高齢化は待った無しの国家的問題。しかも有効な対策は未だに出てはいません。このままでは人口減少が進み、経済をはじめとした様々な部分で不具合が生じると思われます。
さて、その余波は個人の生活にも悪影響を及ぼそうとしています。特に年金問題は大きな課題。ほとんどの人は将来の生活を早い内から考えなければならないのです。
ところで、その様な現状を受けて不動産投資が年金対策としてクローズアップされています。将来の布陣として有効だと言われているのです。
しかし、不動産投資はそこまで万能なのでしょうか。
そこで、ここでは不動産投資を年金対策として位置付けた場合について考えてみたいと思います。
もくじ
年金の現状と未来について
最初に年金の現状について再確認してみましょう。
現在の年金の状況について
現在の年金の状況は非常に良くありません。年金システムは少子高齢化の波を受けてしまい、若い人たちが大勢のお年寄りを抱える様になっているからです。そのため、年金そのものが減額に走り、受給開始年齢も遅らせています。
そして、年金は財源でも問題が出ています。理由はいくつもあるのですが、若い世代の人数の問題だけでなく、収入の少なさなども影響しているとも思われます。
年金の払い込みは報酬に応じて決まる仕組みなのですが、肝心の若い世帯の所得が伸び悩んでしまい、年金に回る費用までもが落ち込んでいるからです。ちなみに、この若い世代の低所得化にも打つ手はあまり無く、年金の問題をこじらせています。
年金の将来はどうなるか
この様に、年金を巡る状況は良くありません。そして、好転する様なニュースも聞くことはありません。
そのため、年金システムの悪化は続いて行くと思われます。現在で65歳受給のところが70歳以上にまで伸びる可能性もあり、非常に良く無いことにもなり得ます。
その一方で日本は長寿大国でもありますので、これからもお年寄り世帯の増加も見込めます。つまり、年金を必要とする世帯に十分なお金が行かなくなり、生活に困る様にもなり得るのです。
これからは年金対策が必要となる
その様な訳で、老後の備えは自助努力に頼らざるを得ない可能性が高くなっています。しかも、少子化は待ったなしの状態。
まさに「自分の身は自分で守る」ことが不可欠になってしまうのです。つまりは年金対策が必要で、しかも長期的に安定した収入が得られる手段が重要となるのです。
そこで着目されたのが不動産投資です。不動産であれば物件を持っている限り入居者からの家賃収入が見込め、しかも次世代に遺すにしても有利な面があるからです。
不動産投資の特徴
それでは不動産投資にはどの様な性格があるのでしょうか。
ここでは年金対策に関係する部分を挙げてみましょう。
長期間に渡って収入を得られる
まず挙げられるのが「長期間に渡って収入を得られる」点です。
マンションなどの不動産は非常に耐用年数が長いです。マンションなどの鉄筋コンクリート造の場合、行政が定める法定耐用年数でも47年。実際の耐用年数に関しては50年とも60年とも言われます。
そして、家賃には変動が発生しますが、それでも長い期間に得ることが可能なのです。定年を迎えた後も継続した収入となります。年金対策に有効なのです。
次世代に引き継ぐことが可能
また、不動産には年金以上のメリットがあります。「次世代に引き継ぐことが可能」と言う点です。
不動産の耐用年数は非常に長期間。仮に50年だったとしても子供世代でも十分に利用が可能なのです。
しかも、今のリフォーム技術を使うならば、良好な状態の維持も可能。家賃レベルをあまり落とすこと無く次世代に渡すことが可能なのです。
年金対策としての投資用物件の条件
不動産投資にはある程度の期間が経過したら売却して利益を確定する手法と、長期間利用して家賃収入を得続ける手法の2つに大別出来ます。年金対策とするのは主に後者です。
ところで、不動産を投資用として使うならば、物件においても有利となる条件があります。では、どの様な条件が挙げられるのでしょうか。
立地条件の良い物件
最初に挙げられるのが「立地条件の良い物件」です。
不動産の価値を考える場合、「土地の利便性」と「建物の利便性」が魅力を決める大きな条件となりますが、前者の「土地の利便性」が有利な点として非常に長く継続します。
と言うのも建物はどうしても老朽化してしまうため。その点、土地に関して魅力を決める条件・交通の利便性などは変わりません。やはり立地条件が大切なのです。
長期間使える物件
次に挙げられるのが「長期間使える物件」であることです。
先にも挙げましたが、建物はどうしても老朽化してしまう物。それに伴って利便性も低下してしまいます。年月が経ってしまえば設備にしても外観にしても、老朽化してボロボロになってしまうのです。
しかし、老朽化は構造によってスピードが異なります。例えば、木造のアパートと鉄筋コンクリートのマンションでは、耐用年数を考えた場合には鉄筋コンクリートのマンションの方が有利。それだけ長期間使え、投資用物件として使えるのです。
また、不動産は次世代にも引き継げる資産ですが、次世代に引き継ぐためには長い耐用年数が必要。鉄筋コンクリート造の様な長期間使えることが条件となるのです。
基本性能の優れる物件
建築物には様々な基本性能があります。代表的なのは耐震性や断熱性など。それによって生活の安全性や快適性が違って来ます。
さて、不動産投資を年金対策とするならば高いレベルの家賃収入を持続させなければなりません。そして、家賃の高さは物件の基本性能にも関係します。
つまり、安全で快適な生活が出来る物ほど家賃を高く設定出来るのです。ですから、年金対策とする場合も基本性能の良い物件とすることが大切になります。
メンテナンス性の良い物件
物件の基本性能と関係する点ではありますが、長期間使うためにはメンテナンス性の良さが物件の維持に大きく関係します。
建物は先に挙げた様に、どうしても劣化して行く物。ですから、長期間利用するためにはメンテナンスが必須で、継続しなければなりません。
しかし、建物にはメンテナンス性がしっかりと配慮されている物と、そうでない物があります。例えば配管の交換が簡単なのかどうかなど。交換しやすい方が長期間使えます。
そして、長く家賃を得るならば長期間の使用が条件。メンテナンス性の良い物件で無ければならないのです。
物件購入の際の注意点
この様に投資用の不動産は性能に条件が発生するのですが、良い物件を入手するには購入に関しても注意事項があります。闇雲に選んでしまうと後で不具合が発生するので、しっかりと把握する様にしましょう。
購入の前に十分に研究する
不動産は様々なタイプがありますが、投資用物件は一般の住宅と違う特徴があります。
ですから、マイホームの購入の条件と重ね合わせ過ぎるのは得策ではありません。投資用不動産の購入を成功させるためには、特有の知識が必要なのです。
そのため、購入の前には十分な研究が必須となるのです。
例えば、マイホームを購入するのであれば新築の方が使い勝手も良くて快適な生活が可能ですが、投資用物件であるならば新築よりも中古の方が利回りは上がります。また、次世代を見据えて長く使わなければならないので、構造と耐用年数の関係性なども知っておかなければなりません。
これらはマイホームの購入とは違う点。研究は非常に重要なのです。
自己資金と借入の計算をしておく
不動産投資で利益を上げるためには銀行融資を利用する方が得策。融資を利用するならば、より大きな投資が可能となるため、リターンを大きく出来るからです。
しかし、銀行融資を上手にするためには自己資金と借入の計算をしておかなければなりません。と言うのも、不動産投資は物件管理などにも資金が必要だからです。
例えば、物件には日常的な不具合の発生があり得ます。配管が破損をするかも知れませんし、雨漏りなども起こるかも知れません。当然ながら修繕には即日に動かせる資金が必要。
借入とバランスを保ちながら運用しなければならないのです。
銀行対策が必要
この様に不動産投資には銀行の融資が必要なのですが、融資を上手に引き出すためには銀行対策もしなければなりません。
不動産投資の融資は住宅ローンと異なり、事業用の融資だからです。
例えば、住宅ローンの場合には返済途中の経済状況を聞かれることはありませんが、不動産投資の場合は聞かれることがあります。銀行に対して事業の状況を報告する必要が出るのです。
そのためには経営の状況なども記録しておかなければなりません。銀行対策は非常に大切となるのです。
保険の研究も忘れない
投資用物件は様々なリスクを抱えます。そして、リスクの中には避けることが困難な物も少なくありません。
例えば火災や地震などの災害。これらは建物の性能を上げたとしても回避は困難なのです。
さて、火災保険や地震保険はその様なリスク対策となるのですが、保険は契約によって異なり、細則の部分まで知っておかなければなりません。そのためには契約前の研究が必要。補償の内容や条件までも把握した上で契約しないと、後で不具合を受けることもあり得るのです。
投資用物件の運営上の注意
次に、賃貸不動産としての運営上の注意点を挙げてみましょう。
不動産投資は「物件を買えば自動的に入居者が入る」と思われがちですが、その様な性格ではありません。入居者が物件の生活に満足して、その納得を元にして家賃が支払われるのです。ですから運営においても知らなければならないことが多くあるのです。
ここでは、運営の際の代表的な注意点を挙げてみましょう。
リスク対策は入念に
不動産投資には、先に挙げた災害リスクの他にも様々なリスクが存在します。物件運営を健全に続けるには、リスク対策を入念にしなければなりません。
例えば、不動産投資のリスクの代表としては「空室の発生」や「家賃の減額」がありますが、これは対策の取り方によって現れ方が大きく異なります。
物件のメンテナンスを確実にしていれば快適性が維持されて空室が発生しにくくなります。
しかし、メンテナンスをなおざりにするならば、物件の劣化が進んでしまい、快適な生活が困難になってしまいます。その結果として空室や家賃の減額が発生するので、リスクはしっかりと対策を取らなければならないのです。
業者に丸投げは禁物
不動産の運営は不動産管理会社に委託することで、オーナーの負荷がずいぶん軽くなります。
不動産管理会社は家賃の集金から修繕、そしてトラブルの処理までしてくれるので、運営には非常に役立つのです。
しかも管理会社は多くのノウハウを持っているので、物件をより快適にすることが可能なのです。
しかし、いくら頼れる存在と言っても、仕事を丸投げにするのは望ましくありません。管理会社との連携は強く持たなければならない一方で、管理会社そのものを管理しなければならないのです。
ビジネスパートナーは大切に
不動産投資は不動産管理会社や銀行の他にもビジネスパートナーが存在します。例えば、物件の運営にはコンサルタントの助力が必要となるかも知れませんし、税金対策には税理士の出番が来るかも知れません。
当然ながら、これらのビジネスパートナーはパフォーマンスを発揮してもらうためにも、関係を大切にしなければなりません。
ですから、「こちらは客だから」と言う考えを捨て、共同して不動産経営に当たる心構えでいる必要があるのです。
まとめ
不動産投資の年金対策としての利用について取り上げました。不動産投資の有効性やリスクがイメージ出来たことと思います。また、注意点なども掴めたことでしょう。
不動産は長期間に渡って使うことが可能な資産。上手に使えば次世代にも引き継げるので、しっかりと研究してより良い運営をしましょう。
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