不動産投資の書籍などを読んでみると、物件を購入した直後に自動的に入居者が入る様にも見て取れます。確かに物件が素晴らしければ購入直後に入居者は入るのでしょうが、現実的にはそうなるとは限りません。
むしろ、入居者募集に苦労する投資家も多いことでしょう。
それでは入居者はどの様に募集すれば良いのでしょうか。
ここでは、入居者募集について取り上げます。客付け力の改善から順番に取り上げますので、全体のイメージが把握出来ることでしょう。
もくじ
利益を得るために、客付け力改善の基本的アクション
不動産は人が生活するための物。客付け力改善のためには、生活のあり方の様なベーシックなテーマから考える方がベターです。それを把握していないならば、入居者が入らない理由の分析が簡単では無くなるため。やはり、基礎から押さえるべきです。
入居者の普段の生活スタイルに物件を極力合わせる
まず挙げられるのが物件を「今の生活スタイルに合わせる」ことが大切です。
不動産投資で利回りを上げるためには、新築よりも中古物件の方が投資金額を抑えることが出来るので有利です。しかし、中古物件は今の生活スタイルに合った物件であるとは限りません。
例えば、今の物件はフローリングの部屋に人気があります。ただ、中古物件には畳の部屋が今でも多く、今の生活スタイルとはマッチしません。
しかし、リフォームなどでフローリングに変えるならば、今の生活スタイルに合わせやすくなります。物件の客付け力アップが狙えるのです。
広告宣伝をレベルアップさせよう
物件の状態を良くしたとしても、広告が上手く無ければ誰も呼び込むことは出来ません。多くの人が知ってこそ入居者が集まるのです。そのためには広告宣伝のレベルアップが必要です。
昔であれば、不動産屋に人が訪れて物件の資料を見ると言った流れでしたが、今ではネットが中心。広告も不動産会社の物に併せて、ネット対策などもしなければレベルが上がらないのです。
契約しやすい条件にする(条件の緩和)
仮に物件を世に知らしめたとしても、契約の条件が悪ければ入居者の呼び込みの成功率が下がってしまいます。空室の期間を少しでも減らすならば物件を訪れた人を逃がしてはなりません。契約の条件も検討しなければならないのです。
そのためには、昔の賃貸不動産の契約の流れから見直す必要も出て来ます。商習慣を変える必要もあることを覚えましょう。
物件を「魅力的に」改善する
不動産の契約は内見で納得を得て行います。ですから、入居希望者のマインドに訴える物件で無くてはいけません。
しかし、前述の様に昔の物件の場合などは今の物に比べて、機能もデザインも陳腐であることが少なくありません。そうすると入居者の納得が得られず、契約に漕ぎ付けにくくもなってしまいます。
その対策としては「物件の改善」が必要。入居希望者を納得させる魅力的な部屋が必要なのです。
入居者募集で差をつけるなら、広告対策は必須
物件に人を集めるためには、見つけやすくする必要があります。つまり、広告宣伝のレベルアップが必要なのです。
では、広告宣伝のレベルアップには具体的にどの様な手段があるのでしょうか。
まず行いたいネット広告
まず第一はネット広告のレベルアップです。
これにはポータルサイトの活用がメイン。費用を掛けるのも重要なのですが、他にも工夫があります。
例えば、広告には物件の間取り情報が中心に掲載されますが、そこに分かりやすい様に写真が添付してあると、見る方としても把握しやすくなります。そうすると好感度のアップも狙え、入居希望者へのアピールも積極的になるのです。
馬鹿に出来ないチラシ広告
ネットほど便利では無いかも知れませんが、新聞チラシなども有効な手段です。
さて、チラシに載せるに当たっても工夫が必要。物件のイメージが出来る様にしなければなりません。分かりやすく、しかもきれい広告にすることがポイントです。
ただし、チラシに載せるにはルールがあります。使う文言を間違ってしまうと誇大広告と取られたり、必要な条件が漏れていたりすると、法規的な問題も発生します。注意が必要です。
多くの人が利用しているSNS広告
最近使われている新しい手段にSNSなどの活用があります。
SNSの利点は、情報を求めている人に素早く知らしめることが可能な点です。早ければ掲載して数時間も経たずに連絡が来ることも有り得ます。
しかも、今のSNSはダイレクトメッセージが使え、しかも写真掲載も可能なので、入居希望者が必要とする情報を素早く発信出来ます。
今のSNSはスマホさえあれば誰でも使用が可能な点も魅力的です。
入居者募集のために 契約条件の改善も考えるべき
入居者に物件が見つけられてマインドに訴えられたとしても、契約の条件が良く無ければ見送られてしまいます。契約条件の改善も必要なのです。
それでは、具体的にはどの様な方策があるのでしょうか。
周囲の相場と睨めっこ。家賃の引き下げ
家賃の引き下げは最も説得力のある手段と言えるでしょう。
実際、不動産のポータルサイトを見てみると、家賃のレベルで物件が比較できる様に出来ています。検索条件に「賃料の安い順」があり、瞬時に家賃の安さが分かるのです。
また、ポータルサイトには物件の写真が載せられます。そのため、費用対効果のアピールも可能。入居希望者のマインドを掴みやすくなるので、写真などと併せれば契約に漕ぎ付けやすくなります。
意外と知られていないフリーレントの導入
フリーレントの導入も効果が期待出来ます。
一見すると、フリーレントは家賃の支払いを免除するためメリットが無い様にも思えるのですが、その後の賃借の期間を考えれば安い物と言えるでしょう。
尚、フリーレントは契約期間を設定することが一般的ですが、あまりに長い期間の設定だと敬遠されてしまうリスクも発生します。不動産会社と相談するなどして適切な期間を設定しましょう。
敷金・礼金無しなどの特典を付ける
賃貸物件は契約の際に敷金・礼金の支払うのが商習慣とも言えるのですが、これを無しにするのも戦略上有用となります。
特に、敷金の扱いは昔と今とでは異なり、原状回復においてガイドラインも決められていて、敷金と家賃の関係性も規定されています。通常使用の部分の摩耗であるならば、修繕費は家賃に組み込まれていることになるので、家賃設定さえしっかりするならば、削っても痛手は多くはなりません。
意外と大丈夫?保証人無しでもOKにする
入居希望者には連帯保証人を立てるのが困難な人が少なくありません。
さて、その部分を狙って、敢えて連帯保証人無しでも賃借に応じることも募集の一環として強みになります。
今は家賃保証会社もありますし、カード会社の中には保証人の立場に立ってくれるところもあります。その様な会社を利用してのリスク回避は可能なので、積極的に活用して募集に繋げるのも良い戦略と言えます。
審査が重要。外国人に門戸を開放する
特に都内をはじめとする大都市圏では、外国人の比率が一定数以上あります。この部分を見逃さない手はありません。外国人と聞くと二の足を踏んでしまう人も多いかもしれませんが、審査をしっかりとすればリスクの回避は可能です。
ただし、日本人と違って不動産の扱いが異なる場合もあります。契約の際に、物件の扱い方に併せてペナルティに関しても伝えておくことが非常に大切となります。
対策を考えた上で、お年寄りを受け入れる
お年寄りは今後も増え続けることが考えられます。ですから、お年寄りを敬遠することは大きくなって行くマーケットを見逃すことにも繋がります。
しかし、このマーケットを逆に狙うのであれば安定した長期的な家賃収入を狙うことが可能とも言えます。と言うのも、若い人よりも長期的な契約期間となる傾向が高いからです。
ただし、孤独死などのリスクが発生するのは事実。ですから、その対応策として管理会社への見守りの徹底や地域の見守りサービスの活用も必要です。
ある意味固定収入!生活保護世帯の受け入れ
生活保護世帯と聞くと、ギリギリの収入しか見込めないために家賃滞納リスクが発生すると考えるかも知れません。しかし、逆から考えるならば、「毎月確実な収入がある」とも捉えることも可能。ですから、敢えて生活保護世帯を受け入れる戦略も成立します。
ただし、この部分でも入居者審査は非常に重要。確実に回収するためにも「人物を見る」ことが欠かせません。
入居者募集のために 物件の改良も必要
物件の品質向上は暮らしやすさにダイレクトに関係します。そして、物件のレベルアップが客付けにも繋がるのです。
ここでは物件のレベルアップの具体例を挙げてみます。レベルアップと単に言っても、様々な点があることに気が付くことと思います。
設備のレベルアップ・古い設備の交換
物件のレベルアップの第1は、やはり設備品質や性能の向上が挙げられます。
特に中古物件の場合は旧態依然とした設備の物が少なくありません。そのため、どうしても利便性が落ちてしまい、客付けの点でも弱くなってしまっていたのです。
さて、設備をリニューアルするならば設備の問題も解消されます。住宅設備は毎年の様にレベルが上がっています。新型の設備を導入すれば、暮らし心地もそれだけ向上するのです。
喜ばれる事もある家具付き物件への変更
家具付きにするのも良い案です。特に、転勤族などには利便性が好まれます。
迷うのは、どの様な家具を入れるか。あまり入れすぎると自在となるスペースが減ってしまうので考え物です。入れる家具はベッド、ソファ、デスク、テレビなどがあると良いでしょう。
ちなみに、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジやカーテンまで組み込むと、新たに家財を揃える手間が更に減るので、即入居を希望する人に喜ばれます。
趣味への許容も重要。ペット可・楽器可も検討
ペットの愛好家や楽器演奏を趣味にしている人は一定数存在します。そして、これらの人は入居の第一条件として、ペットや楽器について見て来ることが少なくありません。ですから、敢えて受け入れるのも募集に有利になります。
ただし、これらの物件はトラブルのリスクが増えるのも事実。ですから、防音対策や原状回復の際の取り決めなどを確実にしなければなりません。新たな設備投資も必要となるので、家賃設定の検討もしっかりとしましょう。
物件の第一印象となる共用部分の美化
共用部分は物件の印象に結び付きます。そして、仮に共用部分の状態が悪いと入居希望者の印象を悪くしかねません。共用部分の美化は大切なのです。
共用部分の美化は普段からの整理整頓が非常に大切です。管理会社への徹底が重要になり、巡回も必要にもなりますので、時間を作りながら対応することも必要となるでしょう。
入居者の審査の緩和
さて、入居者の募集とセットとなって重要になるのが入居者の審査です。では、どれくらい重要なのでしょうか。
入居者審査の重要性
賃貸不動産の契約は入居者と不動産会社の契約ではありません。あくまでも入居者とオーナーの契約。ですから、契約を人任せにするべきではありません。
しかも、仮に貸す人物を間違えたとしても、賃貸契約の後戻りは非常に難しくもあるので、細心の注意を払う必要があります。ですから、入居者審査に際しては提出された資料を全部目を通し、自分自身で入居者の「人物」を見て決めるのが大切になります。
借地借家法を確認しておく
賃貸不動産の契約には法的なバックが存在します。ですから法律の理解が非常に大切になります。
不動産賃貸に大きく関与するのは借地借家法とい法律で、法体系の中でも特別法と呼ばれる物。拘束力が非常に高いので、覆すことは不可能と言えます。
そのため、法律の確認が非常に重要。入居者の審査の前にしっかりと見ておき、内容を把握することが必要です。
まとめ
不動産投資における入居者募集について考えてみました。入居者の募集の具体的な方法と併せて入居者審査の重要性なども把握出来たことと思います。
不動産投資は入居者あってのビジネス。効率の良い募集を考えなければなりません。そのため、前述の募集ノウハウをミックスして検討することも大切です。所有する物件、商圏などを考慮して、最適な戦略を検討しましょう。
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