「不動産投資で利回りがマイナスだと何が問題?」
「利回りがマイナスになる物件を避けるポイントを知りたい」
「不動産投資で絶対に購入してはいけない物件ってあるの?」
とお悩みではありませんか。
今回の記事では不動産投資で、「利回りがマイナスになる問題点」や「利回りがマイナスになる物件を避けるポイント」について詳しく解説します。
また不動産投資で絶対に購入してはいけない負の資産についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
不動産投資で利回りがマイナスの状態とは?
不動産投資において利回りがマイナスの状態とは、「家賃収入<支出」になっている状態のことを言います。
不動産投資の利回りには、表面利回りと実質利回りの2種類が存在しますが、より現実的な収支を表す実質利回りの計算方法はしっかり抑えておきましょう。
【実質利回りの計算方法】
(年間家賃収入 - 年間経費) ÷(物件の購入価格+購入時諸経費)×100
【年間家賃収入】
- 家賃
- 礼金
- 更新料など
【年間経費】
- ローン支払い
- 管理委託費
- 修繕積立費
- 固定資産税
- リフォーム代など
仮に利回りがマイナスであっても、「節税目的なら問題ない」、「将来的に利益を見込めれば最終的にはプラスになる」と説明する不動産会社もいます。
確かに投資に対する考え方は様々ですが、スタート時点で赤字の収支を出すような物件は後述する問題点があるため、不動産投資の始め方として間違っていると言えるでしょう。
不動産投資で利回りがマイナスにな問題点
不動産投資において利回りがマイナスになってしまうと、以下のような問題点があるためしっかり把握しておきましょう。
- 問題点①|投資で利回りマイナスなんてあり得ない
- 問題点②|空室が発生した場合に支払いが厳しくなる
- 問題点③|不動産投資の事業拡大がしにくい
- 問題点④|物件の売却時に買い手がつきにくい
- 問題点⑤|経費がかかりすぎている
問題点①|投資で利回りマイナスなんてあり得ない
そもそも不動産投資において、利回りがマイナスになるなんて本末転倒です。
なぜなら投資とは本来お金を増やすためにやっているはずなのに、お金が残らないどころか減っていく一方であるため、投資として全く成り立っていないから。
例えば利回りがマイナスの物件を所有しているということは、「ローンの支払いの間ずっと赤字経営が確定している会社を経営している」ようなものです。
不動産の営業マンは、「仮に赤字が出ても、損益通算すれば還付金を受け取ることができるから節税になる」と切り返してくるでしょう。
確かに高所得者であれば不動産投資で赤字を出して、節税効果の恩恵を受けられるケースもあります。
ただしサラリーマンが副業として不動産投資を始める場合、メリットよりもデメリットの方が大きいケースが圧倒的に多いです。
ほんの少しの節税効果を受けるために、数千万単位の高額ローンを組んで毎月赤字を出し続けるなんて投資として本末転倒だと言えるでしょう。
問題点②|空室が発生した場合に支払いが厳しくなる
利回りがマイナスの物件を所有する問題点として、空室が発生した場合にローン支払いが高額になるリスクがあります。
なぜなら家賃収入がゼロになるため、他の収入で返済額を補填する必要があるから。
そもそも利回りがマイナスであるということは、仮に入居者がいる状態であっても家賃収入だけではローン返済ができないということ。
そして、空室時の家賃を保証してくれるサブリース契約をつけていない場合、空室が続くほど高額のローンを返済する必要があります。
また基本的に建物や設備が老朽化していくにつれて、リフォームや家賃の値下げをしないと次の入居者が決まりづらくなるため注意が必要です。
問題点③|不動産投資の事業拡大がしにくい
利回りがマイナスの物件を所有している場合、次の不動産の購入が難しくなるケースが多いので注意しましょう。
なぜなら利回りがマイナスになっているということは、「収入<支出」の状態であり、不動産事業として失敗していると判断されてしまうから。
不動産投資で事業を拡大していきたい場合、金融機関から融資を受けることが必須です。
融資を受けるには金融機関に対して現在の資産情報を提出する必要があり、マイナス収支の物件を所有していることがバレてしまうため、新規の融資を受けるのは難しくなります。
つまり不動産投資を事業拡大したい場合、最初の物件購入で失敗してしまうと、次の融資を受けられないリスクが高くなるため慎重に購入を検討することが必要です。
問題点④|物件の売却時に買い手がつきにくい
利回りがマイナスの物件は、売却時に買い手がなかなかつきにくい傾向があります。
なぜなら収支が「収入<支出」の状態であるため、金額を安くして売り出さないと売れない可能性が高いから。
しっかり収益を出し続けている不動産投資家ほど、「購入金額と家賃収入のバランス」をしっかり検討するため、購入時点で赤字になる物件をわざわざ購入したりしません。
つまり利回りがマイナスの物件は近隣の相場よりも価格を下げて売りに出さないと、なかなか買い手がつかないため注意が必要です。
問題点⑤|経費がかかりすぎている
利回りがマイナスの物件は、運営経費がかかりすぎているケースもあるため注意が必要です。
なぜなら特に中古の収益物件を購入した場合、建物や設備の老朽化によってリフォーム代や修繕費が高くなってしまうから。
そのため中古の収益物件を購入する場合、「オーナーが物件を売りたがっている理由」を仲介業者に聞くことをおすすめします。
不動産投資としてしっかり収益が出せている物件であれば、そもそも売る必要が全くありません。
例えば物件を得る理由が以下のような場合であれば、購入を検討しても良いでしょう。
- 相続が発生して所有者が複数人いる
- 借金があってお金に困っている
- 所有者が高齢のため自分で管理できなくなった
もし売る理由を教えてくれない場合、不動産投資として運営がうまくいっていないケースがあるため、購入する際は慎重に収支シミュレーションをすることをおすすめします。
不動産投資で利回りがマイナスになる物件を避けるポイント
不動産投資において利回りがマイナスになる物件の購入を避けるには、以下のようなポイントを抑えておきましょう。
- ポイント①|自分で実質利回りを計算できるようにする
- ポイント②|最初からリスクを想定して購入する
- ポイント③|ローンについて勉強する
ポイント①|自分で実質利回りを計算できるようにする
利回りがマイナスになる物件を避ける最大のポイントは、自分で実質利回りの計算をできるようになることです。
なぜなら実質利回りの計算は固定資産税やローンの支払いなど、より現実的な収支をシミュレーションするから。
【実質利回りの計算方法】
(年間家賃収入 - 年間経費) ÷(物件の購入価格+購入時諸経費)×100
実際に物件を購入する際は、不動産会社が収支のシミュレーションをしてくれる場合が多いですが、必ず自分でも実質利回りの計算をやるべきです。
特に空室がある場合、家賃を相場よりも高めに設定して利回りを意図的に上げている業者もいるため、家賃が相場と乖離していないか必ず自分で確認するようにしましょう。
ポイント②|最初からリスクを想定して購入する
収益物件を購入する際は、最初からリスクを想定して購入するようにしましょう。
なぜならあらかじめ想定されるリスクを想定してシミュレーションしてから購入すれば、安心して投資することができるから。
例えば以下のようなリスクをあらかじめシミュレーションしておくことをおすすめします。
- 実質利回りで10%以上を狙う
- 購入諸費用は物件価格の7〜10%で想定(印紙税、登録免許税、司法書士の業務委託料、仲介手数料)
- 運営経費は物件価格の25%で想定(固定資産税、都市計画税、管理費、修繕積立費、広告費)
- エレベーターがある場合は年間50万円の費用で計算(③にプラスで計算)
- 空室率は15〜20%を想定しておき、家賃から天引きして計算する
物件の収支をシミュレーションする際は、リスクは最大化して検討することをおすすめします。
ポイント③|ローンについて勉強する
不動産投資で利回りを少しでも改善したいのであれば、ローンについて勉強する必要があります。
なぜならローンの組み方によって毎月の返済額を小さく抑えて、手取りの収入を最大化することが可能だから。
ちなみに不動産投資で利用できるローンの金利は、1.5〜2.5%くらいであることが一般的です。
特にワンルームマンション投資など家賃収入が大きくない物件を購入する場合、頭金の金額によって毎月のローン返済額が大きく変わってくるため、しっかり事前にシミュレーションしておくことをおすすめします。
またローンの借入期間が長いほど月々の返済額を安く抑えられるため、可能な限り借入期間を長くできるように金融機関と交渉しましょう。
すでに金利が高いローンを組んでしまっていても借り換えをすることが可能ですが、手数料が発生するため注意が必要です。
不動産投資で絶対に購入してはいけない負の資産とは?
不動産投資で絶対に購入してはいけない負の資産とは、「東京23区内の新築ワンルームマンション」です。
なぜなら東京23区内の新築ワンルームマンション投資は、スタート時点ですでにマイナス収支のケースが圧倒的に多いから。
特に東京23区内は土地値が高く、新築の場合は「業者の利益」もたっぷり上乗せされて販売されるため、どうしても1戸あたりの販売価格が高くなる傾向があります。
実際にワンルームマンション投資の営業マンと商談すると、「団体信用生命保険(※1)に加入すれば、生命保険の代わりになりますよ」と、鉄板の営業トークを言われるはずです。
(※1)ローン契約者に万が一のことがあった場合、住宅ローンの残債がゼロになる保険のこと
そして、仮に利回りがマイナスだったとしても、毎月数万支払う生命保険より実物資産が残るワンルームマンション投資の方がお得になると論破してきます。
少し冷静になって考えればわかりますが、「そもそも実質利回りがプラスになる物件を購入して、団体信用生命保険をつけたほうがベスト」だとすぐに気づくはずです。
ちなみに東京23区内の新築ワンルームマンションの相場は、2,000〜3,000万円くらいですが、同じ金額を支払うなら地方の一棟マンションを購入した方が大きく利益を残せるケースが多いでしょう。
まとめ
今回の記事では不動産投資において、「利回りがマイナスになる問題点」や「利回りがマイナスになる物件を避けるポイント」について詳しく解説しました。
不動産投資をする目的や考え方は投資家によって様々ですが、投資である以上利回りがマイナスになる(赤字になる)ことは本末転倒です。
不動産の営業マンによっては仮に利回りがマイナスでも、「生命保険に加入するよりお得」、「将来的にプラスになる見込みなら問題ない」と反論してくるケースもあるでしょう。
しかし現状利回りがマイナスの状態であれば、ローンを完済するまでは今の収支がずっと続くと思った方が現実的です。
もちろん優良物件が市場に出回ることはごく稀ですがタイミングが命であるため、しぶとく情報収集を続けるしかありません。
これから不動産投資を始めようと考えているのであれば、まずは「自分で実質利回りの計算」ができるように勉強してみてはいかがでしょうか。
不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資に興味があるけども、ローンを組んでまで投資をするのには【リスク】を感じる。
そんな方は、不動産投資型クラウドファンディングを試してみてください。
どちらの事業者も不動産投資を少額から始めてみる、試してみるにはピッタリな事業者だと言えます。
【リスク】を少なく不動産投資を始めてみましょう。
また、当サイトで人気の記事はこちらです。