでも話題になりました。
インドではエネルギー資源のほとんどを輸入に頼っているため、ルピー安が進むと貿易赤字が膨らむ傾向があります。
そうなると益々財政赤字が悪化する恐れがあり、インド経済への影響も免れません。
またインド株に投資した場合、円に対してルピー安が起きると、その分は評価損となってしまいます。
為替の動向は直接投資の成否に影響を及ぼすため注意が必要です。
情報収集が難しい
インド株は同じ外国株でも米国株や欧州など先進国の企業に比べて、情報集めるのに手間がかかります。
日本や米国と比べて、インターネット情報が整備されていないことや、言語の問題もあり日本からインド企業の情報を収集するのは大変です。
海外サイトで情報を手に入れようと思っても、正しい情報であるか判断することは初心者に判断するのは難しいと思います。
そういう場合は、日本の証券会社を通して情報が得られる企業に絞って投資するなど、事前に判断する必要があるでしょう。
インド株投資におすすめの証券会社
続いてインド株取引におすすめの証券会社3社を紹介していきます。
いずれもネット型証券会社の大手で、手数料の安さや取扱銘柄が豊富さでおすすめできる証券会社です。
SBI証券
SBI証券はネット証券として国内口座開設数No.1の証券会社です。
業界最安値の手数料と、豊富な取扱銘柄数があり多くの投資家に選ばれています。
インド株式に投資できるETFやADRが用意されており、コストを抑えながら豊富な商品から選択することができます。
(SBI証券で購入できる投資信託やETF)
- 新生-新生・UTIインドファンド
- HSBC-HSBCインドオープン
- T&D-T&Dインド中小型株ファンド(愛称:ガンジス)
- イーストスプリ-イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド
- ヴァンエック・ベクトル・インド成長リーダーETF
楽天証券
楽天証券はネット証券国内口座開設数No.2の証券会社で、特に楽天ユーザーの間で人気がある証券会社です。
SBI証券と同じくインド株式に投資できる投資信託やETFが用意されています。
ETFは国内最大7本の取り扱いがあり、特にシンガポールに上場するETFは他の証券会社では取り扱いが見られないETFです。
(楽天証券で購入できるインドETF)
- iシェアーズ MSCI インディア
- リクソーETF MSCI インディア
- ウィズダムツリー インド株収益ファンド
- Direxion デイリー MSCI インド株 ブル2倍 ETF
マネックス証券
マネックス証券はSBI証券や楽天証券に比べて、知名度では劣りますが外国株投資家にはメジャーな証券会社です。
米国株や中国株の個別銘柄の多さに特徴があるマネックス証券ですが、インド株式も取り扱っています。
SBI証券や楽天証券より取り扱い銘柄は少ないのですが、外国株を売買する時に必要な為替手数料が、他の証券会社より安く設定されているので、頻繁に売買をする投資家にはおすすめです。
まとめ
ここまでインド株に投資する方法や、メリット・デメリットについて解説してきました。
インドは今後人口増加が続くため、国内マーケットの拡大やインフラ関係の整備が進むことが予想されます。
さらに国家方針としてIT人材の育成を進めており、今後有望なスタートアップ企業の誕生も期待できます。
一方で、コロナショック以降財政赤字やルピー安が進んでいるため、慎重に投資を判断する必要があります。
直近ではリスクや注意点も多いインドですが、長期的な視点で考えると21世紀の世界経済をけん引していく可能性のある国と言えるかもしれません。
インド株投資に興味のある方は、詳しく将来有望な投資信託やETFなどを探してみてはいかがでしょうか?
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