FPに聞いてみた

不動産投資はいくらから?少ない自己資金で始められる方法を徹底解説

不動産投資はいくらから?少ない自己資金で始められる方法を徹底解説

「不動産投資はいくらから始めることができるの?」

「不動産投資で自己資金が足りない場合、何か対処法はある?」

「自己資金をできるだけ安く抑える方法について詳しく知りたい」

とお困りではありませんか。

この記事では「不動産投資を始めるのに自己資金をいくら用意すれば良いのか」や「自己資金を安く抑える方法」について詳しく解説します。

また「少ない自己資金で始められる不動産投資」についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

少ない投資資金で投資を始めてみたいと言う方は多いかもしれませんが、不動産投資はどうしても資金が必要な為初心者向けでは無いと思われる事も多いです。少ない自己資金で不動産投資を始める方法はあるのか?FPの方に伺ってみました。

不動産投資はいくらから始めることができる?

実は不動産投資を始めるには、自己資金だけでは判断できません。

不動産投資はいくらから始めることができる?

その理由について以下の通り解説します。

  • 不動産投資は始めるには自己資金だけでは判断できない
  • 融資を受けるのに有利になるのは年収700万円から
  • 年収500万円以下だと融資は受けられないのか?

不動産投資は始めるには自己資金だけでは判断できない

不動産投資を始める際、自己資金だけで判断するのは非常に難しいです。

なぜなら自己資金だけで物件を購入するのは非常に難しいケースが多く、不足分を金融機関から融資を受けて補う必要があるから。

基本的に銀行などの金融機関は物件を担保に融資可能額を決定しており、仮に返済が滞った場合は物件を売却することによって資金を回収します。

もちろん勤務先や年収、自己資金などの属性も大切ですが、利回りや立地が良い物件を担保にすることが、融資を受けやすくする最大のコツです。

このように不動産投資を始める際は、金融機関から融資を受けるケースが圧倒的に多いため、自己資金だけで判断するのは難しいと言えます。

融資を受けるのに有利になるのは年収700万円から

金融機関から融資を受ける場合、一般的に年収700万円から有利になるケースが多いです。

なぜなら年収700万円超えだと、融資してくれる金融機関が一気に増える傾向があるから。

もちろん各金融機関や日本の経済情勢によって融資条件や融資限度額は変化しますが、特にメガバンクの場合は年収700万円でもハードルが高くなります。

ちなみに年収700〜1,000万円の方の場合、ネット銀行や地方銀行から融資を受けやすいのでおすすめ。

年収が高ければ高いほど、融資をしてくれる金融機関の選択肢が増えるため、有利になるのは間違いありません。

年収500万円以下だと融資は受けられないのか?

年収500万円未満の場合、金融機関から融資を受けるのは非常に難しいと言えます。

なぜなら年収500万円未満だと、融資を検討してくれる金融機関は全体の30%程度しかないと言われているから。

年収500万円未満の場合はメガバンクや地方銀行は融資を断られるため、消費者金融・リース会社・日本政策金融公庫(※1)などから融資を受けることになります。

日本政策金融公庫(※1)

資金調達が困難な中小企業・小規模事業者に対して、融資をしてくれる金融機関

特に日本政策金融公庫は民間の銀行とは異なり利益をそこまで重要視しないため、不動産事業の成長性や安定性を目的として融資をしてくれるため、非常におすすめです。

不動産投資の初期費用・頭金・自己資金の具体的な内容

不動産投資の勉強を始めると、初期費用・頭金・自己資金というワードをよく目にすると思います。

不動産投資の初期費用・頭金・自己資金の具体的な内容

特に不動産投資に詳しくない方はこれらの意味や違いについて知識が曖昧になっている方も多いです。

ここからは不動産投資における初期費用・頭金・自己資金について詳しく解説します。

  • 不動産投資の初期費用とは?
  • 不動産投資の頭金とは?
  • 不動産投資の自己資金とは「頭金+初期費用」のこと

不動産投資の初期費用とは?

不動産投資の初期費用とは、以下の費用の総称のことです。

項目詳細
仲介手数料不動産業者への報酬。
物件価格の3%+ 6万円+消費税。
(物件価格が400万円を超える場合)
ローンの事務手数料・保証料ローンを組む際に金融機関に支払う。
印紙代不動産の売買契約書など課税文書を作成する際に支払う。
火災保険料ほとんどの金融機関ではローンを組む条件の一つに火災保険への加入を義務付けていることが多い。
司法書士への報酬法務局へ不動産登記を依頼する際の報酬。
税金
登録免許税
土地と建物を法務局へ登記する際に収める税金。

不動産投資の頭金とは?

不動産投資の頭金とは、「物件価格からローン借入額を差し引いた金額」のことです。

概ね物件価格の10〜20%程度を頭金として融資の際に支払いを求める金融機関が多い傾向があります。

不動産投資の自己資金とは「頭金+初期費用」のこと

不動産投資の自己資金とは、「不動産ローンの頭金と物件購入の初期費用の合計金額」のことです。

物件購入金額にローンの頭金と初期費用を上乗せしたオーバーローンを組むことによって、自己資金ゼロで不動産投資を始めることが可能なケースもありますがおすすめできません。

なぜならオーバーローンを利用すると金利が高くなる傾向があり、物件売却時に残債が残ってしまうリスクが高いから。

金融機関も収益を得る目的でローンを販売しているため、頭金を用意できない方や物件の資産価値以上の融資を行う場合は金利を高くして対価を求めるのが一般的。

またオーバーローンを利用するとローンの返済中に物件を売却しようと思っても、「売却金額<ローン残債」となる可能性が高いため、なかなか買主が見つからないリスクがあります。

不動産投資をするには自己資金はいくら必要なのか?

不動産投資を始めるのに必要な自己資金は、「物件価格の10〜30%程度」が一つの目安になります。

不動産投資をするには自己資金はいくら必要なのか?

なぜなら頭金として10〜20%、初期費用として4〜10%程度必要になるケースが多いから。

頭金として金融機関から要求される金額は、物件の資産価値や個人の属性によって変わりますが、10〜20%程度に収まるのが一般的です。

また初期費用は築年数によって大きく異なり、「新築で4〜7%、中古で7〜10%」くらいが必要になります。

このため、ほとんどの不動産投資家が物件価格の10〜30%を自己資金として支払っているのが現状です。

不動産投資の自己資金を安く抑えるには?

ここからは不動産投資の自己資金を少しでも安く抑える方法を以下の通り解説します。

不動産投資の自己資金を安く抑えるには?
  • 方法①|個人や会社の属性の高さをうまく利用する
  • 方法②|資産性の高い他の物件を検討する
  • 方法③|頭金や初期費用を減らす
  • 方法④|売主が不動産会社の物件を購入する

方法①|個人や会社の属性の高さをうまく利用する

個人や会社の属性が高い方であれば、自己資金を安く抑えることが可能です。

なぜなら東証一部上場企業に勤めているなど属性が高ければ、金利が安くなったり融資限度額がアップしたりなど、より有利な条件で融資を受けることが可能だから。

各金融機関によって条件は異なりますが、公務員や上場企業の会社員、医者や弁護士など、一般的に収入の安定性が認められている職業についている場合は、有利な条件で融資を受けられる傾向が高いです。

また他の収益物件を所有している場合、その物件を共同担保に入れることによって融資額がアップするケースもあります。

方法②|資産性の高い他の物件を検討する

自己資金を少しでも安く抑えるには、資産性の良い物件を検討するのがおすすめです。

なぜなら空室が発生する可能性が低く、確実な収益性を持っている物件ほど、金融機関が大きな金額を融資してくれるから。

金融機関へ毎月支払うローンの原資となるのは、購入した収益物件から得られる家賃収入です。

つまり確実な家賃収入が見込める賃貸需要の高い物件ほど、金融機関はより有利な条件で積極的に融資をしてくれる可能性が高くなります。

また一般的に不動産ローンは30年などの長い返済期間を設定するため、高品質で長く住むことができる築浅物件の方が有利を受けるのに有利です。

方法③|頭金や初期費用を減らす

自己資金を安く抑える最も簡単な方法は、頭金と初期費用を減らすことです。

ただし頭金を減らしすぎると金融機関から融資を断られるリスクがあり、さらに返済の負担も大きくなることもしっかり理解しておかなければいけません。

その一方で初期費用を安く抑えるには、「仲介手数料・司法書士の報酬・ローン手数料と保証料」を自分で安くする努力が必要。

【仲介手数料】

「売主が不動産会社の物件」を購入することによって、仲介手数料の発生を防ぐことが可能。

【司法書士の報酬】

複数の司法書士へ相見積もりを取って、少しでも安く請け負ってくれる司法書士を探す。

【ローン手数料と保証料】

複数の金融機関に問い合わせして手数料と保証料が安い金融機関を探す。

方法④|売主が不動産会社の物件を購入する

初期費用を安く抑えるには、「売主が不動産会社の物件」を購入するのも非常におすすめです。

なぜなら売主が不動産会社である物件を購入すれば、仲介手数料が発生しないから。

例えば売主が一般の方の場合だと、仲介業者を通して売買が成立するため、仲介手数料が発生します。

一方で不動産業者が自ら売主として物件を販売している場合、売主が自分で買主を見つけて売買が成立するため、仲介手数料を支払う必要がありません。

ちなみに売主が不動産業者の物件を探すコツは、「リフォームやリノベーション済みの物件」をリサーチすると見つかりやすいです

少ない自己資金で始められる不動産投資とは?

    • 方法①|日本政策金融公庫・不動産会社に相談する
    • 方法②|不動産小口化商品
    • 方法③|不動産クラウドファンディング
    • 方法④|REIT(不動産投資信託)

方法①|日本政策金融公庫・不動産会社に相談する

自己資金が少ない状態で不動産投資を始めたい場合、日本政策金融公庫に相談するのがおすすめです。

なぜなら日本政策金融公庫は政府が100%出資している金融機関であり、利益よりも事業の成長性や地域経済の活性化を目的としているから。

ただし税金や公共料金の未払いがあると融資を断られてしまうケースがあるため注意しましょう。

また不動産投資に対して積極的な不動産会社に相談してみるのもおすすめ。

特に不動産会社を通じて金融機関を紹介してもらうことができれば、審査が通りやすくなる傾向があります。

万が一金融機関の融資が通らなくても、不動産会社から様々なアドバイスをもらうことによって次の行動に繋げることが可能。

良い物件の情報をもらったり、融資に積極的な金融機関を紹介してもらったりなどメリットが多いため、日頃から不動産会社とは良い信頼関係を構築しておくのがおすすめです。

方法②|不動産小口化商品

どうしても少ない自己資金で不動産投資を始めたいのであれば、不動産小口化商品を検討してみましょう。

不動産小口化商品とは、「1つの不動産を複数人で所有し、得られる家賃収入を所有者で分け合う投資商品」のことです。

投資対象の物件は都心の開発地や商業ビル、居住用マンションなど、個人ではなかなか取得が難しいものなど様々。

ちなみに投資対象物件の選定、購入、管理は国から許可を得たプロの専門業者が行うため、ある程度の安全性が担保されています。

方法③|不動産クラウドファンディング

上記の不動産小口化商品の他に、不動産クラウドファンディングもおすすめです。

不動産クラウドファンディングとは、「投資会社が発案したプロジェクトに不特定多数の投資家が出資する投資方法」のこと。

現物の不動産投資と比較するとどうしても利回りは低くなってしまいますが、安いプロジェクトだと1万円から融資が可能であるため気軽に始めることができます。

また物件の選定や資金調達、融資の審査などを受ける必要が一切ないため、費用を抑えて気軽に不動産投資を始めたい方はクラウドファンディングがおすすめです。

方法④|REIT(不動産投資信託)

少しでもコストを抑えて不動産投資を始めたいのであれば、REIT(不動産投資信託)も非常におすすめです。

REITとは、「投資家から資金を集めてプロの業者が物件を選定・購入・管理して、得られた家賃収入を投資家に分配する投資商品」のこと。

よく上記の不動産小口化商品とREITを混同されがちなのですが、REITは証券を所有して資産運用するのに対して、不動産小口化商品は物件を実際に所有するのが両者の最大の違いであると言えます。

またREITは投資信託であるため、株のように自分の好きなタイミングで売却できるのが最大のメリットです。

まとめ

今回の記事では、「不動産投資を始めるのに自己資金をいくら用意すれば良いのか」「自己資金を安く抑える方法」について詳しく解説しました。

資産価値の高い物件を選定し、属性の良い投資家であれば、自己資金ゼロで不動産投資を始めることも可能ですが、審査が通りにくく返済リスクが高くなります。

一般論として不動産投資を始めるには、「物件価格の10〜30%程度の自己資金が必要」ということをよく覚えておきましょう。

どうしても自己資金を抑えて不動産投資を始めたい方は、日本政策金融公庫や投資に加しい不動産会社に相談してみるのがおすすめです。

また不動産小口化商品、不動産クラウドファンディング、REITなど少ない自己資金で始められる不動産投資もあります。

これから不動産投資を始めようと検討しているのであれば、「自己資金から購入可能な物件価格を逆算してみること」から始めてみてはいかがでしょうか。

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「難しい専門知識をわかりやすく解説すること」をモットーとしており、実務に基いたノウハウの提供ができるのが強み。 不動産関連の記事だけで「累計100記事以上」の執筆経験があり、ライターと不動産営業マンの二足のわらじで活動中。 【所有資格】 ・宅地建物取引士 ・ファイナンシャルプランニング技能士2級 ・住宅ローンアドバイザー

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