不動産投資を始めようと思う人の多くは「自分の年収で大丈夫」であるかを考えることでしょう。と言うのも不動産投資は投資用物件が必要。多額の資金が必要だからです。
しかし、不動産投資は収入から可能な投資規模を逆算出来ない訳ではありません。確かに多くの不確定要素はあるのですが、収入からある程度のビジネスモデルの立案は可能なのです。
そこで、ここでは年収で300万円・500万円・1000万円の例を取り上げ、どの様な投資が可能であるかを検討したいと思います。
もくじ
不動産投資で立てるべき重要な計画
不動産投資は計画性が大切です。これは年収に関係無く必要。仮に自転車操業にしてしまうとビジネスが座礁してしまいます。
逆に、計画をしっかり立てておくならば、仮に年収が違った場合でも柔軟な対応が可能です。
そこで、ここでは不動産投資のスタートの際に立てるべき計画を挙げてみましょう。
資金計画
資金計画はローンの借入から返済までを考えなければなりません。また、税金や修繕費用なども計算が必要です。これらの計算は多くの条件を組み合わせなければならないので、非常に複雑です。
しかし、今では資金の動きはシミュレーションで計画を立てることが可能です。シミュレーションの中には空室率を計算に入れられる様な物も出ています。ぜひとも活用して精度の高い計画を立てましょう。
物件の仕様
物件の仕様も大切です。新築にするか中古にするかでも違いますし、アパートにするかマンションにするかでも全く異なります。また、それによって資金の額や借入期間なども違って来ますので、あらかじめ決めなければなりません。
ちなみに、築年数が経った物件の場合にはリフォームの検討が必要な場合もあります。それによって発生する費用も異なります。投資費用を考える上でも物件はしっかりと考えておきましょう。
管理の計画
不動産投資は管理が非常に大切です。管理が悪い場合は空室発生などもあり得るからです。
そして、管理の方法によっては発生する費用も異なります。自主管理と不動産管理会社に委託する場合では、発生する費用が違います。ですから、管理もキャッシュフローに大きく関係するので、十分な検討が大切です。
売却の計画
出口戦略を前提にする投資であれば、可能な限りはじめの方で売却に関しても考えた方がベターです。と言うのも、売却は相手があってのアクション。チャンスを見過ごしてしまうと物件の価格が落ちてしまい、収益が減ってしまい得るからです。
ですから、収益性を最初に把握しておき、物件の価値が落ちるのを勘案して、一応であっても売却のスケジュールを考えておくことが大切です。
不動産投資における資金の借入について
さて、不動産投資には銀行の融資が欠かせません。投資用の不動産は高額なため、資産家で無い限り簡単には買えないからです。
また、レバレッジを効かせて更なる収益を得るためにも銀行の融資は必要です。
しかし、融資を利用するためには融資について詳細に知っておく必要があります。そして、融資は収入との関連性も深いので、やはり知識は持つべきです。
そこで、ここでは資金の借り入れや物件の扱いなどについて知っておくべき項目を挙げ、解説したいと思います。
自己資金との関連
不動産投資の場合、自己資金は物件の3割程度は欲しいです。これは頭金が2割で諸経費が1割の計算。300万円あったとしたら1000万円くらいの借入が見込めます。この金額の差は収益を上げるためにも効果は大きいです。
ただし、これは投資家の就いている仕事によって属性が変わり、有利であるならば更に借りることが可能。また、担保の状態が良ければ自己資金に比較して多くの資金が使える様になります。
仕事の属性との関連
仕事の属性によって借入の立場が変わります。属性が良い方が有利なので、一般には公務員や上場企業のサラリーマンなどが良い立場に立てます。
ところで、年収と仕事の属性を考えるならば、属性の良い方が収入の面でも有利。同じ年齢でも年収も多いので、収入面でも同期し、立場的に良くなります。
年収と借入可能額
借入可能な額は年収の10倍程度と言われます。ですから、年収が300万円の場合は3000万円、500万円の場合は5000万円、1000万円の人は1億くらいまでが可能となるでしょう。
ただし、これも仕事の属性やその人の年齢によっても変わって来ます。あくまでも目安です。
借入可能期間
借入可能期間はその人の年齢と物件の構造などによって決まります。
年齢としては定年までの期間が長い若い人の方が有利ですし、物件としては法定耐用年数が長い方が有利です。また、築年数も耐用年数に関係するため重要な要素となります。一般には木造が短く、マンションなどの鉄筋コンクリートの物が長くなります。
年収300万円の人の不動産投資
年収が300万円クラスは収入がそれほど上がっていない若い世代、あるいは元々の収入が少ない人がいます。
借入可能な資金について
先にも挙げた様に、年収300万円の人は借りることが可能な額は大体3000万円くらいです。ですから、仮に自己資金が物件の3割程度とするならば4000万円くらいまで狙うことが可能です。
ただし、年収が300万円とは言っても就いている仕事の属性によっても異なります。と言うのも、若い公務員や上場企業社員が居る一方で、そうでない年収300万円の人もいるから。借入の優位性は、やはり違います。
借入期間について
借入期間は投資家の年齢や物件によって決まりますが、定年までの期間が長い若い人が有利です。
ですから、例えば耐用年数の長い鉄筋コンクリート造などを若い人が購入する場合が長い期間の融資を受けられます。しかし、いくら若くても物件が不利な場合はその様には行きません。木造の中古物件などの場合には期間が短くなってしまいます。
おすすめの投資1 ワンルームマンション投資
その様な背景があるので、年収300万円クラスの人は可能な投資が限定されます。可能性のある投資先ですが、まず挙げられるのがワンルームマンションです。
ワンルームマンションは鉄筋コンクリート造が多いため借入可能な期間が長く、しかも価格が抑えられます。年収がまだ上がらない300万円くらいの人に良いでしょう。
ちなみに、売却を上手にするならば新たな投資を狙うことも可能。しかも昇給するならば、より大きな投資が可能となります。
おすすめの投資2 ファミリータイプの区分マンション投資
次に挙げられるのがファミリータイプの区分マンションです。
年収300万円のクラスであれば、都市部の中古マンションであればファミリータイプも狙えます。
ちなみにマンションの様な鉄筋コンクリート造の場合は法定耐用年数が47年です。長持ちしますので借入期間も長くなるので、仮に中古であったとしても十分な借入期間確保することが出来ます。
年収500万円の人の不動産投資
次に年収500万円の人について考えてみましょう。
借入可能な資金について
先にも挙げた様に、借入可能額は年収の10倍程度、ですから5000万円が目安となります。その場合の経費を3割と考えると購入可能な物件は7000万円が目安となります。
借入期間について
借入期間は年齢にもよります。年収が500万円のレベルを考えるならば属性の良い仕事の人であってもそれなりに年齢を重ねているので、25~30年が一応の目安になるでしょう。
おすすめの投資1 区分マンション投資
さて、年収が500万円の人が7000万円まで借りれるとなると、区分マンションであっても非常に良質な物件を購入することが出来るでしょう。場所や築年数などにもよりますが、大都市の条件の良い物件が狙えます。
おすすめの投資2 戸建て住宅投資
7000万円くらいになると良質の戸建て住宅も狙えます。しかも、7000万円クラスの住宅となると、品質として非常に高いレベルの物件が購入可能です。
住宅も構造によって耐用年数が異なりますが、非常に長く使える物が買えるでしょう。
おすすめの投資3 アパート投資
7000万円が目処になるとアパートも射程に入ります。しかも、7000万円クラスのアパートであれば、条件の良い物が狙えます。
ちなみにアパートの場合はワンルームマンションなどと違い、街の中央部よりも少し郊外に出た地域に多くなる物。土地代が抑えられることもありますので、売却には注意が必要と言えます。
年収1000万円の人の不動産投資
次に年収1000万円の人について考えてみましょう。
年収1000万円クラスになると資金的にも余裕が出来て、大きな投資が狙えます。
借入可能な資金について
年収1000万円クラスになると借入可能額は億のレベルに手が届きます。億の費用を動かせるならば、大型の投資用物件の購入が可能です。大きなリターンを狙うことが出来ます。
借入期間について
年収1000万円クラスになると定年までの期間があまり無い場合が多いです。そのため借入期間も短くなります。
大きな物件を狙えはするのですが、借入期間とのバランスを取らなければならず、絶妙の経営センスが要求されます。
おすすめの投資1 区分マンション投資
年収1000万円クラスであれば億の資金を動かすことが可能。区分マンション投資の場合は非常に高いレベルの物件が狙えます。
このレベルになると物件の状態だけでなく、立地の点でも最高峰の物を狙うことが出来るでしょう。
ただし、物件の全体数があまり多く無いので、狙う場合には流通を見張ってなければなりません。
おすすめの投資2 アパート投資
数億の資金があればアパートの購入も可能。しかも高品質の物件が買えます。
アパートも立地が大切になりますが、億の資金があれば良い土地の物件の手配が可能となるでしょう。
おすすめの投資3 1棟マンション投資
1棟マンションも様々ありますが、億の費用に手が届くのであれば射程に入ります。小規模になるかも知れませんが、立地の良い地域に持つことも可能です。
1棟マンションはリターンも大きいです。ぜひとも狙いたい物です。
敵か味方か銀行対策の注意点について
ここでは注意点を挙げてみましょう。不動産投資には銀行の協力が欠かせませんが、銀行は付き合い方を間違えてしまうと難しい関係になってしまいます。行動には注意が必要です。
退職する場合
不動産投資の仕事が順調になって収益が増えて来る場合、人にもよるでしょうが退職を考えることも多いと思います。退職すれば不動産投資に時間を割けるだけでなく、自由な時間を持つことも可能となるからです。
しかし、早計な退職は良くないことも多いので注意が必要です。
特に公務員や会社員の人の場合は良い属性の仕事から外れることになります。その結果、新たに融資を引き出すことが困難にもなり得るので、事業の拡張と併せて考えなければなりません。
また、不動産投資は会社員よりも収入は不安定です。じっくり考えて退職するかを考えましょう。
借り換えについて
借り換えは不動産投資ローンでもあり、使い方によっては返済しやすくも出来ます。と言うのも利子の部分を抑えられるからです。
また、借り換えを契機にして新規の金融機関を探し当てられるかも知れません。仮にそれが成功したならば、借り換えのメリットは倍増することでしょう。
ただし、借り換えには費用が別途に必要となる場合もあるし、銀行に嫌われるかも知れません。
ですから、メリットとデメリットの双方を計算に入れて判断することが大切です。条件を良く確認してトータルで動く様にしましょう。
まとめ
年収が300万円・500万円・1000万円の人の不動産投資について考えてみました。年収で購入可能な物件が掴めたことと思います。また、その物件が決定する条件も把握出来たことでしょう。
また、収入があまり無くて不動産投資そのものを諦めていた人に、投資をスタートさせる可能性があることも分かったことと思います。
いずれにせよ、不動産投資は身の丈に合った物を選ぶことが大切。自己資金や仕事の属性などを十分に考え、銀行に行く様にしましょう。
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