「貯金と投資のバランス(割合)ってどう考えれば良いの?」
「世間一般的に貯金と投資の比率はどれくらい?」
「そもそも何を基準にして貯金と投資を分けるの?」
上記のような疑問・悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
貯金と投資のバランスにおいて正解はなく、年齢や家族構成、目標などを加味して自分自身で決める必要があります。
この記事では、世間一般的な貯金・投資のバランスやお金を貯金もしくは投資する上での考え方、おすすめの投資方法などを解説しています。
この記事を読むことで、貯金と投資のバランスを取る上で、そのポイントが掴めるようになるでしょう。
ぜひとも参考にしていただけたら幸いです。
もくじ
貯金・投資のバランスは年齢や家族構成を目安にする
貯金と投資のバランスは年齢や家族構成を考慮した上で決めることをおすすめします。
金融広報中央委員会が発表した「令和2年 家計の金融行動に関する世論調査」を参考にすると、単身世帯と二人以上世帯の金融資産保有割合は下記の通りです。
預貯金 | 投資(債権・株式・投資信託) | 保険 | その他金融資産 | |
---|---|---|---|---|
単身世帯 | 42.3% | 36.8% | 17.1% | 3.8% |
二人以上世帯 | 47.2% | 28.9% | 20% | 3.9% |
参照元:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和2年調査結果|知るぽると (shiruporuto.jp)
参照元:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果|知るぽると (shiruporuto.jp)
上記の表を参考にすると、単身世帯は投資の割合が高い傾向にあることが分かります。
しかし二人以上世帯の方は、単身世帯と比べて投資の割合は低いですが、保険の割合は高い傾向になります。
世帯状況によって、貯金と投資のバランスは変わるようです。
自分の状況に応じて割合を決めるのがベストな選択肢だと言えるでしょう。
【単身世帯】年齢別に金融資産保有割合を見た場合
単身世帯で年齢別に見た場合、金融資産保有割合は下記のようになります。
単身世帯 | 預貯金 | 投資(債権・株式・投資信託) | 保険 | その他金融資産 |
---|---|---|---|---|
20代 | 68.1% | 19.5% | 8.0% | 4.4% |
30代 | 51.1% | 33.7% | 9.7% | 5.5% |
40代 | 39.5% | 36.8% | 15.1% | 8.6% |
50代 | 34.8% | 41.1% | 21.7% | 2.4% |
60代 | 42.5% | 36.6% | 18.3% | 2.6% |
参照元:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和2年調査結果|知るぽると (shiruporuto.jp)
単身世帯において20代・30代は預貯金の割合が高いですが、40代以降は投資、保険の割合が高くなる傾向にあります。
年を重ねるに連れお金に余裕ができる分、投資や保険に資金を費やすといったことが考えられるでしょう。
【二人以上世帯】年齢別に金融資産保有割合を見た場合
二人以上世帯で年齢別に見た場合、金融資産保有割合は下記のようになります。
【二人以上世帯】 | 預貯金 | 投資(債権・株式・投資信託) | 保険 | その他金融資産 |
---|---|---|---|---|
20代 | 56.5% | 19.5% | 17.8% | 6.2% |
30代 | 44.2% | 16.4% | 31.2% | 8.2% |
40代 | 46.7% | 13.6% | 34.4% | 5.3% |
50代 | 37.6% | 23.6% | 32.1% | 6.7% |
60代 | 55.5% | 16.4% | 26.3% | 1.8% |
70代 | 51.6% | 21.9% | 24.9% | 1.6% |
参照元:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果|知るぽると (shiruporuto.jp)
二人以上世帯は単身世帯と比べて保険の加入割合が高いことが分かります。
家族のことを考えて加入するケースが多いのでしょう。
そのためか二人以上世帯は全体を通して投資割合が高くありません。
単身世帯と二人以上世帯で、金融資産保有状況は大きく異なっています。
お金を管理するにあたり短期的・中期的・長期的に考える
お金を管理する上で短期的(貯金)・中期的(貯金)・長期的(投資)に考えることが欠かせません。
それぞれの期間の目標を加味した上で、貯金と投資に振り分けることが大切です。
つまり貯金と投資のバランスは将来の目標によっても異なり、明確な正解はないのです。
ここからは短期的・中期的・長期的な考え方について、より詳しく説明していきましょう。
短期的なお金とは
短期的なお金とは、緊急時に対応できるお金のことを指します。
病気やケガで働けなくなったり、失業したりした場合は緊急でお金が必要になります。
そういったときも対処できるように、現預金でいつでも引き出せる状態にしておきましょう。
目安は生活費の3ヶ月~半年分です。
急な出費にも対応できるように、短期的なお金を蓄えておくことは欠かせません。
中期的なお金とは
中期的なお金とは、今後10年以内に使う予定のあるお金を指します。
例えば住宅ローンや車のローン、子どもの教育費などが挙げられるでしょう。
中期的なお金は使う金額や時期が決まっています。
ということであれば、投資といったリスクを取る方法はおすすめしません。
定期預金や債券など、リスクが少ないかつ確実に貯金できる方法で資金を管理することをおすすめします。
そもそも使い道が決まっているお金は、投資に使わない方が良いです。
投資に費やしてしまうと、いざ引き出したいときに大きく価格が下がっている可能性もあるからです。
中期的なお金に関しては、投資よりも貯金で貯めた方が無難かつ確実でしょう。
長期的なお金とは
長期的なお金とは、10年後も使い道が決まっていないお金を指します。
この長期的なお金は収益性を重視し、利回りでお金を増やしていくことが大切です。
言い換えると長期的なお金を投資で運用することで、老後生活などの将来へ備えます。
資産を形成(ポートフォリオ)させるためには国内株式や外国株式、国内債券や外国債券など分散投資するのが鉄則です。
また投資信託を利用する方法もあります。
いずれにせよ長期的に保有し、少しずつ資産を増やしていくことが大事です。
慣れてきたら中期的なお金・長期的なお金を組み合わせて投資するのも良いでしょう。
社会人のおすすめの貯金方法
一番手軽な貯金方法は貯金専用の口座を開設し、毎月の給料日に一定額を移す方法がおすすめです。
他には会社の財形貯金制度を利用したり、社内預金制度を活用したりする方法もあります。
積立定期預金(毎月一定額を普通預金から定期預金に移す)を利用するのもアリでしょう。
目安として1人暮らしなら手取りの1~2割、実家暮らしなら手取りの3~4を貯金に回しましょう。
もし貯金後に余剰資金があれば、そのお金を投資に回すのも選択肢です。
ある程度資金が溜まれば、今度は重点的に投資へお金を振り分けるのも選択肢に入ります。
投資にお金を回すことでインフレ対策にもなる
投資にお金を回せばインフレ(物価の上昇)対策にもなり、現預金の価値の目減りを抑えられます。
近年、世界ではインフレ率が高騰化し、アメリカは2022年2月の消費者物価指数が前年同月比で「+7.9%」となりました。
(参照元:【米国】消費者物価指数(CPI) – 経済指標 – Yahoo!ファイナンス)
またEU(欧州連合)の2022年2月の消費者物価指数も前年同月比で「+5.8%」となっています。
(参照元:【ユーロ】消費者物価指数(HICP、速報値) – 経済指標 – Yahoo!ファイナンス)
日本はバブル崩壊以降、物価は横ばい傾向にありましたが、円安や原油、気候などの影響で次第と持続的に物価が上昇していくことも考えられます。
持続的なインフレが続くと、金融資産を現預金で持っていても目減りしてしまうのです。
なぜインフレが常態化すると資産は目減りしてしまうのか?
インフレは物の値段を上げるだけではなく、同時に資産の価値も下がってしまいます。
例えば年2%の物価上昇なら、1,000円の商品は1年後に1,020円になります。
つまり現在は1,000円で買えたとしても、1年後には1,000円で買えなくなるのです。
なぜなら、お金の価値が下がってしまったからです。
現在の貯金が1,000万円だとして、年2%のインフレだと1年後の価値は980万円【1,000万―(1,000万×2%)になります。
年2%の物価上昇が20年続くと仮定すれば、1,000万円の価値は672万円まで目減りしてしまいます。
資産運用で価値の目減りは抑えられる
資産運用をすることで、価値の目減りをできるだけ抑えられます。
例えば年1%のインフレが続いたとしても、それを上回る運用利益を確保できれば、資産の価値は下がりません。
そのためには預貯金でお金を管理するだけでなく、国内・国外の株式に投資信託で分散投資する必要があります。
投資信託は短期的な視線では元本割れする可能性もありますが、長期的(10年~)に見れば高めの運用益が期待できるでしょう。
節約をして支出自体を抑える方法も
節約することで支出自体を抑え、お金に余裕を持たせることも大切です。
特に毎月支払う必要がある固定費の見直しは欠かせません。
例えば生命保険・医療保険のプランは適切か?余計なオプションを選択していないか?などの見直しが挙げられます。
火災保険も同様です。
また車の維持にはコストがかかるため、レンタカーやカーシェアを活用する方法もあります。
まずは家計簿などを活用して毎月の支出の内訳を把握し、削れる部分はないか考えてみましょう。
おすすめの投資方法3選!
投資をするといっても、投資を始めてする人は何をすれば良いのかサッパリ分からないですよね。
そこでおすすめかつ無難な投資方法を3つ紹介していきます。
資産運用においては、下記のいずれかの投資をするだけで十分です。
- ①おすすめの投資方法①「NISA・つみたてNISA」
- ②おすすめの投資方法②「iDeCo(個人型確定拠出年金)」
- ③おすすめの投資方法③「ロボアドバイザーを使った投資信託」
1つずつ簡潔に説明していきましょう。
おすすめの投資方法①「NISA・つみたてNISA」
NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
非課税投資枠(年間) | 120万円 | 40万円 |
控除対象(非課税) | 運用益 | 運用益 |
非課税期間 | 最長5年間 | 最長20年間 |
投資可能期間 | 2023年まで(2024年~新NISAへ移行) | 2042年まで |
投資対象商品 | 株式・投資信託 | 投資信託(金融庁の基準を満たしたもの) |
途中引き出しの有無 | いつでも可能 | いつでも可能 |
金融機関の変更 | 年に1度のみ変更可能 | 年に1度のみ変更可能 |
NISAは2014年に始まった“少額投資非課税制度”です。
NISAの大きな特徴として、専用口座を開設して投資をした際、得られた利益の税金を非課税にできることが挙げられます。
通常の口座では、株式投資などで利益が出ると「20.315%」の税金が課されます。
NISA口座は年間120万円までの投資にかかる税金に対して、最長5年間を非課税(120万円×5年=600万円)にできるのが特徴的です。
国内株式だけでなく外国株式にも投資でき、投資対象が幅広いのも売りの1つです。
つみたてNISAは2018年1月に始まった“少額からの長期積立・分散投資を支援する制度”です。
つみたてNISAでは毎年40万円までの投資にかかる税金を、最長20年間非課税(40万円×20年=800万円)にできるのが特徴的です。
また投資対象は金融庁が定めた投資信託のみとなっており、安全に投資をおこなえるのも魅力的でしょう。
おすすめの投資方法②「iDeCo(個人型確定拠出年金)」
iDeCo | |
---|---|
非課税投資枠(年間) | 約14~82万円(加入条件で異なる) |
控除対象(非課税) | 運用益、所得税・住民税 |
非課税期間 | 70歳まで |
投資可能期間 | 60歳未満まで |
投資対象商品 | 保険・定期預金・投資信託 |
途中引き出しの有無 | 原則60歳まで引き出し不可 |
金融機関の変更 | 変更可能 |
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」とも呼ばれ、主に“将来の老後生活資金の運用を支援する年金制度”を指します。
個人でお金を拠出して、将来の年金額を貯めながら資産運用していくのがiDeCoです。
月々5,000円の掛金から始めることができ、運用利益も非課税に加え、掛金自体も全額所得控除とメリットだらけです。
注意点としては、原則60歳までは資金の引き出しできません。
短期的・中期的なお金の管理には向いていないので、注意しておきましょう。
おすすめの投資方法③「ロボアドバイザーを使った投資信託」
投資信託をするなら、ロボアドバイザーを使った投資信託を活用しましょう。
そもそも投資信託とは、投資家から集めたお金をファンドマネージャー(資産運用のプロ)が運用し、その成果が投資額に応じて投資家へ分配される仕組みとなっています。
全ての取引をファンドマネージャーが代わりにおこなってくれるため、投資の知識がない初心者におすすめの資産運用方法ですが、投資する商品・ファンド自体は自分で選ばなければなりません。
ロボアドバイザーは簡潔に言うとAIであり、種類は助言型と投資一任型の二通りです。
助言型のロボアドバイザーはアドバイスのみですが、投資一任型のロボアドバイザーは実際の投資までしてくれます。
助言型は最終的に自分で商品・ファンドを選ぶ必要がありますが、投資一任型のロボアドバイザーは最適な商品・ファンドを選んでくれる上に、その後の運用もAIに任せられます。
ロボアドバイザー型の投資信託としては、ウェルスナビや楽ラップなどが有名です。
まとめ
この記事では、世間一般的な貯金・投資のバランスやお金を貯金もしくは投資する上での考え方、おすすめの投資方法などを解説しました。
年代や家族構成、お金の使い道によって最適な貯金・投資のバランスは変わってきます。
自分自身の年齢や家族構成、将来的な使いみちを加味した上で、貯金・投資にお金を振り分けると良いでしょう。
この記事が少しでも参考になったなら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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