国内を振り返ってみると、高齢化などの慢性的な大きい問題が目に付く物。そこに閉塞感しか感じられない人も多いのでは無いかと思えます。また、人口の減り方や過疎の街を見て将来性を疑念を抱く人も多いかも知れません。
しかし、その一方で海外に目を転ずると、多くの元気なビジネスの話を聞くことが多くあります。産業にしろ人間にしろ、元気な様子が伝わって来る現実は、大勢の人が感じることでしょう。そのため、投資に関しても国内よりも海外の方に魅力を感じる人もいるのでは無いでしょうか。
しかし、海外の投資は多くのブラックボックスに包まれているのも確か。及び腰にもなってしまいます。
ここでは海外の投資信託について取り上げます。メリット・デメリットを取り上げるので、海の向こうへの視界がクリアになることと思います。
もくじ
海外投資信託はどの様な物であるか
では、海外投資信託とはどの様な特徴を持つのでしょうか。
まずはアウトラインについて取り上げてみましょう。
投資対象について
海外投資と聞くと先進諸国を思い浮かべるかも知れません。北欧の北海油田への投資やアメリカの半導体産業への投資など、メジャーで魅力的な産業は多くあるからです。
また、債権なども先進諸国の方が手堅いイメージがあります。国家がしっかりしていて安定しているならば、それだけ信用力もあることでしょう。
しかし、海外投資はその様な国だけではありません。欧米だけでなくアジア諸国、中南米諸国も指すのです。海外投資対象国は必ずしも先進国とは限らないのです。むしろ、そこには先進国が忘れてしまったパワーが見えることも。途上国も魅力に満ちているのです。
リターンについて
投資ビジネスの多くはリスクが高ければリターンも高くなります。冒険をする方が手に入れられる宝物が多い、と言ったイメージでしょう。
さて、海外投資は総じて高めです。これは国内よりも元気の良い産業があったり、債権なども上がりやすい物もあるから。変動は大きいかも知れませんが、その分収益も多くなるのです。
ただし、収益が多くても、それが安定しているとは限りません。例えば、海外の投資には為替の問題が付いてまわります。為替が変わるだけで収益も変わります。デリケートと言えるのです。
リスクについて
前述の様に投資はリターンが多ければリスクも高くなる物。この傾向は海外の投資であっても基本は同じ。ですから海外はリスクも高めになるのです。
ただ、リスクの発生具合は投資対象国によっても異なります。
例えば、その国の政治の安定性などは重要です。なんらかのアクシデントが起きると様々な方面に波紋を広げます。
その一方でアクシデントの起きにくい国の場合は、それだけリスクも少なくなります。
この様に投資対象国によってもリスクは異なります。投資家は対象国を選ばなければならないのです。
変動の要因について
海外投資は変動要因も日本国内の物よりも多岐に渡ります。と言うのも変動要因そのものの種類や数が国内向けよりも多いからです。
例えば、国内への投資は為替の問題は発生しません。地域によって物価は異なるでしょうが、通貨は同じだからです。
しかし海外の場合は通貨そのものが異なり、毎日の様にレートを変えます。レートそのものが変動要因と言えるのです。
また、カントリーリスクも異なります。日本と海外の政情不安は全く異なります。これなども立派な変動要因なのです。
海外投資信託のメリット
それでは海外投資信託のメリットはどの様な点にあるのでしょうか。
代表的な物を挙げてみましょう。
少額から始められる
投資信託は少額から始められるのがメリットです。証券会社にもよりますが、中には100円から受け付けるところもあります。
これは海外の投資信託でも同じ。少額から、それも国内の100円投資と同じ様に100円からも受け付けられます。
例えば、アメリカのハイテク産業の株価などは1株が10000円を超える物があります。そのため投資にはまとまった資金が必要です。しかし、投資信託であれば缶ジュースが買える小銭でも可能。メリットは大きいのです。
リターンが多い
海外の場合は変動要因が国内よりも多く、これがリスクにもなり得ます。しかし、条件さえ揃えば、この変動要因がプラスにも働き得ます。つまり追い風になるのです。
例えば為替の影響を大きく受ける投資は、為替レートが不利になれば、それだけ逆風になります。しかし為替は全く違う場合もあるので追い風にもなるのです。
追い風になれば、それだけリターンも多くなります。このリターンの伸びは国内の物よりも大きくなることも。立派なメリットなのです。
海外の経済成長の恩恵に預かれる
投資対象によっては国の経済成長に連動している物があります。例えば大都市が建設されている地域。これらは世界中から資金が集まっていると言っても過言では無いでしょう。
そして、その様な成長の中には国内の都市開発でも真似の出来ない物もあります。つまり、海外の経済成長の方が投資には有利な場合も多いのです。
成長中の大企業への投資も可能
国内を見ると不景気なニュースは多く見られるのですが、それでも日本企業は非常に健闘しています。
実際に、投資信託においても国内への投資で収益を上げている人も多くいます。しかし、海外を見渡して見るならば、日本企業よりも元気な企業は多いのです。
さて、投資先を海外とするならば、その様な成長の見込める企業への投資が可能。投資家は更なる収益を狙えます。特に成長中の大企業への投資は魅力に溢れています。
ただし、その様な企業にはベンチャーも少なくありません。当然ながらファンドを知ると共に投資先を知ることも大切。投資家としても高いレベルが必要となるのです。
海外投資信託のデメリット
この様に、海外への投資は多くのメリットがあります。しかし、メリットの陰にはデメリットもある物です。どの様なデメリットがあるのでしょうか。
国内の物よりもリスク要因が増える
まず挙げられるのが「リスク要因が増える」点です。
投資信託のリスクを挙げるならば、様々な要因が見つかります。基準価額の下落、為替の変動、信用の問題、地域独特の問題などです。
そして、国内の投資を考えるならば、これらのリスク全部が発生する例は少数派と考えられます。
しかし、海外は違います。国内ではあまり表面化しない様な為替の問題が発生するからです。
この様にリスク要因を考えるならば海外の方が多数。海外投資のデメリットなのです。
日本人では理解しにくいリスクもある
世界を見渡すと日本人の知り得ない文化がある物です。時としてその様な物は人々を惑わし、経済活動にも大きな影響を及ぼします。
そして、これは投資信託の大きなカントリーリスクにもなり得るのです。
カントリーリスクはその地域独自のリスクとも言えるのですが、海外投資…例えば中東方面は宗教が大きなトラブルの要因となります。
当然ながら、この様なリスクは日本人には分かりにくいリスクでもあります。しかし経済全体にも影響を与え得る大きなリスクなのです。
入って来る情報量が少ない
投資ビジネスには情報収集が非常に大切です。
例えば、なんらかのアクシデントが発生した場合には基準価額を下げるかも知れません。投資家はそのアクシデントの情報を見て判断をするのですが、情報が入らないと判断も出来ません。
そして、海外の投資の場合には情報がなかなか入って来ません。また、仮に入ったとしても情報が浅い場合も多いです。これは大きなデメリットです。
大きな値動きをすることが多い
海外の投資と日本の投資を比較すると、選ぶことが出来る投資対象の幅が違います。日本の場合には規制が掛かっていて投資が出来ないのに、海外だと規制が無いケースもあるからです。
また、リスク要因も異なります。カントリーリスクの有無は特に大きいことでしょう。
そのため、値動きがはげしいケースが少なくありません。
それで、投資家は判断が遅れることもあります。値動きが激しいこともリスクの1つなのです。
海外投資信託の注意点
さて、海外の投資信託は国内の事情とは異なり、注意すべき点があります。先にも挙げた様にリスクの要因も異なり、条件が大きく違うからです。
ここでは、海外投資の注意点の代表例を挙げてみましょう。
先進国と途上国の違いに注意する
海外の投資の幅は非常に広いのですが、それは投資対象の地域に関しても言うことが出来ます。と言うのも、欧米の先進国やアジア各国の途上国まで、様々な地域が対象となるからです。当然ながら、国や地域が異なると、発生するリスク要因も異なります。ある国では自然災害が驚異であるのに対して、別の国は政情不安が大きなリスク、ということもあり得るからです。
ところで、投資家には海外の対象国の国情の違いを忘れている場合があります。これは良くありません。先進国と途上国など、政治や経済状態など、各種の条件の違いを注意すべきなのです。
分散投資を心がける
投資信託のリスク回避の代表的な手段は分散投資です。国内の不動産投資信託などであれば、投資対象や地域を変えて決めることが王道でしょう。
これは海外の投資信託でも同じです。投資対象の地域を変え、アクシデントが発生しても全体の破綻を避けなければならないのです。
海外の投資信託の場合、投資する国ごと変えられますので、分散効果を国内以上に上げることも可能です。心がける様にしましょう。
デメリットを忘れない様にする
投資信託はメリットもあればデメリットもある物です。特に、大きなリターンが期待出来る物は、それだけリスクも大きいケースがほとんどです。
しかし、投資が上手く行っている時にはリスクの存在を忘れてしまう物です。上手く行っているから、このまま続ければもっと収益が上がるなどと思い込んで、計画以上の期間で投資を続けていたら基準価額を下げてしまった。と言うこともあるのです。
ですから、投資を続行している時にはデメリットも忘れない様にしましょう。特に海外の投資は変化しやすいので注意が必要なのです。
海外の不動産投資信託について
さて、不動産投資信託にも海外の物があります。
どの様な物なのか、アウトラインを紹介します。
投資対象国について
投資対象国は先進国を中心とする物、途上国を中心とする物、いろいろなタイプがあります。良い例が北米を中心とした不動産に投資をする物。比較的手堅い投資と言えます。その点、他の新興国を中心にした物、これらはリターンは多いかも知れませんが、それだけリスクも大きくなってしまいます。
いくらから始められるか
国内の不動産投資信託は少額からの投資が可能。会社にもよるでしょうが、100円から受け付けてくれるところもあります。
一方、海外不動産投資信託ですが、これも少額から可能です。同じ様に100円から可能。スタートするにはハードルはずいぶんと下がっていると言えそうです。
尚、海外の不動産投資を個人でしようとするならば、国内不動産投資をする以上の資金が必要にもなります。海外の不動産投資信託は投資をする上で、非常にメリットがあるのです。
リスクについて
海外不動産投資信託も他の海外投資信託と同じ様なリスクを背負います。
例えば、為替のリスクやカントリーリスク。特に、カントリーリスクは日本と違う自然災害から来る物、あるいは投資先の国の経済状況による物などがあるでしょう。
これらは日本にいると分かりにくい物も多いです。情報収集が非常に大切となります。
まとめ
海外の投資信託について取り上げました。メリットとデメリットが独特の方向で発生していることが把握出来た物と思います。
いずれにせよ、投資信託は計画性を持ちながらメリットとデメリットについて警戒しながら進めることが重要です。情報収集も非常に大切なのですが、初心を忘れない様にしましょう。
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